« 2017年12月 | トップページ | 2018年2月 »

2018/01/23

大栂周辺

古道を辿る山歩きっていうのは、興味深く面白いものだ。
丹沢には廃道となって自然に帰りゆく古道がたくさんあって、そのいくつかは探索したこともある。
山を歩いていると、古道以外にも林業や炭焼きで使っていた仕事道、御料林の見回り経路等々、無数の道の跡にぶつかる。ぶつかれば、「この道はどこへ続くのだろう?」なんて興味がわくから辿ってみたりもするのだが、たいていはちょっと辿れば道型は消えてしまう。
周囲を探索すればまた道の痕跡を見つけ出して、さらに先まで辿る事もできるのだろうが、それはとても根気と情熱がいることだし、危険も伴う。さらに古道や経路に対しての知識も必要だ。
あいにくとオイラは、古道に対してそこまでの情熱も知識も持っていない。「なんか道っぽい痕跡があるんだけど、よくわからない。」で終わってしまう。

ところが、それに大いなる情熱を持って挑んでいる人達もいる。
イガイガさんとM氏だ。
この人たちの勉強熱心さと知識の深さには頭が下がる。丹沢に関する古資料を片っ端から研究しているし、何より凄いのは現地に行って自分の目で調査・確認をしている所だ。

今回は大栂周辺にあったはずの城ヶ尾歩道という経路の探索に行くというM氏の企画に乗っからせてもらった。
城ヶ尾歩道の事はさっぱりわからないが、大栂周辺はまだまだ未踏地が多く、興味が大いにあるんだ。

Tizu18114

2018年1月14日

メンバーはM氏、イガイガさん、はっぴーさん、レガーさんとshiro

それぞれがお馴染みのメンバーだが、この5人が揃って山を歩くのって初めてかもしれない。

P1140001

西沢林道の奥のゲートを夜明けと同時、6:50に出発。
道志道の駅に集合し、M氏の車でここまで連れてきてもらった。

最初は体力温存とかで、おとなしく登山道を辿って菰釣山へ向かう。

P1140006

8時には菰釣山山頂に到着。
ここへは何度も来ているし、ここからの富士の眺めがいい事も知ってはいたが、今日の富士山は格別に素晴らしかった。こんなくっきりと美しい姿の富士山。ちょっと感動を覚えた。
空気が澄み切っているんだろうね。

それにしても寒い。寒いを通り越して冷たい。おそらくここの気温は零下であることは間違いない。
寒さに弱いオイラとしてはツライ・・・。じっとしていると、骨まで寒さがしみてくる。

ここからは登山道を離れ、南側の尾根で大栂へ向かう。

P1140010

大栂との鞍部、大ダルミへほどなく到着。
先頭のM氏が「あった、あった」と言いながら、尾根から外れて西側のトラバースを始める。
どうやら想定通り、大栂を巻く道を見つけたらしい。

が、すぐにM氏が戻ってきた。すぐ先で山抜けしていて、先へ進めないらしい。

で、いったん大栂へ登って、反対側の鞍部から経路探索をすることになった。

「大栂には栂(ツガ)の樹が無いね」なんて言いながら歩く。これも、樹木に詳しいイガイガさんやはっぴーさんと一緒だからわかった事だ。樅と栂の違いがままならなかったオイラも、はっきりと区別がつくようになった。合わせて榧(カヤ)との見分け方もイガイガさんから教えてもらう。

P1140018

大栂から織戸峠へ向かう尾根の1090m付近で、M氏が嬉しそうに指をさす。道の痕跡がくっきりと残っていると言う。
『くっきり』と見えるのはM氏とイガイガさんだけだ。普通の人には道だとはとても認識できない。なんかうっすらとバンドらしきものがあるのはわかる。獣道じゃね?
でも彼らには、獣道とは明らかに違う何か確かな物が見えているのだ。

P1140020

まずは西側の経路痕を追ってみる。
この写真を見て、道を歩いている事がわかるだろうか?
わかるわけがない。実際歩いているオイラにだって道を歩いているなんて認識は無い。はっきり言って、急斜面の危なっかしいトラバースをしているだけだ。
でも、先頭を行く二人には道がはっきりと見えているらしい。

しかし、少し進んだところで、行き詰ってしまった。大栂ノ沢源頭部の枝沢をどうにも横断できない。
仕方なくここはいったん戻り、東側の経路痕を探索することにする。

オイラ的には少しホッとする。以前、大栂ノ沢を詰めた時の経験からいっても、大栂の西面は恐ろしいくらいの急斜面だ。それは地形図の等高線を見てもわかる。それに比べて東面は等高線も比較的緩やか。探索するなら東側だ。

