大界木山南尾根から赤沢
オイラがバリエーション歩きを始めた当時は、山歩き用のGPSは高価なガーミンくらいだったし、精度もイマイチだったと思う。
もともとは地図を見るのが好きだったのが、バリにはまった理由。GPSを見ながら山を歩くなんて考えもしなかった。地形図を見ながら必死にRFをするのが大好きだった。
未知の尾根を地図とコンパス、高度計を頼りに下降する事が面白くてしょうがなかった。RFミスで違う尾根を下降してしまう事なんて数知れず。ヒーヒー言いながら半べそで登り返す事なんて当たり前だった。でもそんなんが楽しかったんだなぁ。
だから、手軽にスマホでGPSのルート表示ができる時代になっても、スマホ片手に山を歩くなんて考えもしなかった。軌跡を取るためにGPSのスイッチは入れているけど、いつもザックの中にしまいっぱなし。(ホントのこと言うと、どうにも困った時にはザックから取り出して現在地を確認したりはしてたけどね・・・)
いや、別にGPS片手に山を歩くことを否定してるわけじゃないよ。ただ、オイラの山遊びには必要ないって事。
そんなオイラだったんだけどね・・・
ヨドバシで眺めているうちについ・・・。
最初は冷やかしで眺めてるだけだったんだけど。ついつい・・・
買っちまった。プロトレックスマート。GPS内蔵でしかも地図を表示できるんだって。
焼きが回ったか・・・と自分でも思う。
が、買っちまったからには使ってみないと。こんなちっちゃな画面で、はたして役に立つのか・・・と。
というわけで。
GPSウォッチのお試しと、早春恒例のハナネコ調査を兼ねて、世附の奥地へと行ってきました。
2018年3月25日
道志の水晶橋から甲相国境尾根へ上がり、まず大界木山の南尾根を下降してみようと思います。ここは尾根が複雑でRF下降するのはとっても難しい。GPSウォッチの性能を試すにはもってこいだと思う。そして、地蔵沢の上流部支流である赤沢出合にピッタリ下降して、赤沢をハナネコを探しながら遡行しようと思います。
道志道の駅から林道へ入る。ところどころで積もる雪も5cmくらいのもんだからへっちゃらだろうと、強引に車を進める。途中2ヵ所ほどでスタックしかかるも、何とかかんとか水晶橋に到着。ノーマルタイヤでよく頑張ったぞ!わが愛車。
支度を整えて8:15に出発。
まずはおとなしく登山道で城ヶ尾峠へ向かう。積雪は10㎝くらいか。表面だけが凍っていて、一歩一歩が結構疲れる。
城ヶ尾峠直下の崩壊地もご覧の通り。
でも、ザレ斜面よりも雪が積もっている方が歩きやすいか?
そんな気がした。
出発から1時間で城ヶ尾峠に到着。雪道が歩きづらく、普段よりもやや遅め。
9:45 大界木山に到着です。
しばらくぶりに来たけれど、新しい道標が立っていた。
ここで登山道から離れ、南尾根に突入します。
自然林の穏やかないい尾根なんだけどね。なんたって尾根の派生が複雑。
特に上部は、赤沢とバケモノ沢の源頭部が複雑に入り組んでいて本当にわかりづらい。地形図が間違ってるんじゃないかと思うくらいだ。実際、地形図と地形が一致しない場所もある。
以前、マイナールート探検隊のキリヤマ隊長とアンヌさんと一緒に下降した時も、3回ほど違う尾根を下降して登り返しをした。
今日だってやっぱりそうだ。GPSの軌跡を見れば、1160m付近、1000m付近、950m付近と3回間違えかけているのがわかる。
でも、「なんか怪しいな・・・こっちで合ってるのか?」と思った時に腕時計の画面を見れば、「あっ!やっぱり違う。」とすぐにわかる。傷が浅いうちにトラバースで修正できるから、体力ロスも時間ロスもほとんど無しですんだ。
さっそくハナネコノメ発見。
まだ半開き状態。咲き始めたばかりだ。
その後も、ここにもあそこにもと、そこかしこにハナネコノメが咲いています。
