2018/05/13

弁天沢

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先週(5/6)のAYさんの記事を読んで、久しぶりにヤマシャクヤクを見てみたいと思ったのだった。
希少なヤマシャクヤクの生息地を荒らさないための配慮だろう。AYさんはそのルートを明らかにしていないが、記事の文面から場所は推測が付いた。
どうせならAYさんと同じ弁天沢を登って行こう。AYさんのパクリになってしまうが・・・。もっともAYさんはコースをアップしていないんだから同じかどうかはわからないが・・・まあ、ほとんど同じコースだと思う。

といっても、リスペクトするAYさんがルート図をアップしていないんだもの。オイラもアップするわけにはいかない。
というわけで、今回のルートのアナウンスは「弁天沢を登ってきました」というだけです。

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2018年5月13日

前日昼頃の天気予報では夕方から雨になっていた。「夕方からならOK。決行だ。」と思っていたのだが、朝チェックすると13時から雨に変わっていた。
どうしようか・・・と迷ったがせっかくの休みだしと出発する。
ショートコースだし、13時には帰還できるだろう。様子によってはコース変更もありだ。

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塩水橋に車を停めて7:30スタート。
さすが雨予報が出てるだけあって、いつもは車でいっぱいになる林道ゲート下の路駐車は3台だけ。5月の日曜日でこんなにすいてる事ってある?

塩水林道をテクテクと歩いて、弁天沢の出合に下降する。
が・・・ミスった。『二つ目のヘアピンカーブの手前を降りたら弁天沢』と思い込んでいた。
ああ、ここだ、ここだ。と林道から沢へ下降したが弁天沢が無い。
「???」だった。しかも「何故??」と思いながら上流へ向かって歩いてしまった。
しばらく上流へ歩いて、初めて地形図を取り出し確認する。
下じゃん!
間違った思い込みのせいで、弁天沢出合の少し上流で塩水川へ降りていたのだ。

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なんて、プチアクシデントもあったが、弁天沢出合に到着。
クソっ。15分くらいロスしたか。急いでるっていうのに・・・。

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いきなり弁天沢を遡行しないで、まずは左岸の尾根に取り付く。
出合からしばらくは堰堤が続くからだ。
尾根を30m程登ると、弁天沢上流へ向かって水平経路が現れる。
この経路は最後の堰堤の直下まで続いている。
ここは以前歩いた事があるので覚えていた。

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最後の堰堤の直下で沢へ降りて沢を遡行する。
なかなかいい渓相の沢だ。

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しばらくは小滝とゴーロが続く。
傾斜はそこそこキツイ。
そのせいか、ゴーロ歩きもそれなりに面白い。

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しばらく歩くと3mほどの小滝。手前の二筋の流れは湧水だ。
この小滝を越えたら、水が涸れてしまった。

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5m涸棚。

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そして、立ちふさがるほぼ垂直の涸棚。15mくらいあるか。
クライミングの達人ならフリーで登れるかもしれないが、オイラにはとても登れない。
左から巻いたが、やさしくは無かった。岩がちの斜面を登って巻くのだが、岩が動くし、勾配はキツくて限界ギリギリ。けっこう痺れる巻だった。

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再び水流が復活して、3m+5mの滝。
正面突破できそうな気もするが、黒光りする岩は滑りそうでイヤ。
左手をよじ登った。

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その後もクライミングチックな登りが続く。

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ゴルジュの中の小滝登り。

いやあ~、なかなか面白い沢だ。
良い沢だなぁと思った。

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標高880m二又。時刻は9:40。
もう少し沢を登りたい気持ちがあったが、13時までに塩水橋に帰るなら、そろそろ尾根に上がり時かもしれない。本間ノ頭まで、まだ470mもあるからな。
水もすっかり枯れたようだし、この二又の界尾根に上がろう。

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取り付きはなだらかな尾根だったが、すぐにワイルドなヤセ尾根の様相を見せ始めた。

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岩がゴロゴロする尾根をしばらく登ると、岩の壁が尾根を塞いでいた。
ルートを見極めながらよじ登る。

なかなか面白い。大好物だよ、こういう尾根。

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岩の壁を越えた後は、尾根から岩が消えた。
傾斜はきついが自然林の良い尾根だ。
胴回りが3mを越える栂(たぶん・・・)の巨木やブナの巨木が点在している。

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人の手が一切入っていない森なんだな。そんな雰囲気がした。
原始の姿がそのまま残る隔絶された尾根なんだ。
あちらこちらに倒れて朽ちる巨木。それがまた、その雰囲気を醸し出していた。

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そして、シロヤシオがちょうど盛り。
今年は例年よりもだいぶ早いね。

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トウゴクミツバツツジは、だいぶ花が散っていて、残っている花はわずかだった。

11:10頃 本間ノ頭のピークの東20mほど下で、登山道に飛び出す。

それにしても良い尾根だった。
下部は荒々しい岩尾根。
上部は原始林の雰囲気。
宝物の尾根を見つけた気分だ。

さて。
13時までに戻るつもりなら、急いで下山しなければ。
多少の雨に濡れるくらいはかまわないのだが、気がせくのはあいつらのせい。そう、雨が降り出すと、ヤマビルがウヨウヨとうごめきだす。
急ぎ足で帰路に就く。もちろんお目当ての花を探しながらね。

1週間前にAYさんが固い蕾が多いと言っていたヤマシャクヤク。驚くことにほとんどが散った後だった。
びっくりするね。たった1週間で。ヤマシャクヤクの花の命は2~3日らしいが、この1週間でほとんどの株が開花して散ってしまったようだ。
暖かい日が続いたからねぇ・・・

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ようやく開花中の群落を見つけた。

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ああ・・・よかった。
数年ぶりでヤマシャクヤクの花を見ることができた。

結局、開花していたのはこの一群落だけでした。
来週はもう花は見れないだろう。
雨予報で決行した甲斐があった。

 

花のそばでランチ休憩を取った後は、速足で下山。
12:50には塩水橋に帰還しました。

ヒルは靴の中に1匹。実害は無し。
着替えたり、ザックの中を整理したりと帰り支度をしている最中にポツリポツリと雨が降り出す。時計を見ると13時ジャスト。
予報ピッタリだ。恐るべしだな『tennki.jp』。

弁天沢は短いながらも面白い沢だったし。
尾根は素敵な尾根だったし。
お目当ての花には巡り合えたし。
短い周回ながら充実感と満足感がたっぷりの山行でした。
幸せな気分です。

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2018/05/08

イデン沢

ゴールデンウィーク中はずっと仕事してたんだよ~。

まあ、仕事が入れば祭日だの連休だのは関係ない零細企業だもの。
仕事が忙しい事が何よりさ。
でも、GW最終日の6日は、なんとか仕事も休めて山へと行くことができました。

行ってきたのは地蔵平の奥のイデン沢。
このイデン沢、シキリ沢出合から忍橋までの区間が未踏区間としてポッカリと空いてしまっていました。これを埋めなければと、ずっと気になっていたんです。

2018年5月6日

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blogにはアップしていないけど、2週間前の4/22にも世附をウロウロと歩きました。その日は4月にしては異常な高温で、バテバテのヘロヘロになってしまいました。
天気予報では今日も気温が相当上がるとか。都心では30度なんて予報も・・・。
水をいつもの倍の2L用意しましたばが、2週間前の時はホントにフラフラになってしまっただけに心配です。
今日は飛ばさないで慎重にゆっくりと歩く事を心掛けます。

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7:05 細川橋から少し山へ上がった場所にある大室生神社の下に車を停めさせてもらって出発です。

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7:55 二本杉峠
一息入れてから、地蔵平に向けてさかせ古道へ入ります。
この古道を歩くのも2年ぶりになります。荒廃する一方の廃経路。時々状況をチェックしておかねばなりません。

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さかせ古道に入って15分ほどで一つ目の崩壊地。
ここは2010年の台風で土砂が流され、岩盤がむき出しになって通過困難になっていた場所です。その後、ロープが設置され(その経緯も知っていますが・・・)危険だけれど何とか通過できるようになりました。
2年前には再び土砂が岩盤に積もりはじめ、通過が楽になっていました。

さて、今回は・・・
積もった土砂も安定して、さらに楽に通過できました。
但し、設置されているロープも8年は経過しています。ロープに頼りきるのは危険かも。あくまでも補助程度に。

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さらに15分ほど歩くと2番目の崩壊地。

2年前は新たな崩壊直後で斜面が不安定になっていて、おっかなびっくり通過したものですが、今回はその土砂も安定して、普通に通過することができました。

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経路不明瞭な区間も多々ありますが、おおむね良好な感じだと思います。
2年前の記憶ではもう一か所岩盤むき出しで怖い箇所があったはずですが、今回はそんな場所も無かったので、おそらく岩盤の上に土砂が堆積したのでしょう。

2010年の台風直後は危険極まりない経路と化していましたが、その後崩壊地も安定してきて、バリ慣れしてる人なら問題なく歩けるはずです。
但し、あくまでも『バリエーションに慣れている人には』ですよ。道としては成り立っていませんので。

