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2013/11/26

破風口へ這い上がる ~崩レノ沢~

破風口(はふぐち)ってあるでしょう。西丹沢の大室山と加入道山の間にあるキレット。
キレットには安全な巻道が付いているから、登山道を歩いていてもそれほどすごいキレットとは思はないかもしれないけれど、善六山辺りから見ると、ものすごく切れ込んだコルだって事がよくわかる。
風の通り道だから破風口っていうんだ。いつも風がビュービューと吹いている。
恐ろしげな場所さ。

もう3~4年も前くらいだったかなぁ。AYさんが「下から破風口に登ってみたいんだよねぇ」と言った事がある。
何言ってんだ・・・と思った。「そんなん無理ですよぉ」と答えた記憶がある。
絶対無理だと思った。破風口から下を覗きこめば、恐ろしい急斜面だ。脇から破風口に登っていく沢筋を見れば、そこだけ木が生えていないガラガラの急斜面がくっきりと見える。

無理無理・・・と思いながらも、AYさんの言葉が妙に引っ掛かっていた。地図を調べてみる。白石沢から破風口へ向かっている支沢は崩レノ沢(ざれのさわ)っていうらしい。名前からして登るの無理って感じじゃん。1100mからの等高線の間隔の狭さっていったら・・・やっぱ無理だよ。

なのに、この近辺を歩くたびにAYさんの言葉を思い出して、つい気にして見てしまう。白石峠登山道から崩レノ沢を見上げながら、「途中までなら楽勝で行けるな」とか思ってしまう。破風口から下を覗きながら、「なんとか這い上がれる角度かなあ」とか思ってしまう。

そんな時、破風口の別名が“孫六峠”という事を知った。もちろん乗越す経路は無いし、昔は有ったという話も見当たらない。
でも“峠”の名が付いているって事は、破風口を乗越して道志と中川を行き来してた奴もいたのかもね・・・なんて思ってしまう。

だんだん「もしかしたら登れるかも」という思いが強くなってくる。というより「登ってみたい」と思うようになってきた。

そして・・・

もちろん、言い出しっぺのAYさんをお誘いして・・・

這い上がってきました。

Tizu19

2013年11月23日

メンバー : AYさん  shiro

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7:15に用木沢出合を出発。白石峠へ向かう登山道を歩く。

危険が予想されるコースだから、事前に崩レノ沢の事はネットでさんざん調べた。
が、上流部まで歩いた記録は一つもヒットせず。
AYさんも調べてきたらしい。どぶ鼠さんのHPに『破風口から崩レノ沢を下降』という短い記述があったらしいが、詳しくは書いていなかったらしい。どぶ鼠さんはオイラとは比べものにならない超人だから、参考にしてはいけないが・・・。それでも下降した人がいるって事は登れる可能性も有るって事だ。

AYさんと『無理はしない』『無理だと感じたら撤退する』という事を再確認して崩レノ沢へと向かう。

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白石沢から崩レノ沢沿いを辿っていた登山道は、標高900m付近で崩レノ沢と別れて尾根を乗越して再び白石沢へ向かう。(地図を見ながら歩いている人は知っていると思うけど、この登山道、地形図に引かれた経路線と実際の道筋が全く違うんです)

8:00 この道標で登山道に別れを告げ、崩レノ沢へと突入します。

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大きな岩、小さな石が織り交ざって広大なガレ場となった沢筋。
わずかに水流はある。

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標高960m付近、三又になっている。右又は崩レノ沢、中又は孫六沢、左又は走水沢。水は走水沢からだけ流れ込んでいる。孫六沢と崩レノ沢はガラガラとした涸れ沢。

もちろん崩レノ沢へ進む。

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浮石が多くて歩きにくいが、この辺はまだまだ余裕で歩ける。

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標高1100m付近に石小屋発見。沢のど真ん中にデ~ンとある。
「雨宿りにはもってこいだねぇ」などと言ってみたが、こんな場所で雨に降られたら死活問題だ。雨宿りできればいいって問題じゃない。

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石小屋のすぐ上が二又。
地図を確認して、破風口へ向かう左へ入る。

