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2019/01/04

新春恒例大山詣~今年は地獄沢から~

毎年、新年の山行は大山詣でから始まります。
さてそのルートです。山頂はもちろん必須。お札とお守りをいただかねばならないので、下社に寄るのも必須。そして、毎年違うルートで登るという自分で決めた縛りがあります。
それらを合わせて考えると、北尾根から山頂へ登り、下社へ下るしかないのだが、問題はどのルートで北尾根に登るかだ。東側から北尾根に登るルートはだいぶ歩いてきた。まだ未踏ルートが多い、西側から登ってみようか。
考えた末、今年は地獄沢を登って大山山頂へ向かうことにしました。

2019年1月3日

Tizu_201913

毎年の事だけど、事前に考えて決めているのは山頂までの登りルートだけ。
下社からの下山ルートは成り行きで決めている。
だから深く考えずにヤビツ峠まで車で来てしまった。
この事が、後で苦労することになるとは露ほども思わずに・・・。

P1030002

ヤビツ峠の駐車場は7時15分の時点で半分ほど埋まっていた。
支度を済ませ、7時半に出発。
まずは門戸口に向かって、沢沿いの登山道へ降りる。

P1030004

10年ほど前には道跡もわからないくらいに荒れ果てていたこの登山道も、その後手入れがされているようだ。だいぶ歩きやすくなった。

それにしても寒い。グローブをしている手が痺れる。道がカチカチに凍り付いているから、気温も氷点下なんだろう。

P1030007

門戸口からは県道をテクテク歩き、50分ほどで地獄沢橋へ到着。
ここから沢へ降りるのではなく、まずは地獄沢林道へ入る。

林道を15分も歩けば、今度は極楽橋という橋が現れる。地獄沢にかかる極楽橋か・・・。

8:25 この極楽橋から地獄沢に入渓します。

P1030010

地獄沢を遡行しようと決めた時に、「そういえば夏ごろにAYさんが登っていたな。」と思い出した。AYさんのblogの記録を改めて読んでみた。大きな滝は無いが、水流をジャブジャブ歩くと気持ちが良い沢だと書いてあった。
しかし、もちろんこの寒い冬空に、水の中をジャブジャブ歩くつもりなど微塵もない。全く水に濡れないで歩くつもりだ。水枯れの季節だから大丈夫じゃないかと思う。

P1030012

小滝が連なっています。良い渓相の沢だなぁ・・・と思います。
が、水流は少ない。AYさんのblogにupされていた写真と比べても1/3位の水量しかなさそうだ。水枯れの季節だとはいえ、今年の冬はどの沢でも異常に水が少ないような気がする。
しかし、そのおかげで、全く靴を濡らすことなく登っていける。

P1030014

この樋状滝なども、水流が多ければ美瀑なんだろうけどねぇ。

標高700mを越えたあたりで、水流が消えてしまった。

P1030019

水流さえあれば、高さ3m以上のそこそこ見ごたえのある滝なんだろう・・・と想像する。

P1030022

しばらくゴーロを歩くと、再び水流が復活する。
細いけどね。

P1030028

その水流も800m付近で消える。以後、水が現れる事は無かった。
ここも階段状の岩肌に水が流れていれば、いい景色だろうに。

P1030032

ミニゴルジュ。奥のチョックストンは簡単に越えたが、水が流れていれば苦労したかも。

P1030036

920m付近の二又を右に進み、しばらく進んだ1030m付近。
だんだんと傾斜が立ってくる。奥に稜線は見えているが、ザレザレの崖になっていることは明らか。
早く尾根に逃げないと行き詰る。という事は少し前から察知していたが、左手の尾根にはどこからでも登れそうに見えたので、「もうちょっと、もうちょっと」でここまで登ってきてしまった。
が、とうとうザレと傾斜角で危険になってきたので、ここらで尾根に上がる事にします。

P1030039

上がる尾根の様子を下から見上げて。
傾斜はきついが、岩伝いに行けば登れそう。
と、楽勝のつもりで登ったが・・・
左手に見える樹の直下で行き詰ってしまった。
あと2歩登れば、樹の根に手が届く…という所で、ザレザレの急斜面に手掛かり足がかりが無い。
クッソ!楽勝のつもりだったから、チェーンスパイクも履かなかった。
降りるのもヤバい。セミになってしまった。
手に持っていたトレッキングポールでカシカシと凍り付いた硬い地面を突いて足場を造る。地味な作業を数分。
1歩分の足場を造り、思いっきり身体を伸ばして樹の根を掴んだ。
やれやれ、助かった~~。

登った尾根も半端じゃなかった。樹が生えているからいいけれど、ものすごい急斜面。45度くらいはあったんじゃなかろうか。

P1030040

150m登るのに30分近くかかってようやく北尾根の背に乗る。
このフェンスの向こう側が北尾根のモノレールの線路だ。

P1030041

どうせ山頂はごった返しているだろう。モノレール脇の眺めの良い場所で早めのランチ休憩。
ああ・・・いい景色だ。

P1030047

11:25 山頂に到着。
奥宮にお参りだけして、早々に人の多い山頂から立ち去る。

いつもは表参道を駆け下りるのだが、久しぶりに雷ノ峰尾根の登山道で降りる事にした。

P1030050

見晴台から(ショーカットして見晴台には立寄っていないけど)下社への水平経路に入る。
ありゃりゃ、二重の滝には一滴の水も流れていないよ。

P1030052

12:20 下社に到着。
参拝客がずいぶん少ないな。と思ったら、今年から列の並び方が変わったみたい。茅の輪の向こう側で右手の方に列が伸びていた。去年までは茅の輪をまたいで階段の方に列が伸びていたんだ。