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9:20 地蔵平に到着。

大室生神社から2時間15分か・・・。
今回は、さかせ古道も快調に歩いてきたはずだけど、やっぱり地蔵平は遠いなぁ。

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富士見林道をしばし歩いて、白水沢出合地点でイデン沢に入渓します。

本当は、富士見林道をもう少し先まで歩いて、シキリ沢出合付近でイデン沢に降りるつもりにしていました。
が、この地点で「あれ? なんで遠回りの林道をシキリ沢まで歩くつもりだったんだろう?ここで沢に降りちゃえば早いのに。」と思ったんです。

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沢を少し歩くと巨大なコンクリート堰堤。
ここでハっと思い出した。白水沢出合から富士見沢出合までの間に巨大な堰堤が2つあるんだった。それを巻くのが面倒なので、シキリ沢出合まで林道を歩こうと思っていたんだった。

実はこの計画を立てたのは1週間以上前。先週の日曜日に歩くつもりだったのだが、体調不良で1週間延びてしまったのだ。その間にすっかりこの事を忘れてしまっていた。
最近多いんだよねぇ・・・こういうことが。
「年のせい」にだけは絶対にしたくないんだけどさ・・・。

なんて愚痴は置いといても・・・結構疲れるんだ。この二つの堰堤の巻が。

さて。

シキリ沢の出合を通過して、いよいよ未踏区間に踏み込みます。

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しばらくはずっとゴーロ歩き。

いい加減ゴーロ歩きに飽きてきた標高750m付近。

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おおっ! 滝だ。
3mくらい。
流れが階段状になっているから、ずぶ濡れ覚悟なら水芯を直登できそう。する人はするんだろうね。ardbegさんとかnenetaさんとかEAさんとか。ずぶ濡れになってね。
オイラは絶対イヤ。釜も深そうだし。左岸のルンゼ状から巻き巻きだ。

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その上にすぐまた滝。
4mくらい。
ここは流れの左を濡れずに登れる。
階段状になっているから簡単だけど、ヌメヌメ注意だ。
この時季の多分に漏れず、岩はそうとうヌメっている。束子でゴシゴシしながら登った。

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その上はナメ床。これは良いナメだ。
いいね、いいね。

これは当たりの沢か・・・と思ったが、極上の区間はすぐに終わる。

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再びゴーロが続き、880m二又。
地形図上では本流は右だ。目指す忍橋も右。
が、水流は1対1。沢幅から見れば左が本流に見える。
地図を見ないで、ただ「本流を進め」と言われたら、左又へ行ってしまうだろうな。

忍橋から上流は踏破済みだし、未踏の左又へ行ってみたい。
が、それではここから忍橋までの区間が、また未踏で残ってしまう。今日の目的はイデン沢の未踏区間をつぶす事だ。

ここは一旦、忍橋まで行こう。その後でこの左又へ降りてみよう。
ここから忍橋までの間に、滝場があるかもしれないじゃん。

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そう思い、忍橋に向かって歩きだしたが・・・変哲もないゴーロ歩きが続き、ほどなく忍橋が見えてきた。

歩きながら考えた。イデン沢の上流部は菰釣沢と名を変えるのだが、どの地点から名が変わるのかが疑問だった。
忍橋から上流が菰釣沢だと思っていたが、それもなんか変だ。さっきの二又から名が変わるのかもしれない。
という事は・・・イデン沢の源頭はさっきの左又という事になる。

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忍橋でいったん林道へ上がり、林道を南下しながら適当なところで斜面を降りる。
狙いはさっきの二又地点だ。

が・・・狙った方角が少しずれてしまったようだ。

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降り立ったのは、先程の二又からすこしばかり上流の800m地点だ。
ここもまた二又になっている。

まあ、いいや。ここから上流を目指そう。

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歩き始めてすぐに滝。
2段で5mくらいか。
いいぞ、いいぞ。

この滝は、どこからでも簡単に越えられる。

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滝の上もなかなかいい渓相だ。

こりゃ期待できるかも・・・
と思ったが・・・思い過ごしだった。

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ほどなく水流は消え・・・
岩ゴロゴロの雑然とした沢床を歩く。

富士見林道が横断する地点で沢から上がる事にする。

地形図を見れば、まだこの先標高差にして200mくらい沢は続いている。
水は涸れても岩棚とかはあるかもしれないが、時間はもう11時20分。
先々週の山行でバテバテになってしまった事を考えると無理は禁物だ。

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富士見林道で休憩しながら帰りのルートを考える。

富士見沢の左岸尾根を下降することにした。
地形図を見て、尾根の形が複雑で面白そうだなと思ったから。

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この尾根、大栂の山頂付近からずっと続いている尾根だから、富士見沢左岸尾根と呼ぶのは適当でない気はするが・・・富士見林道から下は、富士見沢の左岸をイデン沢まで下っている。

尾根は複雑に分岐しているが、仕事道の痕跡が残っていて、地図を読まなくてもそれほど迷う事は無いと思う。
植林の尾根で面白味は無かったが、歩きやすくはあった。

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シキリ沢出合でイデン沢に降り立ち、沢を渡ってすぐの斜面に取り付く。
急斜面をひと頑張りして、再び富士見林道へ出た。

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12:40 地蔵平に戻る。
お地蔵さまに挨拶をした後、久しぶりに山神様にも寄り道してお参りする。
この祠と鳥居もだいぶ傷んできたなぁ。もう何年かすると倒壊してしまうかもなぁ。

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帰路は大又沢林道を南下して、千鳥橋から大杉歩道で二本杉峠へ向かう事にします。
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この大杉歩道もほぼ2年振り。ここもさかせ古道と同じく、世附へ入るための通勤路だ。時々のパトロールは欠かせない。


経路痕はさらに薄くなっているような気がした。
新たにロープなどが設置されている箇所もあったが、足元の危うさは増していた。バンドははっきりと見えるが、地面が柔らかく、もはや道と呼べる状態ではない。
ここの斜面は『落ちたら死ぬ』的な恐怖は感じないので、かまわずザクザクと歩けるが、こんなかんじなら、下を流れている清水沢の沢床を歩いた方が楽で安全かもしれない。
オイラ、清水沢も歩いた事があるのでそう思った。

二本杉峠を通過して、尾根通しで細川橋を目指す。

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無事、神社の裏手に到着しました。

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最後は山遊びをさせていただいたお礼と、車を停めさせていただいたお礼を・・・

14:50 本日の山遊び終了です。
今日も暑かったけれど、体調は大丈夫でした。余分に持った水1Lも、本当に余分で、ただ重たいだけでした。

本日の歩行距離15.7km
たいしたとこを周っていないけど、やっぱり世附は奥がふかいよねぇ・・・

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2018/03/26

大界木山南尾根から赤沢

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オイラがバリエーション歩きを始めた当時は、山歩き用のGPSは高価なガーミンくらいだったし、精度もイマイチだったと思う。
もともとは地図を見るのが好きだったのが、バリにはまった理由。GPSを見ながら山を歩くなんて考えもしなかった。地形図を見ながら必死にRFをするのが大好きだった。
未知の尾根を地図とコンパス、高度計を頼りに下降する事が面白くてしょうがなかった。RFミスで違う尾根を下降してしまう事なんて数知れず。ヒーヒー言いながら半べそで登り返す事なんて当たり前だった。でもそんなんが楽しかったんだなぁ。
だから、手軽にスマホでGPSのルート表示ができる時代になっても、スマホ片手に山を歩くなんて考えもしなかった。軌跡を取るためにGPSのスイッチは入れているけど、いつもザックの中にしまいっぱなし。(ホントのこと言うと、どうにも困った時にはザックから取り出して現在地を確認したりはしてたけどね・・・)
いや、別にGPS片手に山を歩くことを否定してるわけじゃないよ。ただ、オイラの山遊びには必要ないって事。

そんなオイラだったんだけどね・・・

ヨドバシで眺めているうちについ・・・。
最初は冷やかしで眺めてるだけだったんだけど。ついつい・・・
買っちまった。プロトレックスマート。GPS内蔵でしかも地図を表示できるんだって。

焼きが回ったか・・・と自分でも思う。

が、買っちまったからには使ってみないと。こんなちっちゃな画面で、はたして役に立つのか・・・と。

というわけで。
GPSウォッチのお試しと、早春恒例のハナネコ調査を兼ねて、世附の奥地へと行ってきました。

2018年3月25日

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道志の水晶橋から甲相国境尾根へ上がり、まず大界木山の南尾根を下降してみようと思います。ここは尾根が複雑でRF下降するのはとっても難しい。GPSウォッチの性能を試すにはもってこいだと思う。そして、地蔵沢の上流部支流である赤沢出合にピッタリ下降して、赤沢をハナネコを探しながら遡行しようと思います。

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道志道の駅から林道へ入る。ところどころで積もる雪も5cmくらいのもんだからへっちゃらだろうと、強引に車を進める。途中2ヵ所ほどでスタックしかかるも、何とかかんとか水晶橋に到着。ノーマルタイヤでよく頑張ったぞ!わが愛車。
支度を整えて8:15に出発。

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まずはおとなしく登山道で城ヶ尾峠へ向かう。積雪は10㎝くらいか。表面だけが凍っていて、一歩一歩が結構疲れる。

