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2013/08/08

本谷沢 ~不動の水場へ詰める~

もう何年も前・・・まだバリエーションなど歩かない正しいハイカーだった頃の話。
不動ノ峰の休憩所に『水→』という小さな看板がぶら下がっていた。当然、好奇心で行ってみるさ。ヤブを掻き分けるような薄い踏跡を下る事10分。土の斜面から水がチョロチョロと湧き出していた。
水を汲みながらフと下に目をやると、数10M下の沢(というか窪というか崖と言うか)を這い上がっている一人の男性が目に入った。
「あの人、なんでこんなとこ歩いてるんだろう?」 普通のハイカーのオイラはそう思ったものさ。

それから数年が経った2年前の春。M-KさんとAYさんと一緒に本谷沢を歩いた。
その時は1200m付近の二又で、本流と思われる右又へ進んだ。が、滝となって合わさる左又と地形図を眺めながら、「この左又は不動ノ峰へ詰めるのか」と思うと同時に、数年前の沢を這い上がってくる男性の姿を思い出したんだ。

右又の詰は鬼ヶ岩だったが、ガラガラ崖の危険を伴う詰だった。
そのとき思ったね。本谷沢の詰は1200m二又を左へ進み、不動ノ峰へ詰めるのが正解なのかもしれない。今度はそっちへ行ってみよう。
とね・・・。

さて
話は変わって『花コラボ』。野草好きのAYさん、はっぴーさんと、「花を探しながら楽しく歩きましょう」という恒例(になりつつある)山行だ。
「そろそろ夏の花コラボの計画を立てなさい」という指令がはっぴー姐さんから届いた時に、本谷沢の事を思い出した。丹沢主脈稜線に突き上げ、標高高い所まで水流がある本谷沢はきっと夏の花が豊富に違いない。あの急峻な谷は、鹿の食害も少ないはずだしね。

ずっと温めていた『本谷沢を不動の水場へ詰める』計画を実行する時が来たんだ。

Tizu17

2013年8月4日

メンバー : AYさん はっぴーさん shiro

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7時15分 早戸川林道の魚止橋を出発します。

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雷平までは通いなれた道。
とは言っても、登山道を歩かず、河原を歩く。
真夏の渇水期だから水量は相当少ない。これくらいの水量なら水際を楽に歩けるから、登山道を歩くより楽なんです。

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雷平からは右に原小屋沢を見て、左の本流へ進みます。

出発から2時間弱かかって、大滝沢と本谷沢の出合に到着しました。
花を見つける度にワイワイ言いながら写真を撮るので、時間もかかるんです。
まあ、こんなのが楽しいんだけどね。

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一服後、右又の本谷沢へ入ります。
沢のど真ん中にデーンと巨岩。これが出合から見た本谷沢の特徴です。

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巨岩がゴロゴロと転がる沢です。
早戸川源流部の沢って、こういう光景が多いよね。

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巨岩ゴーロ帯を過ぎると、小滝が連なる渓谷になります。

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1100m付近の滝。
2年前に来た時には水量が多くて、とても水線を登れる気はしなかったけど、これくらいの水量なら行けるのか。
AYさんは果敢に直登して行きます。

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続いてはっぴーさんもシャワークライム。

濡れるのが嫌いなオイラは、左岸から巻きます。
左岸の岩には虎ロープがぶら下がっているけれど、だいぶ古そうな残置ロープだからあまり信用しない方が良いかもね。

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滝の上は再び巨岩帯です。

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1150m付近で右岸から流れ込む小さな支沢。下から見たら堰堤が連なっている。

なんでこんな奥地に堰堤が?こりゃ堰堤博士T.I氏に報告しなくっちゃ。
と、近づいてみたら、堰堤ではなくて天然のスラブ岩が階段状に連なっているのでした。

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1200m二又を左又へ入ります。
さあ、ここからは未知の世界。ワクワクするよねぇ。

まずは10m程の滝を直登します。
ここは水濡れ嫌いのオイラも水線を登るしかない。水が冷た~い。
ホールド・スタンスは豊富だから簡単だけど、水濡れは避けられないから夏場以外は厳しいね。

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滝の上はナメ床。
思わず歓声を上げる。

いや~、良い沢だ。こりゃ儲けもんだ。

ナメが終わると巨岩帯。
傾斜はそれなりにキツイが、気持ちよく歩ける沢です。

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1400m二又。
まず界尾根に登って、両又の様子を見る。
ここはたぶん右だね・・・という事になった。

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何故かドラム缶。
この辺に作業小屋があったとは思えないし・・・どっから転がって来た?

