2017/01/04

大山参り~今年は押出ノ沢から~

毎年、山始めは大山と決めています。阿夫利神社にお参りをして、去年のお札を収め、新しいお札を頂戴するためです。
さて。今年はどのルートで大山へ登ろうか・・・と地形図を眺める。
唐沢からミズヒノ頭へ突き上げている沢筋が目に留まる。
「あれ?こんな所に沢なんかあったかなぁ?」唐沢は、何度も歩いている。この地点で左岸に沢が出合っているのを見た記憶はない。見過ごしてしまうくらいの小さな沢なんだろうか?でも、北尾根の稜線まで延びている沢だ。そこそこの沢のはず。
よし、今年はこの沢を登って大山を登ろう。
清川村地名抄を調べてみると、どうやら押出しノ沢という名前らしい。

2017年1月3日

Tizu_201713

7:25 煤ケ谷のバス停に降り立つ。ここからまずは物見峠を目指す。

P1030003

8:45 物見峠を通過。
煤ケ谷から1時間20分。物見峠って、こんなに遠かったっけ?

登山道から唐沢林道へ降り、てくてくと歩く。
唐沢林道沿いの植林地では伐採作業が行われているようで、風景もだいぶ変わってしまった。

P1030005

9:25 小唐沢橋へ到着。煤ケ谷バス停からちょうど2時間。
いやはや、長いアプローチだった。

ここから唐沢へ入渓する。

P1030007

ここは渓相が綺麗なので、好きな沢の一つです。
ヒルの巣窟だから夏場は絶対に来ないけどね。

P1030008

右岸に渡ったり、左岸に渡ったりを繰り返しながら、靴を濡らさないように慎重に歩きます。

P1030011

10:10 標高550m地点に鎮座する山神様の祠に到着。
山神様に新年のご挨拶をして、本日初めての休憩をとる。

P1030013

標高580m地点。押出しノ沢の出合はこの辺りのはず。
が、やっぱり左岸には沢らしきものはない。
左岸の段丘に登ってみる。と、謎の石積を発見。
なんのための石積だろう?炭焼きの石積とは明らかに違う。経路保護のためか?こんななだらかな斜面に保護の石積を築くだろうか?

まさかここ? と、思いながら石積を乗り越えてみると、うっすらと溝状になっている。

P1030014

溝を辿ってみると、少しづつ沢っぽくなってきたぞ。

P1030015

5分ほど登れば、立派な沢型になってきた。
ここが押出しノ沢で間違いなさそうだ。
それにしても、唐沢の出合は何故あんな風にわからなくなってしまっているのだろう。ガレで埋もれてしまったのだろうか。

P1030016

その名の通り、ガレが押し出している沢だ。水は一滴も流れていない。
もっとも、これだけ広い沢筋に水流がないのは考え難い。きっと、このガレの下に水流があるのだろう。

P1030019

大きな岩も随所に転がっている。倒木もうるさい。
完全なヤブ沢だな。
浮石が多いから疲れるし、足への負担も大きい。

P1030023

標高800m付近。前方がゴルジュっぽくなってきたぞ。

P1030026

ゴルジュに突入してすぐに、涸棚で詰まってしまった。
2m+2mの4mだ。たかが2mだが、どうにも足場がない。なんとか下段は登れたとしても、上段のチョックストーンはとても無理っぽい。

少し戻って左岸の小尾根から巻くことにする。
岩むき出しのひどい小尾根だった。斜度的にはフリーで登れる範囲なのだが、岩がもろくて緊張する。なるほど、このもろい岩質がこのガレ沢を作っているのだな。などと登りながら納得する。
ホールドスタンスを確かめながら、慎重に登る。

P1030028

ようやく斜度が緩んで一息をついたところで、沢に戻るため左手にトラバース。
沢を観察しながら考える。
ゴルジュは続いているが、ロープを使えば沢へは降りられそう。
が、ゴルジュの真っただ中に降りていいのか?
2~3mクラスだが、涸棚が続いているのが見える。

P1030029

もし棚の下まで行って、「やっぱ登れねぇや」となったら、今度はこの尾根に上り返してくるのも大変だ。

やめとこう。

このまま尾根を登ることにする。
が、この尾根とて優しい尾根ではなかった。優しいどころか、危険いっぱいの岩尾根だった。
痩せ尾根の真ん中を大岩にふさがれている場所が2か所。2か所とも中央突破を図る。
1か所目は上手くいったが、2か所目は冷や汗をかいた。
それ以外の場所も浮石だらけ。獣もほとんど入ってこないのだろうな。

P1030030

大ノ沢左岸尾根に合流して、一安心。
いやはや、ひどい尾根だった。太ももがピリピリしている。足に力を入れて踏ん張るシーンが多かったからだろう。

P1030032

12:05 大山北尾根に合流する。

P1030036

ネクタイ尾根の分岐を過ぎ、地獄沢源頭部崩壊地の上でいつもの通り大休憩。
ここからの眺めは大好きなんだ。今日は富士山は見えないけれど、表尾根や主脈の稜線ははっきり見える。
今まで歩いてきた尾根筋や沢筋を確認したり、まだ歩いていない尾根を観察したりしながらまったりとする。

P1030038

13:40 大山山頂。
大勢の人で賑わってはいたが、例年よりも人が少なめのような気がした。

いつも通り奥の院に参拝をして、下社に向かって下山を始める。
表参道を走り下りるのも、毎年恒例の行事の一つ。
今年は33分でした。

下社もやっぱり例年より人が少なかった。参拝の行列も例年の1/3くらいだ。
まあ、こっちとしては、参拝に時間がかからず好都合だが・・・

参拝を済ませ、去年のお札を返納し、新たなお札を頂戴して・・・
今年も無事に新年のミッションをクリアしました。

この時点で14:20。今年は南尾根を秦野まで下ろうと思ってはいたのだが、ヘロヘロの足を引きずった状態では、途中で日暮れを迎えることは必至。蓑毛へ下ることにする。
15時27分発のバスに乗ることができました。

いやあ・・・今年の大山参りはハードだった。
行程が長かったのと、押出しノ沢の詰めが厳しかったのと・・・
でも楽しかったけどね。

| | コメント (6) | トラックバック (0)

2016/12/26

塔ノ岳

Pc250024

クリスマスも終わり、今年もあとわずかとなりました。
最近はすっかりご無沙汰しております。
昨日の25日には、久しぶりに山を歩いてきました。
塔ノ岳にね。
バカ尾根を黙々と登ってね。
バカ尾根を歩くのなんて、何年ぶりでしょう。
でもね。
バカ尾根や表尾根は僕の山歩きの原点ですから。
山など登ったことの無い人間が、初めて塔の頂上へ立った時は感動が胸に溢れた。
その原点に一度戻ろうって思ったのだろう。
時々あるんだよね。何かの拍子に「初心を取り戻そう」って思う事が。
僕の場合、そんな思いがちょくちょく湧き出してくる。
ここ数日、そんな思いが募っていたんです。

唐突ですが。
父親が死にました。12月の頭に。
あっ、お悔やみの言葉など無用ですから。
こんな事を言うと不謹慎なんでしょうが、自分自身それほど感慨は無いんです。
「親が死ぬってこういう事なのか・・・」って思う程度で・・・

良く言えば仕事一筋の人でした。まあ、死んだ人の悪口は言いませんけどね。
幼いころから、あまり父親と接した記憶がない。ほとんど家にいない人でしたから。
僕が15~6だったころ、母親とは離婚しました。
僕は父の家に残りましたが、忙しい父とはほとんど接点は無く、会話も無く・・・
そんな家が嫌で、大学に入ると同時に家を出ました。
それ以来、家に帰るのは年に1度の数時間程度。
ここ最近は、数年に一度会う程度でした。

そんな父親でしたが、葬儀には仕事関係のたくさんの方々に来ていただきました。
そんな方々にお話を聞かせていただくと、けっこう凄い仕事をしていた人なんだなぁ・・・と。立派な人だったんだなぁ・・・という事を初めて認識しました。