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城ヶ尾峠直下の崩壊地もご覧の通り。
でも、ザレ斜面よりも雪が積もっている方が歩きやすいか?
そんな気がした。

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出発から1時間で城ヶ尾峠に到着。雪道が歩きづらく、普段よりもやや遅め。

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9:45 大界木山に到着です。
しばらくぶりに来たけれど、新しい道標が立っていた。

ここで登山道から離れ、南尾根に突入します。

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自然林の穏やかないい尾根なんだけどね。なんたって尾根の派生が複雑。
特に上部は、赤沢とバケモノ沢の源頭部が複雑に入り組んでいて本当にわかりづらい。地形図が間違ってるんじゃないかと思うくらいだ。実際、地形図と地形が一致しない場所もある。
以前、マイナールート探検隊のキリヤマ隊長とアンヌさんと一緒に下降した時も、3回ほど違う尾根を下降して登り返しをした。

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今日だってやっぱりそうだ。GPSの軌跡を見れば、1160m付近、1000m付近、950m付近と3回間違えかけているのがわかる。
でも、「なんか怪しいな・・・こっちで合ってるのか?」と思った時に腕時計の画面を見れば、「あっ!やっぱり違う。」とすぐにわかる。傷が浅いうちにトラバースで修正できるから、体力ロスも時間ロスもほとんど無しですんだ。

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下降開始から1時間弱。10:40に赤沢出合に降り立った。

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しばし休憩をした後、赤沢遡行を開始します。

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さっそくハナネコノメ発見。
まだ半開き状態。咲き始めたばかりだ。

その後も、ここにもあそこにもと、そこかしこにハナネコノメが咲いています。

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以前、M-K師匠、AYさん、TI博士と一緒に来たことがあります。もう8~9年前の話。まだ沢歩きに不慣れだったオイラは、3人に付いて行くのに必死でで、風景もあまり覚えていないんだ。

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なかなかいい沢です。
と、滝が見えてきました。
手前の2mは軽く越えて・・・

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奥の5mはちょっと手強いか・・・。
巻きも簡単じゃなさそうだし、水流左手をよじ登るかなぁ・・・。
と、岩にしがみついてみるも、なんか滑りそうで一歩目の離陸ができない。
チ・・・他の手は無いかとふと左手の斜面に目をやると・・・
あっ、残置ロープがあるじゃん。

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こりゃありがたい。釣師が使う残置ロープかな。

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ハナネコは相変わらずそこかしこで咲いています。

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920m二又。
以前、M-K師匠達と歩いた時には、城ヶ尾峠を目指して左を登りました。
今日は大界木山を目指して右へ行ってみます。

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右又へ入ってすぐに石積発見。
炭焼小屋? なんか炭焼小屋っぽくないんだよなぁ・・・。なんの石積だろう。

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斜度がだんだん立ってきました。が、良い渓相です。

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小滝が連続しています。

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こんな滝や・・・

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こんな滝も。
楽しい沢です。

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水が涸れて1060m二又。
どっちへ行くか・・・少し考えて左へ進む。
別にどっちでもよかったんだけど。

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傾斜がきつくなってきました。泥ルンゼ登りとしては限界に近い。

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稜線が見えてきたあたりから、ズルズルの泥斜面。足を蹴り込んでも崩れるだけ。
ここで身の危険を感じてギブアップです。左の尾根に逃げました。

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12:30 大界木山の西側で国境尾根に飛び出しました。

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尾根を乗越す形で、浦安峠へ向かう登山道へ入ります。
目印の看板も倒れています。ここも歩く人は、もういないんだろう。

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浦安峠には向かわず、そのまま尾根を西進します。だって、その方が近道だから。

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尾根の末端は擁壁。擁壁の上をトラバースして、ここから林道へ降り立ちました。

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13:20 水晶橋へ帰還しました。

 

赤沢は良い沢だった。
ハナネコノメもたくさん咲いていました。
世附の奥ではハナネコがようやく咲き始めたところのようです。
これから2週間くらいが見頃でしょうか。

 

さて。

プロトレックスマート。
思ったよりも使えそう。小さい画面だけれど、現在地を把握するには十分。GPSの精度もなかなかいいみたい。
これを持って歩けば、ミスコースのリスクはグッと下がるだろうね。

だけどね・・・

そのリスクと隣り合わせだから、未知尾根のRF下降は楽しいんじゃないの?
あのドキドキ感とか。失敗して登り返している時の悔しさとか。ピッタリRFした時の達成感とか・・・。
こんなの持ってヤブ尾根を歩いて楽しいか?って気もする。

まあ、しょせん自己満足のための山歩きなんだから。
使うも使わないも自分の好きにせいや・・・って事だよね。

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2018/03/19

ハナネコと白滝と

まだお彼岸の前だってのに、もう桜の開花宣言が出た。今年の冬は異様に寒かったから、春も遅いんだろうなぁと思っていたが、またそれは別の話なんだろう。いずれにしても、冬が大っ嫌いなオイラにとっては嬉しい便りだ。山を歩くのにしたって、早春から初夏にかけてが一番楽しい。
さっそくやまへ繰り出さなくっちゃと思いはするのだが、このところどうも調子が良くない。もう2週間も風邪気味なんだ。だいぶ良くはなってきているけれど、仕事が立て込んで徹夜続きだった事と重なって、身体は重い。
でもなぁ。山ではハナネコたちが咲き始めたと思う。久しぶりの休日なんだ。軽く歩いてこよう。軽~くね。

2018年3月18日

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そんなわけで、本日の山歩きに選んだのは谷太郎川の源流地帯。
ハナネコが咲いていて、朝寝坊してもいい近場で、短い周回で回れて、それでいて誰も来ない秘境感たっぷりの山域だ。久しぶりに湧水滝と白滝の姿も拝んでこよう。

朝、遅めのスタートで8時10分に広沢寺の駐車場から歩き始める。
なにせ、また1ヶ月以上のブランクを作ってしまったからな。林道歩きで足慣らしをしなくっちゃ。

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二の足林道をテクテクと歩く。トンネルを越えたら、谷太郎川の右岸高みの道を行く。
早春の花々が咲き乱れ、気持ちの良い林道歩きだ。

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ダンコウバイ

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フサザクラ

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何だっけ?

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不動尻はミツマタの群生地。

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ちょうど花の盛りが始まったところだ。これから花が真ん丸に広がって良い香りを放ち始めるんだろう。
今から2週間ぐらいが見頃だね。

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沢に入ってすぐに不動の滝。

この谷太郎川。不動尻の二又から左又のこちらを大山沢と呼ぶらしい。
数日前にUPされたAYさんのblogにそう書かれていた。
今まで沢の名前がわからなかったから、『谷太郎の源流』とか『白滝の沢』とかテキトーに呼んでいたけれど、これからは大山沢って呼ぶことにする? でも、梅ノ木尾根を挟んだ南側にも大山沢があるから紛らわしいよね。

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不動の滝を越えてすぐに、第一ハナネコノメ発見!
ちょうど咲き始めたばかりの姿だ。
大好きな花だからね。こいつらを見ないと春が来た気がしないんだ。
今年も会えてヨカッタヨカッタ。

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ムカゴネコノメもハナネコノメもそこかしこに咲いていました。

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そして大ナメ滝。
まずは大ナメ滝を素通りして、湧水滝の方へ向かいます。

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湧水滝の門番、10m直瀑。
いつも眺めながら、「あそこへ取り付いて、こっちへ行けばのぼれるなぁ」とルートは見えるんですが、巻道があるのにわざわざ岩にしがみついたりしないのがオイラの主義。
今日も巻道から滝の上へ上がります。

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そして秘境中の秘境。湧水滝。
こればっかりは写真じゃ伝わらない。実際にこの滝の下に立ってみれば、圧倒される景観だ。
取り囲む岩壁のあちらこちらから水が湧き出し流れ落ちている。

数年ぶりに訪れたけれど、やっぱりすごいなぁ。

湧水滝を堪能したら、大ナメ滝の下まで戻ります。

大ナメ滝は巻くよりも直登する方が楽・・・ってのはわかるけど、まだ寒いし濡れたくない。
それに春先は岩がヌメってるからやだなぁ。と、左岸の高巻道から上がる。
秘境と言われているこの山域にも、最近は入ってくる人が増えたんだろうか。人が歩いたような気配を感じる。1週間ほど前にAYさんが歩いているはずだけれど、そればっかりじゃないな。

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白滝の門番の滝。2段10m。今は残置ロープがあるから安心して簡単に登れる。
やっぱりこの残置も、ここ最近何人かが使っているようだ。グローブで磨かれていた。いつもこの時季は、冬の間泥に埋もれていた残置を、掘り出していたのだから。
手に取った感じ、この残置もいつまでもつかわからないけどね。

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そして、白滝20m。
ここまた久しぶりだ。何度見てもいい滝です。

白滝の下で休憩をしていると、下から単独の男性が上がってきた。
こんな所で人と会うなんて思っても無いからびっくりした。この山域を単独でうろついているなんて、相当な人なんだろうと少し話をする。
オイラが「この後右岸の尾根で稜線へ上がるつもりだ」と言うと、それじゃあご一緒しましょうという事になった。

