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2018/02/05

唐沢の牛頭観音

少し前のこと。
マシラさんのHPに、マシラさんが唐沢を歩いた記録がUPされた。
そこには、唐沢の牛頭観音の石碑が台座から転げ落ちていた事が書かれていた。
マシラさんは石碑を台座にはめなおしたが、接着のセメントが風化しているから「ちょっとでも揺れたらまた落ちるだろう」と書いている。そして「だれかセメントを持っていって固定してくれないか」とも。

それを読んだ時、「セメントを持っていって固定するのは、オレしかないだろ」と思った。
わざわざセメントを担いで山へ入る粋狂者はそうそういないだろう。ここでオイラが行かなくっちゃ。一応セメントの扱い方くらいは知ってるしな。

それに、マシラさんの記事と全く無関係ってわけでもないんだ。
マシラさんはその記事の中で、唐沢の牛頭観音の由来を調べ上げた堰堤博士T.Iさんの記事をリンクしている。そのT.Iさんの記事中で牛頭観音を訪れた時のオイラの記事がリンクされているんだ。
まあ、いわば『友達の友達』みたいなもんさ。

『友達の友達』はちょっと失礼か・・・。
T.I博士は友達に違いない。が、マシラさんを友達と呼ぶには恐れ多すぎる。
丹沢バリエーションの開拓者として尊敬してやまない人は何人かいるが、マシラさんもその一人だ。偉大なる大先輩だ。
一度、丹沢山中の鍋嵐ノ沢でお会いしたことがあるが、厳しい沢をまるで飛ぶように駆け上っていかれた。仙人みたいな人だ・・・と思った。

そんなマシラさんの呼びかけに手を挙げるのは、当然オイラだ。
・・・と思ったってわけさ。

2018年2月4日

Tizu_201824

厚木発宮ケ瀬行の2番バスに乗って、煤ケ谷で降りる。8:20
2か月前には、久しぶりに惣久経路を歩いたが、今日はこれまた久しぶりに八丁経路を歩いてみようと思う。
実は二日前に降った雪が心配だったんだ。
八丁経路はVルートとはいえ登山道並みの経路だから、雪が積もってても大丈夫だろう。

水ノ尻沢右岸の道路を登り、平成の森の東屋あたりから仕事道で尾根にあがる。

P2040004

危惧していた雪は全く積もっていない。
この道を歩くのは本当に久しぶりだ。8~9年振りかなぁ。
仕事道も上部の方では崩れてしまっているが、尾根の背を目指して上がるだけ。
尾根の背に乗ったら、鹿柵沿いに歩く。
標高500mあたりから積もった雪が現れてきたが、10cm以下ってとこか。

P2040006

八丁経路名物の鹿柵の細径。ここも懐かしいなぁ。
狭い通路にはいろんな獣の足跡がいっぱい。

P2040009

標高700mを越え稜線が近づくと、雪も深くなってくる。
それでも20cmくらいのもの。気持ちよく歩ける範囲だ。
真っ白な地面に足跡を付けながら歩く。
気持ちイイ!

10:30 三峰の稜線登山道に飛び出す。登山道には数人分の足跡が付いていた。

P2040011

登山道を南に2~30m進んでから、西側へ伸びる枝尾根に入る。
が、オイラが進む枝尾根に2人分の足跡が続いている。
「えっ!?」と思った。こんな尾根に入っていく奴は、よっぽどのマニアかバカだ。
が、すぐに足跡はUターンして、正規登山道方面に向かっている。

きっと、最初の人が雪で隠れた登山道を外してしまい、次の人も足跡につられてしまったのだろう。
このまま枝尾根を直進するオイラの足跡につられてしまう人がいたら嫌だな・・・とは思うが、雪に付いた足跡は消しようがない。ストックで雪にバッテンを書いておいたが、わかってくれるだろうか・・・。

P2040014

この枝尾根を歩くのは初めてだ。
この界隈の尾根はみなそうだが、ここもまたワイルドなヤセ尾根だった。
雪の付いたヤセ尾根は、さすがにちょっと怖い。慎重に慎重に、雪の下の様子を探りながら歩く。

P2040016

P700を越えて、次のピークで進路を南西にとったら、植林帯に入った。
植林地になれば、安心して歩ける。
雪の深さも20cmくらい。危惧することも無かったな。
・・・とここまではご機嫌です。

P2040018

唐沢林道へ降り立ってびっくりだ!
雪の深さ4~50cm。そしてノートレース!

