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2012/07/24

モロクボ沢~滑棚沢

久しぶりに仕事を休みにした。
もちろん山へ行くつもり。
が・・・
どこを歩こうか・・・。計画は全く立てていない。

いつも行き当たりバッタリで歩いているようだけど、これでも一応は下調べをした上で歩いているんだ。
Vルートを歩くってのは、それだけ危険な事だもの。
去年、滑って怪我をしたのは、無鉄砲にもなんの下調べもしていない沢を下降した結果だった。
それ以来反省して、そういう事はしないようにしているんだ。
命は惜しいし、怪我だってしたくないからね。

だけどこれ、意外とメンドウで大変な作業なんだ。例えば沢の場合。滝の巻き方なんかはちゃんと調べておかないと命取りになりかねない。特に人が滅多に入らないマイナーな沢なんかは、1年前、2年前の記録が当てにならない場合もある。大雨や台風で、すぐに様子が変わってしまうからね。
地質が脆い丹沢では、大雨が降るたびに沢筋は崩壊を繰り返す。以前巻きで使っていたルートが、今は使えないなんて事は、当たり前のようにある。

そんな事をふまえながらの下調べ作業は、けっこう大変なんだ。もともとルート計画を立てたりするのが、あまり得意じゃない。
めんどくせェ・・・。

そんな時にはパクリだ。

つい先週、M-Kさん、イガイガさん、AYさんという巨匠3人がモロクボ沢から滑棚沢を遡行している。

滑棚沢? すぐにはどこだかわからなかった。

モロクボ沢の支沢の一つだが、これまたマニアックだ。こんなとこ歩く奴なんか滅多にいないぞ。
お三方の記録を読んだ。ナメ滝の写真がそそられる。
ヨシ、決めた! 
滑棚沢へレッツゴー!

Tizu18

2012年7月22日

朝、出かける準備をしていると、アイカタ(奥様)が起きてきて、買い物に行きたいから早く帰ってきてと言われる。「なんだよォ。昨日から山へ行くって言ってるじゃん。」「だから行くなって言ってないでしょ。いつもより少し早く帰ってきてと言ってるだけよ。」
チッ! 言い出したら聞かない人なんだ。
「できるだけ努力いたします・・」と国会答弁のようにゴニョゴニョと言いながら家を出る。

今までの経験から、3時頃には帰らないと機嫌が悪くなるだろうな。という事は、1時すぎには西丹沢を出発しないと。モロクボ沢は勝手を知ってるからそれなりに飛ばして歩ける。滑棚沢は歩いてみなきゃわからないけど、短い沢だし・・・まあ、何とかなるか。

などと考えながら車を運転し、7時30分、用木沢出合に到着。
支度をして7時45分に出発。

やまびこ橋を渡った先でモロクボ沢に降りる。そこからモロクボ大滝までの間で、4組のパーティを抜かす。今日は、この沢大人気だなあ。

12722_008

8時10分   用木沢出合から30分弱でモロクボ大滝に到着。滝つぼでは釣師が竿を振っている。
先週のM-Kさんの記録には『いつもより水量が多くて大迫力』と書いてあったが、1週間経って普通の水量に戻っている。ちょっと期待していただけに残念。

12722_010

大滝右岸のチムニー(と言われているが、こういう階段状の石をチムニーと呼ぶのか?)に取り付く。
M-Kさんの記録に書いてあったとおり、以前有った残置ロープが無くなっている。でも、体重を預けるには危なっかしいロープだったんだ。ここはロープが無くても登れる。ここで一番しんどい1段目には、だれかが足がかりの石を置いてくれたおかげで、去年よりも登りやすくなっているくらいだ。