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白滝右岸の崖をよじ登って、そのまま尾根に取り付く。

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取り付きからかなりの急斜面が続く。
振り返ると、先程の男性は両手にドライバーを持ってグイグイと登ってくる。
いやア、ダブルドライバーは初めて見た。かなりバリ慣れした人に違いない。
歩きながら話をしているうちに、ヤマレコユーザーのtantanmameさんだとわかった。
なるほど。丹沢バリの記録は何度か拝見したことがある。
今日は日向薬師から、屏風沢を登り、梅ノ木尾根からシチミ尾根を下降して、大ナメ滝を登って白滝まで来たとか。
そりゃ、相当マニアックなコース設定だ。かなりの猛者だな。

P3180052

前方に大岩が見えてきた。
ここまでは以前来たことがある。その時は、ここから湧水滝の上流へ向かって下降したので、この先は未踏区間になる。
さて、まず尾根上に立ちふさがるあの大岩をどうやって越えるか。
中央突破しかねぇか・・・と思ったが、それもきつそうだったので、左手へ回り込んでみたら割と楽に岩へ登れるルートがあった。

P3180055

この辺りの尾根がみなそうであるように、がりがりに痩せたワイルドな尾根だ。
こりゃ、絶対にキレットがあるな・・・と思った。

P3180058

キレットもあるには有ったが、通過に危険を伴うほどでもなかった。南隣の展望岩の尾根に比べたらだいぶ安全な尾根だ。

白滝から50分ほどで唐沢峠の登山道へ飛び出す。
短いけれどワイルド感のある良い尾根でした。

ここでtanntannmameさんとはお別れです。短いけれど楽しい時間でした。この後、石尊沢を遡行して大山まで行くという。そうとうな健脚だ・・・とビックリする。また、どこかでお会いしましょう!

さて、オイラはもうすでに疲労感が出始めてます。梅ノ木尾根経由で帰りましょう。

P893から梅ノ木尾根に入り、P778を越え、大沢分岐を直進し・・・

P3180064_2

登山道が直角に曲がって弁天御髪尾根に入るこの分岐を直進してみようと思います。
二ノ足沢へと降りてゆく尾根です。
ここら辺はまだ歩いた事が無い未知尾根です。

P3180065

植林の尾根は、特に何事もなくすんなりと25分ほどで二ノ足沢の500m付近に降り立つ。

P3180066

降り立った場所にカッコいい石積堰堤。こりゃきっとT.I博士も気に入るに違いない。

その後、二ノ足沢沿いの経路痕を辿って下ります。

P3180067

かつては橋だったのだろう、朽ちた丸太。
ここが旧ハイキングコースだったという事は知っていたが、廃道になってどれほどの年月が経つのだろうか。
それほど危険だとは思わないが、気軽な気分で歩ける道ではない。

P3180070

5段の滝というらしい。傍らの道標にそう書いてあった。

そのまま進むと、キャンプ場の跡地にたどり着き、そこからは林道歩きで広沢寺へ戻りました。

今年もハナネコたちに会えたし、久しぶりに湧水滝と白滝も拝んだし。初尾根もなかなか良かった。下山路の二ノ足沢ハイキングコースもお初で新鮮な面白みがあった。
なんやかんやで今日も満足です。

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2018/02/05

唐沢の牛頭観音

少し前のこと。
マシラさんのHPに、マシラさんが唐沢を歩いた記録がUPされた。
そこには、唐沢の牛頭観音の石碑が台座から転げ落ちていた事が書かれていた。
マシラさんは石碑を台座にはめなおしたが、接着のセメントが風化しているから「ちょっとでも揺れたらまた落ちるだろう」と書いている。そして「だれかセメントを持っていって固定してくれないか」とも。

それを読んだ時、「セメントを持っていって固定するのは、オレしかないだろ」と思った。
わざわざセメントを担いで山へ入る粋狂者はそうそういないだろう。ここでオイラが行かなくっちゃ。一応セメントの扱い方くらいは知ってるしな。

それに、マシラさんの記事と全く無関係ってわけでもないんだ。
マシラさんはその記事の中で、唐沢の牛頭観音の由来を調べ上げた堰堤博士T.Iさんの記事をリンクしている。そのT.Iさんの記事中で牛頭観音を訪れた時のオイラの記事がリンクされているんだ。
まあ、いわば『友達の友達』みたいなもんさ。

『友達の友達』はちょっと失礼か・・・。
T.I博士は友達に違いない。が、マシラさんを友達と呼ぶには恐れ多すぎる。
丹沢バリエーションの開拓者として尊敬してやまない人は何人かいるが、マシラさんもその一人だ。偉大なる大先輩だ。
一度、丹沢山中の鍋嵐ノ沢でお会いしたことがあるが、厳しい沢をまるで飛ぶように駆け上っていかれた。仙人みたいな人だ・・・と思った。

そんなマシラさんの呼びかけに手を挙げるのは、当然オイラだ。
・・・と思ったってわけさ。

2018年2月4日

Tizu_201824

厚木発宮ケ瀬行の2番バスに乗って、煤ケ谷で降りる。8:20
2か月前には、久しぶりに惣久経路を歩いたが、今日はこれまた久しぶりに八丁経路を歩いてみようと思う。
実は二日前に降った雪が心配だったんだ。
八丁経路はVルートとはいえ登山道並みの経路だから、雪が積もってても大丈夫だろう。

水ノ尻沢右岸の道路を登り、平成の森の東屋あたりから仕事道で尾根にあがる。

P2040004

危惧していた雪は全く積もっていない。
この道を歩くのは本当に久しぶりだ。8~9年振りかなぁ。
仕事道も上部の方では崩れてしまっているが、尾根の背を目指して上がるだけ。
尾根の背に乗ったら、鹿柵沿いに歩く。
標高500mあたりから積もった雪が現れてきたが、10cm以下ってとこか。

P2040006

八丁経路名物の鹿柵の細径。ここも懐かしいなぁ。
狭い通路にはいろんな獣の足跡がいっぱい。

P2040009

標高700mを越え稜線が近づくと、雪も深くなってくる。
それでも20cmくらいのもの。気持ちよく歩ける範囲だ。
真っ白な地面に足跡を付けながら歩く。
気持ちイイ!

10:30 三峰の稜線登山道に飛び出す。登山道には数人分の足跡が付いていた。

P2040011

登山道を南に2~30m進んでから、西側へ伸びる枝尾根に入る。
が、オイラが進む枝尾根に2人分の足跡が続いている。
「えっ!?」と思った。こんな尾根に入っていく奴は、よっぽどのマニアかバカだ。
が、すぐに足跡はUターンして、正規登山道方面に向かっている。

きっと、最初の人が雪で隠れた登山道を外してしまい、次の人も足跡につられてしまったのだろう。
このまま枝尾根を直進するオイラの足跡につられてしまう人がいたら嫌だな・・・とは思うが、雪に付いた足跡は消しようがない。ストックで雪にバッテンを書いておいたが、わかってくれるだろうか・・・。

P2040014

この枝尾根を歩くのは初めてだ。
この界隈の尾根はみなそうだが、ここもまたワイルドなヤセ尾根だった。
雪の付いたヤセ尾根は、さすがにちょっと怖い。慎重に慎重に、雪の下の様子を探りながら歩く。

P2040016

P700を越えて、次のピークで進路を南西にとったら、植林帯に入った。
植林地になれば、安心して歩ける。
雪の深さも20cmくらい。危惧することも無かったな。
・・・とここまではご機嫌です。

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唐沢林道へ降り立ってびっくりだ!
雪の深さ4~50cm。そしてノートレース!

雪はゆるく、ズボズボとひざ下まで沈む。
そしてゆるいくせに重い。10mも歩かないうちにこりゃマズイと思った。
小唐沢橋まで1kmちょっと。こんな状態で1kmも歩けるか?

