多摩川を歩く~出発(たびだち)編~ その1
何故、こんな事をやろうと思ったのかは、自分でも解らない。多摩川を、河口から源流まで歩いてみたいと思ったのだ。もっともこんな事は、突然フッと思いつくので、何故もどうしても無いのだ。思いついた事はすぐに行動するのが、私のいいところ。(『考え無しに行動する』という批判もあるが、全く気にしない。) しかし、今回はさすがに躊躇した。多摩川の源流がどこかは調べてもいないが、仮に奥多摩湖だとしても100km以上はゆうにある。1週間位はかかるかもしれない。そんなに仕事をサボるわけにもいかない。いや、その前に体力的に無理だと思う。
そこで、都合のいいルールを考え出した。何回にも分けて歩こう。気の向いた時だけ。1日何kmとかは決めない。歩き疲れたら、その日はおしまい。次回、またそこから歩き始めればいい。そんな感じで、河口から源流まで歩いてみよう。半年がかり、もしかしたら1年かかるかもしれないけど。いかにも私らしい、テキトーなルールだ。
そして、電車とバスを乗り継いで、多摩川の河口にやってきました。
ここは、廃止になったフェリーターミナル。羽田飛行場の対岸です。次々とやってくる飛行機を、しばらく眺めている。別に飛行機が好きなわけではないが、こんなに近くを低空で飛ぶ飛行機は、さすがに迫力がある。
時間は、10時15分。さあ、はるかかなたの源流に向かって出発だ。
ところが、いきなり挫折する。川沿いには工場が立ち並び、工場の敷地に入らなければ、川沿いを歩けないのだ。若い頃の私なら、フェンスを乗り越えていたかもしれない。でも、年と共に私もちょっとだけお利口になっているので、そんな事はしない。こんなどうでもいい目的の為に、不法侵入で捕まったりしたら、妻子が可哀想なのである。いまでも十分可哀想なのだから。ここは、川から離れるが仕方が無い。大工場が立ち並ぶ国道を歩く事にする。
歩いても歩いても、延々と工場が続く。そう、ここは京浜工業地帯の中心なんだ。50分ほど歩いて、ようやく川の土手に出られた。
ちょっとホッとする。無機質な工場群の中を歩くのはちょっと苦痛だったのだ。
土手には夏草が生い茂っている。
ワルナスビの群落もあった。嫌われ者の野草だが、薄紫の群落はけっこう綺麗だ。
急ぐのが目的ではないから、のんびりのんびりと歩く。もともと歩くのは好きなんだ。
何か足元でざわざわとした気配を感じる。カニだ! 石の間に、ヨシの根元に、ものすごい数のカニがいる。何百匹・・・何千匹かもしれない。
なんというカニかは解らない。しかし、こんな発見もまた、嬉しかったりする。
そうこうするうちに、六郷橋が見えてきた。時間は、まだ12時前。これは、一日でけっこう歩けるかもしれないよ。
と、ここまでは元気いっぱいです。
(第1日目の旅、続きは明日)
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