息子としての在り方に批判は受けるでしょうが、そんな感じの親子でしたから。

それでも喪主として、様々な面倒な手続き(あっ、また不謹慎発言だ)をこなし、これからやらねばならない相続関係の面倒な手続きにうんざりとし・・・

ようやく落ち着いたので、久しぶりに山を歩いてきたわけです。
バカ尾根を登りながら、父親の事を考えていました。
僕が自分で会社を興したことを報告した時には、見たことがないような嬉しそうな顔をしてくれたっけ。経営者としてのアドバイスを坦々と話してくれたけど、アホ息子は聞き流してしまっていた。あの時の言葉を一つ一つ思い出そうとはするんだけれど、断片が出てくるだけで・・・。もっと、いろんな話を向き合ってすればよかった。
なんて事をね。

Pc250028

塔ノ岳山頂に立った瞬間に、ずっと雲に隠れていた富士山が顔を出してくれました。

大倉出発7:40。 塔ノ岳山頂到着10:10.
2時間半。
数年前は2時間10分台で登れていたから、自分としては少し不本意。
2時間半ならヨシとしておくか・・・と思いつつも、体力の衰えは認めざるをえない。

自分自身の山の歩き方も、いろいろと考えました。
バリ歩きは続ける。でも、リスクの低い歩き方をするんだ。
丹沢をくまなく歩きまわる事が目標ではあるけれど、危険地帯を突破することが目的ではないんだ。
これから、体力は確実に衰えていく。力任せの山歩きはもうやめよう。

Pc250034

塔から鍋割山へ回って、久しぶりの鍋焼きうどん。

その後も普通に登山道を歩いて、後沢乗越から西山林道へ。
13:40 出発してからちょうど6時間で大倉へ戻ってきました。

たまには普通に登山道を歩くのも新鮮。
GPSのログをみたら、17.5kmも歩いてるんだぜ。
6時間で17.5kmも歩けるなんて、整備された登山道ならではだよね。

 

さてさて。
今年最後の山歩きです。
皆様方のご健康とご活躍を祈りつつ・・・

良いお年を!!!

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016/11/22

女郎小屋ノ頭でニカニカ集会

毎年春と秋に開催される、M-K師匠主催のニカニカ集会。丹沢Vルート愛好者達が集まって雑談を交わす・・・ただそれだけのたわいない集会ですが、山仲間の人達の顔を見るのが楽しみで、何をおいても参加するようにしています。
2016年秋の集会は、丹沢でも秘境中の秘境、女郎小屋ノ頭に集まることになりました。

2016年11月3日

Pb030138

7:45頃 玄倉バス停裏の駐車場から出発です。
この時点で、ここに集まったメンバーはM-Kさん、AYさん、EAさん、ゼフィルスさん、ardbegさん、nenetaさん、レガーさん、初参加のutayanさんとshiroの9名。

おしゃべりしながら玄倉林道をテクテク歩く事1時間弱でようやく女郎小屋沢出合に到着です。

Pb030140

玄倉川の向こう岸に4名の人影が・・・
イガイガさん、花立小僧さん、はっぴーさん、MASAHIKOさんでした。

総勢13名となって、女郎小屋沢に入ります。

Pb030148

途中、イガイガさん達4名は旧経路の探索だとかで沢から離脱し日向山の斜面へ登っていきましたが、9名は沢の遡行を続けます。

Pb030149

標高550m付近の小滝群。なんてことはない小滝だが、釜が深く太ももまで濡れなければならない。水濡れ嫌いのオイラはもちろん巻です。
左岸に付けられている旧作業経路で巻くのですが、途中2ヵ所ほど崩壊していて危うい感じ。安全第一なら水の中じゃぶじゃぶの方がいいかも。

Pb030150

570m二又を右の支流へ進むと、すぐに10mの直瀑が現れます。
とても直登できる滝ではないので、見学したら二又まで戻り尾根へ上がります。

Pb030155

右又F1の落ち口付近で沢へ降りると、すぐにチョックストーンを抱えたF2。これも直登は無理なので、見学したら再び尾根へ上がります。

Pb030160

F2の落ち口を越えたあたりで沢へ降りると、すぐにF3。2段で15mくらいでしょうか。
この3連瀑の存在は、以前女郎小屋沢ノ頭南尾根を降りた時に気が付いていましたが、沢へ降りて目の前で見るのは初めてです。それぞれ見事な滝なので、一見の価値はあるねぇ。

Pb030164_2

イガイガさんの記事を読んで、下段は登れても上段が登れないことを知っていたので、滝を見学したらオイラは再び尾根へ上がります。
が、5名は果敢に滝へと取り付いていく。チャレンジャーだねぇ。(皆もイガイガさんの記事を読んでるはずなのにねぇ・・・)

Pb030166_2

尾根からF3の落ち口付近へ巻降りると、中段のテラスから「ロープおろしてくれぃ」の声が。
ホ~ラ!遭難っつうんだぜ、こういうの。

Pb030172_2

女郎小屋沢右又の遡行を続けます。この右又、イガイガさんが古い文献で調べたところ、石小屋沢という名称らしい。でも、同じ玄倉川の檜洞支流にも石小屋沢があるから紛らわしいね。

Pb030173_2

650m二又で、右の沢へ入る。この沢は日向山北のコル、仲間内での通称『モミの木の鞍部』へ詰め上がる沢です。
このモミの木の鞍部へ詰め上げることが重要なんです。
理由はちゃんと説明できないけれど、モミの木の鞍部へ詰め上げてみたかったんだ。

Pb030178_2

水が涸れてからはボロボロの脆い岩盤に苦しめられる。

Pb030182_2

最後の急斜面はふかふかの地面に足を蹴り込みながら。

Pb030180_2

やったね!樅の巨木が立つコルへ、見事詰め上げ成功です。

Pb030187_2

気持ちの良い美尾根を女郎小屋ノ頭を目指して登っていく。
途中で経路探索チームとも合流して、頂上に12時10分、予定よりも10分遅れで到着しました。

Pb030192_2

M-K師匠の音頭で、第17回目のニカニカ集会が始まりました。
17回目って・・・すごいことだね。年2回の開催だから、もう8~9年経つわけだ。
オイラは第4回目からの参加ですから、この会に参加して7年が経ちます。
皆、それぞれ少しずつ年を取ってきたけれど、丹沢…特にVルートに対する熱意は相変わらずです。
今回は特に、この女郎小屋ノ頭での開催ってところが嬉しい。相当にバリ慣れしていないと、おいそれと来れる場所では無いもの。

楽しい歓談の時間はアッというまにすぎて・・・

Img_4098bok

最後は恒例の花立小僧さんによる記念撮影でお開きです。
今回の参加者
後列左からEAさん、はっぴーさん、イガイガさん、AYさん、レガーさん、utayanさん
前列左から花立小僧さん、ardbegさん、M-Kさん、MASAHIKOさん、nenetaさん、ゼフィルスさん、shiro

時刻は1:30。残惜しいけれど、日の短いこの時季ですから、下山を始めなければいけません。

下山ルートはそれぞれ。大タル丸手前からケヤキ平へ降りる人達、大タギリから小川谷へ降りる人達。オイラは、M-Kさん、AYさんと一緒に大タギリを登り返してドーカク尾根の稜線で小川谷出合へ向かいます。
簡単に書いたけれど、それぞれ厳しいルートだよ。女郎小屋ノ頭はそれくらい厳しい山中にあるんだ。

Pb030223

16:30 特に示し合わせたわけでもないのだが、それぞれのルートで下山した13名が立間大橋の上で再び集合。
こういうのが嬉しいよね。

再びおしゃべりに花を咲かせながら玄倉の駐車場へ向かいました。

2016年秋のニカニカ集会も無事終わりました。
これからもM-K師匠が元気である限り続く事でしょう。そしてそれを、切に願います。いつまでもいつまでも続きますように・・・

最後に今回のルート図を・・・

Tizu16113

 

蛇足
この後、仕事の都合で参加できなかったまーちゃんと、厚木で合流。AYさん、ardbegさん、nenetaさんとニカニカ番外集会を開きました。

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2016/11/19

境沢を新大日へ詰める

もう、かれこれひと月近く前の話ですが・・・

M-K師匠が札掛から境沢周辺を散歩するってんで、お供することにしました。

「丹沢をくまなく歩きたい」とか言っておきながら、どうも足が向かない山域ってのがいくつかあるもんでして。この札掛からタライゴヤ沢流域もその一つ。
大っ嫌いな山ビルの巣窟である事が大きな理由でもある。何しろ、沢にも尾根にもウヨウヨしているからね。
10月後半だからと言って油断はできないぞ・・・とは思いつつも、このチャンスに一緒に付いて歩こうと。
何かきっかけがないと、なかなか気が向かない場所ですから・・・

