2009/12/22

バケモノ沢上流部探険

我が師、M-K氏はイカレたお人だ。今回の山行計画を聞いた時に、つくづくそう思った。

今回の狙いは、西丹沢の奥の奥。まさに秘境と言うべき山域。バケモノ沢の最深部、戸沢、赤沢の探険だ。それを上から攻めると言う。つまり大界木山の稜線から未知の沢へ降り、そのまま沢を下降する。そこまで聞いただけで「はい??」である。さらにその後、未知の沢を遡行して稜線に戻る、という計画だ。「滝が無けりゃいいけどね」などと平然とおっしゃる。

こんなイカレた計画を立てられるのは、M-K氏が達人で有るからに他ならない事は間違いない。だから、並みの人は決して真似できないイカレ具合に、魅力を感じて惹かれてしまうのだ。

そして、このイカレた山歩きの極意を学ばんがため、同行させていただく事をお願いしたのだった。

私も「イカレた男だね!」と言われるようになりたいんだ!!

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12月20日

メンバーはM-Kさんを筆頭にAYさん、T.Iさん・・・と私。

この戸沢・赤沢、事前にググってみたものの、沢を歩いた記録がひっかからない。西丹沢の奥地だから、ここらを歩く人も少ないのだろう。ひっかかるのは渓流釣りの人の記録だけだ。でも釣師は魚のいない最深部までは行かないから、源頭部は全く未知の領域だ。ワクワクするが、さすがに単独で歩くのはビビッてしまいます。まして未知の沢の下降となるとなおさらだ。でも今日は達人にくっついて歩くんだから、怖いもの無しだゼ。

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朝8時40分  道志村の道の駅から林道へ入り、水晶橋という橋のたもとに車を止めて出発です。 零下じゃないの?と思うくらい寒い朝でした。

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林道を歩く事20分。ここからは登山道で城ヶ尾峠を目指します。歩きながら地形図に記された登山道とは違う尾根を歩いている事に気がつきました。あきらかに地形図が間違えている。そんなのよく有ることだけど、ここはあまりにも違いすぎる。いつも思うのだけれど、山道に関してはテキトーすぎるぜ、国土地理院。

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9時30分 城ヶ尾峠に到着です。ここで一服しながら、M-Kさん、AYさんの両達人が下降口を協議しています。そして、大界木山を越えて、少し下がった所から小尾根を下降しようという結論に。

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城ヶ尾峠から大界木山を目指します。さすがは東海自然歩道。公園の小道のような稜線歩きです。気持ちいい~!

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木々の間から富士山もくっきりと。

気分上々で歩きながら、大界木山を越え、下降すべき小尾根を探します。

そんな時、M-Kさんがうっすらとした踏み跡を発見。「いや、ここは目指している尾根とは違います。」と言うが、「なんか知らんけど、ここを降りよう。」とおっしゃる。なんか知らんけど、もちろん異存は無い。

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という訳でここから下降開始です。踏み跡と言ったって、本当にうっすら。言われても「え?ホントに踏み跡?」というくらいです。

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薮の中を少し歩くと、こんな歩きやすい道が出現。いや、道じゃない! 沢の源頭だ。M-Kさんのカンが見事に的中。恐るべし達人のカン。

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水がチョロチョロと湧き出してきました。

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下降開始から30分。 もう立派な沢です。

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気持ちの良いゴーロ歩きが続きます。AYさんは「滝が無くて歩きやすいねぇ」などと言ってますが、ちょっと物足りなさそう。私としては滝が出てこない事を願います。

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なんて願っていたけれど・・・やっぱりね。滝出現です。高さは無いものの絶壁の滝。ここは左岸を20mほど高巻きました。こんな時のAYさんのルート取りはとっても的確。頼もしい人です。

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右岸から合流した沢にこんな立派な滝が! ここまでは釣り人も上がってこないだろうから、見た人も少ないんだろう・・・なんて思いながら見入ります。 

水量は少ないものの、高さは25mくらいは有るでしょうか。写真が下手で伝わらないかもしれませんが、本当に美しい滝でした。これを発見しただけでも、ここへやってきたかいが有るというものです。

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だんだん水量も増えて、危険度も増してきました。ここもちょっとした危険箇所でしたが、嬉しそうに笑いながら通過するT.Iさん。

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下降開始から1時間45分。 戸沢をずっと降りてきましたが、ついに赤沢出合に到着です。左が降りてきた戸沢。右から流れ込んでいるのが赤沢。そしてここから写真上へと流れていくのがバケモノ沢です。

時間もちょうど、12時過ぎ。この少し上流でランチ休憩をしてから、今度は赤沢の遡行開始です。

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10分も歩くと、美しいナメ滝出現。2段になってます。

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ここは、右岸から巻き巻きです。

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沢の水が凍っています。うっかり足を乗せるとツルンとこけるので要注意。

でも、凍りついた沢って綺麗だ・・・。

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だんだん水量も少なくなってきました。こうなると、沢歩きに慣れていない私も安心して歩けます。

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ウッヒョー! また美しい滝が出現だ。半分凍りついている。赤沢の最深部に有る滝。見た事が有る人も、そう多くは無いんだろう。そう思うと、感慨もひとしおです。

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源頭部も近づいてきました。どういうルートで稜線につめるか、協議する両達人。

結局、尾根には登らず、このまま沢をつめる事になりました。

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チョックストーンの滝。でも水量がチョロチョロだから、簡単に登れます。

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赤沢出合から遡る事、1時間と10分。ついに源頭部に到達しました。ここから上は猛烈な笹薮。

さあ! 薮に突入だ!

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完全に背丈よりも高い薮の中を、ずいぶん長い事もがいていたような気がします。が、実際は10分くらいだったかもしれません。

今まで、そんなに多くのヤブ漕ぎをしてきたわけではありませんが、こんな激ヤブは初経験だ。M-Kさんにそう言うと、「この程度じゃ、ヤブとしてはBクラスだな」だって。ええッ!? まだ上にAクラスがあるんだ! とビックリすると、「まだその上には特Aクラスがあるよ」だって。・・・恐るべし、ヤブ屋の世界。奥が深い・・・。

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14時20分。 城ヶ尾峠に到着です。

戦い終わった男達。西日が眩しいぜ・・・。

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後は登山道と林道をテクテクと車に戻るだけです。

あ~面白かったぁ・・・。本当に面白い山歩きでした。

いつも、未知のルートを無事歩きとおした後には、達成感と満足感が残りますが、今日はまた格別です。

私の実力と経験では、単独では絶対にいけないルートでした。

M-Kさん、AYさん、T.Iさん。本当にありがとうございました。

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2009/12/15

本間ノ頭周回 ~後編(下り)~

前回からの続きです。

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登りですっかり疲れきってしまい、本間ノ頭山頂でウトウトとしてしまいました。あまりの寒さに目が覚める。