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地形図でも確認できる通り、1100mを越えるとだんだん傾斜が立ってくる。

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角度を確認するため、カメラを水平に構えて真横を撮ってみた。
約30°ってとこか。

木の生えた土斜面ならどうって事ない角度だが、浮石だらけのガラガラ斜面では緊張を強いられる角度だ。
一歩一歩、足を置く石を確認しながら登る。

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標高が上がるにつれ、傾斜はどんどん立ってくる。
ラクを起こさないように細心の注意ははらっているが、それでも縦に連なって歩くのは危険だ。
AYさんは左岸、オイラは右岸と別れて登る。

ヤバくなってきたら尾根に逃げようと思いながら登っていたが、尾根はもっとヤバそうだった。両岸の尾根とも岩尾根で、溝が走っている場所はキレット状になっていた。

もうここまで来たら、何が何でも沢筋を登りきるしかない。
初冬だというのに汗が噴き出す。

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標高1300mを越えたあたり。前を歩いていたAYさんがにこやかに振り返えりながら、上を指差した。

「破風口が見えたよ!」

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あと少し! 

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9:35 破風口に到着。

感無量・・・

ただガラガラしてるだけのクソつまんない沢を登りつめただけの話だけれど、とにかく達成感と充実感に包まれた。

自画自賛になるけど、ようやった。

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富士山や南アルプスの景色を楽しみながら稜線の登山道を歩く。

加入道山で一休みした後、さらに登山道を南へ歩く。

白石峠を越え、水晶沢ノ頭を越え・・・

P1191シャガクチ丸の少し手前。

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11:10 登山道からヤブへ突っ込む。

帰りのルートは、ヤブ尾根下降でモロクボ沢へ降り、モロクボ沢を横断して越場ノ沢から善六のタワへ上がろうって趣向だ。

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人が歩いた気配が全く無いヤブ尾根を歩くのは大好きだ。
RFしながらの未知尾根下降も大好きだ。

でも本当にAYさんのRFには感心するし、勉強になる。
AYさんは高度計は持って歩かないし、コンパスも見ない。地図は見るけど頼ってはいない。あくまでも地形を見ているんだ。地図読みではなくて地形読みだ。
こういうのが“ルートファインディング”って言うんだろうなと思う。
地図や高度計を凝視するオイラは、まだまだAYさんにはかなわない。

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11:40 AYさんの見事なRFで、越場ノ沢出合付近にピッタリ下降。

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越場ノ沢を善六のタワへ向かって遡行する。

滝場の無さそうだし楽勝だな…と思っていたが。

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だんだん両岸が立ってきたゾ・・・。

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ショボイ沢だが、わずかながら水流がある。落ち葉の下は水がチョロチョロ流れる岩盤。
登山靴のオイラはヌルヌルと滑って苦労する。
沢靴だったら楽勝なんだけどなぁ・・・。

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稜線のコルが見えたが、前方は5mの垂直スラブ。
どうやら善六のタワの一つ畦ケ丸寄りのコルへ詰めてしまったらしい。

正面のスラブはとても登れないから、右岸の斜面を這い上がる。ギリギリの急斜面だった。

12:30 善六のタワの少し西のコル。
ちょっとだけ痺れた・・・。
下山ルートはお気楽モードだっただけにね。

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その後は本当にお気楽ハイキングモード。
一応Vルートではあるけれど・・・。

善六のタワから善六山へ登りランチ休憩。

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塩地窪ノ頭を越えて・・・

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用木沢出合へ向かう東尾根を下降する。

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この尾根が儲けもんだった。
とにかく紅葉がとっても綺麗。

AYさん曰く、岩がちの尾根のモミジは色鮮やかなんだとか。理由は知らないけれど・・・。

とにかく紅葉が綺麗な尾根だった。

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14:25 無事、用木沢出合に帰還しました。

 

崩レノ沢。後から写真をチェックしても、なんも見るべき景色が無い沢だった。
最初から最後まで、ただガラガラの斜面を登っただけ。
でも、楽しかった。この達成感は人にはわかってもらえないだろうし、説明もできないけれどね。
『破風口へ這い上がった』意義は、自分の中ではとっても大きいんだ。