Tizu161023_2

2016年10月23日

メンバー : M-Kさん EAさん shiro

Pa230057_2

7:35 札掛の駐車場を出発します。
今日ははっきりとコースを決めていないとか。歩きながらなりゆきで決めましょうと。
M-K師匠に沢靴の方が良いかと尋ねたところ、「必要ないでしょう」という返事。今日は気軽なコースでいきますからと。
それじゃあ登山靴にしておくか。沢を歩かないなら、登山靴の方が足が楽だもの。
が、これが間違いだった。
考えてみりゃ、EAさんが一緒だもの。気軽なコースですむわけがない。ホラ、二人ともヘルメットをしょってるぜ。

Pa230059_2

のんびり歩く事1時間弱。林道終点に到着です。
タライゴヤ沢はここから右又境沢、左又ヤゲン沢と分かれます。そして界尾根は行者ヶ岳へ登るVルートの入門コース。オイラは大昔にこのV尾根を歩いたっきり、久しぶりにこの山域へ足を踏み入れます。

まずは境沢沿いに付けられた登山道を登っていきます。

Pa230063

この登山道、あちこちで桟道が崩れ落ちているし、道型不明瞭な箇所も多いし、すっかり廃道なのかと思ったら、エアリアではいまだ登山道扱いのよう。でも、登山道のつもりで気楽に入ってきたら危険だよ。

Pa230066_2

1000m付近で登山道から離れ、境沢本流を遡行します。

Pa230068_2

1020m付近の二又。ここは本流の右へ。

Pa230071_2

するとすぐに滝が現れる。3段で15mくらいか。
ここを登るの? そりゃあ、登るんだろうさ。やっぱり、沢靴履いてくりゃ良かった・・・と後悔する。

Pa230073_2

水流をガシガシと登るM-K師匠。
オイラは水濡れ嫌いだし、ましてや登山靴だ。左手の倒木を伝い登り、へつって落ち口へトラバース。ちょっと怖かった・・・

Pa230074_2

中段のテラスに立ったが、上段はとても登れそうもない。

Pa230076_2

で、左岸の岩壁をよじ登る。

Pa230083_2

落ち口のすぐ上で沢へ戻って遡行を続ける。
M-KさんとEAさんはここまでは来たことがあるとか。その時は、ここから尾根へ上がったそうだが、今日は本流の遡行を続けます。ここから先は3人とも未知のルートになります。

Pa230084_2

小滝を越えて・・・

Pa230088_2

標高1100m付近の二又。本流の右又にも支流の左又にも滝。両方とも4~5mだが、直登は無理。周囲も絶壁で巻くこともできない。

Pa230093_2

で、少し戻って左岸のルンゼを20mほど登り、尾根を乗越して本流へ向かう。
すこし厳しい巻だったが、何とか成功。

Pa230095_2

すっかり水流の消えた沢をさらに進むと、標高1150m付近で再び二又が見える。

Pa230096_2

本流の右又には、倒木の向こうに垂直の涸れ棚。左又はゴルジュ。
本流を進みたいなら左岸尾根からの巻だろうが、滝の手前はハングした絶壁なので、かなりの大高巻を強いられそう。
オイラは、左又のゴルジュへ進もうと提案したが、「ゴルジュを抜けたら崩壊地の気がする」と先輩二人から却下。後程上から確認したところ、確かにすり鉢状の崩壊地になっていたのだから、お二人の見解には恐れ入る。

Pa230099_2

相談の結果、ここから界尾根に上がる事にする。下部は岩壁だが、何とか這い上がれそう。

Pa230100_2

岩壁を這い上がった後も、ぞっとするような急斜面が続くが、樹が生えてるから怖くない。

Pa230102_2

突然、裸地に飛び出した。
ひゃあ~! 気持ちイイ。こんな所に裸地尾根があるとは・・・
しばし、ここからの眺望を楽しむ。

後は、稜線までひたすら上るだけ・・・と思ったら・・・
EAさんが右手へトラバースしろと言う。
何故? かなりの急斜面なんだ。トラバースっていったって危険だぜ。
でも、もっともっと右手へトラバースしろと言われ、右へ右へと斜上していく。

どうやら新大日頂上へピッタリと詰めたかったようです。

Pa230107_3

12:25 狙い通り、新大日山頂へピッタリと詰め上がる。

Pa230110_3

休憩後は、三ノ塔へ向かって表尾根登山道を歩く。
帰りは気楽にヨモギ尾根で…という事です。

久しぶりに歩く表尾根。眺望が良いから気持ちが良い。

Pa230113_2

ここもまた久しぶりに来た烏尾山頂。いつのまにか公園のように綺麗に整備されていてびっくり。

Pa230118_2

三ノ塔のお地蔵様の脇からヨモギ尾根に入る。

ここも久しぶりなので知らなかったが、モノレール軌道がヨモギ平付近まで敷かれたんだね。

Pa230121_2

ヨモギ平を通過。

Pa230125

AYさんが言うところの『丹沢一』の大ブナを見学。

Pa230129

おとなしく本尾根を札掛に向かわないで、P806から左の支尾根に入る。
理由は「未踏の尾根だから」

Pa230132

かつて山仕事用のモノレールでも敷設してあったのだろうか。尾根の背が見事に刈り取られてハイウェイのようになっている。

Pa230133

尾根を降りきった所はタライゴヤ沢のゴルジュ。
対岸の林道へ上がるためには、激流の中を下らなければならない。
EAさんとM-Kさんは平然と渦巻く水流の中を歩いていくが、オイラはここまで来て濡れたくねぇし・・・。
大岩をよじ登ったりへつったりして、なんとか濡れずに対岸へ渡ったが・・・疲れた・・・
気楽に下山しようと言っていたのに、結局こうなるんだ・・・。

Pa230134

15:30 無事林道へ上がりました。

お疲れさまでした。
最初は「気軽なお散歩ショートコース」と言っていたのに、結局今日もハードな山行でした。
こうなるだろうとは思っていたけれどね・・・
境沢は確かにショートだけれど、アドベンチャー感満載で・・・
面白い山歩きでした。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2016/10/18

ヌタ小屋沢

5年前に、西丹沢の白石沢の支流ヌタ小屋沢の滝場で滑落して、骨折しました。
今日は、そのヌタ小屋沢に行ってきました。
「性懲りもなく」と言われそうですが、あの日以来ずっと思っていました。いつかはこの沢を踏破しなければならないと。
負けず嫌いなもんで・・・

Tizu_20161016

2016年10月16日

Dscf0004

先週と同じく、8時に西丹沢自然教室を出発。

先週、ヌタ小屋沢左岸尾根を登ったのは、実は沢の様子を下見する意味もあったんです。
いつもと違い、やや緊張気味です。マイナーな短い沢ではありますが、険悪な沢であることはわかっていますから。
絶対に無理はしない。と、自分自身と言い聞かせます。嫌な気がしたら、即、撤退するんだと。

50分ほどてくてくと歩いて、ヌタ小屋沢出合に到着。

Dscf0008

出合からすぐのF1。3段で15mほどだろうか。
滝を眺めながら沢支度をする。
ザックからロープとスリングを取り出し、腰にぶら下げる。ヘルメットをかぶったら、いざ!

