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2016/10/18

ヌタ小屋沢

5年前に、西丹沢の白石沢の支流ヌタ小屋沢の滝場で滑落して、骨折しました。
今日は、そのヌタ小屋沢に行ってきました。
「性懲りもなく」と言われそうですが、あの日以来ずっと思っていました。いつかはこの沢を踏破しなければならないと。
負けず嫌いなもんで・・・

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2016年10月16日

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先週と同じく、8時に西丹沢自然教室を出発。

先週、ヌタ小屋沢左岸尾根を登ったのは、実は沢の様子を下見する意味もあったんです。
いつもと違い、やや緊張気味です。マイナーな短い沢ではありますが、険悪な沢であることはわかっていますから。
絶対に無理はしない。と、自分自身と言い聞かせます。嫌な気がしたら、即、撤退するんだと。

50分ほどてくてくと歩いて、ヌタ小屋沢出合に到着。

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出合からすぐのF1。3段で15mほどだろうか。
滝を眺めながら沢支度をする。
ザックからロープとスリングを取り出し、腰にぶら下げる。ヘルメットをかぶったら、いざ!

でも、このF1は登らないよ。先週もじっくりと観察したが、とても無理と思う。
下段は登れるかもしれないが、中段・上段はとても登れる気がしない。

F1の巻ルートは、先週調査済みだ。一旦、左岸尾根に乗って、落ち口の真上あたりから沢へ向かって下降していく。
やや危うさはあるが、慎重にいけば、ロープなしでも降りられる。

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沢に降りたら、すぐにF2。10mってとこか。
寝ている滝だけど、これまた登れる気がしない。
ルートがあるとしたら、水流の中か? でも、水の勢いはかなり強い。途中で1歩が出せなくなったらアウトだ。

少し戻って、降りてきた斜面を再び登り返す。
実はF2の巻道も、先週調査済みなのだ。左岸尾根の背に乗ってから、獣道をトラバース気味に下降していく。

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F2の落口の少し上流で沢に復帰。
小滝が連なる良い渓相だ。

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3mの滝。たかが3mだが、少し苦労する。
右岸の岩をよじ登りにかかるが、なんか嫌な気がしてやめる。他のルートを探った末、左岸の岩壁をへつって越える。

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小滝をいくつか越えながら進んで行くと、ゴルジュとなり前方に10mクラスの滝が見えてきた。

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近づいてみたが・・・絶対無理。
写真では岩陰に隠れてしまっているが、さらに上にも10mクラスの滝が見える。
2段合わせて20~25mの大滝だ。

巻ルートを探す。右岸のガレルンゼを登るか・・・左岸の岩壁を登るか・・・
少し考えたが、左岸の苔むした岩壁を選ぶ。
が、登ってる途中で危険を感じる。苔むして丸みを帯びた岩は、意外としっかりホールドできないし、ステップも心もとない。
一旦下に降りる。
気持ちを落ち着けて、今度は岩壁の横の泥斜面にチャレンジする。斜度はきついが、樹が生えてる。樹さえ生えてりゃ・・・
泥の中から木の根を探り探り掴みながら、なんとかかんとか這い上がる。

今度は尾根の背までは登らない。上がりすぎたら、沢へ戻れなくなってしまう。
斜度が緩んで、トラバースできそうな場所を見つけ、そろそろと上流へ向かってトラバース。
トラバースに行き詰った所は沢床まで10mの地点。ここでロープを出して、沢床へ降りた。

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前半のゴルジュ地帯とは一変。穏やかな渓相だ。

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2mクラスの小滝が連なる。

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なんて大きな岩なんだ。これもチョックストーン?
大岩の左横をよじ登れるが、一歩目と2歩目が高いから小柄な人はしんどいかも。

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1000m付近の二又。本流の右へ進む。

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まだまだ小滝が続く。
歩いていて飽きが無い。

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1050m辺りで左岸に湧水帯。あちこちから結構な量の水が湧き出していた。
手ですくって飲んでみる。大滝の巻で相当汗かいたから美味しい。

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5m樋状の滝。水流右手から登って、途中で水流をまたいで左に移る。

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源頭に近づくにつれヌメリがひどくなってきて、水際は歩きづらい。

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1140m付近の二又。
ここまでくると、水は枯れている。
このまま沢を詰めても、ガレガレの急傾斜になるような気がしたので、ここで界尾根に上がることにする。