雪はゆるく、ズボズボとひざ下まで沈む。
そしてゆるいくせに重い。10mも歩かないうちにこりゃマズイと思った。
小唐沢橋まで1kmちょっと。こんな状態で1kmも歩けるか?

ラッセルとつぼ足とどっちが楽だろう。湿った雪をラッセルするのは猛烈に疲れるし、つぼ足するには太ももを高く上げねばならない。どっちもどっちだ。
ラッセルとつぼ足と交互に繰り返しながら進むが、途中で何度も心が折れかけた。
が、ここまで来ちまったんだ。もう、進むしかない。と自分に言い聞かせる。

P2040019

1kmちょっとの道のりを30分かけて、ようやく小唐沢橋へたどり着く。
橋の袂から旧経路に入っていくのだが、どこが経路なんだかわからん状態。
それでも何度も歩いている唐沢経路。
たしかこの上をトラバースだったよな・・・。この辺で沢を横断したはず・・・。
記憶を辿りながらとカンで歩く。
雪はズボズボだが、2~30cmくらい。林道よりはずっと楽だ。

P2040020

唐沢経路に入ってから10分ほど。
あった! 牛頭観音。半分雪に埋もれている。

雪を払い。手を合わせてから、石碑を揺すってみる。
なるほど、ぐらぐらだ。ちょっと強い風が吹いたら、倒れてしまうだろう。

まず、石碑を外し、台座と石碑を束子でごしごし洗ってコケや汚れを落とす。
持ってきたモルタル接着剤をたっぷりと塗ったら、セメントを練る。結着力の強い、プレミックスの樹脂モルタルを持ってきたんだ。
台座と石碑にモルタルを塗り付け、元通りにはめたら、はみ出たモルタルを綺麗にならして・・・

P2040022

完成!
ああ、なんか清々しい気分だ。
別に信心深いわけではないが、神仏に対しては敬虔な気持ちは持っているんだ。
特に、里山ではない、神々の領域である深山で遊ばせてもらっているという気持ちはいつも抱いている。この牛頭観音がどういう神様であるのか(観音だから仏様か?)は存じあげないが、丹沢におられる神様のお役にほんの少しでも立てたならば嬉しい事だ。

この牛頭観音の由来については、T.I博士の記事をご覧ください。

さて。
どのルートで帰ろうか。
本当は、ここから大山北尾根に上がって、大山経由で下山するつもりだった。
が、こんなに雪が深けりゃ、V尾根を登っていくのは無理な気がする。1000m越えたらどうなってるかわかったもんじゃない。
かといって、このまま唐沢を遡行するのもかなりしんどい。
さっきの事を考えると相当気が重いが、唐沢林道で戻るのがベストチョイスかもしれない。

P2040023

唐沢林道を戻る。
来るときに自分でつけたトレースを辿るから、だいぶ楽だ。
だが、それも樋嵐沢まで。そこから先は再びノートレース。しかも今度は登りだ。
林道だから緩やかな登りではあるが、ジワジワと効いてくる。体力の消耗度は往路の倍。いやそれ以上かも。
途中で何度も心が折れて、ガードレールに座って休憩する。
もう嫌だ。だが、どんなに嫌でも、このまま進むしか他に手が無いんだ。
物見トンネルまで行けば・・・。トンネルの向こうは南斜面だ。きっと雪はこんなに積もっていないはず。それだけを心のよりどころに、再び歩きだす。

P2040024

14:20 物見トンネルが見えた!
小唐沢橋から1時間半の格闘の末、ようやくたどり着いた。

トンネルの向こうは思った通りだった。積雪10㎝。山の北斜面と南斜面ではこんなにも違うものなのか。

標高500mを切れば雪も消えた。
上煤ケ谷15時発のバスに乗ろうとすっ飛ばしたが、間に合わず・・・残念。
寒い所で立って待っているのも嫌なので、清川道の駅までとぼとぼと歩きました。

雪踏みも楽しい山遊びの一つではあるけれど、それも2~30cmまでだよね。
4~50cmの雪をラッセルしたのは初めてだけれど、こんなにキツイものだとは。
丹沢でこんな経験するなんて思いもしなかったよ。
本当にしんどかった。
もうしばらく雪山はいいや・・・

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