でも、このF1は登らないよ。先週もじっくりと観察したが、とても無理と思う。
下段は登れるかもしれないが、中段・上段はとても登れる気がしない。

F1の巻ルートは、先週調査済みだ。一旦、左岸尾根に乗って、落ち口の真上あたりから沢へ向かって下降していく。
やや危うさはあるが、慎重にいけば、ロープなしでも降りられる。

Dscf0011

沢に降りたら、すぐにF2。10mってとこか。
寝ている滝だけど、これまた登れる気がしない。
ルートがあるとしたら、水流の中か? でも、水の勢いはかなり強い。途中で1歩が出せなくなったらアウトだ。

少し戻って、降りてきた斜面を再び登り返す。
実はF2の巻道も、先週調査済みなのだ。左岸尾根の背に乗ってから、獣道をトラバース気味に下降していく。

Dscf0015

F2の落口の少し上流で沢に復帰。
小滝が連なる良い渓相だ。

Dscf0017

3mの滝。たかが3mだが、少し苦労する。
右岸の岩をよじ登りにかかるが、なんか嫌な気がしてやめる。他のルートを探った末、左岸の岩壁をへつって越える。

Dscf0019

小滝をいくつか越えながら進んで行くと、ゴルジュとなり前方に10mクラスの滝が見えてきた。

Dscf0021

近づいてみたが・・・絶対無理。
写真では岩陰に隠れてしまっているが、さらに上にも10mクラスの滝が見える。
2段合わせて20~25mの大滝だ。

巻ルートを探す。右岸のガレルンゼを登るか・・・左岸の岩壁を登るか・・・
少し考えたが、左岸の苔むした岩壁を選ぶ。
が、登ってる途中で危険を感じる。苔むして丸みを帯びた岩は、意外としっかりホールドできないし、ステップも心もとない。
一旦下に降りる。
気持ちを落ち着けて、今度は岩壁の横の泥斜面にチャレンジする。斜度はきついが、樹が生えてる。樹さえ生えてりゃ・・・
泥の中から木の根を探り探り掴みながら、なんとかかんとか這い上がる。

今度は尾根の背までは登らない。上がりすぎたら、沢へ戻れなくなってしまう。
斜度が緩んで、トラバースできそうな場所を見つけ、そろそろと上流へ向かってトラバース。
トラバースに行き詰った所は沢床まで10mの地点。ここでロープを出して、沢床へ降りた。

Dscf0024

前半のゴルジュ地帯とは一変。穏やかな渓相だ。

Dscf0025

2mクラスの小滝が連なる。

Dscf0026

なんて大きな岩なんだ。これもチョックストーン?
大岩の左横をよじ登れるが、一歩目と2歩目が高いから小柄な人はしんどいかも。

Dscf0028

1000m付近の二又。本流の右へ進む。

Dscf0034

まだまだ小滝が続く。
歩いていて飽きが無い。

Dscf0035

1050m辺りで左岸に湧水帯。あちこちから結構な量の水が湧き出していた。
手ですくって飲んでみる。大滝の巻で相当汗かいたから美味しい。

Dscf0036

5m樋状の滝。水流右手から登って、途中で水流をまたいで左に移る。

Dscf0038

源頭に近づくにつれヌメリがひどくなってきて、水際は歩きづらい。

Dscf0039

1140m付近の二又。
ここまでくると、水は枯れている。
このまま沢を詰めても、ガレガレの急傾斜になるような気がしたので、ここで界尾根に上がることにする。

Dscf0040

上がった尾根はそれなりの急斜面ではありますが、二足歩行ができる範囲。
沢の詰めとしては楽な方かも。

11:45 P1307のやや南で甲相国境尾根の登山道に飛び出す。
沢に入ってから2時間45分。短い沢だが時間がかかってしまった。
結局、前半の滝場とゴルジュはほとんどが巻だった。それもかなりきつくて危険な巻だった。
それでも一応、ヌタ小屋沢を踏破したんだ。
満足・・・

のんびりとハイキング気分で帰ろうと、畦ガ丸方面に登山道を進む。

Dscf0047

途中で休憩をとりながらのんびり歩いて1:30頃に畦ガ丸山頂を通過。

畦ガ丸山頂を過ぎて、1250m地点から下棚沢・本棚沢界尾根に入る。

Dscf0048

ここは丹沢Vルートの入門編ともいえるクラシックルート。自然林のいい尾根です。
久しぶりにこの尾根を歩く。

が、残念なことに紫のヒモがヒラヒラと目障りったらありゃしない。

オイラもバリエーション駆け出しの頃、地図読みしながら歩いた尾根だ。
きっと今でもバリエーション愛好家の人たちが、地図とコンパスを握って(今はスマホ片手にか・・・)歩いているだろうと思う。
地図読みの練習にはもってこいの尾根なんだ。

何、この見苦しいマーキングは! 
何のためか知らないけど、山を汚すな!!

Dscf0061

15:05 下棚沢出合に降り立ちました。

そして15時半には西丹沢自然教室に無事帰還です。
朝、教室のKさんにヌタ小屋沢に入ることを伝えていたので、帰ってきたオイラを見てKさんが出てきてくれました。
「無事の生還、良かったですね。」
そう言われて、自分でも思った。無事帰れてヨカッタ・・・
慎重に無理をせずに歩いたつもりだが、単独で入るにはリスクが高い沢だったかもしれない。

でも、いい沢だった。
滝も見ごたえがあったし、渓相も良かった。

本当に満足です。

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2016/10/12

大室山周辺の尾根散歩

何という事でしょう・・・
すっかり山から遠ざかってしまいました。
わけはいろいろとあるのだけれど、決して山を止めたわけではないんだ。
山へ行けない間も、計画だけはいろいろと考えていたんだ。
法行沢の最奥、記録がほとんどない上法行沢を大栂まで詰めよう、とか。
女郎小屋沢の右又に入ってみようか、とか。
8月に計画頓挫した、善六山を乗越して水晶沢右又、とか。
でもね・・・行こうと思うと雨模様だったり。
そうこうして、山から遠ざかっていると、だんだん億劫にもなってきてしまう。
あれほど『気軽~』な気持ちで入っていた山なのに、あれこれと考えて迷ってしまう。
長雨が続いているから、沢は増水してるよねぇ・・・
だとか
今の時期、クマが餌を探しまわって活発だよねぇ・・・
だとか
9月はスズメバチとかいやなんだよねぇ・・・
だとか

でもホラ!
山へ行かなくっちゃ!!
仕事のストレスを発散させる手段は、山歩きしかないんだ。オイラには。
このままだとカンも鈍るし、筋肉も萎える一方だ。
本当に山を歩けなくなってしまう。
さあ、行こう。

という事で、半分は気が乗らないままでしたが、無理に気を立たせて行ってきました。

2016年10月10日

Tizu161010

どこへ行くか迷いに迷った末、気軽に尾根を散歩してみる事にしました。
これだけ空いてしまうと、自分でもどこまで歩けるのか不安がある。
無理の無いコースにしよう。緊張感溢れる沢歩きってのも億劫だ。
まずはのんびりと尾根歩きをしながら、久しく踏んでいない大室山にでも登ってみるか。

Pa100003

8時 西丹沢自然教室に車を停めて用木沢出合に向かってテクテクと歩きだす。
すっかり秋も深まってススキの季節になってしまった。
晩夏から初秋にかけての、山歩きには最高の季節をすっかり逃してしまった。

用木沢出合からは、白石沢沿いの登山道を白石峠に向かって歩く。

Pa100004

9時 ヌタ小屋沢出合に到着。

ここからヌタ小屋沢左岸尾根に取り付いて、白石峠南のP1307へ登ろうと思う。

Pa100006

その前に。ヌタ小屋沢F1を見学。
下段は登れるかもしれんけど、上段がねぇ・・・なんて眺めてみる。
イヤイヤ、今日は沢には入らないよ。登山靴なんだ。
第一、このヌタ小屋沢、5年前に滑落して骨折した因縁の沢だ。気軽には入れない厳しい沢であることは、身をもって知っている。

Pa100011

F1の脇から尾根に取り付く。
白ザレの急斜面だ。かなり厳しい斜面だと思う。
5年前、骨折した足でこの急斜面を降りてきたのか・・・と不思議に思う。
この尾根から登山道へ降りようとしたらここを下るしかないのだから、そうしたんだろうと思う。
あの時は滑落して興奮状態で、アドレナリンが全開だったんだろうと思う。車に戻るまで、骨折している事に気が付かなかったのだもの。『ちょっと痛いな。かなり捻ったかな』くらいで。
興奮状態の人間っておそろしいね。

Pa100013

こんなヤセ尾根だったかな…と思う。あの時、痛む足で歩いた記憶では『なだらかな優しい尾根』だ。
沢から尾根に這い上がったであろう地点も観察する。かなりの急斜面だ。きっと四つん這いで這い上がったのだろうと思う。でも、そんな事は一切記憶に残っていない。ただ「簡単に尾根に上がれる地点で助かった。」としか覚えていない。
つくづく、興奮状態の人間って・・・と思う。

Pa100021

それはさておき。
いい尾根です。
標高が上がるにつれ、ブナの木が増える。美尾根です。
うっすらとした踏み跡が続いていますが、これは獣たちのトレースでしょう。
人が歩いている気配は感じません。

Pa100027

いたるところに、ふかふかの土を掘り返した跡がある。
きっとイノシシが多いのでしょう。

Pa100029

10:55 P1307で登山道に飛び出しました。
尾根の入り口にはとうせんぼロープと『この先登山道ではありません』の張り紙が。
地形図にはここから白石沢へ向かって登山道を表す点線が記されているのですから、間違える人が多かったのかもしれません。
『国土地理院の登山道は実際と違っています』との張り紙もありました。

ここから登山道を大室山へ向かって歩きます。

Pa100032

『クマヨケ』ってなんだ? これを叩けってこと?
一緒に置いてあった棒きれで叩いてみましたが、それほど大きな音が出るわけでもなく・・・効果に疑問はありますが、こんな物を登山道に設置するって事は、この周辺のクマが増えてるって事なのか?

