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2015/10/20

大栂ノ沢

世附の奥地、菰釣山(こもつるしやま)の南面あたりは、丹沢山地の中でも歩く人が本当に少ない秘境だ。
自分の中では『重要探索地域』に位置付けられている。暇な時には地形図を眺めながら、この沢はどうだろう。この尾根をこう歩いて・・・。なんて考えているのだ。
が、なにせ遠い。いざ行くとなると、そのアクセスの悪さにしり込みしてしまう。(だから歩く人が少ない秘境なんだけどね)
だから『重要探索地域』であるのに、滅多に行かないんだけどね・・・。

この日はAYさんとともに、その菰釣南面山域の中でも、さらにマイナーな大栂ノ沢を探索してきました。この沢を歩いた人の話は聞いた事が無いもの。事前情報が全く無い、真の未知ルートです。

Tizu_20151012

2015年10月12日

メンバー: AYさん  shiro

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7:30 道志西沢林道のゲートから出発です。
ブナ沢乗越へ向かう登山道ではなく、大西沢を登って甲相国境尾根へ上がろうと思います。
EAさんのblogに国境尾根に上がるのに、お手軽ルートだというような事が書いてあったから。

大西沢に沿った林道を少し歩くと林道の終点。そこから沢へ降ります。

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ゴーロの沢だ。
地形図から読み取れる通りの穏やかな流れだ。滝場も無く、ゴルジュも無い。

Rimg1367

水が涸れるとだんだん傾斜がきつくなってくる。
標高1200m付近の二又で、菰釣山方面ではなく、水ノ木沢山方面の右股へ入る。

稜線への詰め上がりは、それなりにキツカッタ・・・。
ずるずる斜面を四つん這いで這い上がる。
まだ序盤戦なのに、おもわぬ体力消耗だ。

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詰め上がったのは、『ブナノ丸』の道標が立つ水ノ木沢山直下のコル。
変な言い方をしたけど、このピークは西丹沢河川頂稜図では水ノ木沢山になっている。ブナノ丸(橅ノ丸)は菰釣山南の三角点のある場所を指している。この山域は本当に山名、沢名が混乱しているよね。道標だって正しいとは限らない。間違った道標だっていくつかあるんだ。それだけ秘境地帯って事なんだろうか。

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甲相国境尾根の登山道をしばらく西へ進んだ後、水ノ木沢と樅ノ木沢の界尾根に突入する。
ここもまた未踏の尾根。(AYさんは少しだけ歩いた事があるらしい)
尾根の降り口はヤブだ。でも、以前と比べるとビックリするくらいヤブが薄くなっている。
数年前、樅ノ木沢を詰めてこの尾根に這い上がった事が有る。その時には、ここの藪の濃さに閉口したものだ。

Rimg1371

複雑で難解な尾根である。
標高1200~1150あたりの尾根分岐は本当に解りづらい。左側の支尾根に振られてしまったが、すぐに気が付いて事なきを得た。
でも、後はなんとか間違えずに本尾根を下る。
複雑な尾根分岐のRFを楽しみながら。

手つかずの自然林の良い尾根です。大木がそこかしこに立っています。
さすが、滅多に人が入らない秘境地帯だ。目障りなマーキング類も一切無い。
所々にくっきりとした踏み跡があるが、獣達が付けたものだろう。

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P970鍋釣山から東へ派生する尾根に乗り、大栂ノ沢出合を目指す。
すぐに植林地となる。

もうすぐ水ノ木沢へ降りるという地点で、最後にミスった。
地図を確認せずに、仕事道の痕跡を追って、地形図に現れないような枝尾根を降りてしまった。

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で、降り立ったのは、予定地点の少し北側。水ノ木沢の堰堤と堰堤の間。

まあ、ここから林道へ上がって大栂ノ沢へ向かえばいいんだ。
時間短縮で考えたら、結果オーライさ。

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11:20 林道が大栂ノ沢を横断する地点から入渓。

何の変哲もないゴーロの沢だ。
しばらくこんな感じが続く。
まあ、記録がほとんど残っていない沢って事は、沢屋も釣屋も入らないヤブ沢って事なんだろうね。・・・なんてAYさんと話しながら歩く。

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ゴーロを20分ほど歩くと、少し渓相が変わってきた。
おお! 小滝だ。

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おお! ナメ滝だ。

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小滝とナメ滝が続く。

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これはけっこう楽しい沢だ。

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2~4m位の小滝が続きます。

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巻くような滝は無く。慎重に登ればOKの滝ばかり。

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これは良い沢を見つけた。
滝の登攀が目的で沢へ入る人にはつまらない沢でしょうが、美しい渓相を楽しみたい人にはとってもオススメです。

