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2013/05/07

原小屋沢~ボッチ沢から蛭ヶ岳

「やっぱり蛭ヶ岳だな」

世間はGWだと浮かれているのに仕事に追われ、ようやく休みが取れそうな5日の日。
どこへ行こうかと考えて悩んだ末、丹沢最高峰の蛭ヶ岳に登っておこうと思った。蛭にはもう半年以上行っていないしね。
早戸川から蛭へ登るのは今しかない。もうすぐヤマビルがうごめきだす。

さて、どのルートで登ろうか。
これはあっさりと決まった。前々から気になっていたルートがあるんだ。

原小屋沢のガータゴヤ滝の下、右岸から流れ込む沢。地形図を見ると蛭ヶ岳に直接突き上げている。等高線の間隔も、それほど厳しそうには思えない。

どうやらボッチ沢というらしい。
いや、違うのかもしれない。
「ボッチ」というのは、津久井地方の方言で「窪地」の事だという話も聞いた事がある。だから「ボッチ沢」というのは固有名ではない。名も無き窪状の沢をこの土地では「ボッチ」と呼ぶのだと。

でもあの沢には水が流れていた。窪ではない。決してチョロチョロではない水量の沢だった。

まあいいや。
ボッチ沢かもしれないし、名も無き沢なのかもしれない。
とにかくあの沢へ行ってみよう。

ネットで遡行記録を調べてみるが、不思議とヒットしない。
う~ん、誰も歩いていないのか。いやいや丹沢で誰も歩いていない沢なんてないはず。しかも蛭に突き上げている沢だ。誰もが興味を持つはず。

危険で遡行不能な沢なのか、あるいは記録を残すほども無いつまらんヤブ沢なのか・・・。

とにかく行ってみよう。少しでも危険を感じたら、尾根に逃げればいい。右岸の尾根は市原新道。左岸の尾根は先日もM-K師匠が探索してきたばかり。両尾根とも危険な尾根でない事はわかっている。

という事で、行ってきました。

(帰宅後、ネットを徘徊していて遡行記録を見つけました。丹沢の仙人マシラさんが2000年の記録で「又兵衛沢」としてアップされているのが、どうやらこのボッチ沢のようです)

Tizu17

2013年5月5日

7時7分 早戸川林道魚止橋の少し手前に車を停めて出発。

林道の終点、伝道から登山道に入る。もう何度歩いた事だろう。勝手知ったる道だ。

P5050003

早戸川の最初の渡渉地点には丸太が1本渡してあった。思わず笑ってしまった。いやいや、誰かが渡してくれたんだ。感謝しなければ。
2つ目の渡渉地点には太い流木と大きな石が置いてある。

いずれもバランス感覚に自信の無い人でなければ足を濡らさずに渡れる。
ありがたい事です。

雷平から原小屋沢の左岸に入る。ここもまた何度も歩いた経路。

P5050010

8時10分 雷滝。

何度も書いているが、丹沢で1番好きな滝。
今日もいいねぇ~。
水量、ちょっと少な目だけれど・・・。

雷滝、今日は左岸から巻き、原小屋沢を遡る。

P5050019

カサギ沢出合を越えるとすぐにバケモノ滝。

P5050026

そして3段の滝。
この滝、前々回は右岸のスラブをへつり気味に登った。前回は右岸を高巻きした。
その経験から言うと、高巻きよりもスラブを登る方が安全で楽。
高巻きは沢へ戻る時にロープを使った。
右岸のスラブは一見滑りそうに見えるが、取り付いてみるとバンドがはっきりと有るから、慎重に登れば問題無い。

P5050035

みんなが『ニセガータゴヤ』とか『ミニガータゴヤ』とか呼んでいる滝。

そんな卑下した名前は可哀そうに思う。
なかなかの美滝だよ。水流の美しさは、ガータゴヤにだって負けてないぜ。

ここは水流の中を登るのが楽。

P5050042

9時30分 ガータゴヤ滝に到着しました。

さあ、ここからは未知の沢に入るんだ。
休憩しながら再び地形図をじっくりと眺めます。等高線から感じるイメージは「わりと穏やか」。でも、地形図と実際の地形が「違うじゃん」なんて経験はいくらでも有るからなぁ。

P5050043

原小屋沢からボッチ沢に入った場所の風景。水量は少なそうに見えるが、岩の下を結構な水が流れている。
大きな岩がゴロゴロと転がっている沢なんだ。

P5050044

すぐに3mくらいの小滝が現れた。

P5050047

続いて6mの斜瀑。
右岸は無理。左岸から巻けそうな気がして10mほど登ったがやはり無理。
再び滝つぼに降りて、水流左手の岩に取り付いてみる。
落ち葉を掻き分けると、スラブ岩に手がかりが結構有り、なんとか登れた。