Pa100035

12:30 大室山へ到着。
ああ、この山頂へ来るのは何年ぶりだろう。7年か8年くらいになるかも・・・

山頂では数グループが休憩中。オイラは写真だけ撮ってそそくさと立ち去ります。そして、犬越路へ降りる登山道分岐の西の肩で休憩。

Pa100038

そこにはテントを張っている人たちが。
オイオイ。テン泊禁止の丹沢で堂々と・・・と思ったら、どうやら山仕事の方々のよう。
お話を聞いたら、今日から4泊して保護柵の修理をするのだとか。ご苦労様です。

しばし休憩した後、犬越路に向かう登山道を下り始める。
手沢左岸尾根を下降して帰ろうと思います。

Pa100039

標高1350m付近。 この辺から手沢左岸尾根が分岐しているはず・・・
が、それらしき尾根は見当たらない。
適当にあたりを付けて南側の斜面をウロつくと、それらしき尾根筋を見つける。

Pa100042

この尾根は、だいぶ昔、まだVルート駆け出しの頃に登った記憶はあるが、下りは初めて。
登りと違って下りのV尾根は慎重さが必要だ。なにかけにつけ慎重さに欠けるオイラは、しょちゅうRFミスをする。

でも、この尾根はそれほど難しくはないかな。
1000m付近までは源太罠場沢を左手に見ながら降りていけばいいし、その後の尾根分岐も見通しがきいてわかりやすい。

850mの尾根分岐では、用木沢出合へ降りる右ではなくて、源太罠場沢出合へ降りる左に入る。こっっちは全く未踏だったので。

Pa100044

尾根分岐からすぐの広場。2年半前にニカニカ集会が開かれた場所だ。
懐かしいね。

Pa100045

15:05 源太罠場沢出合で登山道へ降り立ちました。

本日の山遊びはこれまで。

久しぶりの山歩き。のんびりと尾根を回ってきました。
でも、ヘトヘトです。太ももの筋肉がパンパンです。たぶん数日は筋肉痛に悩まされることでしょう。
でも、そんなことも含めて心地良さに包まれました。

やっぱり心身のケアには山だよね。
なるべく時間を作って、丹沢歩きを続けよう。
そんな事を考えながら林道をテクテク歩いて帰りました。
やっぱり西丹の山々は気持ちが良い。
久しぶりに、ブナの湯にでも寄って帰るか・・・

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016/08/16

善六山

1か月ぶりの山歩きです。
本日のターゲットは西丹沢の善六山・・・のワケねぇだろ!
善六山を目指して、わざわざ西丹くんだりまで来やしない。
が・・・結果的にそうなってしまった・・・

Tizu16814

2016年8月14日

なんだか疲れていたんだ。身体が重かった。
おまけに雨。小雨ではあるけれど・・・
そんな感じで、出発前からテンションは低かった。

でもまあ、せっかく早起きしてきたんだからと、7:30に西丹沢自然教室前からスタートする。
この早起きもちょっと体に響いていた。このところ夜遅くまでの仕事が続いて、寝不足気味だったんだ。
でも、仕事を休めるのは今日だけ。(世間はお盆休みの真っただ中なのにね・・・)
歩ける時に歩いておかなくっちゃ・・・

水晶沢に行くつもりだった。左又は2度ほど歩いたが、右又はまだ未踏。水晶沢右又を水晶沢ノ頭まで詰め上げようと思っていた。
しかし、モロクボ沢は何度となく歩いている。用木沢出合から水晶沢出合までの区間は何回歩いたかわからない。はっきり言えば飽きているのだ。
ちょっと変わったルートで水晶沢に入ろう。
で、善六山を乗り越して、水晶沢出合まで尾根伝いに行ってみようと思った。

そういうわけで、西沢渓谷沿いの登山道を歩く。
3つ目の堰堤を越えた所で、左岸の尾根に取り付く。
ここを登っていけばショチクボノ頭の西の肩へ上がれるはずだ。

P8140007

いきなりの急登だった。
万全では無い身体が悲鳴を上げ始める。変な汗が出てきた。
キッツイ尾根だ・・・
たぶんテンション上がっている時なら「ワイルドないい尾根だね!」なんて言ってるんだろうけど。
残念ながらテンションはダダ下がり。

雨のせいだ・・・

出発時から降っていた雨は、心なしか強くなってきた気がする。
樹林の中を歩いているから、身体はそれほど濡れないが、葉を打つ雨音が強くなってきている気がする。

こんな日は熊がでるんだよなぁ・・・
熊の行動時間は早朝と夕方だが、雨や霧の日は日中にも出没する。

そんな事を考えながら歩いていると、どんどんテンションが下がる。
そして、寝不足のせいだかテンションのせいだかわからないが、身体がどんどん重くなる。
善六山までの550mがこんなにキツイとはな・・・

こんな調子のままで善六山から急尾根を下降して、水晶沢を詰め上げて・・・なんて考えるとちょっと気が重くなる。

でも、せっかくの休日なんだ。今日歩いとかなくっちゃ・・・

と、考えた所でハッとした。

あの日と同じだ。
5年前。
滑落して大けがをしたあの日と。
あの日も気が重いまま山を歩いていた。
ちょうど5年前の今頃だ。
そうだ!
あの日も水晶沢だった!

その事に気が付いた時点で、モチベーションがゼロになった。

P8140011

善六山の山頂に立った時には雨は止んでいた。
が・・・もはや気力は無くなっていた。

そして善六ノタワから登山道で帰途につく。

11時。 自然教室に帰り着いた時には、すっかり霧も晴れて、日が射してさえいた。
気温もそれほど高くもなく、絶好の山日和になっていた。

ちっ・・・

まあ、こんな日もあるさ。
きっとこれで良かったんだ。
ただの遊びなんだ。気が乗らないのに無理してまでする事じゃない。
そう。
絶対に無理はしないって決めたんだ。
それが、『バリエーション』なんていう、おバカな山遊びを続けるための鉄則だから・・・

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016/07/25

さかせ古道とシキリ沢

それほど忙しいわけでもないのに、1ヶ月以上も山を空けてしまった。
何故だろう?
日曜日が雨模様ってこともあった。なんとなく気が乗らなくて・・・って日もあった。
そして先週の海の日連休は、夏風邪で棒に振ってしまった。
夏風邪は長引くよねぇ~。1週間以上経つのにいまだ完治していない。
鼻水がグズグズしているけど、山を歩けないほどでもない。
久しぶりに山へ行こう!
ここ最近のテーマにしている世附奥地の探検。名のある沢はだいたいつぶしてきた。残っている沢の中で、今日はシキリ沢へ行ってみよう。等高線を見ても緩そうだし、距離も短いし、本調子じゃない身体にはちょうどいいや。
最近は道志からのアプローチが多かったが、久しぶりに西丹沢から山へ入ろう。
ついでにさかせ古道(二本杉峠~地蔵平)の現状確認もしてこよう。仲間内でも最近歩いたって話は聞かないから、どうなっているのか・・・まだ歩ける状態なのか・・・気になるからね。