しまった! もう11時半だ。実はこの日、夕方に用事が有って16時頃までには帰らなければならない。という事は、14時には早戸川大橋に止めた車に戻りたい。残り2時間半。たぶん行けるはず。が、途中で道迷いしたらアウトだ。

よ~し! と、気合を入れる。いよいよ栂立尾根の下降開始だ。いつもながら未知のVルートに突入する時には緊張が走る。でもこれは、心地よい緊張だ。ワクワクするんだ。

もう一度地形図を確認する。この栂立尾根、途中のピークが多い分、尾根が複雑に枝分かれしている。いかにも迷いそうな尾根だ。慎重にRF(ルートファインディング)をしなければ。

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いざ出発。 下降口は山頂のベンチの裏。はっきりとしたトレースがあります。

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山頂からしばらくは、エアリアにも記載されている、本間橋へ降りるルートをたどります。赤破線コースだけれど、登山道には違いない。踏み跡もくっきりとしていて歩きやすい。

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たぶん、エアリアに『危』マークがついていた場所だ。でも、ロープも張ってあるし、安全に通れます。

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最初のRF注意地点は、標高1260m付近。エアリアの赤破線コースから分かれて、北東の尾根に乗る地点だと思っていました。が・・・そこにはこんな道標が。

わかりやす!

とうせんぼロープをくぐって奥へ進めって事だね。

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そこはこんな素敵な尾根道。気持ち良く散歩気分で歩きます。

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カッコいいブナの大木も生えています。

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こんな光景にも野生の迫力を感じます。

そして鐘沢ノ頭を通過。ピークでは必ず尾根が分岐するので、RFが必要です。が、ここは迷う事無くすんなり通過。

続いてP1043通過。さあ、ここだ。事前の地図読みで、一番注意が必要だと思っていた地点にさしかかった。P1043を少し下った所で、尾根は二つに分かれる。そこを東へ向かうのだが、地形図上で見ると東へ向かう尾根はぼやけている。よほど注意深く観察しないと、見逃してそのまま北の尾根に乗ってしまうだろう。

慎重に東側を観察しながら進む。案の定、東へ向かう尾根の入り口は、地形を見てもわからない。が、すぐに見つかった。

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見つけたのはこの杭。この栂立尾根は、清川村と相模原市の境界尾根なんだ。だから、先程からずっと、この境界杭を辿って歩いていたんだ。東の斜面にこの杭を見つけたので、すんなり迷わずルートを見つける事ができたという訳さ。

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山頂から1時間15分。栂立ノ頭山頂です。

ここまではとても気持ち良く歩いてきました。ただ、不気味なのは時折聞こえる猟銃の音。音は遠いけれど東と西から聞こえてくる。これから向かう北方面から聞こえてこないから、少し気が楽だけど、先程空の薬莢が転がっているのを見つけたから、この山域でも猟が行われるのでしょう。冬の丹沢で一番怖いのがこれ。まあ、正規の登山道のそばでは、絶対に猟はしないはずだから、一般登山者には関係無い話かもしれないけれど・・・。

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栂立ノ頭から北東へ向かいます。この尾根上には鹿柵が張られ、自然林と植林に分かれています。かなりの急斜面。鹿柵の中へ入って、植林側を降りてみましたが、こういう急斜面は、木がランダムに生えている自然林側の方が降りやすいかも。

この尾根を登りで使う時には、ここが一番の心臓破りだね。

次のピークは六百沢ノ頭。ここでもRFは必要です。山頂から真北の尾根を降ります。

次のRFは標高670m付近。ここで尾根は3つに別れます。しかもボヤっとした地形で、尾根の分岐がわかりにくい。例の境界杭を探して、北東へ向かいます。

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そしてたどり着いたのがP532。ここがタロベエ峰だと思っていたのですが、もしかしたら違うかもしれません。

当初の予定では、境界尾根を辿って金沢橋の脇へ降りるつもりだったのですが、帰りの時間が気になるので、ここから北へ向かいます。

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新多摩線33号鉄塔の下へ出ました。さあ、ゴールは間近だ。

ここから、一の沢という小さな沢の右岸の尾根を下降しました。後でわかった事ですが、左岸の尾根に入るのが正解だったようです。

林道が近づくにつれ、嫌な予感がしていたんだ。こういう尾根の最後にありがちな事。

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ホ~ラね。嫌な予感は当たった。最後が擁壁だ。7~8mの擁壁が、2段になっている。上の段は比較的傾斜が緩やかで、なんとか降りられた。下の段は絶壁だ。さあ、どうする!

ザイルを出そうか、と思った。先月、M-Kさんに「Vルートを歩くなら、6mmのザイルくらいは持って歩きなさい!」と忠告されてから、いつもザックの横にぶら下げてはいるんだ。1度も使った事はないけど。

どこにザイルを引っ掛けようかとキョロキョロしているうちに、「なんとか滑りながら降りられるんじゃ」と思い始める。「滑って降りても、下のフェンスで止まる」と。擁壁に腹這いになって、ザザーと滑ってみる。

ウッヒャー! うまくいった。そしてちょびっと気持ち良い。フェンスを乗り越え、2m程のコンクリ壁を飛び降りて、無事林道に降り立つ。

やったネ! ・・・と思ったが、シャツとズボンはドロドロだ。それも尋常じゃないくらいのドロドロだ。こんな擁壁を滑って降りたんだから当たり前だ。それを見て、さすがに自分でもゲンナリする。・・・バカだ。バカ過ぎる・・・。

まあ・・・そんなこんなで。

予定通り14時、早戸川大橋に戻ってきました。

よしよし。今日は一度も迷わずに、Vルートを下降できました。と言っても、境界杭という大ヒントを辿ってきただけだから、自慢にはならないけれど。

それに、たとえ間違った尾根に入ってしまっても、「必ず早戸川林道か金沢林道のどちらかに降りられる」という気持ちがどこかに有って、緊迫感にも欠けていたけど。

だけど、『静かな尾根歩きを楽しむ』という観点から見れば、この上なく素敵な尾根だった。地形図を見ると複雑に尾根が派生しているから、この辺一帯の山域を探索してみるのも面白いかも。

この辺はヤマビルが多いから、冬にこそ歩きたい山域なのだけど・・。怖いのは猟銃だ。猟の情報って、どこで調べればわかるんだろう・・・。

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本間ノ頭周回 ~前編(登り)~

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栂立(ツガタチ)尾根を歩いてみたい。

そう思った。もちろんV(バリエーション)ルートだ。どうせ歩くなら下りだ。初めてのV尾根は、登りよりも下りのほうが断然面白いんだ。もちろん賢い人は「最初は登りからだ」と言う。下りの尾根は、道迷いしやすくて危険だからだ。でも、こちとらおバカだからしょうがない。道迷いの恐怖と戦いながら、必死でルートを探しながら歩くスリルが大好物なんだ。

というわけで、本間ノ頭から栂立尾根を下ってみる事にした。で・・・登りはどうしよう。ここは正攻法で、一般登山道を上がる事にしよう。宮ヶ瀬湖から高畑山を通って丹沢山へと続く尾根(なんて名前の尾根なんでしょう?観光協会のページでは『登山道 丹沢三峰線』となっています。)を登ろう。

車は早戸川大橋に止める事にして、登山口の宮ヶ瀬三叉路まで歩くのはカッタルイ。金沢林道から、適当な尾根を這い上がるか。

・・・って、全然正攻法じゃ無いじゃん!

