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2016/06/14

バケモノ沢

ちょっと前の話ですが・・・
ardbegさんとnenetaさんがバケモノ沢の25mの大滝を巻き上がって、そのままバケモノ沢を詰めたって記事を読んだ。(ardbegさんの記事はこちら
大滝の上は何もないゴーロの沢って書いてあるのだが、それを読んで「んん?」と思ったのだ。
2年前にM-K師匠と奥野歩道(旧東海自然歩道)を歩いた。赤沢方面から歩いてきて、戸沢に出る少し手前でそこそこ水量のある沢を横断しているのだ。そこはバケモノ沢だろうと思う。そして10mクラスの直瀑を見たのだ。
その事をardbegさんに言うと、そんなのは無かったと言われる。
う~ん。見た気がするんだ・・・。でも、そう言われると、自信が揺らぐ。勘違いかもしれない。記憶が定かでは無い。当blogのその時の過去記事を読み直してみたが、バケモノ沢の横断については触れていない。保存してある写真を引っ張り出して見てみる。確かに直瀑らしき写真は残っているが、それがバケモノ沢なのかどうかわからない。
なんかモヤモヤする。
こうなったら、自分の目で確かめに行くしかないだろ。

 


ここでいうバケモノ沢とは、大又沢の上流部、地蔵沢の標高900m地点の二又の上流の事です。右又が戸沢、左又がバケモノ沢です。
これは『西丹沢頂稜河川土地名称図』に従っての事です。
ところが、この山域の沢名は非常に混乱していています。『山と高原地図』では大又沢の地蔵平から上流は地蔵沢ではなくてバケモノ沢になっています。確か、浅瀬に掲示してある釣師の沢割表でも地蔵平から上流をバケモノ沢と呼んでいた気がします。
何が正解なのかはわかりません。正解は無いのかもしれません。
結構いいかげんな当blogの過去記事では、地蔵沢と書いたりバケモノ沢と書いたり、赤沢出会いから上流を戸沢と書いたり、その時その時でまちまちでした。
が、当blog的に統一しなければと思い、西丹沢に関しては『西丹沢頂稜河川土地名称図』に基ずく事にしました。

Tizu16612

2016年6月12日
   単独

この日は夕方からヤボ用があるため、早めに帰らねばならない。バケモノ沢を確認するだけの、最短距離の周回ルートを考えた。

P6120001

『道志の湯』からずずっと林道を奥まで入って、旧横浜野外活動センターのゲート前からの出発。
時刻は9:20。短い周回だからと油断してたら、すっかり寝坊してしまった・・・。

3年前に廃止になった横浜市の野外活動センターの敷地内を通り抜け、忘路峠(犬峠)へ向かう登山道へ入る。いや、もはや登山道ではない。廃道ではある。
わりとくっきりとした道が残っているが、崩れてしまって道型がわからない部分が何か所かある。そういう所はたいてい、谷筋であったり尾根を乗り換える所であったり、要は迷いやすい場所に限って道型が消えてしまうものなのだ。
道が不明の場所は地形図を確認して、峠を目指す。ここら辺は、どこを歩いたって危険地帯は無い。

P6120004

出発してから40分ほどで忘路峠(犬峠)へ到着。
甲相国境尾根に乗るには、やはりこのルートが一番早い。

“峠”と名が付いているのだから、かつては道志から地蔵平へ抜ける経路がここを乗り越していたに違いない。
そんな思いから、国境尾根を乗り越して、戸沢側の谷筋へ降りる。

P6120006

急斜面を20mほど滑るように降りると、あとはなだらかな谷。
ここは戸沢の枝沢の一つ。思った通り、滝場も無い。
いくつかの枝沢と合流しながら水の無い沢筋を下っていく。
沢床から水が湧き出す地点を通過したら、まもなく戸沢の本流に合流した。

P6120015

戸沢本流のなだらかなゴーロを下る。

P6120017

10:55 奥野歩道(旧東海自然歩道)が横切る地点に到着。

P6120018

ここから、あの朽ちた梯子を登って、奥野歩道を西へと辿るのだ。
尾根を回り込んで、次に現れる沢がバケモノ沢のはず。

P6120020

梯子上から水平経路に入るが、その10数mの間はかなり危険。
道型など残っていない崩れた急斜面をトラバースする。
そこを通過して安全地帯に乗ってホッとした場所が上の写真。
こんなでも一番道型がくっきりしている方なのだ。獣道レベル。
2年前に探索した時よりも、さらに荒廃が進んでいるように思えた。

