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2018/12/04

水晶沢右又

西丹沢モロクボ沢の支流、水晶沢。左又は2回ほど遡行していますが、右又は未踏です。
過去2回ほど水晶沢右又遡行を計画して西丹沢まで行っているのですが、いずれも未遂に終わっています。
1回目は2年前の夏。善六山から水晶沢出合への下降をもくろんだのですが、体調不良で善六山で撤退。
2回目は今年の6月。西丹沢VCから出発しようとしている所で、AYさんとバッタリ。AYさんと山歩きした方が楽しそうだ…って事で急遽予定変更。

さあ、今回は『3度目の正直』って事になるんでしょうか・・・。『2度ある事は3度ある』ともいうしねぇ・・・。

Tizu18122


2018年12月2日

久しぶりに西丹沢VCへ来ました。8時15分頃に到着したのですが、すでにたくさんの車が並んでいます。紅葉シーズンも終わってガラガラだろうと思っていたので、ちょっとびっくり。

Pc020001

もたもたと支度をしているうちに、1番バスが到着して20名ほどが降りてきました。VCの職員さんも外に立っていますが、倉持さんが所長だった頃のように登山者への声掛けはしていないみたい。倉持さんがいた頃は、出発前に山の情報などを聞けたのになぁ・・・などと懐かしむ。

Pc020002

8:30 VCの横に架かる吊り橋からスタートです。
モロクボ沢へ行くならそっちじゃないだろ。と、思われるでしょうが、2年前に計画した『善六山を乗越して水晶沢出合へ計画』も未遂のままなので。

とはいえ、どのルートで善六山へ上がるかは、この時点でもまだ迷っています。
2年前は小山沢右岸尾根でショチクボノ頭の西の肩へ上がりましたが、結構キツイ尾根で、そこで相当の体力を消耗してしまった。
今日も、うっすら風邪気味で、体力万全とはいえない。水晶沢の入渓前に体力を消耗するのもなんだし、おとなしく登山道で善六のタワまで行くのもアリかな・・・なんて考えながら西沢沿いの登山道を歩きます。

登山道が西沢を離れ稜線へ向かって登りだし、唐棚沢の右又を渡った所で、ふと「この尾根を登ってみようかな」と思う。地形図を確認すると、唐棚沢の右又・左又界尾根で、善六山山頂へ直で続いている。

Pc020005

登山道からの取りつきはかなり急でしたが、すぐになだらかな尾根になる。
こりゃ良い尾根だ。楽ちん楽ちん。と歩けたのも束の間でした。

Pc020008

左手に唐棚沢の源頭を見て越えると、尾根・谷の区別ない急斜面になり、そこには大岩がゴロゴロと。
大岩の間を縫うように、登れそうなルートを目で追いながら探す。ただでさえ急斜面で、どこでも登れるわけではないので、ルートの見定めと判断が必要。

Pc020011

こんな巨大な岩も鎮座している。
穏やかな善六山の南斜面が、こんなに荒々しい場所だったとは・・・。
こりゃ、良いもの見た。このルートを選んで当たりだった。クライミングチックな登りも楽しめたしね。

Pc020013

10:30 相変わらず穏やかな善六山山頂へ到着。

そのまま山頂を乗越して、北側斜面の下降へ入る。
山頂直下は小さな尾根がたくさんあって、どれが正解かわからない。
地形図とコンパスを何度も確認しながら、どうやら水晶沢出合へ向かう尾根に乗れたようだ。

Pc020014

一筋の鹿の踏み跡を追うように辿る。写真ではなだらかに見えるが、結構な急斜面だ。でも、フカフカの斜面だからそれほど足に負担なく降りられる。

モロクボ沢が近くなってきた辺りで、このまま尾根を進むと先端が崖になっているような気がして、手前で左手の窪地へ下降する。

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降りてきた窪地を振り返って。
ここもそれなりの急斜面だった。滑っても土斜面に着地できる場所だったので、思い切って降りられたが、下が沢床や岩場だったら間違いなくロープを出していたくらいの斜度だった。

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手前で左に逃げた分、狙い通りの水晶沢出合ピッタリとはいかなかったが、尾根の末端はやっぱり崖だった。我ながら良い判断だった。

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少しモロクボ沢を下降して、水晶沢出合に到着。11時10分。

Pc020020

10分ほど休憩をして、水晶沢の遡行開始です。
こんな水流の少ない水晶沢は初めてだ。

Pc020023

ほどなく5mのF1。
ショボ!いつもドバドバと水が落ちる迫力の滝なのに、こんなに水がショボいとは・・・
左手から巻く。

Pc020025

水晶沢へ入って15分ほどで二又に到着。右から滝で出合っているのが、今日のターゲットの右又です。
遠くから見て、あまりにも水流が無いので右又出合の滝とは思わなかった。水が滴るただの崖かと思いながら近づいてびっくりだ。過去2回の記憶では、ザーザーと水が流れ落ちる滝だった。

Pc020026

なにはともあれ、まずはこの10mの滝を越えなければ。
斜度が緩いので、よじ登れるかと思ったが・・・。
近づいてみると、落ち葉の下はヌルヌルの苔がびっしり生えている。これじゃあとても登れない。
左手から巻き上がった。

Pc020028

出合の滝の上は、2~3mの棚が階段状に連なっている。
水際はやっぱりヌルヌル。倒木を手すり代わりにして、ヌルヌルを我慢して登る。沢の景観を壊す倒木も、今回は本当にありがたかった。