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12月13日

朝7時15分  早戸川大橋のそばに車を止めて、出発です。

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ど~よ! この素晴らしい朝の空。今日も素敵な山歩きを予感させるゼ。

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早戸川林道を湖沿いに歩き、金沢橋を渡ったら右に折れ、金沢林道に入ります。

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この林道を歩くのは初めてです。途中にはこんな滝も見れます。野草が豊かそうな林道だなァ。春になったらまた来てみよう。

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早戸川大橋から歩く事45分。ここから、御殿ノ森と高畑山の中間にあるピークへと続く尾根を登ってみようと思う。地形図を見て、「一番登りやすそうだなァ」と思ったから。ただのカンだけど。もちろんVルートですから、決まった取り付き口などありません。沢の横から這い上がるか。20mも上がれば尾根に乗れそうだ。かなりの急斜面だけどグリップの良い地面なら、何てこと無いさ。

なんて登り始めてみたけれど・・・。やっぱりね。グリップが良いはずが無い。腐葉土のズルズル斜面だ。ナニクソ! っと四つん這いでもがくように這い上がって尾根に乗る。

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尾根上はとっても雰囲気が良い。自然林の尾根だ。

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薮椿が咲いていたよ。

それほどの急斜面は無く、とっても歩きやすい。 ホラホラ、カンが当たってたんじゃない? なんてちょっと得意気。

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金沢林道の取り付きから50分ほどでピークに到着。これはなかなか良い尾根を発見した。

このピークから下がって、高畑山との鞍部で一般登山道に合流です。

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高畑山山頂の巻き道にこんな立看板。『登山道崩落のため通行できません。』だって。

この手の看板には、すぐに誘惑されちゃうんだよねぇ・・・と、もちろん入ります。

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おっ、崩落地はここか? でもわりと簡単に通行できる。

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あっ、また崩落している。さっきよりはちょっと慎重に。でも、Vルートを歩いていれば、こんなくらいの場所はしょっちゅうでてくる。

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さて、通行止区間も難なく過ぎて、また一般登山道に戻ります。右手の木立の間には、長い尾根が見える。あれが栂立尾根だ。

P844、金冷し、松小屋ノ頭と通過していきます。地形図上の登山道は、それぞれピークを通っていますが、実際の登山道はピークを巻いています。国土地理院の登山道表記は100%信用しちゃいけない、という事を改めて実感します。

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途中、こんな箇所も。ウ・・ちょっと怖い・・・。木桟橋が苦手なんだ。

実は、数ヶ月前に廃道の山神径路を歩いた時。雨と苔でヌルヌルになった腐った木桟橋(おまけに傾いていた)で死にそうな目に合って以来、トラウマになってしまったんです。今だに木桟橋を渡るのがちょっと怖い。ここの木桟橋は腐ってもいないし、傾いてもいないのだけれど、渡る時に足に力が入ってしまいます。

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あ! ツチグリ発見。 皮をむいた腐った蜜柑みたいでしょう? これ、突くとポフポフと胞子を噴き出して面白いんだ。

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P1047到着。 さあ、ここから300mの登りがキツイんだ。

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11時過ぎ。 本間ノ頭山頂に到着。

4時間近くかかってしまった。思ったよりも時間がかかった。3時間くらいで登れると思っていた・・・根拠はないけど・・・ただカンでそう思っていただけだけれど・・・。

イヤハヤ、疲れた。体調はそんなに悪くないはずだけれど。この尾根、けっこうキツイかも。考えてみれば、標高差は1000m以上有るのだもの。山頂のベンチに寝っ転がって、しばし休憩です。

さあ・・・

この後いよいよ栂立尾根に入ります。またしてもVルートの下降だ。

はたして今回は、迷わずに下降できるのか!

乞うご期待!!

つづく・・・

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2009/12/04

ホソノノ尾根~塔ノ岳~源次郎尾根 後編

前回の記事からのつづきです

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10時35分  塔ノ岳山頂を出発。下山ルートは源次郎尾根です。

この源次郎尾根、下りで使うと道迷いしやすい尾根だと言われています。あの、尊敬する大師匠S-OKさんでさえ、最初にこの尾根を下降した時には、間違えて沢に下りてしまったと、 自らの山行記で語られています。

「未知の尾根は下降するな」が山の常識。それだけVルート尾根の下降はRF(ルートファインディング)が難しいんだ。ましてや達人のS-OKさんでさえ惑わした尾根だ。

でもオイラ、そんなスリルが大好きなのさ。ワクワクするぜ。

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塔ノ岳からテクテクとバカ尾根を下って、花立のピークまでやってきました。この下に源次郎尾根の下降口が有るはずです。ピークから東側を観察します。

おお、あれだ。バカ尾根から派生して東に伸びる尾根が見えます。あれが源次郎尾根だ。

花立ピークを少し降りた場所で、左手に黄色いテープのマーキングを発見。ここが下降口か? 山腹をジグザグにうっすらとした踏み跡が有る。ここを降りていくのか? なにか違和感を感じる。もう少し先を調べてみよう。

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左手を観察しながら下っていくと・・・あった! 笹原の中にこんなにくっきりとしたトレースが。間違い無い。ここが源次郎尾根の下降口だ。

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しばらくはとても気持ちの良い尾根歩き。はっきりした踏み跡に沿って歩きます。左手には表尾根の稜線が見えます。奥の端整な三角形の山は大山だ。こういう雄大な眺めの中で歩くのって、とても気持ちが良い。

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ほどなくこんな広場にたどり着きます。

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広場の下は崩壊斜面。この辺から踏み跡はなくなります。

そしてここで尾根が二つに分かれています。右手の尾根にマーキングテープが見える。が、まてよ・・・。地形図を睨む。絶対左手の尾根に行くべきだ。右手の尾根は沢に飲み込まれるはず。あのマーキングは沢屋のものかもしれない。

ところが左の尾根は激ヤブで歩けない。右の尾根を降りながら、左の尾根のヤブが途切れたあたりで左の尾根に乗り移る。

コンパスを何度も何度も確かめながら下る。とにかく南東だ。ここは南東方向に下りていれば間違いない。

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崩壊斜面から降りること10数分。こんな場所にたどり着きます。まるで公園のような草原だ。 なんて気持ちの良い場所なんだろう。

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車を止めた戸沢がはっきりと見える。

でも、ここが魔の地点だ。標高1100m地点。地形図を見ても、尾根の形がぼやけてはっきりとしていない場所だ。出発前に地形図を見ていた時から、皆がルートを間違えるのはここだろうと予想してた。ほんのちょっと方角を間違えただけで、源次郎沢へと引き込まれる。源次郎沢は滝が多いと聞いているから、沢へ降りてしまったら大変な事になる。