12722_011

大滝を巻き上がると、ナメ滝が続く。モロクボ沢で一番綺麗な所だ。
1年振りの美流を楽しみながら歩く。

12722_015

F5と石積堰堤。右岸の巻き道は健在。去年の台風でも崩れなかったようだ。

12722_025

9時10分頃。 大滝から1時間ほどで標高930mまで上がってきた。左岸から流れ込んでいるこの支沢が、滑棚沢に違いない。

さあ。ここからは未知のルートだ。

12722_027

すぐにナメ滝が現れる。高さは10mくらい有るが、傾斜は緩いしステップは豊富なので、気持ちよく上がれる。

このあとも5mクラスのナメ滝が続くが、どれも気持ちよく歩ける。

12722_033

続いて4~5mの滝だ。一見簡単そうに見えるが・・・。
いや、まてまて。M-Kさんが最後の1歩で詰まって、ロープを出したのはこの滝じゃないのか? 
そう思いながらルートを目で探ると、確かに最後が詰まりそうな気がする。

ここは安全策で、右岸の泥斜面を巻き上がる。

12722_034

厳しいという程ではないが、そこそこ傾斜がキツイ沢だ。
この滑棚沢、地形図を見れば、モロクボ沢の本流・支流の中で一番等高線が詰まっている。もしかしたら、モロクボ沢の詰としては、一番キツイ沢なのかもしれないなァ・・・などと思いながら登る。

12722_036

水流がだいぶ細くなってきてから、4m程の滝。
目の前にして考え込んでしまった。この角度を直登できる気がしない。でも、両岸とも巻くには厳しい。
少し戻ってから、大高巻きするしかないかなァ。なんて思いながらも、試しに取り付いてみる。以外にもフリクションが効く。簡単とは言わないけれど、何とかかんとか登れてしまった。

実はアクアステルスの沢靴を買ったんだ。皆があまりにも良いと言うからさ。正確に言うと、『アクアステルス』ではなくて同じファイブ・テンの『ステルスファントム』というタイプ。何が違うのか、よくわからないけど。
5月に大滝沢で散歩程度に試し履きしてみたけれど、本格的に沢で使うのは今日が初めて。

いやァ、良いワ。確かに皆が言うように、グリップ力が抜群に良い。
この滝も、今までのフェルトの沢靴だったら絶対無理だったろうなと思う。

12722_039

水が涸れて、いよいよ詰だ。
沢の詰って、結構好きだったりする。
崖にぶつかるのか。薮に突入するのか。選択ミスによってはとんでもない事になったりする。そういう緊張感がいいんだなァ。
沢の詰はたいてい傾斜が厳しいから、どこでも上がれるというわけじゃない。こういうマイナーな沢に踏み跡など有るはずも無い。
神経を集中させてルートを探る。写真中央の小尾根に這い上がろうと決める。

が、ここから先が今日イチの厳しさだった。傾斜がキツイうえにザレザレなんだ。
ザレ斜面にステルス底だとかビブラム底だとか関係無い。踏ん張りゃ何とかなるモンでもない。1歩1歩足の置き場を確かめながら、なんとか樹が生えている場所まで登った。
やれやれ。「樹さえ生えてりゃ、どんな急斜面でも大丈夫」AYさんの名言だ。

12722_040

さあ、最後はお楽しみのヤブ漕ぎだ。
と、目の前の激ヤブに突っ込む。
が・・・ほんの数mで登山道に飛び出した。

ちょっと拍子抜け・・・。時刻は10時ジャスト。

 

さて
登山道を早足で歩き、10時半に水晶沢ノ頭に到着。ここで休憩をとりながら下山ルートを考える。
朝は、ここから雷木沢の右岸尾根か左岸尾根を下降しようと思っていたんだ。でも、先程から降りだした雨足が強くなってきている。そのせいでテンションも上がらない。
どうしようかなァ・・・。両方とも歩いた事が無い未知尾根だ。Vルートの未知尾根下降なんて、そうとうテンションが高くなきゃ上手くいかない。ってのが自論だ。集中力、注意力、観察力を研ぎ澄まさなければ失敗する。
尾根下降でルート読みを失敗したって、登り返せばいいだけなんだけどね。1回の失敗が1~2時間の時間ロスにつながる。