以前、M-K師匠、AYさん、TI博士と一緒に来たことがあります。もう8~9年前の話。まだ沢歩きに不慣れだったオイラは、3人に付いて行くのに必死でで、風景もあまり覚えていないんだ。
なかなかいい沢です。
と、滝が見えてきました。
手前の2mは軽く越えて・・・
奥の5mはちょっと手強いか・・・。
巻きも簡単じゃなさそうだし、水流左手をよじ登るかなぁ・・・。
と、岩にしがみついてみるも、なんか滑りそうで一歩目の離陸ができない。
チ・・・他の手は無いかとふと左手の斜面に目をやると・・・
あっ、残置ロープがあるじゃん。
920m二又。
以前、M-K師匠達と歩いた時には、城ヶ尾峠を目指して左を登りました。
今日は大界木山を目指して右へ行ってみます。
右又へ入ってすぐに石積発見。
炭焼小屋? なんか炭焼小屋っぽくないんだよなぁ・・・。なんの石積だろう。
水が涸れて1060m二又。
どっちへ行くか・・・少し考えて左へ進む。
別にどっちでもよかったんだけど。
傾斜がきつくなってきました。泥ルンゼ登りとしては限界に近い。
稜線が見えてきたあたりから、ズルズルの泥斜面。足を蹴り込んでも崩れるだけ。
ここで身の危険を感じてギブアップです。左の尾根に逃げました。
尾根を乗越す形で、浦安峠へ向かう登山道へ入ります。
目印の看板も倒れています。ここも歩く人は、もういないんだろう。
浦安峠には向かわず、そのまま尾根を西進します。だって、その方が近道だから。
尾根の末端は擁壁。擁壁の上をトラバースして、ここから林道へ降り立ちました。
赤沢は良い沢だった。
ハナネコノメもたくさん咲いていました。
世附の奥ではハナネコがようやく咲き始めたところのようです。
これから2週間くらいが見頃でしょうか。
さて。
プロトレックスマート。
思ったよりも使えそう。小さい画面だけれど、現在地を把握するには十分。GPSの精度もなかなかいいみたい。
これを持って歩けば、ミスコースのリスクはグッと下がるだろうね。
だけどね・・・
そのリスクと隣り合わせだから、未知尾根のRF下降は楽しいんじゃないの?
あのドキドキ感とか。失敗して登り返している時の悔しさとか。ピッタリRFした時の達成感とか・・・。
こんなの持ってヤブ尾根を歩いて楽しいか?って気もする。
まあ、しょせん自己満足のための山歩きなんだから。
使うも使わないも自分の好きにせいや・・・って事だよね。
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コメント
shiroさん、ハナネコ&GPSレコお疲れ様です。
GPS持ってないんですよね~。セレブの持ち物というか、shiroさんの最後の締めの言葉通り地図読み楽しむのには無用の長物というか。すんごい奥地いくにはあった方が安心かな~。
今季ハナネコ見れるかな~。
投稿: うたやん | 2018/03/27 21:34
うたやんさん
GPS無しでも縦横無尽に山を駆け回るうたやんさんには、無用の長物かもしれませんネ
まあ、あればあったで役には立つけど、必須品ではないと思います。バリエーションの楽しさは、やっぱり地図読みですから。
世附の奥では、ハナネコはこれからですよ~。
投稿: shiro | 2018/03/27 23:00
早春の赤沢界隈、いいですね~
行きたいな~!!
GPSですけど
地図読み出来なければGPSも猫に小判ですよ
地図読みが出来てこそGPSが活用できる
それぞれの利点を活用して遊ぶのが
楽しいと思いますよ
投稿: M氏 | 2018/03/28 20:52
M氏さん
なるほどです。
確かにGPSを持っていても、地図を読まなくてはV歩きはできませんね。
GPSはあくまでも補助の道具です。
上手く活用して楽しく遊ぶことにします
投稿: shiro | 2018/03/28 23:47