でも、おススメはしない。
危険な沢である事は間違いないし、危険を承知で行く価値が有るかと言われれば、たぶん無いだろう。
オイラも、たぶんもう行かない。
1度歩けば十分。そんな沢だった。

でも、充実感はタップリなんだよ。

 

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2013/11/19

織戸峠~富士見峠

西丹沢の世附と呼ばれている広大な山域に、かつて地蔵平と水ノ木という二つの集落があった。二つの集落は富士見峠・織戸峠という二つの峠を越える道で繋がっていた。材木を積んだ荷馬車が通れるような立派な道であったらしい。

というのは、丹沢マニアの間では有名な話だ。
でも、廃道となって長い年月が経つこの道の全容を解明した人は、そう何人もいないんじゃないかな。

現在は地蔵平から上法行沢までと水ノ木から織戸沢700m付近までは林道が通っている。両方とも富士見林道という名称だから繋げる計画はあったのだろうが、ボコボコで車が通れる状態じゃない廃林道だけれど。

でも、林道と旧経路は一致しないだろう事は簡単に予想できる。
いつかは旧経路を踏破してやろうと、長年胸に温めていた。

世附山域探索の先駆者でオイラも大師匠とあがめるS-OKさんの記録を頼りに、織戸峠~上法行沢の間を探索したのは、もう何年も前だ。
織戸峠~水ノ木間で、林道と織戸沢の間の斜面に経路痕を見つけたのが2010年の3月だった。
地蔵平~富士見峠間は、P878を通る尾根ルートは有名だが、本来の旧道は沢ルートだったらしい。イデン沢・富士見沢と辿る経路痕を探り当てたイガイガさんの記録を後追いする形で2011年11月に歩いてみた。予想通りの危険を伴う探索だった。

残るは上法行沢~富士見峠までの探索だ。
織戸峠から上法行沢まで降りてきて、そこからP803の北のコルまでは経路痕が残っている。
一般的にはコルからそのまま尾根伝いに富士見林道へ上がって、林道を辿って富士見峠へ向かうのがルートだとされていた。
が、絶対に旧道は林道と一致していない。林道と法行沢の間に経路があるはずだと思っていた。
しかしP802北のコルの東斜面は猛烈なヤブで、経路痕は見つけられなかった。富士見峠から法行沢の源頭部を眺めても、ザレた急斜面ばかりで経路痕は見当たらない。手がかりが無いままだったが、2年前にイガイガさんが解明された。やはり林道と法行沢の間の斜面に旧経路はつけられていたのだ。

これは後追いしなきゃと思いながらも、なんだかんだで延び延びになってしまっていた。
そのうちに思いも薄れてきてしまい・・・なにせ廃道探しは地味な山歩きだからねぇ・・・。
ところが先日EAさんがここを歩かれた。その記事を読んで、再び廃道探索の思いがよみがえってきた。
先々週の大山鉄塔巡りの時にEAさんから詳しいお話を伺って、「織戸峠~富士見峠の旧経路を踏破しなきゃ」という思いが強まって止められなくなってしまった。

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2013年11月17日

浅瀬を基点にして回るか、細川橋基点で二本杉峠経由にするか迷った末、久しぶりに椿丸の訪問も絡めて浅瀬を基点にする事にした。

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AM8:00 浅瀬ゲートの500m程手前にあるトイレ付Pに車を停めてスタート。
久しぶりに浅瀬のゲートを越える。

2010年の台風で壊滅的になってしまった世附の林道だが、少しづつ復旧工事は進んでいるようだ。

さて、まずは椿丸へ登る。
もう何回も登っている椿丸だが、未踏の登攀ルートを探せばまだまだいくらでもある。今日は笹子沢左岸尾根からP838経由で登る事にする。

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8:40 大又林道が笹子沢に架かる橋に到着。
笹子沢左岸尾根の林道際は、ずっと崖地になっている事は知っていた。どこから取りつこうかと歩きながら考えていたが、いったん笹子沢に入り、沢沿い斜面の弱点を見つける方法が良いかもと思っていた。