が、倒木も無くなった出口の3mで苦労した。ステップはあるので、普段なら簡単に登れてしまうのだろうが、恐ろしいくらいヌルヌル。ステルスラバーはヌメった水苔に弱い。まして、オイラ愛用のキャニオニア3は水陸両用でブロックパターンが粗いので、ちょっとでもヌメっていると全くグリップしてくれない。(この粗く大きなブロックパターンが、泥斜面の巻では安定感があるんだけどね・・・)
ザックの脇にぶら下げている束子に手をかけるが・・・えっ!無い。落とした?車に忘れた?いつも用が無くてもぶら下げている束子なのに、一番必要な時に無いなんて・・・。
グローブでゴシゴシとして、そっと右足を乗せる。幸い次の左足を乗せるステップは乾いている。ホールドを探ったが、良いホールドが無い。握力だけで岩を鷲摑みにして、左足を上げたとたんに右足がツツーっと滑り始める。やべぇ~!!
幸い、右足が大きく滑る前に左足を上のステップにのせて踏ん張れた。
しばらくドキドキが止まらなかった。今日一番の核心だった。

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その上はゴーロ歩きが続く。

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ナメ床もあるんだけどねぇ・・・
水がチョロチョロで、落ち葉がびっしり。
夏とかは美しいナメ床なのかもしれないけど、これじゃあ・・・ね。

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それに、ホラ。ヌルヌルなんだよ。
これじゃあ、怖くて歩けない。

Pc020036

標高990m付近で沢は直角に曲がっていて、曲がった先にドーンと現れた10mの棚。

登るんなら、真ん中の溝状だろうけど、ヌルヌルだよ。登れねぇよ。

左手から巻くことにする。樹も生えていない崖状の土壁だけれど、ヌルヌルの岩よりはよっぽど安心感がある。

Pc020038

2mのかわいいチョックストーンナメ滝。
ここは右手の乾いた岩から登れた。

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やがてチョロチョロと流れていた水流も消え、水が無ければ水苔も無く、こんな乾いた岩床には、ステルスラバーは抜群のグリップ力を発揮する。

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1110m二又でどちらへ進むか考える。もうこの辺までくれば本流も支流も無い。どこへ詰め上げたいかだけだ。
左又の奥に見える巨大な一枚岩の壁が気になったので、そちらへ進むことにする。

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一枚岩を越えた後も岩登りが続く。全て順層だし、乾いてるから快適。

Pc020045

稜線の鞍部が見えてきた。

最後はズルズルの土斜面を頑張って・・・

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13時5分 稜線の登山道に飛び出しました。詰め上げたのは、水晶沢ノ頭の南のコル。

Pc020047

水晶沢ノ頭で休憩していると、ポツポツと雨が降り出した。
下山ルートにはいくつかのプランを用意していたのだが、雨が降ってきたんじゃあ、速攻下山だ。
ここから一番早いルートは雷木沢左岸尾根だろうな。

13時20分下山開始。

雷木沢左岸尾根はRFが難しい尾根だと思う。
だいぶ以前に下降したことがあるが、途中3回もミスって登り返しをした。

まず取りつきがわからない。山頂から「はっきしりないけど尾根っぽい」ようなのが何本もあって、「さてどれが正解でしょう」という感じ。
前回、まずここでミスっているから、今回は間違えるわけにはいかない。

Pc020048

このおどろおどろしいコブは前回も見覚えがある。
これがあったら正解だ。

このコブを左から回り込んで、その先も前回のミスポイント。
はっきりした尾根を直進したくなるが、ここは左折しなければならない。ところがこの左方向が「こっちは尾根?崖じゃないの?」という雰囲気を醸し出してるからたちが悪い。

この先は、地形図上では穏やかな尾根のように読み取れる区間だが、実際はゴツゴツと荒々しいヤセ尾根だ。

そして、1120m辺りで進路を南へ変えるのだが、ここもまたわかりづらいし、その先も地形図では読み取り切れないような支尾根がいくつか派生していて、本当にわかりづらい。
今日も、登り返しこそ無かったが、右に左にと少しウロってしまった。

この尾根の下降は、GPS頼りだけではなくて、地形を読む力が無いと難しいと思う。別にGPS片手に山を歩くことを反対はしないし、そういう遊び方があってもいいとは思うけど。(そういうオイラも最近ではGPSウォッチを腕にはめて歩いているしね)
でも、こういう複雑な尾根では、やっぱり頼るべきは地形図とコンパスだ。

Pc020049

標高870m付近で保護柵が現れたら、左折して保護柵に沿って下降する。
ここを直進してしまうと、末端の雷木沢への着地で苦労することになる。
保護柵も急斜面に立てられているから、沿って歩くのもなかなか大変だが、我慢して進めばちゃんと尾根の背に乗る事ができる。
やがて仕事道が現れて、ジグザグ下降でキャンプ場跡地へ着地できる。

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14時50分 キャンプ場跡地の河原で最後の休憩。残ったパンを食べたり、道具を洗ったり。

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15時35分

西丹沢VCへ無事帰還しました。

さて水晶沢右又。とにかくビックリするくらいヌメヌメでした。沢床に落ち葉が積もっていて、落ち葉も滑るし水苔も滑るしで大変でした。
そして・・・
善六山を乗越すのはシンドイ。北斜面は急だし、そこで相当の体力を消耗してしまう。
・・・と、「そんな事地図見りゃ当たり前だろ」という事が当たり前にわかったのでした。

でも、今日も面白かったヨ!

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