ラッセルとつぼ足とどっちが楽だろう。湿った雪をラッセルするのは猛烈に疲れるし、つぼ足するには太ももを高く上げねばならない。どっちもどっちだ。
ラッセルとつぼ足と交互に繰り返しながら進むが、途中で何度も心が折れかけた。
が、ここまで来ちまったんだ。もう、進むしかない。と自分に言い聞かせる。

P2040019

1kmちょっとの道のりを30分かけて、ようやく小唐沢橋へたどり着く。
橋の袂から旧経路に入っていくのだが、どこが経路なんだかわからん状態。
それでも何度も歩いている唐沢経路。
たしかこの上をトラバースだったよな・・・。この辺で沢を横断したはず・・・。
記憶を辿りながらとカンで歩く。
雪はズボズボだが、2~30cmくらい。林道よりはずっと楽だ。

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唐沢経路に入ってから10分ほど。
あった! 牛頭観音。半分雪に埋もれている。

雪を払い。手を合わせてから、石碑を揺すってみる。
なるほど、ぐらぐらだ。ちょっと強い風が吹いたら、倒れてしまうだろう。

まず、石碑を外し、台座と石碑を束子でごしごし洗ってコケや汚れを落とす。
持ってきたモルタル接着剤をたっぷりと塗ったら、セメントを練る。結着力の強い、プレミックスの樹脂モルタルを持ってきたんだ。
台座と石碑にモルタルを塗り付け、元通りにはめたら、はみ出たモルタルを綺麗にならして・・・

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完成!
ああ、なんか清々しい気分だ。
別に信心深いわけではないが、神仏に対しては敬虔な気持ちは持っているんだ。
特に、里山ではない、神々の領域である深山で遊ばせてもらっているという気持ちはいつも抱いている。この牛頭観音がどういう神様であるのか(観音だから仏様か?)は存じあげないが、丹沢におられる神様のお役にほんの少しでも立てたならば嬉しい事だ。

この牛頭観音の由来については、T.I博士の記事をご覧ください。

さて。
どのルートで帰ろうか。
本当は、ここから大山北尾根に上がって、大山経由で下山するつもりだった。
が、こんなに雪が深けりゃ、V尾根を登っていくのは無理な気がする。1000m越えたらどうなってるかわかったもんじゃない。
かといって、このまま唐沢を遡行するのもかなりしんどい。
さっきの事を考えると相当気が重いが、唐沢林道で戻るのがベストチョイスかもしれない。

P2040023

唐沢林道を戻る。
来るときに自分でつけたトレースを辿るから、だいぶ楽だ。
だが、それも樋嵐沢まで。そこから先は再びノートレース。しかも今度は登りだ。
林道だから緩やかな登りではあるが、ジワジワと効いてくる。体力の消耗度は往路の倍。いやそれ以上かも。
途中で何度も心が折れて、ガードレールに座って休憩する。
もう嫌だ。だが、どんなに嫌でも、このまま進むしか他に手が無いんだ。
物見トンネルまで行けば・・・。トンネルの向こうは南斜面だ。きっと雪はこんなに積もっていないはず。それだけを心のよりどころに、再び歩きだす。

P2040024

14:20 物見トンネルが見えた!
小唐沢橋から1時間半の格闘の末、ようやくたどり着いた。

トンネルの向こうは思った通りだった。積雪10㎝。山の北斜面と南斜面ではこんなにも違うものなのか。

標高500mを切れば雪も消えた。
上煤ケ谷15時発のバスに乗ろうとすっ飛ばしたが、間に合わず・・・残念。
寒い所で立って待っているのも嫌なので、清川道の駅までとぼとぼと歩きました。

雪踏みも楽しい山遊びの一つではあるけれど、それも2~30cmまでだよね。
4~50cmの雪をラッセルしたのは初めてだけれど、こんなにキツイものだとは。
丹沢でこんな経験するなんて思いもしなかったよ。
本当にしんどかった。
もうしばらく雪山はいいや・・・

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2018/01/23

大栂周辺

古道を辿る山歩きっていうのは、興味深く面白いものだ。
丹沢には廃道となって自然に帰りゆく古道がたくさんあって、そのいくつかは探索したこともある。
山を歩いていると、古道以外にも林業や炭焼きで使っていた仕事道、御料林の見回り経路等々、無数の道の跡にぶつかる。ぶつかれば、「この道はどこへ続くのだろう?」なんて興味がわくから辿ってみたりもするのだが、たいていはちょっと辿れば道型は消えてしまう。
周囲を探索すればまた道の痕跡を見つけ出して、さらに先まで辿る事もできるのだろうが、それはとても根気と情熱がいることだし、危険も伴う。さらに古道や経路に対しての知識も必要だ。
あいにくとオイラは、古道に対してそこまでの情熱も知識も持っていない。「なんか道っぽい痕跡があるんだけど、よくわからない。」で終わってしまう。

ところが、それに大いなる情熱を持って挑んでいる人達もいる。
イガイガさんとM氏だ。
この人たちの勉強熱心さと知識の深さには頭が下がる。丹沢に関する古資料を片っ端から研究しているし、何より凄いのは現地に行って自分の目で調査・確認をしている所だ。

今回は大栂周辺にあったはずの城ヶ尾歩道という経路の探索に行くというM氏の企画に乗っからせてもらった。
城ヶ尾歩道の事はさっぱりわからないが、大栂周辺はまだまだ未踏地が多く、興味が大いにあるんだ。

Tizu18114

2018年1月14日

メンバーはM氏、イガイガさん、はっぴーさん、レガーさんとshiro

それぞれがお馴染みのメンバーだが、この5人が揃って山を歩くのって初めてかもしれない。

P1140001

西沢林道の奥のゲートを夜明けと同時、6:50に出発。
道志道の駅に集合し、M氏の車でここまで連れてきてもらった。

最初は体力温存とかで、おとなしく登山道を辿って菰釣山へ向かう。

P1140006

8時には菰釣山山頂に到着。
ここへは何度も来ているし、ここからの富士の眺めがいい事も知ってはいたが、今日の富士山は格別に素晴らしかった。こんなくっきりと美しい姿の富士山。ちょっと感動を覚えた。
空気が澄み切っているんだろうね。

それにしても寒い。寒いを通り越して冷たい。おそらくここの気温は零下であることは間違いない。
寒さに弱いオイラとしてはツライ・・・。じっとしていると、骨まで寒さがしみてくる。

ここからは登山道を離れ、南側の尾根で大栂へ向かう。

P1140010

大栂との鞍部、大ダルミへほどなく到着。
先頭のM氏が「あった、あった」と言いながら、尾根から外れて西側のトラバースを始める。
どうやら想定通り、大栂を巻く道を見つけたらしい。

が、すぐにM氏が戻ってきた。すぐ先で山抜けしていて、先へ進めないらしい。

で、いったん大栂へ登って、反対側の鞍部から経路探索をすることになった。

「大栂には栂(ツガ)の樹が無いね」なんて言いながら歩く。これも、樹木に詳しいイガイガさんやはっぴーさんと一緒だからわかった事だ。樅と栂の違いがままならなかったオイラも、はっきりと区別がつくようになった。合わせて榧(カヤ)との見分け方もイガイガさんから教えてもらう。

P1140018

大栂から織戸峠へ向かう尾根の1090m付近で、M氏が嬉しそうに指をさす。道の痕跡がくっきりと残っていると言う。
『くっきり』と見えるのはM氏とイガイガさんだけだ。普通の人には道だとはとても認識できない。なんかうっすらとバンドらしきものがあるのはわかる。獣道じゃね?
でも彼らには、獣道とは明らかに違う何か確かな物が見えているのだ。

P1140020

まずは西側の経路痕を追ってみる。
この写真を見て、道を歩いている事がわかるだろうか?
わかるわけがない。実際歩いているオイラにだって道を歩いているなんて認識は無い。はっきり言って、急斜面の危なっかしいトラバースをしているだけだ。
でも、先頭を行く二人には道がはっきりと見えているらしい。

しかし、少し進んだところで、行き詰ってしまった。大栂ノ沢源頭部の枝沢をどうにも横断できない。
仕方なくここはいったん戻り、東側の経路痕を探索することにする。

オイラ的には少しホッとする。以前、大栂ノ沢を詰めた時の経験からいっても、大栂の西面は恐ろしいくらいの急斜面だ。それは地形図の等高線を見てもわかる。それに比べて東面は等高線も比較的緩やか。探索するなら東側だ。

P1140022

東側の経路痕に突入。
が、すぐに経路痕(なのか獣道なのかはわからないが)は消える。
が、M氏の驚異的な嗅覚を頼りにトラバースを続ける。
かすかなバンドを見つけては経路だ経路だと騒いで歩く5人組。
少なくてもこの5人がガシガシと踏み固めて、経路痕を作っていることは間違いない。

歩きながらM氏の話を聞いてびっくりした。今歩いているここは、林班図にも経路線が引かれていない区間なのだそうだ。城ヶ尾歩道が途切れている区間なのだとか。
「ええっ?じゃあ、ここに道があったという根拠は何もないんだね。」
でも、M氏は言う。「いや、ここには城ヶ尾歩道が繋がっていたはずだ。必ず!だからこうしていま、その痕跡を探しているのだ。」

恐るべし、古道マニア・・・

ずいぶんと長い時間トラバースを続けた。が、地図を見ると、たいして距離は進んでいない。廃道を辿るトラバースってそれくらい厳しいものがある。
特に右足が軸足のオイラは、谷側を右手にしてのトラバースは疲労度が倍になる。いい加減に疲れてきた。
皆もだいたい同じような感じだったのだろうと思う。
菰釣沢の大栂へ突き上げる支沢まで辿り着いたところで、今日はここまでにしておくか、ということになった。
時刻は11時半。まだ早いようにも思えるが、いい判断だったと思う。甲相国境尾根を乗越して駐車位置まで戻るのに3時間は見なくてはいけない。日の短いこの時期だもの。

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菰釣沢の支沢を下降して、本流に出合ったところで休憩。

この後、目の前の急斜面にとりつく。
シキリ尾根から南東に派生している尾根だ。

P1140031

良い尾根だった。
良い尾根の定義ははっきりと説明はできないが・・・。
ともかく、世附の奥地の、誰も歩かないであろう支尾根をこうして歩けたという事だけでも満足なのだ。
オイラの山歩きはそういう事なんだ。