右岸側の橋の手すりを越えると、すぐに経路が目に入った。
もしかしたら上流に有るであろう東電の取水口(地形図に青破線が横切っているから想定できる)へ向かう経路かも・・・と思い、経路を辿りはじめる。
が、予想に反して経路はどんどん沢から離れた方向へ向かう。
「あっ、これはP795へ向かう林業用の仕事道かも」と思い直して、経路から離れ沢へ向かって山腹をトラバースする。が、斜面が急すぎて沢に降りられない。
ロープを出して、なんとか沢へ降り立った地点は、橋から50m程しか離れていなかった。
橋から15分もかかってだ・・・。
なにアホやってんだか・・・。

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左岸尾根の弱点を探しながら、しばらく沢を上流へ歩いていが、ゴルジュっぽくなってきた。
水量は少ないし沢靴なら楽勝だろうが、登山靴だと苦戦は必至だ。この先長いし、靴は濡らしたくない。
仕方ない。ここで山腹をよじ登るか・・・。

と、取りついた斜面はかなりの急斜面。ぐずぐずで岩混じりで、一番やらしい斜面だ。
そんな所を7~80mは頑張った。

しんどかった・・・。

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傾斜が緩んだ所で、トラバース気味に歩き、P586北のコルに立つ。

ここからは楽々尾根歩きだ。
しんどい登りも数か所はあったけれど・・・。
初めての尾根を堪能しながら歩く。

P838からは何度も歩いた、おなじみの椿丸稜線だ。

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10:45 久しぶりの椿丸山頂。

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山頂の西側の展望地で休憩。
ここは本当に気持ちの良い場所。
正面に見える尾根は菰釣山から伸びるシキリ尾根だ。あそこもまだ未踏の尾根。そのうち行かなくっちゃ・・・。

11:00 織戸峠へ向かって出発。

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11:20 いつきても静かな織戸峠。
『忘れ去られた古道』という雰囲気がたっぷりだ。

さあ。

ここからが今日のメインイベントだ。

峠から経路痕を辿る。
ここから上法行沢までは、今日で4回目だ。どこが崩壊しているかもだいたいわかる。

まずは峠から1つ目の崩壊地。ここは楽勝だ。

そして二つ目の崩壊地。以前は何とかトラバースできたはずだが、見た瞬間にヤバイと思った。

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結局10~15m程高巻して、経路に戻る。そして振り返って見た写真。
白ザレがむき出しになった崩壊斜面はホントにヤバイ。滑り出したら止まらないからな。

この後はそれほど危ない個所は無かったように記憶していたが、危険な崩壊箇所がさらにもう1か所増えていた。

もっともここを歩くのは3年以上ぶりだ。その間に台風や豪雨もあったし、経路の崩壊は進行しているんだろう。
オイラが初めてここを訪れたのは、まだV歩きを始めてまもない頃だった。当時はその程度のレベルでも歩けた(ずいぶん冷や汗もかいたけれどね)。
現状ではかなりV馴れしてる人じゃないとしんどいかも。

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経路は上法行沢へ降りた地点で消える。
かつては橋がかかっていたんだろうけど、それがどこかは今となってはわからない。

適当にわたりやすい場所で沢を横断して、対岸の斜面を登る。
少し登れば再び2m幅のくっきりとした経路痕を見つけられる。

経路は山腹を斜上して、P803北のコルへ登る。

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11:55 コルへ着いてびっくりした。
以前のここは、背丈を超す萱がビッシリと生えたヤブだったんだ。
今は枯れた萱がパラパラと立っているだけ・・・。
近頃、西丹沢の萱の藪の衰退があちこちで見られるが、ここでもやっぱり。

さあ、ここからだ。ここから富士見峠までが未知の未踏区間だ。

踏み跡は、尾根の背を富士見林道へと向かっている。
が、旧経路はこのコルから水平もしくは下降気味につけられているはずだ。

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EAさんから伺った話通り、旧経路らしき跡はすぐに見つかった。
杉の枯れ枝に埋もれているが、明らかに経路痕だ。獣道なら、こんな幅広で付く事はない。