Tizu16724

2016年7月24日 

単独

P7240001

西丹沢の細川橋から少し山へ入った場所にある大室生神社の前に車を停めて出発。
時刻は6:55 今日は、オイラにしてはだいぶ早起きをしたんだ。

P7240003

登山道を黙々と歩いて、7:50二本杉峠に到着。
一息入れてから、さかせ古道にはいる。

P7240006

ここを歩くのは4年ぶり。その当時と比べて、崩壊が進んでいるような感じはしない。
トレースはおおむねしっかりとしている。が、狭い場所では足の幅一つ分のバンドが崖っぷちに切られているだけ。

P7240007

二本杉峠から一つ目の崩壊地。
4年前よりも明らかに土砂が積もっている。沢の源頭部での崩壊が進んでいるのだろう。
が、岩盤の上に土砂が堆積して、むしろ4年前よりも安全に横断できるようになっている。
残置トラロープは健在だったが、残置ロープ無しでも横断できるくらい。

P7240012

崖にはイワタバコが群生していて、目を楽しませてくれる。

P7240015

二つ目の崩壊地。
ここもまた崩壊が進んでいるようだ。倒れている樹の様子から、最近土砂崩れがあっただろう事は推測できる。
4年前にはここの通過に危険を伴う記憶は残っていないが、今日はヒヤヒヤだった。
新しく堆積したであろう土砂は、足を乗せるとグズグズと崩れる。「もし足元が崩れたら、腹ばいの大の字になってストックを突き刺す」こういう場所を歩く時は、もしもの場合を頭の中でシミュレーションするんだ。

P7240019

三つ目の崩壊地。ここは普通に通過できた。
が、通過後の経路が見つけにくい。通過地点よりもやや上を探すのがポイント。

この後は、地蔵平まで危険地帯は無かったはずだ。

P7240021

丸太の橋も相変わらず。さすがにこれを渡る勇気は無い。
やや上を巻く。一歩だけ斜めの岩盤に足を置くのが怖いが、この丸太の上を歩くよりはましさ。

P7240022_3

玄沢の通過も相変わらず。壊れた堰堤の上を抜けるが、危険は無い。

ここを過ぎればもう沢の横断は無い。植林地を気持ちよく歩くだけ。

P7240025

9:10 地蔵平へ到着。
まずはお地蔵様にお参り。ご無沙汰してました・・・

二本杉峠から1時間20分。
地蔵平へのアプローチ路としての利用価値はまだまだあるんじゃないだろうか。
もちろん危険な廃経路には変わりないから、ハイキング気分で歩けるルートではないけれど、V歩きに慣れた人には問題ないルートだ。
さあ、みんな、さかせ古道をどんどん歩こう! 経路を踏み固めて古道を守るんだ!

地蔵平で休憩後、シキリ沢へ向かって出発。
富士見林道を歩きながら、適当な場所でイデン沢へ降りる。

P7240028

20mほどの急斜面を滑り下りたら、巨大堰堤の下だった。
堰堤を巻くためにまた急斜面を這い上がったら、再び林道へ上がってしまった・・・。
なんてカンの悪い奴なんだ・・・

P7240030

堰堤を巻きながら銘盤を見たら『コモツリ沢』と書いてある。
ここはイデン沢で、忍橋から上流を菰釣沢と呼ぶのかと思っていたが・・・
しかも『コモツルシ』ではなくて『コモツリ』だ・・・
本当にここら辺の沢名はなにが正解なのかがわからない・・・
それともう一つ。『谷止』って言葉は初めて見た。堰堤とどう違う?

P7240033

10:00 シキリ沢出合
イデン沢670m付近。うっかりすると見落としてしまいそうなくらいの小さな沢が左岸に流れ込んでいる。これが今日のターゲット、シキリ沢だ。

P7240035

誰も気にかけないような沢だ。しょぼいだろう事は想定内。魚もいそうにないから、釣師も入ってこないだろう。

P7240038

ところが! 滝出現!!
それも、そこそこ見ごたえのある滝だ。
2m+2mの上に15mくらいか。

まずは下段を這い上がる。

P7240039

上段は15m。さらにその上にも4~5mの滝が見える。

こんな滝があるとは。やっぱり来てみるもんだぜ。

さて。どうやって登る?
ルートを目で追う。水濡れを厭わなければ直登できるか・・・
巻はどうだ?
右岸は無理。左岸もいやらしいが、なんとか行けるか・・・

ならば巻だ。水濡れ嫌いだし。

途中で垂直に近い場所もあるが、木の根を掴みながら登る。
巻の途中で最上段を確認するために沢際へトラバースする。
最上段に4~5mの滝と見えたのは、林道下の土管から落ちる流れだった。

そして、富士見林道へと上がった。

林道を横断して沢の遡行を続ける。

P7240046

まあ、ただのヤブ沢かもしれないけど、嫌いじゃないよ。

P7240051

ただひたすら穏やかな沢だねぇ・・・

P7240054

890m付近でようやく岩棚。4mってとこかな。
登るのは簡単だが、途中でヘビがとぐろを巻いていて、ちょっとビビった。

P7240056

岩棚を越えると、いきなり傾斜が厳しくなる。

P7240058

930m二又。 本流は右のようだが、ズルズルの急斜面で入る気がしない。
左又には堰堤らしきものがあり、その上にはすぐに稜線が見えている。

ここは左を詰めよう。

P7240059

堰堤かと思ったものは、自然石の壁だった。
「簡単そう」と思って真下まで行ったが、思った以上に垂直で、しかもホールドが乏しく取り付けない。
しかたなく左手の斜面に逃げる。
四つん這いの急斜面だったが、もうこのまま稜線まで行ってしまえと登り続ける。
登りながら沢の様子を伺うと、堰堤壁の上部は蟻地獄のようなすり鉢状のザレ斜面。
無理して堰堤壁を登らなくてヨカッタ・・・

P7240060

シキリ尾根の970m付近に這い上がる。

1000mのピークまで登り返して、東の尾根を下降する。

P7240061

途中で忍橋林道へ合流して・・・

P7240063

林道が西向きに方向を変えるヘアピンカーブで林道と別れ、再び尾根の背を降りる。

P7240064

植林尾根だけど、穏やかでいい尾根だ。

810mピークで南へ方向を変えて、あとはどこをどう降りたって林道へ降りつくはずだ・・・なんて地図も確認せずに獣のトレースを辿ってずんずん降りる。
途中から恐ろしい急斜面になったが、強引に下降する。

すると・・・あらら・・・

P7240065

沢へ降りちまった・・・
ダメだよね、こういうことしちゃ。
幸い、沢伝いに簡単に林道へ降りられたから結果オーライだが、RFしないで沢へ降りるなんて、絶対やっちゃいけない事。
猛省ものだぜ・・・

P7240067

12:30 再び地蔵平へ戻ってきました。

ゆっくり、のんびりと休憩をする。

さて。今日はもう帰りましょう。夏風邪も治りきってない事だし。

行きはさかせ古道の確認をしたから、帰りは大杉歩道の確認をしましょうか。

P7240072

大又林道ではヤマユリが美しい。
大好きな花なんだ。

P7240083

千鳥橋から大杉歩道に入る。
ここも4年前と比べて崩壊が進んでいる様子は無い。

P7240087

清水沢の源頭部を横断した後に大チョンボ。
ルートを見失って、そのまま権現山方向へ上がってしまった。
途中で気が付いて、二本杉峠方向へ向かってトラバース。
別に危険な斜面ではないし、「どこ歩いたっていいや」くらいの気持ちだったのだが、後ろからきた単独男性が、僕に引っ張られてついてきてしまったのだ。
本当に申し訳ない事をした・・・
二本杉峠のやや上で正規登山道に出て、謝りました。
ゴメンナサイ。

言い訳するわけではないですが、清水沢源頭部を渡った所で経路は完全に消えてます。
要注意です。
コンパスで二本杉峠の方向を確認して、真上に登っていけば、再び経路が現れるのだろうと思います。

P7240002

14:40 無事に戻りました。

 

今日も楽しい山歩きでした。
シキリ沢・・・
まあ、誰も行かないのは当然の沢です。
でも、「遡行価値無し」とは思はない。そんなの人それぞれの価値観だろう?
丹沢をくまなく歩きつくしたいと思っているオイラにとって、歩く価値のない沢や尾根など無いのだから。
まあ、他人に薦める沢ではないけどね。
でも・・・
あの滝は一見の価値はあると思うゼ・・・