ここは慎重に・・・。草原の縁をウロウロしながら南東へ向かう尾根を探す。・・・が、わからない。それらしきものはいくつか有るが、どれが正解かがわからない・・・。

困った・・・。とつぶやきながら、実は楽しんでいるんだ。そう、これはオイラと山との真剣勝負なんだ。この緊迫感が大好きなんだ。

決断する時がきた。いくつかの候補の中から、一番東寄りの尾根らしき場所を下降する。「南向きの尾根に乗ったら、沢へ引き込まれる」という思いが強かったのかもしれない。

20mほど下降する。ものすごい急斜面だ。正しい尾根なら、この下で尾根の形がはっきりとしてくるはずだ。チラと右隣の尾根を見る。あっちが正解だったか? もう少し降りてみよう。

さらに20mほど下降する。さらに斜面は急になる。尾根の形ははっきりするどころか、ぼやけはじめた。右隣の尾根ははっきりとした尾根形状になってきている。地図とコンパスを眺めて考える。どうやら自分が今立っている場所は、地形図にはっきり出てこない小尾根だ。まただ・・・。先週に続いて、また小尾根トラップに引っかかってしまった・・・。

クッソー! また負けだ。そして負けた罰ゲームは、強烈な登り返しだ。

こんな急斜面をよくぞ下降したと思う。四つん這いでよじ登る。キッツー! こんな時、AYさんの言葉を思い出す。「木さえ生えてれば、どんな斜面でも登れる」 なるほど、名言だ。木から木へと辿るようにルート取りをしながら這い上がる。

草原の直下まで這い上がったら、右隣の尾根へトラバース。この尾根もやはり急斜面だが、少し下降してはっきりわかった。ここが正解だった。

皆さんには正解ルートの探し方のヒントを。

草原の直下から植林地帯が始まります。この植林地の東端、つまり植林と自然林の境目を辿るように進んで下さい。すると、正解の尾根に乗る事ができます。植林地帯の真ん中を進むと、沢へ降りる南向きの尾根に乗ってしまうおそれがあります。

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ここも相当な急斜面ですが、下草が無い植林地帯ですから、適当にジグザグしながら下降していきます。この後はただ尾根を下るだけ。標高900m下あたりと850m下あたりで尾根が別れますが、両方とも右手の尾根へ進みます。ですが、地形図を見るとどちらへ進んでも書策新道へ降りられるようです。

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標高750m付近になると、尾根上に間伐材や枝が散らばり歩きにくいったらありゃしない。左手下方に書策新道がチラチラ見えていますから、適当な所で山腹を降りても良いのですが、ここはできるだけ尾根を最後まで・・・と、間伐材をまたぎながら歩きます。

結局、標高720m地点で書策新道と合流しました。

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12時45分  無事に戸沢の駐車場へ到着。

ここら辺は紅葉真っ盛りです。戸川林道の紅葉を楽しみながら、帰途につきました。

 

また山との勝負に負けてしまった・・・。あの登り返しはキョーレツだったなァ。でも、ちっとも嫌じゃない。むしろ逆。とっても楽しい山歩きができました。

今日もまた、面白かったァ~。

そして・・・次は絶対勝つ!!

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2009/12/03

ホソノノ尾根~塔ノ岳~源次郎尾根 前編

11月29日

この日はお馴染みの塔ノ岳登山ですが、一味つけて登りはホソノノ尾根(木ノ又新道)を、下降は源次郎尾根をと歩いてみました。

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朝7時半 戸沢林道の終点の河原に車を止めて出発です。

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朝の陽射しを浴びて、山が燃えているよう。良い山歩きを予感させます。

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書策新道の入り口は、あいかわらず通行止めのテープが。テープをくぐって書策新道へと入ります。

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本谷の滝が見えるあたりでの崩壊箇所。(通過後に逆から撮影)

おそらくここの崩壊で通行止めのテープが張られているのでしょう。前回来た9月よりも崩壊が進んでいるかな・・・。あまり山を歩きなれていない人は、もう通らない方が良いかも。っていうか、通行止めのテープが張ってあるんだから、そういう人は入ってこないか。

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水無川本谷を渡る。

ここは大好きな場所。なんか開放感が有るんだよなァ。ここでは必ず休憩を取ります。岩の上に腰掛けて谷間を眺めるのが好き。

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そしていつも気になる、ここに立っている道標。

『林道まで1197米』と記されています。何故『1.2km』じゃダメなんだ? この3mのこだわりは何だろう。

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あ!石積みの壊れた堰堤だ。どうやらセメントを使わず、自然石を積み上げただけの堰堤だ。しかも涸れ沢に。相当古い時代の物なのだろうか。今度、堰堤博士のT.Iさんにお会いしたら聞いてみよう。

・・・と、先日T.Iさんにお話を伺ってから、今まで興味の無かった堰堤にも目が行くようになりました。

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標高1000m付近。 手書きの小さな道標の裏の笹薮の中に、くっきりとした踏み跡があります。前々から、ホソノノ尾根の入り口じゃないかと目を付けていた場所。地形図で確認しても間違い無い。この踏み跡の有る尾根は、木ノ又大日へと続いています。

書策新道から離れて、いざ突入!

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入ってしばらくは急斜面を登ります。ほどなく、こんな気持ちの良いなだらかな尾根が現れたりもします。

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かと思えば、こんなワイルドな険しい尾根道になったり。

なかなか変化にとんでいて、楽しい尾根だゾ。

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手足をフルに使わなければ登れない急斜面や、小崖も随所にあります。でも、そんな場所にはお助けロープがぶら下がっています。

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ホソノノ尾根に入ってから約1時間。 霧の中に木ノ又小屋が見えてきました。木ノ又大日の山頂です。

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木ノ又大日からは、表尾根を塔ノ岳に向かいます。

そしてここでは素晴らしい霧氷を見ることができました。気温が上がってきたせいでしょう。霧氷が木からはがれて、パラパラと降り始めたのです。ちょうど霧が晴れ、陽射しが当たり始めました。降り注ぐ霧氷が陽射しでキラキラと光ります。本当に感動の光景でした。

まだ 時間が早いせいか、銀座通りの表尾根にもほとんど人が歩いていません。この美しい世界を独り占めにしながら、塔ノ岳へと歩きます。

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10時すぎ頃。 塔ノ岳山頂へ到着。いつもは人でごった返しているこの山頂も、今日は人もまばら。この時間だと、大倉着の1番バスの人達がポツポツ到着し始める頃なのかな。ヤビツ峠から登ってくる人達はまだまだなのでしょう。

さすがに山頂は寒いので、尊物山荘に入って休憩します。コーヒーが美味しい・・・。

それにしてもホソノノ尾根は面白い尾根だった。そして表尾根の霧氷。今日もいい山歩きができたなァ。

30分ほど休憩をして出発だ。下りは源次郎尾根を使います。今日もまた未知のVルート尾根の下降だ。

さあ、お立会い。 はたして今日はすんなりと下降できるのか!