それにしてもこんなくっきりとした経路痕なら、以前に探索した時に見つけられていたはずだ。きっとその時は激ヤブに埋もれて、コルからは見えなかったのだろう。

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とにかく経路を辿る。
途中こんな石柱が立ってたりもする。よくわからないが営林署の石柱だろうと思う。
これも、ここが経路であった一つの証拠だ。

が、廃道探索がそんなに楽勝ですむわけがない。
大方の廃道がそうであるように、沢筋を横断する地点では必ずと言っていいほど経路は消えている。さらに廃道となって長い年月が経つこの道では、沢筋だけでなくいたるところで消えてしまっている。
ズタズタに途切れて、もはや道とは言えないような状態だ。

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道が消えている崩壊斜面では、トラバースできる所を探しつつ、斜面の上や下を行ったり来たりして、経路の痕跡を探す。
するとほら、また立派な道幅の経路が必ず見つかる。

そんな事を何度か繰り返すうちに、だんだんコツもわかってきた。
この経路は、富士見峠へ向かってちょっとずつ高度を上げているんだ。
痕跡が途切れた場所から先は、少し上目を探す。少し上へ上がりすぎたかなァと思っても、上から斜面を見下ろすようにした方が、経路痕が探しやすいんだ。

そんなこんなで、経路痕を辿った。

割合にして半分くらいが崩壊斜面のトラバースだったけどね・・・。

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もうそろそろ富士見峠に辿りついてもいいんじゃないかと思った頃、上を見たら10m上が林道の擁壁だった。

この辺で岩盤むき出しの沢の源頭にぶつかる。
もうここらが限界か・・・とも思ったが、イガイガさんが見たという鉄の杭がまだ見つかっていない。もう少し我慢して斜面をトラバースする。
が、傾斜がきつくなり、ザレもひどくなって、さすがに身の危険を感じるようになってきた。
少しだけ上にあがろうと小尾根を這い上がる。すると5m程上がった所で、林道に飛び出してしまった。

んんん・・・ここはどこだ? と、右手に少し進んだら富士見峠だった。
富士見峠まで後数十mの所まで、旧経路を辿る事ができたんだ。

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12:35 富士見峠に到着。
倒れたままの富士見峠の道標。
初めてここを訪れた5年前には、まだ道標とわかるくらいだった。
今ではもう、ただの朽ちた木だ。
ここが富士見峠であった証拠の道標も、あと数年もすれば自然の中に溶け込んでしまうのだろう。
それは経路も同じだ。人が歩かなくなって年月が経てば、道型も自然の中に溶け込んで消えていく。
その前に何とか歩けて良かった。
何回かに分けてだけれど、これで地蔵平と水ノ木を結ぶ旧道を辿る事ができたわけだ。

とにかく満足感でいっぱいです。

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家へ帰ってからロガーの軌跡をチェックしてみましたが、織戸峠~富士見峠の間をかなり忠実に辿れたのではないかと思います。

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帰路は未知尾根下降を楽しんで…ってことで、井戸沢と長尾沢の界尾根を降りることにする。
富士見峠林道がP936の南を回り込んだ場所から尾根に入る。

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大半が植林ではあったが、なだらかで穏やかないい尾根だった。
穏やかな割には分岐が多く、地図読みが好きな人なら楽しく降りられる尾根だ。

700m付近からは急斜面になるが、植林のフカフカの地面だから気持ち良く降りられる。

法行沢林道へ降りる末端は、地形図と尾根の雰囲気からみて崖になってる気がしたので、早めに左手の井戸沢へと降りた。

井戸沢から林道へ出たら、案の定尾根の末端は崖。カンが冴えていた事にまた満足。

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13:35 法行沢林道へ降り立つ。
ここから浅瀬まで、のんびりゆっくり歩いても1時間半はかからない。

林道にはユンボが停まっていた。3年前の台風でボロボロになったこの林道でも修復工事が始まったんだ。
林道が復旧すれば、また釣り師も入るしハンター達も入ってくる。誰にも会わない静かな山歩きができるのも、今のうちだけかもね。