アイカタの機嫌も気になるしなァ・・・。

気が乗らないのにVルート下降したって、失敗するだけだ。と、白石峠から普通に登山道を降りる事にする。

数年ぶりに歩いた白石峠からの登山道。ひどい荒れっぷりにビックリする。ここはあまり歩く人もいないのかなァ。
あまりにも荒れているので、思ったようにスピードは出せない。とは言え登山道だ。水晶沢ノ頭から1時間15分程。12時丁度頃に用木沢出合に帰着した。

そして、2時前には無事帰宅。アイカタのご機嫌をとる事もできました。
メデタシ・・・メデタシ・・・

 

話題がもう一つ
用木沢出合に戻ってみると、愛車の隣にM-Kさんの車が停まっている。
そして、ナント! 反対側の隣にはキリヤマ隊長のマイナールート1号が。
ワイパーにお二人からのメッセージが挟んであった。
M-Kさん、イガイガさん、AYさんのbig3は雷木沢へ。
キリヤマ隊長とアンヌ隊員は水晶沢へ入ったらしい。

事前に言ってくれりゃ、時間を合わせたのに・・・
と、すぐ近くを歩いていながら会えなかった事を悔しがりながら、帰路についたのでした。

最後は今日の花たち

12722_064
ヤマホロシ
全国レベルで見れば、ありふれた山の花なのだろうけど。丹沢では初めて見た。
たぶん丹沢では、とても少なくなってきているのじゃないかと思う。

12722_054
トチバニンジン
これも丹沢ではとても少ない花。箱根の山ではよく見かけるけど。

12722_077
タニタデ
これも好きな野草の一つ。
ちっちゃいけど可愛らしい花だよね。

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コメント

shiroさん

滑棚沢お疲れ様でした! 単独でサクサクッとやっつけてしまうshiroさんは凄いです。 私だとモロクボの本流が精一杯だろうなぁ~。 詰めの登りはけっこうでしたね。ま、あんなもんは当たり前にありますが、水気たっぷりで滑り、焦りました。 29日のカサギ沢遊び、よろしかったらコラボお願いいたします。 花写真、対象が細く小さいのに綺麗に写っています。流石ですね~。 下降尾根、右岸、左岸とも雨やガスなど条件良くない時は止めた方が無難です。 両方とも??のとこがバッチリありますよ!

投稿: M-K | 2012/07/26 10:29

shiroさん

キリヤマです。ニアミス残念でしたね。

さて、我が隊は水晶沢の後、下山を雷木沢左岸尾根で、
と予定しておりました。しかし、水晶沢の頭はガスで
先がほとんど見えず、水晶沢の源流付近、ザレ場で
苦労しまして、探検はもうけっこう!という
気持ちになり、白石峠経由で下りました。

実は、昨年すでに雷木沢右岸を登り、左岸を下る
ルートを探検したのです。
でも、下山の左岸はけっこうややこしく、
何度かルートをミスって、最後には
白石キャンプ場より少し上流、白石沢沿いにある
登山道に出てしまいました。
M-Kさんのおっしゃる通り、分かりずらい尾根でした。

shiroさんの英断は正解だったのでは?
奥様への配慮が幸をなしたのでしょうか。

投稿: キリヤマ | 2012/07/26 13:32

shiroさん
お久しぶりです。
私も一週間前にM-Kさん隊とニアミスでした。水量豊富なモロクボ大滝良かったです。あの界隈はまだまだ探索甲斐がありますね。
仲ノ沢林道、落ち着いたらあの場所へ参りましょう!