続きは次回のお楽しみ!!

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2009/11/24

時にはのんびり歩きたいんだ (本間ノ頭南東尾根~弁天尾根)

11月23日

緊張感に包まれながら、ピリピリと歩くVルート歩きが好きなのは間違いないのだが・・。たまにはのんびりとお気楽に歩きたい時だってあるんだ。何も考えずにボケーっと歩けるVルートってないかなァ・・・と。

で、ここはどうだ? と決めたのが塩水橋から本間ノ頭へと伸びている尾根。本間ノ頭南東尾根と呼ばれている尾根だ。そして、帰りは円山木ノ頭から、ミックスナッツさんが「美尾根一番!」と言っていた弁天尾根を下ってこよう。ついでにいつも林道から見ているあの巨大な弁天杉の見物もしてこよう。

そんなわけで、いつもの通り丹沢へ。この上ない小春日和の一日でした。

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朝8時少し前。 塩水橋の脇に車を止める。今日も沢山の車が止まっています。今日はいつもの林道ゲートはくぐらず、橋の横の小径を入って行く。仕事道の入り口には必ず有る『関係者以外立入禁止』。おっと、ここの看板は大きいぞ。でも、立ち入るけどね。

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あれ。こんな所にも山神様が。書体とか彫りのシャープさから見て、かなり新しそうではあるけれど。なにはともあれ、手を合わせる。

普段は信仰心など全く無いのに、山で山神様やお地蔵様を見つけると、必ずお祈りをする。自分でも不思議だけれど。

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植林と自然林の混じった尾根を登る。仕事道が尾根の山腹にジグザグに付いています。が、ここはVルート気分を味わうために、わざと仕事道を無視して、尾根上を真っ直ぐ登って行く。傾斜も緩やかで、歩きやすい尾根だ。

歩きながら、塩水橋で出合った夫婦の事を思い出す。九州から来たんだって。天王寺尾根の取り付を聞かれたので、教えてあげた。丹沢山から蛭ヶ岳まで行きたいんだって。「日帰り可能でしょうか?」と聞かれたので「大丈夫ですよ」と答えた。が、よく考えたら出発が遅すぎるぜ。8時だもん。天王寺尾根ルートだと、健脚の人でも往復9時間かかるでしょう? 日没までに戻って来るのは不可能だ。大丈夫かな、あの夫婦。と、急に心配になる。

が、心配しても仕方がないか・・・。ベテランっぽかったし、そのくらいの判断はできるだろう。と、所詮は他人事だ。

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ところどころに現れる、綺麗な紅葉。いいなァ・・・のんびりと歩くのって。

この尾根、地形図を見ると下りではそれなりのRF(ルートファインディング)が必要そうですが、登りでは迷いそうな箇所はない。唯一、P741で要コンパスチェック。後は尾根を辿るだけです。

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どうよ。なんか気持ち良さそうな尾根でしょう!? ブナの巨木が沢山生えている。ホント歩いていて気持ちが良い!

宮ヶ瀬の方からパンパンと音が聞こえてくる。猟銃の音か? と、一瞬ビビったが、よく聞けば花火の音だ。そうだ、今日は宮ヶ瀬でトレランレースが有る日だ。今年は榛ノ木丸の登山道じゃ無い所を走るんだって。山が荒れるって批判が多いみたいだ。確かに、レースをするような山じゃないだろ、とは思うけど・・・。それを言ったら「お前だって登山道じゃない所を歩いているだろ」って言われちゃうから。

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時々見かける、木に赤スプレーのマーキング。これを見ると、ちょっとイヤな気分になる。きっと私と同じVルート愛好者が付けた目印に違いない。確かに、テープや紐のマーキングは、ありがたい時も有るし、あまり嫌な気はしない。岩にマーキングもまだ許せる。でも、この木にスプレーは嫌いだ。自然を慈しむ人なら、こんな事できないはずだろ?

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小さなピークに立つブナの木。ピークを覆うように根を張り巡らせている。

こういう光景には神々しさを感じるんだ。「神々の領域を歩いているんだなァ」という感慨に浸る。

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標高を上げるにつれ、だんだんワイルドになってきましたよ~。

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あれ? Vルートなのに土留めの階段が・・・。

ハッと思い、高度計を見ると1300mの表示だ。おかしい。1300mの手前で一般登山道に合流するはずだ。

地図とコンパスで現在位置を探る。どうやらいつの間にか一般登山道に乗っていたようだ。

そんな事にも気がつかないなんて・・・! ボーっと歩くにも程があるゼ、まったく!!

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10時50分 本間ノ頭に到着。 ベンチでチーズ蒸しパンを食べる。コンビニで売っているこのパン。今、一番気に入っている行動食です。

15人くらいの団体さんが丹沢山方面から上がってきて、そのまま宮ヶ瀬方面へと降りていきました。ツアー登山だろうか。整然と等間隔で一列に歩いています。人の好き好きだけど、こういう山歩きはできないなァ。歩いていても窮屈そうだ。

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円山木ノ頭へ向かって一般登山道を歩き出します。

そして、この日一番のお気に入りショット!

青空と大山の端整な姿をバックに、冬枯れの木がいい枝っぷりでしょう!!

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途中のピーク無名ノ頭。でも、道標にマジックで『煩悩の頭』と書いてある。いつからこんな名前になったんだ? それともこれが元来の名前?

ピークの北側をプチ探索して、北尾根の降り口を確認。近いうちにはこの尾根も・・・。

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11時30分頃 円山木ノ頭に到着。 少しだけ休憩。

さあ、ここから一般登山道と離れ、弁天尾根に突入だ。

コンパスで尾根の方向を確認して、南東方向へと降りる。踏み跡は無い。けっこうな急斜面だ。でも、落ち葉でフカフカしているから恐怖感は無い。ダダダっと駆け下りる。

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急斜面を駆け下りた場所にこんな石積みが。あきらかに人造物だ。なんの跡だろう? 炭焼き小屋でも有ったのだろうか?

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やがて広い尾根に出る。ブナの巨木が並ぶ。

ここか! ミックスナッツさんが言っていた『美尾根一番』の場所に違いない。

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朽木の苔が陽射しを浴びて金色に輝いている。

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こんなネジネジの木もあるよ。

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あああ・・・なんて気持ちの良い尾根なんだろう!