などと思いながらユルユルと林道を歩く。

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紅葉を楽しみながら・・・

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そして林道脇にはリュウノウギクが花盛り。

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名残のリンドウも。
これが今年の野花の見納めになるかもなァ。

オイラ、他の人達が言うように、長い林道歩きも嫌いじゃない。
緊張感から解放されて、のんびりと歩くのもいいもんさ。

…って事は。
やっぱり単独のバリエーションでは、相当緊張してるんだ。
ノーテンキなオイラだけれどさ・・・。
今日もザレ地トラバースの連続で緊張感MAXだったけど、本当に充実した山歩きだった。

 

 

今日の蛇足

スマホの『山旅ロガー』でとっているログを、ようやくPCへ取り込む事ができました。
アドバイスを下さった皆様。ありがとうございました。
どうやらスマホのストレイジに保存したデータを、外部から読み取れないようにブロックする機能が原因のようでした。(この機能は機種によって違うのでしょうが)
データをメールにしてPCへ転送する事で、カシミールに読み込ませる事ができました。

ついでにわかった事
オイラの使ってるSHARPの機種には『エコ技モード』という電池を節約する機能が付いています。この機能をONにしていると、ログがまともにとれません。
原理や仕組みはわかりませんが、ロガーを起ち上げた時には、『エコ技モード』は絶対にOFFにしなければいけません。

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2013/11/06

秋のニカニカ遠足会 ~大山北尾根界隈~

一か月のご無沙汰です。サプライズshiroです。

最近、M-K師匠の山行に突然飛び入り参加する事が多いので、ニカニカメンバーのblogにしょっちゅう『shiroさんサプライズ登場』なんて書かれて、こっ恥ずかしい思いをしています。

別にサプライズ狙いでやってるわけじゃないんですよ・・・。
ここんとこ仕事が忙しくって、土曜日にならないと日曜日に遊びに行けるかどうかわからないような状態が続いているもので・・・。
なかなか日曜日の約束をできないんです。

先週もそうでした。木曜日頃だったかな。M-KさんのHPを覗いたら、日曜日にはまーちゃんとEAさんと大山北尾根の17~19号鉄塔を回ると書いてあったのを読みました。
ふ~ん。そういえばまーちゃんが17号鉄塔に行きたいって言ってたなァ。でも日曜日は休めるかどうかわからないしな。あそこら辺の鉄塔尾根は歩いた事もあるしな・・・。
なんて思っていました。

土曜日の夕方になってようやく仕事の目途が立ち、「よ~し!明日は山へ行くぞ」と思いながら夜、M-KさんのHPを覗いてみて、あら、ビックリ!!
ニカニカメンバーが9名も参加表明をしているではありませんか。
なんだい、なんだい。明日は10/27のニカニカ集会の続きで遠足会だったのかい。
こんな楽しそうなハイキング、参加しないわけいかないじゃん。

もう、前日の夜だ。今更参加メールを送らなくたっていいだろう。出発地点もスタート時間もだいたい予想が付く。遅れたら遅れたで、ルートもだいたい予想が付くから追いかければいい。
明日の朝、直接行って参加させてもらおう・・・っと。

てなわけで、今回もM-Kさんの山行に飛び入り参加させていただきました。

決してサプライズ狙いではないんです・・・(汗)

Tizu19

2013年11月3日

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8時15分 札掛の駐車場を出発する。
メンバー : M-Kさん AYさん ミックスナッツさん はっぴーさん
        EAさん レガーさん まーちゃん MASAHIKOさん
        YAMさんと柴犬のフクちゃん そしてshiro

丹沢Vルートのそうそうたる顔ぶれが集結してしまった。
これだけのメンバーに囲まれていると、なんかお気楽な気分になってしまう。
いつもVルートを歩く時は、それなりの緊張感に包まれるものだが、今日は全く無い。
のんびりとした気分で皆の後をついていく。