P5050048

今度は5m。
ハング気味だが、水流右手の岩をなんとか登る。

P5050051

ゴルジュだ。
奥の2mは楽勝そうだが、手前の釜が深い。腰の深さはある。
左右の斜面を眺めてみるが、巻きは巻きで危険そう。
しばし考えたが、右手の岩をへつってみる。
まあ滑ったところで、釜に落ちてパンツまで濡らすだけで大怪我はすまい。

で、なんとかへつり成功。

P5050053

それにしても、次から次へと小滝が現れる。

P5050073

いずれも簡単に巻き上がれるが、それぞれの滝の釜は結構深い。
足を滑らせたらズブ濡れは必至。

P5050075

2m、2m、2mみたいなミニ連瀑も。

P5050087

そして5m。標高1300mを越えても、この水量。
ここもまた釜が深いので右手から巻く。

P5050089

標高1380mくらいで水流が消えた。
この後、しばらく穏やかなゴーロが続く。
ユルイ傾斜の涸れ沢を歩く。

P5050092

標高1430mで5mの涸棚。
手がかりは豊富そうだが、ほぼ垂直。

これはちょっと無理かな・・・。

P5050094

右手を見上げたら、尾根の背が見えている。斜面の傾斜もそれほどきつくはない。

ここが上がり時だな。
そう思って、沢から離脱。

P5050095

詰上がったのはP1470の南のコル。
地形図を見れば、一番楽な所で上がったかも。

穏やかな歩きやすい尾根をしばらく上ると、標高1550mで登山道と合流。

P5050105

11時25分。 蛭ヶ岳山頂。
さすがGWだ。50人くらいはいるだろうか。
ベンチから離れた隅っこで昼食をとりながら、歩いてきた沢を思い返す。

良い沢だった。なかなか面白い沢だった。
原小屋沢も、ガータゴヤの上は小さな滝が1つあるだけだもの。又兵衛沢は楽だけど、水流も無いしね。それを考えると、このボッチ沢を上がった方が面白いんじゃない?

早戸川から蛭ヶ岳へのルートとして、かなりおススメです。

さて。11時50分、下山開始。
もう十分楽しんだので、最短ルートの市原新道を下ります。

P5050107_3

この市原新道、来るたびにマーキングが増えている。
東丹沢登山詳細図とやらに載ってから、歩く人も増えたんだろう。
にしても、マーキング多過ぎ。ピンクのリボンは山仕事のそれとわかるからいいとしても、黄色だの赤だののテープや蛍光色の紐やらにぎやかな事この上ない。

よくネット上の山行記で、「マーキングが豊富なので迷う事ないでしょう」なんて文をよく見るが、「なんか違うんじゃね」と思ったりする。
迷いたくってこういうとこ歩いてるんだぜ。迷いたくなかったらおとなしく整備登山道を歩くわ。迷って、考えて、地図を凝視して、地形を観察してが楽しいんじゃん。

だいたい、東丹沢登山詳細図にだって『熟達者向』って書いてあるだろう。熟達者ならマーキングなんてするなよな。

P5050110

なんて事をグダグダ思いながら尾根を1時間で降りて、12時45分、雷滝の横を通過。

そして、1時50分。魚止橋に無事帰還しました。

最後は今日の花

P5050012

ヤマウツボ
こいつが出てきたら「もう春もおわりだなぁ」と思います。

P5050031

今の時季、丹沢の主役はこの子達ですね。シロカネソウ。

P5050064

ミツバコンロンソウの撮影をしていたら、見なれぬ蜂(虻か?)が割り込んできました。
マクロ撮影をしていたから、レンズと花の距離5cmほど。お構いなしなんだねぇ。

P5050099

早春の花、キクザキイチゲも今は標高1500m以上の場所で盛りです。

P5050078

コチャルメルの群生を見つけたよ。
丹沢ではちょっと珍しい花なんだ。

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コメント

コチャルメルソウ、何度か挑戦しましたが
こんなにハッキリ撮れません。さすがですね~
私も一か所、丹沢での群生地を知っています。
今年も咲いていたそうです(友人が確認)。
いつまでも いてほしいですね。

今度もし行く機会があったら、このルートで行ってみたいです。

投稿: はっぴー | 2013/05/15 20:03

はっぴーさん、こんばんは。
コチャルメルの、この骨のような奇妙な花弁をハッキリと写すのは難しいですよねぇ。
十数枚撮った中の、何とかましな一枚です。
 
丹沢ではコチャルメルの群生はとても珍しいですよね。
はっぴーさんも一か所ご存じなのですね。
今度情報交換しましょう!
 
このボッチ沢ルート、かなりおすすめルートです。
是非、いってみてください。

投稿: shiro | 2013/05/15 22:03

コチャルメルソウ
来年、shiroさんとAYさんが良ければ、
花コラボでご案内しますよ~♪ ^^

投稿: はっぴー | 2013/05/17 22:39

はっぴーさん、こんばんは。
コチャルメルソウ探しも良いですね♪
コチャルメルが生息している場所は、ネコノメも多そうです。

投稿: shiro | 2013/05/17 23:14

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