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上がった尾根はそれなりの急斜面ではありますが、二足歩行ができる範囲。
沢の詰めとしては楽な方かも。

11:45 P1307のやや南で甲相国境尾根の登山道に飛び出す。
沢に入ってから2時間45分。短い沢だが時間がかかってしまった。
結局、前半の滝場とゴルジュはほとんどが巻だった。それもかなりきつくて危険な巻だった。
それでも一応、ヌタ小屋沢を踏破したんだ。
満足・・・

のんびりとハイキング気分で帰ろうと、畦ガ丸方面に登山道を進む。

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途中で休憩をとりながらのんびり歩いて1:30頃に畦ガ丸山頂を通過。

畦ガ丸山頂を過ぎて、1250m地点から下棚沢・本棚沢界尾根に入る。

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ここは丹沢Vルートの入門編ともいえるクラシックルート。自然林のいい尾根です。
久しぶりにこの尾根を歩く。

が、残念なことに紫のヒモがヒラヒラと目障りったらありゃしない。

オイラもバリエーション駆け出しの頃、地図読みしながら歩いた尾根だ。
きっと今でもバリエーション愛好家の人たちが、地図とコンパスを握って(今はスマホ片手にか・・・)歩いているだろうと思う。
地図読みの練習にはもってこいの尾根なんだ。

何、この見苦しいマーキングは! 
何のためか知らないけど、山を汚すな!!

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15:05 下棚沢出合に降り立ちました。

そして15時半には西丹沢自然教室に無事帰還です。
朝、教室のKさんにヌタ小屋沢に入ることを伝えていたので、帰ってきたオイラを見てKさんが出てきてくれました。
「無事の生還、良かったですね。」
そう言われて、自分でも思った。無事帰れてヨカッタ・・・
慎重に無理をせずに歩いたつもりだが、単独で入るにはリスクが高い沢だったかもしれない。

でも、いい沢だった。
滝も見ごたえがあったし、渓相も良かった。

本当に満足です。

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2016/10/12

大室山周辺の尾根散歩

何という事でしょう・・・
すっかり山から遠ざかってしまいました。
わけはいろいろとあるのだけれど、決して山を止めたわけではないんだ。
山へ行けない間も、計画だけはいろいろと考えていたんだ。
法行沢の最奥、記録がほとんどない上法行沢を大栂まで詰めよう、とか。
女郎小屋沢の右又に入ってみようか、とか。
8月に計画頓挫した、善六山を乗越して水晶沢右又、とか。
でもね・・・行こうと思うと雨模様だったり。
そうこうして、山から遠ざかっていると、だんだん億劫にもなってきてしまう。
あれほど『気軽~』な気持ちで入っていた山なのに、あれこれと考えて迷ってしまう。
長雨が続いているから、沢は増水してるよねぇ・・・
だとか
今の時期、クマが餌を探しまわって活発だよねぇ・・・
だとか
9月はスズメバチとかいやなんだよねぇ・・・
だとか

でもホラ!
山へ行かなくっちゃ!!
仕事のストレスを発散させる手段は、山歩きしかないんだ。オイラには。
このままだとカンも鈍るし、筋肉も萎える一方だ。
本当に山を歩けなくなってしまう。
さあ、行こう。

という事で、半分は気が乗らないままでしたが、無理に気を立たせて行ってきました。

2016年10月10日

Tizu161010

どこへ行くか迷いに迷った末、気軽に尾根を散歩してみる事にしました。
これだけ空いてしまうと、自分でもどこまで歩けるのか不安がある。
無理の無いコースにしよう。緊張感溢れる沢歩きってのも億劫だ。
まずはのんびりと尾根歩きをしながら、久しく踏んでいない大室山にでも登ってみるか。

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8時 西丹沢自然教室に車を停めて用木沢出合に向かってテクテクと歩きだす。
すっかり秋も深まってススキの季節になってしまった。
晩夏から初秋にかけての、山歩きには最高の季節をすっかり逃してしまった。

用木沢出合からは、白石沢沿いの登山道を白石峠に向かって歩く。

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9時 ヌタ小屋沢出合に到着。

ここからヌタ小屋沢左岸尾根に取り付いて、白石峠南のP1307へ登ろうと思う。

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その前に。ヌタ小屋沢F1を見学。
下段は登れるかもしれんけど、上段がねぇ・・・なんて眺めてみる。
イヤイヤ、今日は沢には入らないよ。登山靴なんだ。
第一、このヌタ小屋沢、5年前に滑落して骨折した因縁の沢だ。気軽には入れない厳しい沢であることは、身をもって知っている。