でも、この弁天尾根。1000m付近にトラップが仕掛けてあった。地形図で確認して、ここから南東方向の尾根に乗らなければならない事はわかっていた。が、尾根の形がぼんやりしすぎていて、よくわからないのだ。尾根だか尾根じゃないのだか、はっきりしない地形にとまどう。コンパスで確認しつつ、南東の尾根に乗ったつもりでいた。

少し降りたところで、東隣に別の尾根が走っている事を見つける。もう一度地形図とコンパスで確認。どうやら、今自分がいる尾根は、地形図には出ていない小尾根らしい。南南東に向かっている。

東隣の尾根に向かって、トラバースを試みる。急斜面だがポツポツと木も生えている。岩も有る。行けそうだ。

が、これが判断ミスだった。腐葉土の斜面はズルズルで踏ん張りがきかない。岩は手をかけただけで崩れ落ちるくらい不安定。ストックを地面に突き刺し、それを手がかりに踏ん張りながら、急斜面をトラバースする。100数十m進むのに10分以上かかってしまった。

やっとの思いで、正しい尾根にたどり着く。座り込んで、ゼーゼーとする息を整える。

またやっちまった・・・。今日はゼーゼー無しで、のんびり歩くつもりだったのに。いい加減『間違えたらバック』を覚えろよ! と、自分に怒り。ちょっと登り返してから降りた方が、よほど早いし体力も使わないだろ!

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さて、900m付近からは植林地帯になります。拍手したくなるくらい、整然と並んだ杉の木。お見事!!

ここからは仕事道を辿って下降します。

やがて植林地帯を抜けると、仕事道は尾根を離れ南の山腹をジグザグに降りはじめます。尾根伝いに塩水川まで降りるイメージでいたので、少し迷いましたが、仕事道を降りる事にします。まあ、仕事道を辿れば間違いなく安全に降りられるよね。

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沢音が聞こえてきました。「きっとワサビ沢だ」と思ったあたりで、この見事な紅葉。楓だろうか? この秋に見た紅葉の中で、一番綺麗な木だった。

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ワサビ沢に下りたところで仕事道が消える。

え!? どうするの? 沢を下るの? と考える。 「そうだ、ワサビ沢の右岸には林道が走っていたはず。」 と思い出したので渡渉する。写真だと簡単に渡れそうに見えるけど、濡れずに渡るのはちょっと大変。エイっと、助走をつけてロングジャンプ!!

無事ワサビ沢脇の林道から塩水林道に出ました。ここでハッと気がつきます。

「あれれ? 弁天杉は?」

弁天尾根を歩いていて、それらしい巨木は見かけなかった・・・。

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林道を歩きながら弁天杉を確認。中央の巨木が弁天杉。(ちなみに左の尾根が弁天尾根、奥の山は無名ノ頭と本間ノ頭) 

そうかァ~。尾根上じゃなくて、北側の山腹に有るんだ。植林が終わるあたりで、北側へ行かなきゃ行けなかったんだ・・・。それくらいは、事前に調べとけよナ!(怒)

 

13時半頃。 何はともあれ、無事塩水橋に到着です。

なんだかボケボケ続きの山歩きでしたが・・・。楽しかったよ、今日もまた。

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2009/11/17

オバケ沢から三角ノ頭へ  ~初めての沢歩き~

11月15日

この日は、『オバケ沢を遡行して石積堰堤を見物してから三角ノ頭に登る』という、M-Kさんの山行企画に乗っからせていただきました。

M-Kさん達の山行に参加するのは初めてです。そして沢を遡行するのも初めて。おまけに沢を歩くために“忍”という靴を買って、初めて履きます。何もかも初めて尽くしなのでした。

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8時35分  塩水橋ゲート前に到着。遅刻しないで良かったァ、集合時間の10分前だ。と思ったら、私がドベでした。新人のクセに出遅れちゃった。(汗)

この日のメンバーは、M-K隊長以下、AYさん、Oさん、KATさん、まーちゃん、TIさん、そして私と総勢7名。私以外は丹沢Vルート界のベテランばかりだから、足を引っ張らないように頑張らなければ・・・。

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まずは本谷林道をテクテクと歩きます。紅葉を楽しみながらの林道歩き。そして穏やかな小春日和。山歩きには最高の天気です。

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1時間ほど歩いて、本谷林道の終点から大日沢に入ります。さあ、いよいよここから沢歩きだ。

この時はまだ、ワクワクしている。でもこの後すぐに、沢歩きの大変さを思い知るんだ。

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岩にへばりついたり、流れの中を歩いたりしながら沢を登っていきます。尾根歩きとは全く違う世界なんだなあ。

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危険な所は巻いて行きます。と言ったって、巻くのもそれなりに大変です。急斜面にへばりつきながらよじ登ります。

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「難所を越えたから、後はゴーロ歩きのお散歩コースだよ」 と、M-K隊長は言う。

確かにロケーションは最高に気分が良い。が、お散歩コースと言うには、あまりにもキツイ。

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どうやらこの日の大日沢とオバケ沢は、いつもの3倍くらいの水量らしい。M-K隊長も「こんなに水飛沫が飛び散る大日沢は初めて見た。」とか。左岸を右岸をと渡渉して歩くのも一苦労。ベテランの皆に付いていくのに必死だゼ。

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大日沢からオバケ沢に入る。美しいナメ滝を見つめるまーちゃん。でも、この人きっと、滝をよじ登る事を考えているんだろう。そう、まーちゃんやKATさんは、わざとツルツル岩をよじ登っていく。凄すぎる・・・。とてもじゃないけどマネできない。私は、どうやって巻こうかと山腹を見るのに精一杯で、滝を楽しむ余裕も無い。

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そして、激流の中をひょいひょいと歩くAYさん。超人だ・・・(ため息)。無理、無理・・・。とてもじゃないけど、こんなルート取りはマネできない。「この人の後を付いて行ったら死ぬな」と思った。私は私で、ちょっとでも安全そうなルートを必死で探る。

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11時30分 ついに最初の目的地、石積堰堤に到着です。自然石を積み上げた堰堤は迫力充分。堰堤博士のTIさんが満足そうに眺めていました。TIさんに伺ったら、昭和30年代頃の作品(?)じゃないかと。重機の入れない山奥に、よくぞこんな大岩を積み上げたものだ・・・。

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さらに上流へと詰めていきます。写真で見ると可愛い滝だけれど、実際巻くのも大変だ。

でも、本当に危ない場所ではKATさんがお助けロープを出してくれます。ホントにホントにありがとうございます・・・。

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13時半 オバケ沢の最上流部に近い二俣に到着。予定より2時間遅れ。今日はかなり水量が多かったらしい。昨日の雨のせいか?