いつものようにお参りを済ませ。去年のお札とお守りをお返しし。新たなお札とお守りを頂戴する。

さあ。これで新年恒例のミッションは無事終了です。

後は車を停めたヤビツ峠に戻るだけですが、これが悩みどころだ。
この下社の標高は約700m。ヤビツ峠は761m。単純に考えれば、60m程登るだけなのですが、登山道でヤビツ峠まで行こうとすれば470m登って410m下る事になります。
ほぼ水平に楽していけるルートは無いもんかなぁ・・・。なんて考えている時にハッと思いついたのが、春岳沢を横切る作業経路。
オイラ、実はまだ春岳沢を登ったことが無いもんではっきりとは知らないが、春岳沢遡行の終了点が作業経路で大山の南尾根に抜けるらしい事を、諸先輩の記録から知っていた。
この作業経路を見つけ出せば、春岳沢を越えてヤビツ峠までほぼ水平に行けるかも・・・なんてよからぬ事を思いついてしまった。

まずはかごや道を登って、大山の南尾根に乗ろう。そして作業経路を探しながら南尾根を登って行こう。最悪見つからなくても、登山道でヤビツ峠へ下ればいいだけだ。

P1030054

13:00 かごや道から大山南尾根登山道に合流。

P1030056

あっ! 目の前にこんなのがぶら下がっている。
思わずほくそ笑む。こんな簡単に見つかるとはな。

P1030059

作業経路は歩きやすい良い道だった。ところどころ崩壊しているが、そんな場所にはちゃんとロープがかけてある。

シメシメ・・・と思っていた。ここまでは。

P1030062


経路はやがて春岳沢に降りる。標高780m付近。右上方には湧水らしき滝がある。
沢の対岸は絶壁の岩場だ。目を凝らしても経路らしきものは見当たらない。
さて、どうしようと思った。選択肢はいくつもある。あれこれ考えた末に、沢を降りてみる事にした。沢を降りながら、右岸側の尾根に登れる場所を探そう。

P1030063

20mほど降りた地点で右岸に標柱を見つけた。近づいてみると、うっすらとした経路痕が続いている。
やったぁ~。経路は続いていた。

P1030066

が、先程とは違ってはっきりとした道型は無い。かすかな経路痕。それも時々消える。

P1030067

ほどなく鹿柵のある尾根にでた。この壊れた扉を潜って進んだが、どうも違う。柵の中に入ると、上へ上へと登らざるをえない。このまま稜線まで登る選択肢もあったが、こうなりゃ意地でも水平経路を辿りたい。
扉から出て、尾根を下りながら探すと、経路痕を見つけた。

P1030068

今度は黄色いドラム缶のある尾根に出た。
ここでも経路を見失う。
先程と同じように、尾根を下りながら右手を探すと、再び経路痕を見つける。
が、これは経路痕ではなくて獣道だったかも。もみじ谷の左岸で柵にぶつかり、急斜面を這い上がる羽目になる。そして20m程這い上がった所に、はっきりとした経路があった。
先程のドラム缶の尾根は、少し上がるのが正解だったようだ。

P1030074

もみじ谷の源頭部の通過箇所ではほとんど道型は残っていない。かすかな経路痕を目を凝らして探しながら辿る。崩壊箇所は一つ二つじゃない。一歩一歩足場を確かめながら、場所によっては靴でグリグリと足場を造りながら、慎重に慎重にトラバースする。

P1030079

もみじ谷の本流を渡る地点。一瞬「こりゃあ無理か」と思ったが、なんとか渡れそうなルートがあった。
地形図を確認したら、この対岸の尾根が登山道のあるイタツミ尾根だ。ここが最後の難所であるはず・・・そうであってくれ・・・と思いながら通過する。

P1030080

14:30 イタツミ尾根890mの鞍部で登山道に飛び出した。
水平経路に入ってから1時間半。距離的にはショートカットしたんだろうが、時間的には全然ショートカットにならなかった。(むしろ時間かかったよね) 体力的には・・・半端なく疲れた。400m上り下りする方がよっぽどましだった。
最初は素敵なショートカットを見つけたとルンルンで歩いていたが、春岳沢から西側はとんでもない悪路だった。神経も疲れたし、体力も消耗した。
それでもね。未知のルートを見つけて、歩きとおしたことで、充実感は溢れているんです。

14:40 ヤビツ峠に無事戻ってきました。
新年早々だから、危ないルートには行かないようにしよう…と思っていたはずなのに、おバカルートに入ってしまった。
これでも本人は、慎重に歩いているつもりなんです。
危険を感じたら無理をしない。これは常に心がけています。
でも、危険だと思うレベルをもう少し下げた方がいいかな…とも思う。
体力の衰えを感じているのも事実だしね・・・。

という事で。

皆さま。今年もどうぞよろしくお願いいたします。
今年も安全で楽しい山歩きを続けていきたいと思ってます。

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コメント

あけましておめでとうございます。

地獄沢&大山南面仕事道、新年早々お疲れさまでした(^-^)

今年もよろしく!

投稿: AY | 2019/01/05 19:32

AYさん
あけましておめでとうございます。

AYさんも3日は大山だったんですね。山頂到着が1時間遅れだったようです。
バッタリとお会いできなくて残念です。

今年もよろしくお願いします!

投稿: shiro | 2019/01/05 21:37

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