さてさて

今回歩いた経路が城ヶ尾歩道だったのかどうかは、オイラにはわからない。
いや、経路であったのかどうかだって怪しい。たんなる獣道だった可能性だって否定できないと思っている。
でも、イガイガさんやM氏にとってはそれなりの収穫があったようだ。
この続きのプランも彼らの頭の中にはあるようだ。

オイラは滅多に人が踏み込まない大栂東面の風景や様子がこの目で見れた事に満足している。

だから、きっといい山行だったのだろうと思う。

理解できない人が多いだろうけどね。危険な思いをして、山の斜面をトラバースしているだけなんだから・・・

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2017/12/05

丸渕

この日は夕方から用事があって、早く帰らねばならない。
遠い西丹沢では時間に余裕がなくなるので、東で遊ぶことにした。
久しぶりに丸渕にでも行ってみよう・・・

2017年12月3日

Tizu17123

先週、先々週と東名の大渋滞に辟易としてたので、今日は電車で厚木へ来たよ。
ちょっと寝坊気味だったので、7時50分発の2番バスで煤ヶ谷へ向かう。
バスは満員状態で座れず。

Pc030001

8:25 煤ヶ谷バス停に降り立つ。
ここへ来るのもひさしぶりだなぁ。
大山三峰の稜線を乗越して、丸渕へ降りようって計画です。

Pc030002

谷太郎林道をテクテク歩いて、不動沢の橋を渡ったリバーランドの前から尾根にとりつく。
そう、惣久経路で三峰の稜線へ上がるつもりです。時刻8:45。

Pc030005

まずは植林の急斜面を我慢の登り。

Pc030007

P415まで登れば傾斜も緩む。
ここら辺はまだ紅葉が残っているんだね。
日差しもポカポカと気持ちが良い。のどかな尾根散歩だ。

この惣久経路を歩くのは本当に久しぶり。10年近くたつかも。
経路と呼んでいるが、経路痕はほとんどない。以前は、もう少し道型がはっきりしていたような気もするが、何せだいぶ昔の事だから、その記憶も曖昧だ。

標高650mあたりから再び急登。
南側の宝尾根や境界尾根のようなボロボロ危険区間は無いが、稜線直下の急勾配は変わらない。

Pc030009

ヒーヒ言いながら、稜線登山道へ飛び出す。標高800m地点。
時刻10:40 尾根のとりつきから2時間弱かかっている。
予定よりも30分も遅かった・・・。
登り足が自慢だったオイラだが、いまや形無しだ。

Pc030010

登山道をほぼ乗越すように、反対側の尾根に入る。
樋嵐沢の二又界尾根だ。もちろん、初めての尾根。

賑やかな登山客の声が聞こえてきたので、速足で尾根を駆け降りる。
冬枯れの山では、登山道から丸見えだ。もし見つかって「そっちは登山道ではないですよ~」なんて声を掛けられでもしたら、シャイなオイラはどぎまぎしてしまう。

Pc030012


いやあ~、ワイルドな尾根だった。ガリガリの痩せ尾根。
そのうえ、尾根分岐も複雑でわかり難い。

750m付近でRFをミスってしまった。
正確に言うと、尾根分岐に気づかず枝尾根に入り込んでしまった。
40mも降りたところで、なんとなく変だと思いコンパスを確認して違う方角に進んでいることに気が付いた。

樋嵐沢は登った事もあるし下降したこともあるので、様子は知っている。このまま沢へ降りてしまう選択肢もあったが、それでは悔いが残る。ミスった地点まで登り返すしかないだろう。

こういう経験があって、RFのスキルが上がっていくんだ。
負け惜しみじゃないぜ。ホントにそう思っている。だから極力GPSは見ないようにしている。失敗の経験こそが上達の早道。何事においてもそうだと信じている。
負け惜しみで言ってるんじゃないから。何度も言うけど。

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それにしてもひどい尾根だった。
こんなキレットもあったりして。
まさにナイフリッジとはこのことだ。靴の幅よりも狭いんだぜ。しかもボロボロと崩れる。ヒヤヒヤもんだった。

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ようやく沢音が聞こえ始めて、まもなく尾根の末端だね…なんて思った地点で、崖。尾根が5mの崖で切れている。木の根を掴んで降りられたけどね。

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なんだかんだあったけど、予定の570m二又へ降り立つ。

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ゴーロの沢を下降して、ようやく唐沢林道へ降りてきた。12:20。
稜線から下降開始してから1時間40分もかかってしまった。
途中でルートミスがあったにしてもかかりすぎ。こんな短い尾根下降で・・・。
それだけ厳しい尾根だった。痩せてる上にボロボロの尾根だった。

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唐沢林道を西へ進み、丸渕への降り口へ到着。
林道から丸渕へは立派な経路があったのだが、見る影も無くなっていた。降り口の階段もこんな状態になってしまっている。

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丸渕に到着。
淵はまた土砂で半分埋もれていた。
でも、きっとまた、この土砂も洗い流されて深淵の姿に戻る日が来るだろう。

ここはオイラにとっても特別の場所だ。
丹沢の師匠、M-Kさんが大好きな場所だから、オイラも思い入れが深い。M-KさんやAYさんと初めて出会ったのもこの場所だ。

なんて感慨に浸りながら休憩する。

Pc030029_2

さて・・・
今日はもう帰ろう。すでに13時だ。帰路につかなければいけない時間になってしまった。
本当はここから鍋嵐の稜線へ登って帰るつもりだったが、時間がだいぶ押している。ここへ来るまで、考えていた予定よりも1時間以上もかかってしまったからな。

それにしても、あの樋嵐沢二又界尾根。短い尾根だけど、楽しかったなあ。
久しぶりにあんなワイルドな尾根を歩いた。まさしくヤブ尾根の名にふさわしい尾根だった。
ここのところ、沢歩きが中心になってしまっていたけれど、ヤブ尾根歩きの楽しさを思い出したのでした。








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2017/11/29

椿丸の南面~クマ沢・山神沢~

2019年11月26日

この日が丹沢マラソンだとは知らなかった・・・
いや・・・先週も西丹沢へ来てるんだから、立看板くらいは目にしていたはず。なのに、全く頭になかった。
大井松田ICを降りて、246に入ったとたんに渋滞だった。
なにこの渋滞・・・「??」と訳が分からぬままノロノロと進み、丹沢マラソンに気が付いたのは清水橋から丹沢湖方面に曲がった後だった。

浅瀬のゲートに到着したのはもう8時だった。
せっかく早起きしたっていうのにぃ・・・

Tizu171126

先週、山仲間のM氏が織戸峠近辺をウロウロしながら考察した記事(こちら)が面白かったもんで、織戸峠好き(なんだそれ?)のオイラとしては久しぶりに織戸峠に行ってみようと思った次第です。椿丸から織戸沢へ降りて、織戸沢の源流部辺りをうろついてみようと。

まずは椿丸を目指して、大又沢林道を歩く。前々から気になっていた、笹子沢の橋のたもとに付いている仕事道を登ってみようと思います。

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ゲートから30分ほどで笹子沢へ到着。

Pb260004

笹子沢の右岸側に、こんな立派な仕事道がついてます。
予想ではP795へ上がっていくのか、あるいは笹子沢の源頭部へ続いているのか。
いずれにしても楽々と稜線へ上がれるに違いない。

Pb260005

なんて、意気揚々と登り始めたが、すぐに道型は荒れ始める。
30mほど登ったところで、道型無くなる・・・

Pb260009

それでも目を凝らして探せば、かすかな道の痕跡。
所々に黄色い標柱が刺さっているから、かつて経路が有ったことは間違いない。
間違いないが、グズグズの急斜面を痕跡追いながら登っていくのはシンドイ。
いきなり大汗だ。
こんな寒い日にこんなに汗かけて、ありがたいヮ・・・

Pb260008

そして、こんなマーキングも仕事道があった証拠。地面近くの枯れ木や石ころにマークしてある。
こういうのは山仕事の人達のマーキングだ。
Vルート愛好者がつけるマーキングは、これ見よがしに高い位置に付ける。ホント、目障りったらありゃしない。真の愛好者なら、興醒めなマーキングなんか付けるわけないと思うんだけどねぇ。

フーフーと急斜面を200mほど登って尾根の背に上がった。どうやらP795の北東の尾根だ。予想通り、P795へ続く仕事道らしい。

Pb260011

尾根には公山の標柱。

Pb260013_2

ピークまであと50mという地点で、ピークを巻くように西へ続く踏み跡を見つける。
椿丸へ続く西側の鞍部まで、省エネで行けるかも・・・と踏み跡を追ってトラバースする。
明らかに獣の踏み跡だけれどね。でも、獣道って案外安全なルートだったりするんだ。