ここで登山靴に履き替えて、三角ノ頭に登っていきます。上で丹沢写真館さんが待っているかもしれないからと、AYさん、TIさんと私が一足先に登る事になりました。

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よっしゃ。尾根歩きなら任せとけ。・・・と歩き始めますが・・・。情けない・・・。足を攣ってしまった。沢歩きで岩をよじ登っている時に、ふくらはぎをピキピキっとやっちゃったんだよなァ・・・。AYさんとTIさんに先に行ってもらって、スジを伸ばして足の攣りを治してからゆっくりとした足取りで登る。あああ・・・情けねぇなァ・・・。

AYさんが開拓したと言うこの三角ノ頭の南ルート。話を聞いた時から登ってやろうと思っていたルートです。その念願のルートで足攣っちゃうなんて。

そしてかなりの急登です。途中の崩壊斜面を渡るのは良しとしても、標高差300mずっと急斜面です。キツイ、キツイ。これぞ本当のV尾根だァ。

後からAYさんに「良い尾根だったでしょう。」と言われて「ハイ」と答えましたが・・・正直キツかったっス・・・。

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三角ノ頭の山頂に全員到着。丹沢写真館さんは、待ちくたびれて出発してしまったようでした。一休みしたら、時間はもう3時。日没まで1時間半しかないので、下山は仕事道をキュウハ沢出合へ向かって降りる事になりました。

そうそう。先月、この山へ登った時の記事では、この山の名前を『三角沢ノ頭』と書きましたが、昔からの呼び名は『三角ノ頭』だと丹沢写真館さんに教えていただきました。

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16時 歩きやすい仕事道をダダダっと降りて、本谷林道に到着です。

そしてここで丹沢写真館さんとようやく合流できました。この丹沢Vルートファンの間では超有名人の丹沢写真館さんには、初めてお目にかかります。挨拶をして握手をしていただきました。

ここから車を止めて有る塩水橋まで約1時間。日も暮れてきてどんどん暗くなってきます。が、おしゃべりをしながら歩けば、薄暗い林道歩きも、それなりに楽しいものです。

 

尾根歩きの途中で、ちょこちょこ沢を歩く事はあったにせよ、ちゃんと沢を歩くのは初めてでした。ちょっと怖い部分もあったけれど、楽しかったなあ~。大日沢もオバケ沢も、風光明媚で素敵な沢でした。自分の足で沢を遡上しなければ、決して見ることができない景色に感激もしました。

でも・・・

M-Kさんはじめ、この達人連中。本当に凄いワ! 付いて行くのが必死だった。この人達と一緒に山歩きを楽しもうと思ったら、もっともっと実力をつけなきゃダメだね・・・。 

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2009/11/06

ニカニカ集会

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11月3日

M-Kさんが主催するニカニカ集会へ参加してきました。

M-KさんのHPに集まってくる丹沢バリエーションルート愛好者達の集まりです。

いやはや・・・楽しい集まりでした。

私は今まで、オフ会にはいっさい参加しないと決めていました。まあ、そんなに深い主義も無いのですが、素顔をさらすのもどうだかな・・・というくらいの理由で。

ですが、この道無き山中を歩き回る達人達がどんな人達なのか、とっても興味があったものですから。

いつも、それぞれのHPやblogで「なんてスゴイ連中だろう」と感心してみていた人達とお会いできて、握手ができて、お話を伺えて・・・とても楽しく有意義でした。そして、私がこの世界に入り込むキッカケとなった本。『誰も知らない丹沢』の著者、S-OKさんとお会いできた事も感激でした。

険しい尾根のヤブを掻き分け歩いている人、沢や滝をガシガシと登っている人、熊と格闘した人。会う前は、どんな恐ろしい男達だろうと想像していたのですが・・・。意外にもみんな優しそうで、気の良い人達ばかりで・・・。真の猛者ってこういう事なのかねぇ。

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2009/11/01

丸渕

相変わらず調子悪いです。体調はまあまあなんですけど、精神的に。

まあこれは、私の持病なので気にしないでください。まったくこの躁鬱症には二十歳くらいの時から悩まされてきた。それでも年を重ねると共にだいぶ良くなってきているんです。症状が軽くなってきている。(若いときに発症した躁鬱は、そういうものらしいよ) 今は、気持ちがどんよりとしたり、何もやる気が起きない程度です。

長い間こいつらと付き合っているから、自分でもどうすれば心が落ち着くかはわかっているんです。欝の時にはスポーツで汗を流したり、好きな趣味に集中するのが効果的。今の私の場合は、大好きな山歩きをするのが一番です。

ただ、残念な事に・・・行く気にならない。大好きな事なのに、行きたいという気持ちがわきあがらない。でも、無理してでも行きましょう。それが自分の精神安定のためですから。

1週間くらい前に、KAZESAYAGE(通販で買っている、丹沢Vルートの小冊子)5号が届きました。今号でM-K師匠が紹介しているのは『大タギリ~大タル丸』のルート。このKAZESAYAGEルートは全て歩く事にしている私ですが、今は全く行く気にならない。「だって、危険なルートなんでしょう?」てな感じです。

ただし、これは私のためには良かったかもしれない。だってこのルート、噂は聞いていますが、とっても危険な上級者向けのルートらしい。私の実力ではどうなの? というルートです。が、躁期の私なら「ウヒャ~」とか言いながら突入している事でしょう。危ない、危ない・・・。

さりとて他に行きたいルートもなし・・・。気持ちは萎え萎え状態だから、危なっかしいルートは嫌なんだ。かと言って表尾根を歩くくらいなら、家で本でも読んでるさ。

てな感じで、気分的に盛り上がらないけど、大山北尾根の、まだ歩いていない支尾根を歩いてみる事にしました。そしてついでに、最近M-K師匠のHPで話題になっている丸渕の見物でもしてこよう。M-K師匠も、この日はこの山域を歩くらしい事がHPにそれとなく掲示してあったので、もしかしたらお会いできるかなァ・・・なんて期待もあって。

ゴメンナサイ・・・前置きが長くなりすぎたようです・・・。

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11月1日(日)

朝7時半頃。 札掛のいつもの駐車場に車を入れる。 尾根の名前は知りませんが、大山北尾根のP752から西へ伸びている尾根を登ります。札掛から少し北へ行った場所が尾根の取り付き。さて、どんな尾根でしょうか・・・。

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ほらほら、そこそこワイルドな尾根です。2本足でやっとくらいの急斜面有り、痩せたコル有り。それでいて危険な箇所は無い。今の私にはピッタリだ。

取り付きから1時間弱で北尾根のP752に乗りました。ここから進路を南へ。北尾根を少し登り、標高800m付近で北東へ伸びる尾根に入ります。これは18号鉄塔が有る尾根。大月尾根と呼ばれているらしい。

この尾根もまた、なかなかワイルドです。落ち葉でフカフカになった急斜面をトットットッ・・・と駆け下りる。気持ち良い・・・。

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ほどなく18号鉄塔の下へ。ここは眺望がいいので、一休みする事にします。西には丹沢山と丹沢三峰。東には大山三峰。三峰に挟まれて気持ちがいいなァ。

なんだか気分も晴れてきました。やっぱり、好きな事をやって、汗を流すのが一番効くんだ。

そこで予定を変更です。ここから大月橋のあたりへ降りて、黒岩から丸渕まで沢道を歩いていこう。この道は、私の持っている丹沢ガイドブックにも『とても良いハイキングコース』と紹介されているのですが、数年前に径路崩壊で通行止めになっている道です。

そう。廃道を歩く事にちょっと嵌まっているんです。でも廃道歩きに危険は付き物。そこを歩いてみようと思ったという事は、気持ちがちょっと上向いてきた証拠。

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唐沢林道の大月橋の脇へ降り、少し歩いて黒岩入り口へ。入り口には通行できない旨の立看です。

よしよし。そうこなくっちゃ。

この道が、元ハイキングコースながらとてもワイルド。崩れた斜面を渡ったり、橋の流された唐沢川を裸足でジャブジャブ渡ったり。

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廃道の定番、腐った木橋もちゃんと有ります。先日の山神径路以来、腐った木橋はトラウマ的に怖いのです。が、ここは簡単に巻けるのでとっても安全!

