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2018/07/03

沖ビリ沢

西丹沢の世附川の源流の一つ、金山沢の最奥は山伏沢です。ナメの綺麗な美渓で人気の沢です。
『山伏沢』と書きましたが、ここを『沖ビリ沢』と呼んでいる人も多いと思う。山と高原地図にも沖ビリ沢と記載されているしね。
が、しかし、オイラが西丹沢の地名の拠りどころとしている『西丹沢頂稜河川土地名称図』によると、金山沢の最奥は山伏沢で、沖ビリ沢はその下流に位置して西丸に突き上げている沢の事なのです。
もうだいぶ前からオイラはその事を主張していました。が、悲しいかななんの影響力も無い過疎blog。オイラがいくら主張をしても、へのツッパリにもなりません。
「山伏沢ってどこ? あそこは沖ビリ沢っていうんだよ。」なんてことも言われたりするわけです。
別にいいんですけどね。でも、やっぱり納得がいかない。山伏沢の方が正しい名前だと確信しているけれど、世間一般に広まっている方が『正』になっていくのが世の常。
このまま、山伏沢の名は忘れられて、沖ビリ沢という事になっていくんだろうなぁ・・・とあきらめていました。

ところがです。
最近、ネット上でも山伏沢として遡行記事を上げる人が増えてきました。
これはたぶん、『丹沢の谷 200ルート』の著者であるkamogさんのおかげではないかと思われます。著書の文中でも『沖ビリ沢の沢名が一般には広まっているが・・・(中略)・・・正しくは山伏沢で沖ビリ沢は1本下流右岸から入る小沢らしい』と書かれている。ネット上でもそのような事を書かれているのを、拝見したことがある。

さすが、影響力のある人は違うね!
これであの沢も山伏沢として世間に認知されていくに違いない。
オイラとしては嬉しい限りです。「山伏沢ってどこ?」と言われることもなくなっていくはずです。
ついでと言っちゃなんですが・・・
やはり西丹沢で、沢の呼び方がごちゃごちゃとして定まらない大又沢の源流部、地蔵沢やバケモノ沢の事もkamogさんの鶴の一言で決めちゃって欲しいなぁ・・・。

そんなわけですが。
それじゃあ、本来の沖ビリ沢ってどんな沢?
というのが気になります。
しょうもないヤブ沢なんだろ。と、たいていの人は思うでしょうが、そんなの実際歩いてみなけりゃわからないじゃん。
名渓山伏沢と同じ水系の隣の沢なんですから、ひょっとしたらひょっとするかもよ。
なんて思いを抱いて、行ってきました。

そんなわけですから、『沖ビリ沢』の検索でここへ飛んできてしまった人はゴメンナサイ。
この記事には、あの美渓の事は全く出てきません。
あしからず・・・

2018年7月1日 

Tizu1871

あいかわらずW杯のTV観戦で寝不足気味です。昨晩もフランス×アルゼンチン戦を深夜1時過ぎまで見ていたのですから、早起きできるわけもなく・・・。山伏トンネルに到着したのは9時を回っていました。トンネル脇の駐車スペースにはすでに6台の車。ギリ1台分空いていた隙間に無理やり車をねじ込む。
きっと今日も山伏沢には何組かのパーティーが入っている事でしょう。人気の沢だからね。

P7010002

甲相国境尾根へ上がると、真新しい道標が立っていました。
ここへ来るのも2年振りか・・・。

P7010003_2

要所小屋ノ頭の手前のトラバース道の分岐点にも新しい道標が立っていた。そしてそこには『水ノ木分岐』と記されている。
以前は、要所小屋ノ頭のピークに『水ノ木分岐』の私製道標がぶら下がっていた。が、本来はここが水ノ木分岐だったのだろうと思う。しかし、このトラバース道は途中で山抜けしていて危険だから、諸先輩方が水ノ木分岐をここからピーク上に変えたんだろうと思う。
新たに官製道標を立てるにあたって、本来の位置に『水ノ木分岐』表示をしたのだろうが、これってどうなんだろうと思うよ。
このトラバース道が危険なのは今だって変わりないだろう。もう、何年も歩いていないから現状はわからないけど、山抜けした崩壊地を整備し直したなんてことはないと思うよ。
こんな道標を立てたら、山伏沢・西丸方面に行きたい人達の中には、ここから危険なトラバース道へ入っていく人が多発するんじゃないかと思うよ。