投稿: レガー | 2012/07/26 14:06

M-Kさん、こんばんは。
『サクサクッ』なんてとんでもない。
前の週に遡行されたM-Kさんとイガイガさんの記録を、じっくり読ませていただいて、沢の様子をイメージできたから単独でも入れました。
 
詰のザレ斜面には、足がビリビリしました。もっと早く尾根に上がるべきだったかな・・・とも思いましたが、結局這い上がった小尾根の手前でキレット状になっていたので、もっと危険だったかもしれません。
シャガクチ丸の東側へ詰めるには、あそこしかないんでしょうね。
 
雷木沢の右岸尾根左岸尾根は、RFが難しいという話は聞いています。
今度コンディションのよい時に、チャレンジしてみます。

投稿: shiro | 2012/07/26 21:50

キリヤマ隊長こんばんは。
お会いできずに残念でした。
 
ザレ場が濡れていると、本当に苦労しますよね。水晶沢の詰も結構な急斜面のザレだった事を思い出しました。
僕が水晶沢ノ頭へ着いた10時半頃には、結構強い雨が降っていました。用木沢出合に降りた頃にはお日様も見えていたので、「もうちょっと粘っていればよい天気になったのか」と悔しがりましたが、稜線の上はガスガスだったんですね。あそこの稜線は、夏場はいつもガスガスです。
 
隊長は、もうすでに雷木沢の尾根を探険済みだったんですね! やはり左岸尾根はRFが難しいですか。
そう言われると、ますます行きたくなってしまいます。
そうのうちに必ず。
 
でも、隊長の言われるとおり、先日は行かなくて正解だったかもしれません。
時間を気にしている時に、未知のV尾根を下降すると、ロクな事が無いですから。何度も失敗を経験してます・・・。

投稿: shiro | 2012/07/26 22:04

レガーさん、こんばんは。
先日のモロクボ沢の記録、読ませていただきましたよ。
善六山へ詰め上がるのも、ショートコースとして面白そうですネ♪
 
モロクボ沢は、まだまだ詰められそうな支沢がいっぱい残っています。モロクボ沢ノ頭南側のキレットにも詰めてみたいし、バン木ノ頭へも詰めてみたいです。
 
その前に、東沢近辺の課題が残っていましたね!
近いうちに、一緒に行きましょう!!

投稿: shiro | 2012/07/26 22:11

花のお土産、ありがとうございます♪

ヤマホロシは花に関心を持つ以前は分かりませんが、
持ってからは見たことがありません。
ナス科の花のようだと思って、手持ちの図鑑で探しましたが、
全滅かな~と諦めかけ「金時山の花」(山頂で500円で購入)
を見たらありました。やっぱりナス科ですね。

トチバニンジンも、今までの記憶にないです。
見逃していたかもしれません。
これも「金時山の花」と「清川村の花図鑑」で引っかかりました。
やはり地もとの花図鑑が細かく拾っていますね。
というか、shiroさんの視点がマニアックなのかも~(笑)

投稿: はっぴー | 2012/07/27 11:19

はっぴーさん、こんばんは。
花の写真を見て、科名がわかるなんて流石ですね。
ヤマホロシは、丹沢では本当に珍しいと思います。丹沢山地では初めて見つけました。鮮やかな紫の花ですから、咲いていたらすぐにわかりますから。
今、神奈川のレッドデータブックを調べてみましたが、登録はされていませんから、箱根辺りでは普通に見られるのかもしれません。
トチバニンジンもそうです。箱根では何度も見た事がありますが、丹沢では初めてみました。これも背の高い草ですから、花が咲いていればすぐに見つけられるはずです。
どちらも鹿が来れないような場所で見つけました。
先日のはっぴーさんのblogにもそのような意味合いの事が書いてありましたが、丹沢では鹿の食害による草花の減少が、本当に深刻な事になっているのかもしれません。

投稿: shiro | 2012/07/27 21:34

鹿対策に狼の導入 参照 http://japan-wolf.org/content/faq/

投稿: 名無し | 2013/01/28 21:46

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