P6120021

でも、物好きはいるもんだねぇ。廃道マニアの間では有名な奥野歩道。探索に訪れる人はいるようだ。壊れた軽アイゼンが転がっていた。泥の付着具合から見て、割と最近の物だと思う。
確かに、ここを歩くならアイゼンはつけた方がいい。オイラもチェーンスパイクを履いている。それくらい危険な経路なんだぜ。言っとくけど、経路痕があるだけで、もはや経路では無いからね。
この軽アイゼンは回収しておきました。

P6120023

一本目の沢筋に降り立つ。地形図を確認しても、ここがバケモノ沢で間違いない。
水はチョロチョロ程度。
記憶では結構な水流があったはず。あの時は雨後だったけかなぁ?そして記憶の中の滝は見えない。

もう一本西側の枝沢か?
沢を横断して、さらに経路を西へ進む。

P6120026

すぐに枝沢に当たる。
この光景を見て「あ!」と全てが鮮明に思い出した。
この階段状の滝に水が流れていたんだ。ここをそこそこな水が流れ落ちていた。
それじゃあ、記憶に残っていた10m直瀑は? その事もはっきり思い出した。
あれはこの先にある、赤沢の枝沢だ。あの直瀑とこの階段状滝が記憶の中でごっちゃになってしまっていたんだ。

「バケモノ大滝の上には10m直瀑がある」というのは、オイラの勘違いでゴメンナサイ。という事になってしまったが、何はともあれスッキリした。
ついでだから、赤沢枝沢の滝の再確認にも行こうかとも思ったが、寝坊のせいで時間が押している。それに、この危険な経路をヤブをかき分け歩くことに嫌気はさしている。
予定通りバケモノ沢を遡行しよう。

P6120028

その前に、大滝を確認するために沢を下る。
大滝の落ち口から下を覗き込んで・・・

P6120034

さあ、バケモノ沢の遡行開始。
っつても、水は沢床をチョロチョロ流れている程度。

P6120035

けっこう深いV字谷ではあるから、雨の後は結構な水が流れ落ちるんじゃないかと思う。

P6120038

まあ、こんなヤブ沢だけれど、オイラ的にはこれはこれで良し。
丹沢をくまなく歩くことが、究極の目標だからね。

P6120040

嘘か真か、何かで読んだ話だけれど。
『バケモノ』とかって名前が付く山には、他人に知られたくないお宝があって(キノコとか山菜とかあるいは金とか)、わざと「あそこはバケモノが出る」なんて言いふらしたのが由来だったりするんだって。
で、なにか変わった物がみつかるかなぁ・・・なんてキョロキョロしながら歩くも、特に何も無し。

P6120042

標高1050m地点で巨岩ゴロゴロ地帯。左手には手が届きそうなくらい近くに尾根筋が見える。
休憩後、ここから尾根に上がる事にする。

P6120043

ひと登りで大界木山南尾根に乗れた。
この尾根はマイナールート探検隊と一緒に下降したことがあったなぁ。と、懐かしむ。

P6120044

1060m地点で振り返って。
そうだ。ここはオイラが痛恨のRFミスをして、キリヤマ隊長とアンヌさんに迷惑をかけてしまった場所だ。
左倒木の奥が正解ルート。尾根筋をそのまま右へ行くと、沢の源頭へ落ち込む。
だけど、今こうして見ても、左に尾根があるようには見えない。さらに地形図を睨んでも、ここで尾根が分岐しているようには読み取り難い。
ここを初見一発でRF決める奴がいたら尊敬するぜ。
とは言うものの、あの時はゴメン。キリヤマ隊長、アンヌさん。

P6120045

甲相国境尾根から世附へ降りる尾根は、どこを歩いてもブナ林の美尾根ぞろいだ。
その中でも、この大界木山南尾根はワイルド感溢れる極上の尾根だと思う。
とにかくバラエティに富んでいる。急峻なやせ尾根あり、なだらかな広尾根あり、大木あり、ヤブあり。
そして、地形は複雑で下りのRFは難しい・・・ときたもんだ。
お気に入りの尾根です。

P6120048

12:50 大界木山山頂へ到着。
だいぶ時間が押している。帰路を急がねば・・・
といっても、来た道を引き返すのは芸が無い。
山頂の西側から野外活動センターへ伸びる尾根を下ってみる事にする。

P6120051

降り口は45度超の崖地。へっぴり腰でそろそろ降りる。
崖地を降り切った所で、仕事道らしき痕跡にあたった。トレースは崖の東側へと延びていたから、手前の鞍部から下降するのが正解だったようだ。