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F1の脇から尾根に取り付く。
白ザレの急斜面だ。かなり厳しい斜面だと思う。
5年前、骨折した足でこの急斜面を降りてきたのか・・・と不思議に思う。
この尾根から登山道へ降りようとしたらここを下るしかないのだから、そうしたんだろうと思う。
あの時は滑落して興奮状態で、アドレナリンが全開だったんだろうと思う。車に戻るまで、骨折している事に気が付かなかったのだもの。『ちょっと痛いな。かなり捻ったかな』くらいで。
興奮状態の人間っておそろしいね。

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こんなヤセ尾根だったかな…と思う。あの時、痛む足で歩いた記憶では『なだらかな優しい尾根』だ。
沢から尾根に這い上がったであろう地点も観察する。かなりの急斜面だ。きっと四つん這いで這い上がったのだろうと思う。でも、そんな事は一切記憶に残っていない。ただ「簡単に尾根に上がれる地点で助かった。」としか覚えていない。
つくづく、興奮状態の人間って・・・と思う。

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それはさておき。
いい尾根です。
標高が上がるにつれ、ブナの木が増える。美尾根です。
うっすらとした踏み跡が続いていますが、これは獣たちのトレースでしょう。
人が歩いている気配は感じません。

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いたるところに、ふかふかの土を掘り返した跡がある。
きっとイノシシが多いのでしょう。

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10:55 P1307で登山道に飛び出しました。
尾根の入り口にはとうせんぼロープと『この先登山道ではありません』の張り紙が。
地形図にはここから白石沢へ向かって登山道を表す点線が記されているのですから、間違える人が多かったのかもしれません。
『国土地理院の登山道は実際と違っています』との張り紙もありました。

ここから登山道を大室山へ向かって歩きます。

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『クマヨケ』ってなんだ? これを叩けってこと?
一緒に置いてあった棒きれで叩いてみましたが、それほど大きな音が出るわけでもなく・・・効果に疑問はありますが、こんな物を登山道に設置するって事は、この周辺のクマが増えてるって事なのか?

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12:30 大室山へ到着。
ああ、この山頂へ来るのは何年ぶりだろう。7年か8年くらいになるかも・・・

山頂では数グループが休憩中。オイラは写真だけ撮ってそそくさと立ち去ります。そして、犬越路へ降りる登山道分岐の西の肩で休憩。

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そこにはテントを張っている人たちが。
オイオイ。テン泊禁止の丹沢で堂々と・・・と思ったら、どうやら山仕事の方々のよう。
お話を聞いたら、今日から4泊して保護柵の修理をするのだとか。ご苦労様です。

しばし休憩した後、犬越路に向かう登山道を下り始める。
手沢左岸尾根を下降して帰ろうと思います。

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標高1350m付近。 この辺から手沢左岸尾根が分岐しているはず・・・
が、それらしき尾根は見当たらない。
適当にあたりを付けて南側の斜面をウロつくと、それらしき尾根筋を見つける。

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この尾根は、だいぶ昔、まだVルート駆け出しの頃に登った記憶はあるが、下りは初めて。
登りと違って下りのV尾根は慎重さが必要だ。なにかけにつけ慎重さに欠けるオイラは、しょちゅうRFミスをする。

でも、この尾根はそれほど難しくはないかな。
1000m付近までは源太罠場沢を左手に見ながら降りていけばいいし、その後の尾根分岐も見通しがきいてわかりやすい。

850mの尾根分岐では、用木沢出合へ降りる右ではなくて、源太罠場沢出合へ降りる左に入る。こっっちは全く未踏だったので。

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尾根分岐からすぐの広場。2年半前にニカニカ集会が開かれた場所だ。
懐かしいね。

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15:05 源太罠場沢出合で登山道へ降り立ちました。

本日の山遊びはこれまで。

久しぶりの山歩き。のんびりと尾根を回ってきました。
でも、ヘトヘトです。太ももの筋肉がパンパンです。たぶん数日は筋肉痛に悩まされることでしょう。
でも、そんなことも含めて心地良さに包まれました。

やっぱり心身のケアには山だよね。
なるべく時間を作って、丹沢歩きを続けよう。
そんな事を考えながら林道をテクテク歩いて帰りました。
やっぱり西丹の山々は気持ちが良い。
久しぶりに、ブナの湯にでも寄って帰るか・・・

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