世附では美渓で有名な沖ビリ沢にだって引けをとらない。
・・・と思う。贔屓目がだいぶ入っているけどね・・・。
でも、本当に美渓でした。

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巻いたのはこの滝くらいだったかな・・・

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さて、だんだん水流が少なるにつれ、傾斜も厳しくなってきました。
とにかく、大栂のピークへ突き上げる、本流、本流と進みます。

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標高950mの二又は右へ。
この辺りで水は枯れます。
あとは傾斜との戦い。

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山頂まで200mという地点からは、恐ろしいほどの急傾斜。

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急斜面の這い上がりを得意としているオイラも、さすがにビビった。
60度超のズリズリ斜面にさすがに降参。
とにかく木の生えてる斜面に逃げようと、トラバースを試みるが・・・冷汗ものだった。

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植林の斜面に逃げたところで、傾斜角は変わらない。
でも、安心感は全然違う。万一滑っても、木で止まるからな。
とにかく『滑っても木で止まるルート』を探りながら這い上がる。

それにしても、よくこんな急斜面に植林したよな・・・

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13:20 大栂に這い上がりました。

僕ら丹沢Vルート愛好者の大師匠、S-OKさんがこの辺のルートを開拓していた頃は、激ヤブに包まれた山だったという。
その後オイラが初めてこのピークを踏んだ時には、だいぶ薄くなっていたが、それでも背の低い笹が繁茂していた。
今はご覧のとおり、全くの藪無しだ。
原因はオイラにはわからない。
でも、西丹沢の藪が年々薄くなっている事は肌で感じる。
歩きやすくなって嬉しいやら、ヤブ漕ぎの苦労が無くなって寂しいやら・・・複雑な心境です。

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それでも菰釣山山頂直下は相変わらずの激ヤブ地帯でした。
これこれ。やっぱり西丹のV尾根はこれでなくっちゃ。

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菰釣山の南斜面にある三角点。
何度もここは歩いているが、初めて見つけた。
いつもは激ヤブを避けて、少し西側を歩いていたせいだと思う。
それにしても、なぜこんな場所に三角点を打ったんだろう。
普通はピークとかに打つのが多いと思うのだけれど。

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菰釣山からは、朝登ってきた大西沢の右岸尾根を降りる。
車を停めたゲート前にピッタリ下降。
15:25 今日も無事に山を降りる事ができました。

 

いや~~
大栂ノ沢、思わぬ見っけものだった。
良い沢を見つける事ができた。
こういう事があるから、バリ歩きはやめられない。
幸せです・・・


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コメント

shiloさん

歩く人のいないマイナーな沢や尾根って本当に楽しいですね。
とても公共交通機関では行けない所でした、ありがとうございました。

またこの辺のところ、シキリ直しでもう一丁ですね(^-^)

投稿: AY | 2015/10/20 20:49

AYさん
やっぱり、あの周辺はどこを歩いても秘境感たっぷりで楽しめます。
なんだかんだで楽しい山行でした。ありがとうございました。
“シキリ”周辺の課題が残ったままですねcoldsweats01
近いうちにまたよろしくお願いします。
ビリ沢歩道もまだ未踏なんです。そっちの時もお付き合いお願いしますhappy01

投稿: shiro | 2015/10/21 10:19

shiloさん、ごきげんいかが!!

なかなか面白そうな所をレポ、良いですね
僕もだんだんと西側に歩き進めていきたいと思います

このエリアのディープな探索
楽しみにしております

梅ノ木沢も良さそうですね

投稿: M氏 | 2015/10/21 21:00

M氏さん、ごきげんよう!
なかなか面白い沢でしたよ!
この辺りの山域には、M氏の好きな旧経路が無数にありますからね。
経路痕を追って、だんだん西へと進んでいくわけですな。
経路の検証、楽しみにしています。
梅ノ木沢・・・一緒に行きますか!

投稿: shiro | 2015/10/21 22:55

shiroさん

細川沢南沢の書き込み以来です。
この沢を選ぶ人、まず居ないと思っていたので驚いてます。
少し古いですが、
ttp://www.geocities.jp/tanzawadobunezumi/new.440.html
右岸尾根は、
ttp://www.geocities.jp/tanzawadobunezumi/new.342.html

こだわりの尾根と沢、楽しみにしています。

投稿: dn | 2015/10/28 20:39

dnさん
書き込みしていただけるなんて光栄です!
AYさんから、dnさんの『丹沢徘徊記』に大栂ノ沢の記録が載っていたことは教わりました。
やっぱりどぶ鼠さんが丹沢で歩いていない沢・尾根など無いんだなぁ・・・と改めて感心していた次第です。
どぶ鼠さんの足元にも及びませんが、丹沢をくまなく歩く事を目標にしています。

投稿: shiro | 2015/10/28 21:34

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