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2016/06/24

桃ノ木沢~白水ノ沢

このところ世附の奥地、特に大又沢の源流域探索に情熱を傾けています。
久しぶりにM-K師匠とも一緒にあるきたいなぁ・・と思いつつも、やっぱり世附の奥地が気になる。
ならばM-K師匠も巻き込んで世附の奥地を探索しよう!
という事で、M-K師匠に持ち込み企画。AYさん、EAさん、はっぴーさんが賛同してくれて、ワイワイと楽しく歩いてきました。

Tizu16619

2016年6月19日

メンバー : M-Kさん AYさん EAさん はっぴーさん shiro

P6190066

8:00 水晶橋のゲートからスタートです。

今日はおとなしく登山道で城ヶ尾峠へ向かうのかと思いきや・・・
やっぱり途中で道をそれて、城ヶ尾山直登の尾根を登ります。

P6190069

出発から1時間10分ほどで城ヶ尾山山頂到着。

桃ノ木沢の源頭目指して、山頂から南側の窪斜面を下降します。

P6190072

窪地から溝状の斜面に降りた場面、ここが桃ノ木沢の源頭でしょう。
気の抜けない急斜面です。

P6190075

緩斜面になり一息ついたところ。
はっぴーさんは以前、桃ノ木沢を歩いたことがあるそうで、1020m付近に岩棚があったと言う。今回歩いている場所とは別の源頭部ではあるけれど、同じ高度に岩棚がある可能性が強いなと思った。一応、その考えは皆にも伝えたが、そんなことを気にするメンバーではないもので・・・お構いなしにずんずん下る。

が、やっぱりね。という感じで岩棚にぶつかる。20m?30m?上から覗き込んでもはっきりしないが、とても降りる気はしない。

P6190079

で、左岸から巻降りを試みる。
うっすらと獣のトレースはあるものの、傾斜角と高度感は半端じゃないよ。

P6190082

なんとか巻降りて岩棚を下から眺める。2段で20m以上はあるか。立派な棚だ。
AYさんは「登れないことはないかな」とか言ってるけど、登らねぇよ!フリーで登るにはリスクが大きい岩棚でした。

P6190087

桃ノ木沢を下降します。滝場も無くゴルジュも無く、水流も乏しくひたすら単調なゴーロの沢でした。

白石沢に合流後も沢下りを続け・・・

P6190092

11:15 荷干沢に合流。

さらに荷干沢の下降を続けます。

P6190105

荷干沢の堰堤。
良い堰堤だなぁ。と思った。
石積みの出っ張り具合がいいのかなぁ。水流を白糸状に細分して、流れが美しい。
それを計算して石積みをしているのだとしたら、尊敬に値する職人技だ。

P6190107

12:00 ようやく白水ノ沢出合に到着。
そこに単独の男性が立っていて、手を振っている。
「ええ??誰?」と思ったら、utayanさんでした。M-KさんのHPでこの山行計画を知って、待ち伏せしてくれていたんだって。
M-KさんとAYさんは周知の仲らしいが、オイラは「初めまして」です。でも、当blogにコメントを入れてくれたことも有るし、ヤマレコの記録も拝見しているし、お会いできて嬉しい気持ちになりました。
これからもちょくちょくお会いするような予感。

utayanさんを交えて、しばし楽しいランチタイムの後は、本日のメインイヴェント、白水ノ沢の遡行開始です。

P6190112

なんたって記録が少ない白水ノ沢。どんな沢なのか楽しみですが・・・
水流が乏しすぎる。こりゃヤブ沢だな。なんだか堰堤もパッとしないゼ。

P6190114

左岸の上に林道が沿っていて、皆は林道に上がってしまいました。
オイラは一人水流沿いを歩くが、堰堤を巻くために結局林道へ上がる。

P6190118

林道の終点から再び沢へ降りる。

P6190119

下が崩れた堰堤。

P6190124

なんだか沢底が青白い。この山域に多い白御影石の沢床なのだが、異様なまでに青白い。こんな色の沢床は初めて見た。
たぶん、水の中の何らかの成分が、石と化学反応をしているのだろうと思う。
これが白水ノ沢の名前の由来か・・・

P6190129

おおっ! ナメだ。
規模は小ぶりだが、青白いナメが珍しさもあって妙に綺麗。

P6190136

ミニミニながら、ゴルジュもあるよ。

P6190138

おおっ! 滝だ。
写真じゃよくわからないだろうけど、水流の下が青白くて「綺麗な滝だなぁ」と思ってしまう。

P6190139

800m二股。本流左股には堰堤と滝の2段構えが。
右股にも古い石積堰堤がある。
ずいぶん堰堤の多い沢だなぁ。

P6190147

そこを越えたらヤブっぽさが増してきて・・・

P6190150

そろそろ皆、沢歩きに飽きてきた模様。

P6190151

850m二股。本流は左だが、右へ入れば信玄平の付近へ詰められそう。
「ここは右」とのM-Kさんの号令に、全員がうなづく。

P6190154

だんだん傾斜が立ってきて、なおかつ浮石ばかりになってきた。
そろそろ尾根に逃げないとヤバいね・・・と話してると・・・。
経路らしき痕跡が沢を横切っているのを発見。

P6190158

やややっ! これは奥野歩道ですねぇ。
これを辿れば、楽々と信玄平だ。

P6190163

14:00 信玄平へ到着。

後は登山道を辿って水晶橋へ戻るだけ。本日の冒険も無事終了かと思いきや・・・

M-K師匠がこの先の奥野歩道の崩壊地点の様子を見に行くと言いだす。
見に行くのはいいですけどね。その崩壊地点の通過が一苦労だった。
なんでわざわざおバカな事をするのかねぇ・・・と思いますが、これがM-K隊の流儀だから仕方が無い。オイラも含めてね・・・。

まあ、なんやかんやで16時前には水晶橋へ無事帰還です。

白水ノ沢。地味ながらもそれなりに面白い沢でした。
青白い沢床が珍しくもあり、美しくもあり。滝ありナメあり堰堤あり。
全てが小ぶりで水流も少なく、ショボい感は否めませんけどね・・・

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2016/06/14

バケモノ沢

ちょっと前の話ですが・・・
ardbegさんとnenetaさんがバケモノ沢の25mの大滝を巻き上がって、そのままバケモノ沢を詰めたって記事を読んだ。(ardbegさんの記事はこちら
大滝の上は何もないゴーロの沢って書いてあるのだが、それを読んで「んん?」と思ったのだ。
2年前にM-K師匠と奥野歩道(旧東海自然歩道)を歩いた。赤沢方面から歩いてきて、戸沢に出る少し手前でそこそこ水量のある沢を横断しているのだ。そこはバケモノ沢だろうと思う。そして10mクラスの直瀑を見たのだ。
その事をardbegさんに言うと、そんなのは無かったと言われる。
う~ん。見た気がするんだ・・・。でも、そう言われると、自信が揺らぐ。勘違いかもしれない。記憶が定かでは無い。当blogのその時の過去記事を読み直してみたが、バケモノ沢の横断については触れていない。保存してある写真を引っ張り出して見てみる。確かに直瀑らしき写真は残っているが、それがバケモノ沢なのかどうかわからない。
なんかモヤモヤする。
こうなったら、自分の目で確かめに行くしかないだろ。

 


ここでいうバケモノ沢とは、大又沢の上流部、地蔵沢の標高900m地点の二又の上流の事です。右又が戸沢、左又がバケモノ沢です。
これは『西丹沢頂稜河川土地名称図』に従っての事です。
ところが、この山域の沢名は非常に混乱していています。『山と高原地図』では大又沢の地蔵平から上流は地蔵沢ではなくてバケモノ沢になっています。確か、浅瀬に掲示してある釣師の沢割表でも地蔵平から上流をバケモノ沢と呼んでいた気がします。
何が正解なのかはわかりません。正解は無いのかもしれません。
結構いいかげんな当blogの過去記事では、地蔵沢と書いたりバケモノ沢と書いたり、赤沢出会いから上流を戸沢と書いたり、その時その時でまちまちでした。
が、当blog的に統一しなければと思い、西丹沢に関しては『西丹沢頂稜河川土地名称図』に基ずく事にしました。