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詰が近づくと、だんだん傾斜が立ってきました。

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7~8mの垂直の涸棚。
一瞬「オオっ」と思ったが、ホールドもスタンスもあるから大丈夫。

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稜線が近い事を感じるようになってからは、分岐が複雑でどこが水場へ向かう沢なのかが分からなくなる。
別に安全に詰められればどこでも良いのだが、「不動の水場へ詰める」という思いを抱くオイラは、こっちの支沢からあっちの支沢へと右往左往。

界尾根に登ったAYさんが両側の沢を眺め指示を出してくれる。

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ここだ!

すっかり水は涸れてしまっているけれど、ここの景色には見覚えがある。
ここの崖地から水がチョロチョロと湧き出していたんだ。
ここが不動の水場だった場所で間違い無い。

目的を達成して満足です。
ここからは薄らと残る経路を辿る。

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13時15分。 不動の休憩所へ上り詰めました。

休憩所には相変わらず『水→』の小さな看板がぶら下がっていました。
でも、もう水は涸れてしまっていたよ。真夏の渇水期だからかもしれないけどね。
昔の水場から30m程下に水がチョロチョロと染み出してはいました。
でも、泥の中から染み出している水は、とても飲む気がしなかったなぁ。

休憩所で遅いランチをとった後、最短最速の下山ルートである大滝新道で帰る事にします。

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3年ぶりに歩いた大滝新道。
マーキングの多さにビックリしたね。

おびただしい数のテープが木々に巻かれている。
決して大袈裟ではなく、10mおき位にテープ。

最初のうちは「ひどいねコリャ。」なんて笑っていたが、だんだん腹が立ってきた。

何のつもりだいったい!

間違えやすい分岐や危険な分岐にマーキングするのはわかる。
それでもかつての山男たちは目障りなテープなど巻かず、木の又に石を置いたりとかしたらしいぜ。先輩達からそう聞いた。

ブナの樹にぐるぐる巻く。それも他人が巻いた上にさらにまた巻いたり。
10mごとのマーキングなんて、景観破壊でしかない。樹々に対する敬意ってものも無いのか。
山を愛する者の仕業じゃないよね。

ふざけんなよ! ホント・・・

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なんて、プンプンしながら大滝新道を降りた後、早戸大滝に寄り道をしてから帰りました。

何度見ても迫力あって良い滝だねぇ~~~。

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滝で汗を流すAYさん。
水濡れ嫌いのオイラには信じられない事です・・・。

 

さてさて。

花コラボですからね。
たくさんの花達に出会う事ができました。
今回も花コラボは大成功・・・って事でいいでしょうか。

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タニタデです。
小さな花だけれど、よく見ればかわいらしい。

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ヒトツバショウマ
数年前に西丹沢で見て以来。久しぶりのに群生してるのを見ました。

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イワタバコも花盛り。

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イワアカバナ  だと思う。
5mm程の小さな花。初めて見た。

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前回の記事で蕾を紹介したミヤマヤブタバコ。
今回は花が咲いていました。

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コウモリソウ
残念ながらまだ蕾。花が見たかったなぁ。

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ビランジ
見つけると嬉しくなる花の一つ。

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マツノハマンネングサ
これも初めての花だぁ。

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クルマムグラ
2~3mmの小さな花だけれど、まとまって咲くからそれなりに綺麗。
8/10加筆 はっぴーさんから『オククルマムグラ』だと教えていただきました。

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ミヤマムグラ・・・かなぁ。
ムグラの仲間は種類が多いし、どれも似ているから区別が難しい。

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イワギボウシ

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ノダケ
標高の高い場所では、もう秋の花が咲き始めていました。

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タマガワホトトギス
今年もまた出会う事ができました。

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ご存じ、シモツケソウ
この花もまた好きなんだよね。良い花だよねぇ。

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ウスユキソウ
和製エーデルワイスのウスユキソウ、丹沢でも時々見る事ができます。

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ヤマゼリ・・・だと思う。
 

まだまだ沢山の花達との出会いがありましたが、数が多いのでこの辺で・・・

本谷沢左又、良い沢だったなあ・・・

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