P1140022

東側の経路痕に突入。
が、すぐに経路痕(なのか獣道なのかはわからないが)は消える。
が、M氏の驚異的な嗅覚を頼りにトラバースを続ける。
かすかなバンドを見つけては経路だ経路だと騒いで歩く5人組。
少なくてもこの5人がガシガシと踏み固めて、経路痕を作っていることは間違いない。

歩きながらM氏の話を聞いてびっくりした。今歩いているここは、林班図にも経路線が引かれていない区間なのだそうだ。城ヶ尾歩道が途切れている区間なのだとか。
「ええっ?じゃあ、ここに道があったという根拠は何もないんだね。」
でも、M氏は言う。「いや、ここには城ヶ尾歩道が繋がっていたはずだ。必ず!だからこうしていま、その痕跡を探しているのだ。」

恐るべし、古道マニア・・・

ずいぶんと長い時間トラバースを続けた。が、地図を見ると、たいして距離は進んでいない。廃道を辿るトラバースってそれくらい厳しいものがある。
特に右足が軸足のオイラは、谷側を右手にしてのトラバースは疲労度が倍になる。いい加減に疲れてきた。
皆もだいたい同じような感じだったのだろうと思う。
菰釣沢の大栂へ突き上げる支沢まで辿り着いたところで、今日はここまでにしておくか、ということになった。
時刻は11時半。まだ早いようにも思えるが、いい判断だったと思う。甲相国境尾根を乗越して駐車位置まで戻るのに3時間は見なくてはいけない。日の短いこの時期だもの。

P1140027

菰釣沢の支沢を下降して、本流に出合ったところで休憩。

この後、目の前の急斜面にとりつく。
シキリ尾根から南東に派生している尾根だ。

P1140031

良い尾根だった。
良い尾根の定義ははっきりと説明はできないが・・・。
ともかく、世附の奥地の、誰も歩かないであろう支尾根をこうして歩けたという事だけでも満足なのだ。
オイラの山歩きはそういう事なんだ。

さてさて

今回歩いた経路が城ヶ尾歩道だったのかどうかは、オイラにはわからない。
いや、経路であったのかどうかだって怪しい。たんなる獣道だった可能性だって否定できないと思っている。
でも、イガイガさんやM氏にとってはそれなりの収穫があったようだ。
この続きのプランも彼らの頭の中にはあるようだ。

オイラは滅多に人が踏み込まない大栂東面の風景や様子がこの目で見れた事に満足している。

だから、きっといい山行だったのだろうと思う。

理解できない人が多いだろうけどね。危険な思いをして、山の斜面をトラバースしているだけなんだから・・・

| | コメント (6) | トラックバック (0)

2018/01/05

新春恒例大山参り~今年はオークボ沢から

正月は大山参り。これは必ずしないといけません。
さて・・・今年はどのルートで大山へ登るかな。
必須は山頂の奥の院へお参りする事と、下社でお札をいただく事。
そこに、歩いた事のない未知の尾根か沢を加える。
毎年の事ですから、だんだん選べるルートも少なくなってくる。
悩むなぁ・・・。

あーだこーだ考えた末、今年はオークボ沢を登っていくことにしました。
って言われても知らないよねぇ、オークボ沢なんて。

2年前の大山参りでゲンクラ沢を登った時の記事で、「名前の無い沢」と書いたところ、イガイガさんからゲンクラ沢だと教わりました。その時に、「その南側の沢はオークボ沢」と一緒に教わりました。
ネクタイ尾根の北側の短い沢です。

地形図を眺めてもちっともそそられない。きっと、つまらない沢だろうなぁとは思うけれど。でも名のある沢であるならば、一度は歩いておかねばなるまい。

Tizu_201813_2

2018年1月3日

P1030001_2

伊勢原発の1番バスで日向薬師のバス停に降り立つ。
時刻は7時前。夜明け直後の空気が清々しい。

まずは日向林道jをテクテクと歩き、浄発願寺奥ノ院跡へと続く山道へ入ります。
実はこの道へ入るのは初めて。いつもはこの先の駐車場まで一気に車で上がってしまうからね。

P1030003

浄発願寺奥ノ院跡。初めて訪れた。
ここから梅ノ木尾根まで登山道が続いているらしい。
辿ってみると綺麗に整備された道だ。どうやら最近整備されたハイキングコースのようだ。

P1030007

尾根を登っていたハイキングコースは、510m付近から東側へトラバースをはじめる。
このまま登山道を辿って行けば、遠回りになってしまう気がしたので、この標識の裏から強引に尾根を直登する。

P1030008

610m付近で梅ノ木尾根に乗った。
梅ノ木尾根を西に向かって歩く。何度も歩いて勝手知ったる尾根だが、油断は禁物だ。

P1030009

大沢分岐手前の馬の背で、一瞬ザレに足を取られてずりっとなった。
ヒヤッとした。
こういうのが一番危ないんだ。歩きなれてるルートだからって慎重さを欠いていた。
危険地では慎重になるし、本当にヤバい場所ではロープを出したりするから逆に安全だ(安全は言い過ぎかもしれないが・・・)。慣れたルートだからって油断するのが事故の元。Vルートを歩く以上、常に慎重であることを肝に命じなければね。