途中までは径路跡を辿ってきたのですが、物見沢に入ってしばらくした所で径路跡を見失う。

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しかたなく沢の岩伝いに歩いていたのですが、ついにこんな場所で行き詰ります。

ええい!しかたない!! と、左岸の崖をよじ登ります。 なんとかトラバースできそうな斜面までよじ登り、上流へ向かってトラバースしていきます。

その時!

沢遊びをしている3人組を発見!!

絶対M-K師匠に違いない。 と、斜面を駆け下ります。

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そこが丸渕でした。そしてM-Kさん、AYさん、ミックスナッツさんの達人3人組でした。

感激です。ネットでいつも感心しながら読んでいた達人達が、今、目の前にいるんです。

ほんの少しの時間でしたが、一緒に水遊びをさせていただきました。

 

さて・・・12時15分。

残念ながら、今日は夕方から他の約束があったのです。もっといろいろ、お話を聞かせていただきたかった・・・と名残惜しみつつ帰途につきました。

でも・・・

久しぶりのVルート歩き。そしてM-K師匠達と出会えた。楽しかったァ。だいぶ心も落ち着きました。今、昨日や今朝と比べて、心のどんよりが晴れてきているのがわかります。

本当に有意義な山歩きだった・・・

 

蛇足

帰りの東名が事故で大渋滞。3時に戻るつもりが、結局5時になってしまいました。約束は、途中でTELしてキャンセルしてもらう事に。それはいいんだけどね・・・。それだったら、M-K師匠達ともっと遊んでいればよかった・・・。

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2009/10/17

足が棒になった話

歩きつかれた時のたとえとして、「足が棒になった」とかって言うじゃないですか。だけど、本当に棒になった事ってあります? 棒になったらどうなるかってわかります?

今日は「本当に棒になっちゃったよ」という話です。

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10月11日

この日は、塩水橋から三角沢ノ頭~丹沢山~本間ノ頭と周回する予定でした。

朝、塩水橋に車を止めて、キュウハ沢出合に向かって本谷林道をテクテクと歩き出しました。歩き出してすぐに、右足に違和感を感じます。ヒザの裏が変な感じ。痛いわけではないのだけれど、なんかつっぱた様な感覚。実は朝起きたときから少し変だった。でも、歩いているうちに治るだろうと・・・。

だけど、違和感はどんどん強まります。でも、ノーテンキを売り物にしている私としては、「今日の山歩きは止めた方がいいんじゃない?」などとは決して思いません。「足が暖まってくれば治るさァ」と、相変わらずのお気楽モード。

キュウハ沢出合から、三角沢ノ頭の尾根に取り付きます。山道を登り始めると、違和感は有るものの歩けないわけじゃない。いや、むしろさっきより歩きやすくなっている。ホラネ、なんともないさ、これくらい。

この尾根は初めて歩く。バリバリのルートかと期待して来てみたが、そうでもない。仕事道が山頂近くまで続いていて、ちょっとガッカリな尾根。イヤ、もとい。歩きやすくてとても良い尾根。苦労する事も無く山頂に到着。

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三角沢ノ頭は、とてもいい山です。誰もいない静かな山頂。表尾根を裏側から眺めながら、ゆったりとした気分に浸れます。この山は『お気に入り』に登録だ。

さて、塔ノ岳と丹沢山の中間あたりに有る日高(ひったか)というピークを目指して、出発します。

ところが下りに入ったところで、「ああれれ・・?足がおかしい」右足の太ももの裏からヒザの裏にかけて、突っ張った感じ。痛いわけではなく、歩けないわけじゃないけど・・・。鞍部を過ぎて上りに入ると「ああ、大丈夫、大丈夫」

日高からは丹沢山へ向かって稜線を下ったり登ったり。登りだと大丈夫だけれど、下りだと足が突っ張る。きっと、下りで使う筋肉のスジが変になっているのでしょう。いつまでもずっと登っていたいが、さすがにそういうわけにもいかない。

さすがにノーテンキな私も、もうこれ以上歩くのは無理と思う。無理と思うが、とにかく車を止めてある塩水橋までは降りなくてはならない。とにかく丹沢山までいって、堂平へ降りよう。それが一番早くて安全だ。

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丹沢山の山頂でしばらく足を休める事にする。みやま山荘に入って、カップラーメンとコーヒーを頼む。丹沢山は何度も来ているけれど、山荘に入るのは初めてだ。しかも山の上でコーヒーなんか飲むのも初めてかも。

いいもんだね、山頂でこんな風にのんびりとするのも。山歩き中に30分も休憩を取ることなんて、今まで無かった。ここのコーヒー美味しいね。山の上だから、余計美味しく感じるのかな。

と、のんびりと休憩をしたら、足も良くなった気がした。ストレッチをしてみる。あ、大丈夫だ。・・・と歩き出す。

が、ちょっと歩き出したら、やっぱりダメ。どんどん変になってくる。スジが完全につぱってしまって、1本の棒になってしまった感じ。

「なるほど! 足が棒になるって、こういう事だったのか!!」

生まれて初めての経験だ。 ヒザの感覚が無くなって、ヒザが曲がらないんだ。

いや、実際はヒザを曲げていないわけじゃない。そんな某国の兵隊さんみたいな歩き方で山を歩けるわけが無い。でも、感覚的にヒザを曲げてる感覚が無い。ピンと伸びたまま、自分の自由にならない感じ。ピョコン・ピョコンとビッコ歩きをする。

仕方がない・・・。ゆっくりゆっくり歩く。

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ああ・・・こんなにゆっくりと山道を歩くのって・・・。そう・・・最近忘れていたのかも。ゆったりと景色を楽しみながら山を歩く事を。

早足で山を下ると、転ばないように足元ばかりに注意がいってしまうから。周りの景色を楽しむ余裕を忘れてしまうんだ。ゆっくり歩けば風景がとてもよく見えてくる。

何回も歩いているこの堂平の道も、ホラなんだかとても新鮮。

これって、負け惜しみじゃないよ。足を変にしたおかげで、忘れかけていた大事な気持ちを思い出した。

・・・・というお話でした。

 

 

さて、いったい・・・この「足が棒になる」は何だったのでしょう。この日は一日ビッコ歩きをしていたけれど、次の日にはすっかり治っていました。

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