オイラは今日は、水ノ木分岐で曲がらずに、国境尾根の登山道を直進する。。石保土山の先にちょっと気になる尾根があるんで、そこを降りてみようと思っています。

P7010004

9:55 石保土山通過。標高1297.3m。本日の最高地点です。
出発から50分ほどで、もう標高1300mだ。
なにせ出発点の山伏トンネルは標高1100mだからね。

この後、自衛隊のパーティーとすれ違う。
礼儀正しく挨拶をしてくれる隊員もいるかと思えば、放心状態でにフラフラと歩いている隊員もいる。見るからに重そうな装備を担いでいるんだもの。このクソ暑い日に。
ご苦労様な事です・・・と思いました。

P7010008

石保土山から15分ほど行った地点で、国境尾根登山道から離れ南南東へ向かって降りる尾根へ入ります。
西沢の右岸尾根とでも言いましょうか、それとも西沢・金山沢界尾根とでも言いましょうか。
ずっと気になっていた尾根でした。地形図上で見ると、細いうえにやたら複雑でしょう?ヤブ尾根マニアとしては大いにそそられます。

P7010009

意外にも、かすかな経路痕があります。
気のせいでしょうか。たんなる獣道でしょうか。
オイラはこう思います。かつては山仕事の人達が造った杣道があったのでしょう。杣道が使われなくなってずいぶん長い時間が経つのでしょうが、獣たちは歩きやすい杣道を利用して往来するので、今でもかすかな経路痕として残る。世附では、滅多に人が入るはずがないような尾根にも、経路痕らしき踏み跡を見る事が多々あります。それは、かつての杣道を今でも獣たちが歩いて踏み固めている。そう考えているのですが、どうでしょうか。

P7010010

地形図でも読み取れる通りの複雑な尾根です。踏み跡を追ってばかりいないで、地形をしっかり読まなくてはいけません。
1200m付近と1050m付近で、2回ほど違う尾根に引っ張られかけました。
久しぶりにRFの面白い尾根を歩きました。

P7010012

940m付近のコルにこんな物が立っていました。何の標柱かは知りませんが、かつて経路があった証拠です。
周囲を観察すると、コルの西側には山腹をトラバースする経路痕がはっきりと残っています。きっとここを経路が横断していたのでしょう。東側には経路痕は見つけられませんでしたが・・・。
この辺りには鉱山跡がいくつかあって、そのための水平経路もあるような事を、経路マニアのM氏から聞いた事があるような気もします。西丹沢頂稜河川土地名称図には、歩道を示す点線がこの辺りを通っていますが、ここがそうでしょうか。
廃経路探索は危険がいっぱいなので、M氏に任せましょうかね・・・。

標高900m付近で、西側の枝尾根に入り、沖ビリ沢出合付近に降り立つことを目論見ます。

P7010015

が、最後がやばかった。地形図上では崖マークがついていますが、たいていは何とか降りられるものさ・・・とタカをくくってましたが、ほんとに崖でした。
降りられそうな場所を探してウロつき、小さな沢へまず降りました。最後は2m程の岩棚を樹の根を掴みながら金山林道へ降り立ちます。

そのまま林道を横断して、金山沢へ入ります。

P7010016

ほんの少し下れば、沖ビリ沢出合。
出合から見る限りは、水量もそこそこあるし、なんだか癒し系の雰囲気もありますよ。

P7010019

沖ビリ沢へ入ればすぐに、立派な石積堰堤があります。

この堰堤は見覚えがあるなぁ・・・。
そう。金山歩道という旧経路が要所小屋ノ頭と西丸のコルからこの堰堤の上へとつながっているんだ。樅ノ木沢や西沢へ入渓する人がよく使う経路で、オイラも歩いた事がある。