P1030013

9:30 唐沢峠に到着。
ここで休憩を取った後、唐沢へ向かって下降する。

唐沢を下流に向かって堰堤を3つ巻き降りると・・・

P1030015

9:50 ここが今日のターゲット。オークボ沢だ。
沢は数10m先で直角に曲がっているので、先は見通せない。
さて、とにかく遡行開始だ。

P1030017

直角部を曲がると沢の様子が明らかになった。
ありゃりゃ・・・こりゃひどい。見事なヤブ沢だ。予想はしていたけれどね・・・。

P1030018

雑然とした岩ゴロと倒木。沢床にまで張り出した低木の枝。典型的なヤブ沢。

P1030020

でも上流へ行けば、涸れ棚の一つくらい・・・あるいは湧水とか・・・なんか見どころがあるだろうと遡行を続ける。

P1030021

ところが、840m付近で鹿柵に行く手を阻まれる。
なんじゃこりゃ! 沢床を鹿柵が横断しているのなんて初めてだ。
柵越しに上流を眺めると、もはや沢というより窪地。そしてその窪地にも植林してある。
・・・もう沢じゃ無いじゃん。

ここまでか。無理して鹿柵を越えて窪地を登ってもしょうがないし。

P1030023

で、鹿柵沿いに右手の尾根に上がる。
そこもまた植林地。

P1030024

手入れの行き届いた植林だと思った。
枝打ちで散らばった小枝が歩きにくいぜ。

鹿柵が張り巡らされて何度も行く手を阻まれる。そのたびに越えられる場所や残置脚立を探してウロウロする。いい加減面倒になったので、左へ左へとトラバースして、970m付近でネクタイ尾根に合流した。

P1030025

久しぶりのネクタイ尾根。

P1030026

11:15 大山北尾根に合流。

P1030030

お決まりの場所。地獄沢源頭の崩壊斜面の上で休憩する。
ここからの眺めは本当にお気に入りなんだ。
富士山もすそ野まではっきりと見えるし、丹沢の山々の眺めも最高。
写真左端が三ノ塔。中央が塔ノ岳。右端が丹沢山。

P1030031

11:45 大山山頂に到着。
いつも通り奥ノ院にお参り。

P1030034

今日は特に眺めが良い大山山頂。空気が澄み切っているんだろうね。
本当に気持ちが良い・・・のだが、人が多い山頂は、オイラにはちょっと居心地が悪い。
ここでは休憩を取らず、下山開始だ。

P1030037

いつも通り表参道を駆け降りて、いつも通り下社へ到着。
いつも通り列に並んで参拝したら、去年のお札をお返しして、新たなお札を頂戴する。

これで今年も無事、正月のミッション終了だ。

ここからの下山路は蛇足的ではあるのだけれど、今年は南尾根を秦野まで歩いてみようと思った。
大山南尾根を通しで歩くのは本当に久しぶりだったから。

P1030041

大山南尾根なんて、お散歩コースだと思っていたけれど・・・結構キツイわ・・・。
高取山への登り返しって、こんなにきつかったっけ。
ピークごとの眺めが最高だったのが救いだけれどね。

P1030046

下社から3時間以上かかってようやく弘法山。
大山から歩いてきた南尾根を眺める。
こうやって見ると、アップダウンの激しい尾根だよね・・・。
疲れた後の下山ルートで使うにはキツイ尾根だった。
今日も最後はヘロヘロです。

オークボ沢・・・
しょうもないヤブ沢だったけれど、それも歩いてみなければわからない事。
オイラ的には満足だったぜ。
久しぶりに20kmオーバーの長距離を歩いたしね。

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2018/01/01

謹賀新年 2018

あけましておめでとうございます 

1811_001

穏やかに年が明けました。

穏やかにね・・・

もう、穏やかに暮らしていきたいね。なんて、周りから聞こえ始める年齢になってしまった。

でも、意味が分からない。穏やかに暮らすってどういう事よ。

「人間が丸くなってきたね」なんて言われ始めてきた自分に苛立ったりもする。

まだまだ穏やかになる年じゃねぇや。

まだまだ尖がって生きていきたいんだ。

今年も突っ走ります!

 

今年も初日の出を見るために、鐘ヶ岳へ登ってきました。

そして、今年も山頂でイガイガさんmassyさんとお会いして、一緒にご来光を拝んできました。

いい日の出でした。

いい年になる予感がしました。

皆様方にも良い一年でありますように・・・

本年もよろしくお願い申し上げます。

2018年元旦

| | コメント (2) | トラックバック (0)

« 2017年12月 | トップページ | 2018年2月 »