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大山北尾根のP752へ向かう尾根に登る。
まだバリを歩き始めてまもない頃、歩いたことがあるなあ。なんて事を思い出した。
取り立てて危険な場所も無い普通のV尾根だけれど、あの頃はドキドキしながら登ったものさ。

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P752からは二手に分かれて、尾根伝いに19号鉄塔へ向かう組と大月沢へ降りる組に分かれる。
大月沢組は言い出しっぺのAYさんを先頭にMASAHIKOさん、はっぴーさん。

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そしてYAMさんとフクちゃん。
P752から沢へ下る斜面は、ズルズルの急斜面だった。バリ慣れしてても一瞬ためらうくらいの急斜面。そんな場所をフクちゃんをコントロールしながら歩くYAMさんには驚いてしまった。常人にできる技じゃない。

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大月沢は滝場も無く、清流も無く、ただの藪沢でした。でも、それでもいいんです。
「丹沢の全ての尾根と沢をこの目で見たい」と思っているオイラですから、大月沢の様子を見れただけで満足です。

標高600m付近では左岸から湧水がジャンジャンと湧き出ていた。
これは特筆すべき光景。

湧水地点の少し下流から、真新しい堰堤が連なり(そういえば2~3年前、大月沢で大がかりな工事をしてたっけ)、工事用の作業道を辿って楽々と降りました。

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待ち合わせ場所の19号鉄塔尾根の下に到着すると、ほどなく尾根組も降りてきました。

この後、大月沢の対岸の尾根に取りつき、18号鉄塔へ向かいます。
いきなり急斜面登り。
急斜面登りは得意だから、張り切って先頭きって登ったけどさァ。
思った以上にキツかった。ずるずるの急斜面。久しぶりに心臓バクバクいわせてしまった。
3~40mがんばって尾根の背に乗ったとたんに、気持ちが悪くなってしゃがみこんでしまった。

この1週間で2回も徹夜があったりして、体調悪かったんだ。
体調悪い時にはそれなりの歩き方ってものがあるんだろう。
リハビリ中のミックスナッツさんだって、ゆっくりながら平然と登ってこられる。
いつまでたってもそういうペース管理ができずに、アホ丸出しの歩き方しかできないオイラって・・・。

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乗った尾根は、ワイルドな痩せ尾根。
こういう尾根って、いかにもバリ歩いてるって感じがしていいよね。

でも、さっきの急斜面登りの後遺症でハァハァしてしまう。
「まだ登りが続くのかい!」「早く鉄塔に着かないかなァ。」などと、まーちゃんと愚痴をこぼしあいながら登る。
まーちゃんも久しぶりの山歩きでキツいんだって。

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ようやく18号鉄塔。

Pb030027

18号からは東電の巡視路を辿って17号へ向かう。

ここは何年も前、まだバリ歩きを始めたばかりの頃に歩いた事がある。
あの時と比べて、経路もだいぶ荒廃してきているような気がする。
クラドウ沢の源頭部を横断する地点では、完全に寸断されていました。

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12時少し前、本日の目的地17号鉄塔に到着。
まーちゃん、念願の17号鉄塔に万歳をする。
そして紅葉が始まった大山三峰の山並みを眺めながら、ワイワイとランチタイム。

普通は誰だって名のあるピークを目指して山を歩くよね。ハイキングにせよバリエーションにせよさぁ。
ピークは一切無視して、尾根の途中にある鉄塔が目的地って、どういう山歩きよ。
これぞニカニカ流の歩き方だよね。まさしく我師匠M-Kさんのハイキングだ。
こういうところが好きさ。

この日も、このまま尾根を詰めればミズヒノ頭のピークなのだけれど、それを無視して16号鉄塔へ向かうトラバース巡視路へ入る。(このトラバース巡視路の存在は知らなかったから、歩けて良かったんだけどね)
16号鉄塔で小休憩をした後、P913から札掛に直接降りるV尾根をダダっと駆け下りて、13時45分には札掛駐車場へ戻ってきました。

短い軽めの周回でしたが、意外と有意義な山行でした。

こういうのもまた、楽しいや。なんか遠足気分でワイワイとおしゃべりしながらね。

皆さん、またよろしくお願いします。

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