Tizu16612

2016年6月12日
   単独

この日は夕方からヤボ用があるため、早めに帰らねばならない。バケモノ沢を確認するだけの、最短距離の周回ルートを考えた。

P6120001

『道志の湯』からずずっと林道を奥まで入って、旧横浜野外活動センターのゲート前からの出発。
時刻は9:20。短い周回だからと油断してたら、すっかり寝坊してしまった・・・。

3年前に廃止になった横浜市の野外活動センターの敷地内を通り抜け、忘路峠(犬峠)へ向かう登山道へ入る。いや、もはや登山道ではない。廃道ではある。
わりとくっきりとした道が残っているが、崩れてしまって道型がわからない部分が何か所かある。そういう所はたいてい、谷筋であったり尾根を乗り換える所であったり、要は迷いやすい場所に限って道型が消えてしまうものなのだ。
道が不明の場所は地形図を確認して、峠を目指す。ここら辺は、どこを歩いたって危険地帯は無い。

P6120004

出発してから40分ほどで忘路峠(犬峠)へ到着。
甲相国境尾根に乗るには、やはりこのルートが一番早い。

“峠”と名が付いているのだから、かつては道志から地蔵平へ抜ける経路がここを乗り越していたに違いない。
そんな思いから、国境尾根を乗り越して、戸沢側の谷筋へ降りる。

P6120006

急斜面を20mほど滑るように降りると、あとはなだらかな谷。
ここは戸沢の枝沢の一つ。思った通り、滝場も無い。
いくつかの枝沢と合流しながら水の無い沢筋を下っていく。
沢床から水が湧き出す地点を通過したら、まもなく戸沢の本流に合流した。

P6120015

戸沢本流のなだらかなゴーロを下る。

P6120017

10:55 奥野歩道(旧東海自然歩道)が横切る地点に到着。

P6120018

ここから、あの朽ちた梯子を登って、奥野歩道を西へと辿るのだ。
尾根を回り込んで、次に現れる沢がバケモノ沢のはず。

P6120020

梯子上から水平経路に入るが、その10数mの間はかなり危険。
道型など残っていない崩れた急斜面をトラバースする。
そこを通過して安全地帯に乗ってホッとした場所が上の写真。
こんなでも一番道型がくっきりしている方なのだ。獣道レベル。
2年前に探索した時よりも、さらに荒廃が進んでいるように思えた。

P6120021

でも、物好きはいるもんだねぇ。廃道マニアの間では有名な奥野歩道。探索に訪れる人はいるようだ。壊れた軽アイゼンが転がっていた。泥の付着具合から見て、割と最近の物だと思う。
確かに、ここを歩くならアイゼンはつけた方がいい。オイラもチェーンスパイクを履いている。それくらい危険な経路なんだぜ。言っとくけど、経路痕があるだけで、もはや経路では無いからね。
この軽アイゼンは回収しておきました。

P6120023

一本目の沢筋に降り立つ。地形図を確認しても、ここがバケモノ沢で間違いない。
水はチョロチョロ程度。
記憶では結構な水流があったはず。あの時は雨後だったけかなぁ?そして記憶の中の滝は見えない。

もう一本西側の枝沢か?
沢を横断して、さらに経路を西へ進む。

P6120026

すぐに枝沢に当たる。
この光景を見て「あ!」と全てが鮮明に思い出した。
この階段状の滝に水が流れていたんだ。ここをそこそこな水が流れ落ちていた。
それじゃあ、記憶に残っていた10m直瀑は? その事もはっきり思い出した。
あれはこの先にある、赤沢の枝沢だ。あの直瀑とこの階段状滝が記憶の中でごっちゃになってしまっていたんだ。

「バケモノ大滝の上には10m直瀑がある」というのは、オイラの勘違いでゴメンナサイ。という事になってしまったが、何はともあれスッキリした。
ついでだから、赤沢枝沢の滝の再確認にも行こうかとも思ったが、寝坊のせいで時間が押している。それに、この危険な経路をヤブをかき分け歩くことに嫌気はさしている。
予定通りバケモノ沢を遡行しよう。

P6120028

その前に、大滝を確認するために沢を下る。
大滝の落ち口から下を覗き込んで・・・

P6120034

さあ、バケモノ沢の遡行開始。
っつても、水は沢床をチョロチョロ流れている程度。

P6120035

けっこう深いV字谷ではあるから、雨の後は結構な水が流れ落ちるんじゃないかと思う。

P6120038

まあ、こんなヤブ沢だけれど、オイラ的にはこれはこれで良し。
丹沢をくまなく歩くことが、究極の目標だからね。

P6120040

嘘か真か、何かで読んだ話だけれど。
『バケモノ』とかって名前が付く山には、他人に知られたくないお宝があって(キノコとか山菜とかあるいは金とか)、わざと「あそこはバケモノが出る」なんて言いふらしたのが由来だったりするんだって。
で、なにか変わった物がみつかるかなぁ・・・なんてキョロキョロしながら歩くも、特に何も無し。

P6120042

標高1050m地点で巨岩ゴロゴロ地帯。左手には手が届きそうなくらい近くに尾根筋が見える。
休憩後、ここから尾根に上がる事にする。

P6120043

ひと登りで大界木山南尾根に乗れた。
この尾根はマイナールート探検隊と一緒に下降したことがあったなぁ。と、懐かしむ。

P6120044

1060m地点で振り返って。
そうだ。ここはオイラが痛恨のRFミスをして、キリヤマ隊長とアンヌさんに迷惑をかけてしまった場所だ。
左倒木の奥が正解ルート。尾根筋をそのまま右へ行くと、沢の源頭へ落ち込む。
だけど、今こうして見ても、左に尾根があるようには見えない。さらに地形図を睨んでも、ここで尾根が分岐しているようには読み取り難い。
ここを初見一発でRF決める奴がいたら尊敬するぜ。
とは言うものの、あの時はゴメン。キリヤマ隊長、アンヌさん。

P6120045

甲相国境尾根から世附へ降りる尾根は、どこを歩いてもブナ林の美尾根ぞろいだ。
その中でも、この大界木山南尾根はワイルド感溢れる極上の尾根だと思う。
とにかくバラエティに富んでいる。急峻なやせ尾根あり、なだらかな広尾根あり、大木あり、ヤブあり。
そして、地形は複雑で下りのRFは難しい・・・ときたもんだ。
お気に入りの尾根です。

P6120048

12:50 大界木山山頂へ到着。
だいぶ時間が押している。帰路を急がねば・・・
といっても、来た道を引き返すのは芸が無い。
山頂の西側から野外活動センターへ伸びる尾根を下ってみる事にする。

P6120051

降り口は45度超の崖地。へっぴり腰でそろそろ降りる。
崖地を降り切った所で、仕事道らしき痕跡にあたった。トレースは崖の東側へと延びていたから、手前の鞍部から下降するのが正解だったようだ。

P6120056

しばらくは仕事道の痕跡を辿って快適に下っていたが、1020m辺りで経路と別れを告げ、北東の尾根に入る。
別にどこを下ったって、室久保川沿いの林道へ出るだろうから、そのまま仕事道を辿ってもよかったのだが、一応最初に決めた最短ルートにこだわりたい。

P6120057

幹回り3mクラスの様々な大木が並ぶいい尾根でした。
樅やブナはわかるが、悲しいかな樹木の事はほとんどわからない。「この樹はこないだAYさんに教わったなぁ。シオジっていったかなぁ。」
最近、AYさんやイガイガさん達は巨木探しに夢中だ。それに影響されての事だが、大木を探し観察しながら歩くのも、なかなか面白い。

P6120062

尾根の末端は崖。
上から覗き込んで「ヒエ~~」と思ったが、樹を辿り辿り、何とか降りた。
こんな時はkazさんの名言を唱えるんだ。「樹が生えてるから大丈夫」

13:55 無事、駐車場所に帰還しました。
短い周回でしたが、満足できました。
何より、バケモノ沢上流を確認できてスッキリした。
いや、オイラが勝手に思い違いをして、オイラの記憶がいかにテキトーであるのかを、自ら確認しただけの話なんだけどね・・・。

| | コメント (6) | トラックバック (0)

より以前の記事一覧