P6120056

しばらくは仕事道の痕跡を辿って快適に下っていたが、1020m辺りで経路と別れを告げ、北東の尾根に入る。
別にどこを下ったって、室久保川沿いの林道へ出るだろうから、そのまま仕事道を辿ってもよかったのだが、一応最初に決めた最短ルートにこだわりたい。

P6120057

幹回り3mクラスの様々な大木が並ぶいい尾根でした。
樅やブナはわかるが、悲しいかな樹木の事はほとんどわからない。「この樹はこないだAYさんに教わったなぁ。シオジっていったかなぁ。」
最近、AYさんやイガイガさん達は巨木探しに夢中だ。それに影響されての事だが、大木を探し観察しながら歩くのも、なかなか面白い。

P6120062

尾根の末端は崖。
上から覗き込んで「ヒエ~~」と思ったが、樹を辿り辿り、何とか降りた。
こんな時はkazさんの名言を唱えるんだ。「樹が生えてるから大丈夫」

13:55 無事、駐車場所に帰還しました。
短い周回でしたが、満足できました。
何より、バケモノ沢上流を確認できてスッキリした。
いや、オイラが勝手に思い違いをして、オイラの記憶がいかにテキトーであるのかを、自ら確認しただけの話なんだけどね・・・。

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コメント

行かれたんですね...勘違いでしたか
確かに何もない沢でした
でも出合の滝の水量ほどの流れもなくて
ひょっとしたら見逃した枝沢に直瀑が潜んでいて
伏流が出合の滝まで続いていたのかも...
なんて妄想もおしまいですね

投稿: ardbeg | 2016/06/15 23:15

ardbegさん
ardbegさんのおっしゃる通り、何もないゴーロの沢でした。
直瀑の事は僕の思い違いでした・・・お恥ずかしい。
右又の方もちょっと覗いてみましたが、同じような雰囲気でしたので・・・まあ、棚があっても小さな涸棚程度でしょうね。

投稿: shiro | 2016/06/16 09:02

shiroさん (ardbeguさん)
バケモノ沢、大滝探索ありがとうございます。
参考になります。私も課題として気になっていました。
ところでshiroさんと共に歩いた227号ですが、
shiroさんが戸沢から奥野歩道に曲がってしまったのが
悔やまれます。あのまま戸沢を下っていけば右岸側にあの
滝場がある筈だと思うのですが‥。(私の間違いなら
ゴメンナサイ)
自分の記録の奥野歩道やardbegさんの地図も見比べ
頭を捻りました。奥野歩道と戸沢の間にあの滝場は
存在しているのだと自分では納得しました。
いずれまた検証に行きませんか?。shiroさんの奥野歩道
の東側に抜けている部分もありますよね。(^^;

投稿: M-K | 2016/06/18 12:52

M-Kさん
戸沢の奥野歩道横断地点の直下に戸沢F1があって、その下流で右岸から流れ込むのはバケモノ沢大滝だけだったと記憶しています。(またまた僕の記憶違いかもしれませんが・・・)
でも、あの辺もまだまだ探索しなければいけませんよね。

奥野歩道もちょこちょこと細切れで歩いているのですが、戸沢~水晶沢間と赤沢~信玄平間が中途半端に抜けてしまっています。完歩しなければ・・・とは思っているのですが・・・。荒廃もだいぶ進んでいて、ちょっと歩いただけで嫌気がさすくらい危険なトラバース道になってしまっています。
検証に行かれる時には、ぜひご一報を。できればご一緒したいです。

投稿: shiro | 2016/06/18 15:35

大界木山の南尾根に再チャレンジ(?)
されたんですね。一緒に探検したときの
ことを思い出しました!

あの日の探検記(No.134)は近年まれにみる
面白い探検記になりました。shiroさんは
ネタをたくさん提供してくださいますので、
またご一緒できましたら、激しい道迷いを
よろしくお願いしますね。

投稿: | 2016/07/03 21:45

キリヤマ隊長
大界木山南尾根の探検、懐かしいですネ!
僕のRFミスで崖尾根に迷い込んでしまい、ご迷惑をおかけしました・・・coldsweats01
でも、決して道迷いではないですから。
「わからなくなったらカンを頼りに進む」
これもRFの一部です。(笑)
また是非ともご一緒お願いします。
マイナールート探検隊との合同探検はとても楽しいです。
よろしくお願いします!!

投稿: shiro | 2016/07/03 22:12

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