P7010020

堰堤を越えると、見る見るうちに水量は少なくなり・・・

P7010024

すっかりヤブ沢っぽくなってしまいました。
ありゃりゃ・・・

P7010027

890m二又を過ぎると。
おおっ。なんかナメっぽいのが出てきたぞ。

P7010029

水量はチョロチョロだし、お世辞にも美しいとは言えないけれど・・・ナメはナメです。
それもかなり長い。長さだけで言うなら、なかなかのナメ床です。

P7010030_2

水が流れていりゃあ、綺麗なんだろうけどねぇ・・・

P7010032

ナメ場が終わると、再びゴーロになり・・・
滝場の一つや二つくらいはあるだろうと思いながら歩いていますが・・・

P7010034

何も現れないままゴーロ歩きが続き、標高1040m付近。
沢は複雑に枝分かれをし始めます。
本流と思われるのは正面。写真ではわかりづらいですが、ガレた沢床が、恐ろしいくらいの急角度でせり上がってます。
ちょっとこのまま突き進むとやばい事になるかも・・・そんな気がしたわけです。
地形図を見ると、ここから先は等高線の間隔が急激に狭くなり、しかもグニャグニャと波を打っている。
だいたいそういう地形の場所ってやばいんだ。安全第一で行かないとろくなことにならない。

正面右の尾根に上がろうかとも思いましたが、尾根上にでっかい岩壁が見えるし、危険な岩尾根の雰囲気。

右の枝沢に入りながら、尾根への取りつきを探る事にします。

P7010036

小尾根と小尾根に挟まれた、こんな窪地を登る。
転がっている岩は、たいていが浮石だから要注意だ。

P7010039

窪地から左手の尾根に這い上がったが、傾斜はきつくなる一方。
ヒイヒイ・・・
でも、先週登ったヤビキ沢のヤセ尾根と比べれば、天国と地獄だ。
傾斜角は同じようなものだが斜面が広いので、安全なルートを探りながらジグザグに登っていける。

P7010040

西丸山頂に到着。
ヤレヤレ・・・
大汗をかいた。
時刻は13:10。

計画段階では、西丸の東尾根を下降して、久しぶりに山伏沢を楽しんで帰ろうかとも思っていたが・・・もうそんな体力有りません。クソ暑いし・・・。

このままおとなしく下山する事にします。

14:10には山伏トンネルに帰還しました。

 

 

さて。沖ビリ沢。
まあ、思った通りと言えばその通り。
泥沢ではなかったものの、滝の一つも見所の一つも無い沢でした。
それでも、どんな沢だかわかったのですから、オイラ的にはOKです。
こうなりゃ、この下流の中ビリ沢も前ビリ沢も探索しなきゃなるまい。

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コメント

坑道とか

鉱山の痕跡とか

有りませんでした?

投稿: M氏 | 2018/07/03 21:20

M氏
坑道も鉱山の痕跡も見かけませんでしたけど・・・
斜面を凝視しながら歩いているわけでもないし、M氏のように嗅覚がきくわけでもないので・・・
次からは、意識しながら歩いてみます。

投稿: shiro | 2018/07/03 22:33

shiro師
おつかれさまです。
西丹のヤマユリはもうそろそろですか?
ところでMSHK師の更新がないんですが、
お元気でしょうかねえ?
仕事忙しいのかな?

投稿: | 2018/07/03 23:17

T.I博士
帰りの道志道でヤマユリが咲いているのを見かけました。
今年は早いですねぇ。もう梅雨も明けちゃったし。
M氏も仕事が忙しいんでしょうねぇ・・・。
blogの更新が止まったままで、寂しいかぎりです。

投稿: shiro | 2018/07/04 00:04

shiroさん、

 確かに地図や沢の紹介本でも沖びり沢=山伏沢としてるのがありますね~。
 近いうち石保土山からの下降尾根か沖びり沢下降企んでるので参考にさせていただきます。happy01

投稿: utayan | 2018/07/12 21:37

utayanさん
石保土山からの下降尾根ですかぁ~
確かに複雑で面白そうですね!
記録のアップを楽しみにしています。

投稿: shiro | 2018/07/13 00:11

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