途中で神経使うトラバースもあったけれど、目論見通りP795西側の鞍部へたどりつく。

ようやく椿丸へ続く稜線に乗った。
が、この時点で時刻は10時。いやはや、廃仕事道を追ったりして、とんだアルバイトをしてしまった。

椿丸へのメインルートを歩く。Vルートではあるけれど、最近は歩く人も多いのだろう。踏み跡くっきりだし、地面も踏み固められていて歩きやすい。
歩きながら考える。出だしが遅れてしまった上に、予想外のアルバイト。ここから椿丸まで1時間近くはかかる。そこから織戸沢へ降りて・・・大栂の稜線から富士見峠・・・日没は4時半。ギリギリアウトか・・・。いや急ぎ足で歩けば・・・
ここで先週の悪夢がよみがえる。無理して飛ばせば、また筋肉が痙攣するかも。
それよりもなによりも、時間に追われて歩くのなんて面白くない。時間に追われる日常を忘れたくって山へ来てるんだ。

で、あっさりと予定変更。
椿丸南面の未踏の沢を歩いてみよう。クマ沢はまだ歩いたことなかったんだ。

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椿丸の東、標高800m付近から、「この下あたりがクマ沢の源頭部じゃない?」と見当をつけて、すり鉢状の植林斜面を下降する。

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ちょうど湧水地点で沢に降りて、下降を続ける。

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5mくらいのすだれ状の滝。左岸から巻き降りた。

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以前M-K師匠達と歩いた、この南側の小クマ沢はヤブ沢だったけれど、こっちはなかなか良い雰囲気。

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ちょっとしたナメもあったり。

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下降するにつれ、水量も増えてきます。・・・当たり前か。

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2+1mの滝。登るのは簡単そうだが、降りるのはちょっとビビった。
たかが2mだが、滝の下降はやっぱり怖い。

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う~ん。良い渓相だね。

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小クマ沢と出合って、さらに下降を続ける。ここら辺は何度も歩いている区間。
相変わらず倒木地獄だね。

Pb260049

おなじみの山神沢出合に到着。
ここで休憩しながら次のルートを考える。時刻は12:20。まだ、もうひと遊びできる。

山神沢もまだ歩いた事が無かったっけ。久しぶりに山神様にご挨拶しておくか。

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山神沢出合に降りる東電巡視路の階段。すっかり壊れて、もう上り下りはできません。
最初にここへ来た時には、この階段を降りてきたんだったなぁ。もう何年前の事だろう。8年か9年か・・・
と、妙な感傷に浸ったら、山神峠へ向かって出発します。

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山神沢出合には何度となく来ているのに、なぜかこの山神沢は未踏でした。

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右岸側に石積みが見えます。そう、ここは小山と水ノ木を結ぶ、重要な古道が通っていたんだ。

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右岸へ上がってみると、間違いなく古道の痕跡だ。道幅1間以上はあったんだろう。荷を背負った馬が歩いていたはずの道だ。

が、すぐに道型は崩れ、仕方なく沢へ降りる。また道型を見つけて上がるが、すぐに崩れる。
それを繰り返しているうちに、疲れて嫌になる。
もういいや。沢の中を歩こう。

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時々、小滝が出てくるが、おおむねゴーロ歩き。

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小さなナメもあるよ。

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水流が細くなってくると、沢は複雑に枝分かれをする。
そろそろ山神峠も近いはず。地形図を見れば、山神峠へ登るのは小さな枝沢だ。見逃さないようにしなければ。

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むむっ。これが山神峠へ詰める枝沢っぽい。
こんなところを馬が登ったとは考えにくいから、古道はだいぶ高みについていたのだろう。

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ぐずぐずの泥沢を登っていくと、沢型がなくなり、峠がはっきりと見えてきた。

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峠にたたずむ山神様。ご無沙汰してました。と、手を合わせる。
祠は今にも崩れ落ちそうでおいたわしいが、オイラ一人じゃどうすることもできない。
下手に触ると、一気に崩れそうで・・・

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峠には真新しい『王』の標識が掛けられていた。
王子製紙が伐採作業を始めるんだろうか。
企業の力で、山神様の祠をなんとかしてくれんかなぁ。

さあ、一休みしたらチャレンジだ。
長年の課題だった、山神峠の乗越しに挑戦してみよう。
古道はここ山神峠から西の沢へ降りて水ノ木へ続いていたという。
が、西側はザレザレの崩壊斜面で、いままでとても降りてみる気になれなかったんだ。
でも、一度は辿っておきたい古道跡。

ザックからロープを出し、斜面を眺めながらルートを探る。
眺めているうちに、鹿のルートらしきうっすらとしたバンドが見えてきた。
ただし、そのルートの上には立木がないからロープは使えない。
う~ん。どうしよう。立木にロープをかけて、急斜面を下降するか、ロープなしで鹿ルートを下降するか・・・
後者を選択して、そろそろと下降を始める。一歩一歩、ぐりぐりと靴でステップを作りながらゆっくりと・・・

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30mを10分もかけて降りたよ。
振り返って峠を見上げる。
古道はこの斜面をジグザグに登っていたんだろうか・・・
いや、左手の尾根から峠へトラバースしてたんじゃないかな・・・。そんな気がする。

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この沢は「ホリ木ノ沢」というらしい。定かではないが・・・
たぶん、何かの資料で見たんだと思う。自分用の地図にホリ木ノ沢と書き込んであるんだ。が、どの資料を見たのか、あるいはネットで見かけたのか、全く忘れてしまったのだ。
沢沿いに、古道の痕跡が残ってないかと探しながら歩くも、何も見つからない。
左岸に平らな場所を見つけて上がってみたが・・・なんだかピンと来ない。道っぽい気がしないんだ。

古道があったことは間違いないんだ。
沢床からだいぶ高い斜面についていたのかもしれないなぁ。

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おっと。石積堰堤発見! 側面の崩れたところから覗いてみたが、どうやらセメントを使ってない。相当昔のタイプかもしれない。
まずはT.I.博士に報告だ。

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ほどなく林道に降り立つ14:20。

ここからのんびり歩いても1時間半で浅瀬へ帰れる。

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メリット5の標識発見。場所は土沢出合の近辺。
普段なら気にも留めないが、先週のM氏の記事で興味を持ったばかりだから。
なんでも無線の電波が良好な地点なのだとか。
が、携帯を取り出してみたが、圏外だ・・・
え?電話とは関係無いって?
やっぱり、いまひとつよくわからん。

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マウンテンバイクとすれ違う。
こんな時間にどこまで行くつもりだろうってことも気になるが、世附の林道もチャリで走りまわれるくらい回復したんだねぇ。
って、世附の林道は自転車禁止じゃなかったっけ?
湯山林業の爺さんが生きてりゃ、大目玉食らうはずだぜ。

15:40 浅瀬のゲートに戻ってきました。
なんだかんだあって予定外のルートになってしまったが、充実した山歩きでした。
今日は足の痙攣も出なかったしね。
ああ、面白かった。

・・・と
機嫌よく帰路についたのだが、丹沢マラソンの事をすっかり忘れていた。
丹沢湖を過ぎ、道の駅の手前辺りから渋滞が始まり、大井松田ICまで1時間半だ。おまけに東名が事故渋滞。家まで5時間もかかってしまった・・・
もうイヤっ!!

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2017/11/21

モロクボ沢

2017年11月19日 

Tizu171119

2か月半ぶりの山歩きに選んだのは、モロクボ沢だった。
好きな沢だから・・・というのが理由である事には違いないが、「勝手をよく知っていて、簡単で気軽に歩けるから」というのが大きな理由だ。
さすがに2か月半もブランクがあると、厳しいルートを歩き通す自信が無いんだ。筋力も落ちてるだろうし、カンも鈍ってるだろうし。

モロクボ沢は何度も訪れてはいるが、まだまだ全てを歩きつくしているわけではない。数ある支流の中で、モロクボ沢ノ頭へ詰め上がる清水沢のルートはまだ未踏だった。

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西丹沢VC到着が8:40頃。もうすでに満車状態だった。ギリギリ1台分開いていたスペースに無理くり車をねじ込む。
すでに紅葉も終わっているだろうに、こんなにハイカーが多いの? ちょっとびっくりだ。
VC前にはバスが3台停まっていたから、増発も2台出たんだろうね。
この分じゃ、モロクボ沢方面も人が多いかな・・・
などと思いながら出発する。

用木沢出合を過ぎて白石林道へ入ると、全く人が歩いた気配がなくなった。
あの大勢の人たちは、みな檜洞丸へ向かったんだろうか。

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出発から1時間でモロクボ大滝に到着。
いや~いつ見てもいい滝だ。
やっぱり山はきもちがいいなぁ・・・とあらためて思う。
水量はだいぶ少ないけれど、逆に階段状の流れがはっきりと見えて、いい味を出してる。

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大滝の巻は右岸から。
階段状の岩棚を登り、チムニーをよじ登る。
何度も何度も越えているルートだ。昔はロープが垂れていたが、今は何もない。が、ロープが無くたってわけないルートだ。勝手はよく知っている・・・はずだった。
まず岩の階段を上るが、一段一段が高いので簡単には上がれない。
ガバホールドを探って掴んだら、右足をかすかな突起に引っ掛けて身体を引き上げるんだ。
その右足を引っ掛けて、身体を引き上げようとする時に、一瞬恐怖心が走った。
あれ? こんなのわけ無いはずなのに・・・。
チムニーの最後はオーバーハングしてるが、樹の根が掴めるからわけなく登れる・・・なのにここでも恐怖心がチラッと沸いた。
なんとか這い上がった時に、心臓の鼓動が早くなってる事に気が付いた。

ブランクのせいか・・・
身体の動きが悪いんだ。動きがぎこちないから、妙な恐怖心が生まれる。

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大滝の上の連瀑帯。
釜をじゃぶじゃぶ歩いて、水流沿いに登っていくのがセオリーらしい。
でも水濡れ嫌いのオイラは、そんな事をしたことが無い。
特にこんな寒い日には、絶対に水につかりたくない。
今日は『濡れないで歩く』がテーマの一つ。
このF2は左岸の3m上をへつって巻く。これだっていつも使って慣れているルートなのだが、途中で「なんか滑りそう」的な恐怖心が走った。

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連瀑帯の最後を飾るナメ滝と石積堰堤。
ここは右岸の斜面に登って、旧経路らしきバンドで一気に巻く。
が、このバンドをトラバースしている最中にもちょっと恐怖心が走った。

なんだろう・・・今日はいったい・・・
身体が重くてぎこちない。その上、メンタルも落ち着かない。
2か月半のブランクのせいなんだろうか。
この一歩が安全なのか不安定なのかというカンが働かないから、恐怖心が沸き上がってくるんだ。
・・・と思う。

石積堰堤を越えると、しばらくずっとゴーロ歩きが続く。
水晶沢出合を通過し、越場ノ沢出合を通過し、滑棚沢出合を通過し・・・ずっとずっとずっとゴーロが続く。
気楽に歩くだけなのだが、だんだん足にダメージが溜まってくるのがわかる。
こんなに疲れる沢じゃなかったはず。だいぶ身体がなまってるんだろうな・・・

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960m付近のZ型の滝。
Z型の岩を斜上すれば簡単に登れるのだが、水流を横断する時に必ず濡れる。水濡れ嫌いのオイラにとっては厄介な滝だった。
が、今日は左壁から水濡れしないで簡単に登れた。
何故だ?いつもと何が違う?いつもは左壁に取り付けなかったはずだ。釜が浅くなったんだろうか・・・
過去の写真を引っ張り出して見比べてみればわかるのかもしれないが、面倒なのでそこまではしない。
たいていの人にはどうでもいい事なのだろうから。普通は多少濡れても水流を横断して登ればよい事なのだ。

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1035m二又。左は畦ヶ丸へ詰める酉ノ沢。そして右が今日のターゲット、モロクボ沢ノ頭へ詰める清水沢。
本流は酉ノ沢のようにも見える。沢床が低いし、水流もある。清水沢には水流が無い。
が、モロクボ沢なのだからモロクボ沢ノ頭へ詰めるのが本筋ってもんだ。

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水流ゼロ。何もない、平坦な沢筋を登る。
モロクボ沢は、今までいくつもの支流を詰めてきたが、その中で一番つまらない支流だ。
その分、一番楽ではあるけれど・・・。

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何事もなく、稜線が見えてきた。
最後はさすがに急斜面ではあるが、もがくほどの斜面でもない。

12:50 モロクボ沢ノ頭へ詰め上げる。

楽なルートだったはずだが、考えていたよりも時間がかかった。そして、相当な体力を消耗している。
下山ルートはいくつか考えてはいたが、ちょっと足の筋肉に限界を感じ始めていたので、登山道で降りることにした。

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13:18 畦ヶ丸山頂。ここまでの登りで、太ももの筋肉が限界に達してしまった。
ひきつる筋肉をだましだまし、登山道を降りる。
2時間ちょっとの下山が、ただひたすら苦行だった。

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15:30 ヘトヘトのボロボロになりながら西丹沢VCへ到着。
紅葉が綺麗なのが妙に嬉しかった。

帰りの車の運転中から太ももの筋肉痛が始まり、2日たった今でも強烈に痛い。
久しぶりだヮ、こんなひどい筋肉痛。
2ヶ月半のブランクの身体には、キャパオーバーのコースだったのか?
モロクボ沢をナメすぎていたのか、オイラの身体がガタついてきているのか・・・
いずれにしても焼きが回ってきたなぁ・・・
悔しいけど。

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2017/09/07

相模上臈杜鵑

今年も丹沢の貴婦人と呼ばれている相模上臈杜鵑(サガミジョウロウホトトギス)の季節がやってきました。
そして、今年も見に行ってきました。

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2017年9月2日

メンバー:AYさん イガイガさん はっぴーさん shiro

朝起きたら雨が降っていた。が、AYさんの事だから雨でも行くんだろうなぁ・・・と思っていたが、案の定、2時間遅らせて集合の連絡が入る。

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AYさんの読み通り、雨がすっかり上がった9時15分に出発です。

今日は、AYさんが去年探索して、たくさん花が咲いていたという沢へ連れて行ってもらいます。
イガイガさんもはっぴーさんも初めての沢だそう。もちろんオイラも。

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まずは誰もが知ってるメジャーな沢を遡行します。
あえて沢名は書かないけれど、このF1を見ればわかる人はわかるよね。

右手の細い水流が本来もう少し太いはずだとかで、落ち口に詰まったガレを掃除するイガイガさん。滝好きの極みだね。

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ここは丹沢でも一二を争うメジャーな沢だから、滝には必ず鎖かロープが設置されています。
鎖が設置されているから簡単ちゃあ簡単な沢なんだろうけど、どの滝も高度感があるからそれなりに怖い。
特にF3の落ち口へのトラバースなんかは何回使ってもビビる。鎖に身を預けなきゃいけない場所があるし、しかもそこの鎖がビヨーンとのびるんだ。

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1番の難所だと思っていたF5。水流右に鎖は付いているが、スタンスが悪すぎて取り付く気がしない。
少し下流の右岸ルンゼを利用していたが、左岸に知らない巻道ができていた。(前からあったのかなぁ?気が付かなかっただけか?)ロープに誘導されながら巻いたら、なんてことない。安心・安全に巻けてしまった。

そんなこんなで、メジャー沢の遡行を続け、いよいよ未知の支沢へ入ります。

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その支沢へ入った所。なかなか良い渓相です。

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まず現れたのが3mの滝。
AYさんとはっぴーさんはずぶ濡れになりながら水流をくぐって直登します。
そのずぶ濡れが嫌なイガイガさんとオイラは左岸から巻き巻き。

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次いで現れた大滝。10m以上はあるだろうな。
これは見事な滝だ。

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大滝の巻はなんてことなかったが、その上の4mが厄介だった。
AYさんが絶妙のバランスで左岸から巻き上がる。続いてイガイガさんも。
でも、下から見ててもヒヤヒヤもんだ。
オイラとはっぴーさんは無理をしない。イガイガさんにロープを下ろしてもらってラクラク登る。
ありがとうございまッス!

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大滝を越えた辺りから、貴婦人がお姿を現し始めた。

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遡行を続けると、ここにもあそこにもという感じで咲いてる咲いてる。

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そして5m+5mの滝を越えると、穏やかなゴーロの沢になり、稜線への詰めも比較的楽でした。

ああ、良い沢へ連れてきてもらったなぁ。というのが正直な感想です。

 

さて。

『相模上臈杜鵑の詳細な生息地はネットに上げない』というのが暗黙の決まりになっているので、今回の記事では沢名も書きませんでしたし、ルート図も無しです。
『盗掘によって絶滅危惧種に追いやられた花だから』というのが理由です。
以前はオイラもそう思っていました。
でも、何年もこの花を追いかけていろいろな沢、支沢、枝沢を覗いてきて、「そればっかじゃないだろうな」と思っています。
確かに書策新道沿いに咲いていた株などは盗掘されたのかもしれない。昔から丹沢を歩いている人によれば、かつては書策新道沿いにもたくさん咲いていたそうです。
今ではほんのわずかしかありませんから、心無い人に盗掘されたのかなあとも思います。

でも、盗掘よりも鹿の食害の方が多いような気がしています。もし、生息数が激減しているのだとしたら、それはたぶん鹿のせいです。ユリ科の植物は鹿も大好きですから。

昔の事は知りませんので、生息数が減っているのか増えているのかわかりませんが、『激減』しているという気はしないんです。咲いている場所にはたくさん咲いている。たいていは厳しい谷間です。鹿も入って来ないような岩場であったり、鹿も届かない崖であったり。そんな生息地は何か所もあります。
今回の沢もそうでした。滝場と滝場に挟まれた厳しい谷です。「こんな場所に盗掘目的で入ってくる人いないだろ」と思うような場所です。

一応、沢名は書きませんでしたが、この花を追いかけている人にはヒントになるような書き方をしました。決して気楽な花見気分で行けるような場所ではありませんが。

そしてオイラは、今後もずっと、サガミジョウロウの生息地を探して歩き回ります。この花の生息域とされている山域のすべての枝沢を見て回りたいと思っています。
相模上臈の生息地を全て把握したいんです。
それが何の役に立つわけではありませんが・・・

 

最後におまけの写真。

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花の撮影に夢中になるはっぴーさんとイガイガさん。
崖にしがみついて危ないよォ。
でも、こういう場所にしか咲いていないんだよねぇ。花を接写したかったら、どうしてもこういうあぶなっかしい撮影になってしまうのです。

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