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2012/05/28

オバケ沢林道

ちょっと前の話ですが。
レガーさんから昔の丹沢、S30年代と40年代のガイドブックをお借りしたんです。
昔の登山ルートや沢の事、感心する事や驚く事、いろいろと楽しんで読ませていただきました。
印象深かったルートガイドの一つが『オバケ沢林道』。札掛からオバケ沢を経て、日高へ抜けるルートです。オバケ経路とも呼ばれています。
今となっては知る人ぞ知る、このルート。去年、M-KさんやAYさんと径路痕を探した事を思い出しました。五町歩沢までの前半部が未踏であったことも、通しで歩きたいと思っていた事も、思い起こしながら読んでいたのです。
そこで、ある事に気がつきました。オバケ沢から先のルートの事です。
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これがガイドブックに載っていたルート図です。札掛から上ノ丸を通って、長尾根(長尾尾根)の北斜面をトラバースしながらオバケ沢へ降りています。
問題はその後。しばらくオバケ沢沿いを遡上して、“堰堤”と記された地点から三角ノ頭(寿岳)へ向かって登って行く。そして山頂の南を巻きながら日高へ至っている。文章でも『沢を20分たどる』『堰堤の上でオバケ沢を離れ、右に山腹を登る道にはいる』と書かれている。

これを読むまでは、オバケ沢へ降りた後、対岸の尾根(三角ノ頭の真東の尾根)に付けられた『日高経路』と呼ばれている仕事道につながるのだと思っていました。が、そうではないようだ。

これは・・・。

オバケ経路が崩壊して廃道となったのはだいぶ昔の事。ここ数年で、S-OKさん、マシラさん、イガイガさんという丹沢Vルートの達人が札掛からオバケ沢までのルートは解明して歩かれているが、その先の堰堤から三角ノ頭へ上がるルートは歩かれていないはず。
ちょこっとググってみましたが、このガイドブックに載っているオバケ沢林道を通しで歩いた記録は見つかりませんでした。(もしあったら、ゴメンなさい)

それならば・・・

行くしかねェだろ。

ちょうど、オバケ経路の探索を考えられていたyamajinnさんをお誘いして。Yoko2さんとraeさんも加わって。

行ってきました。オバケ沢林道。前置き長くてゴメン。

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2012年5月19日

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7時20分 札掛に車を停めて出発です。

今日のメンバーはyamajinnさん、Yoko2さん、raeさん。と、僕の4名。
珍しいパーティ構成でしょう。raeさんとは去年モロクボ沢でバッタリお会いした事がありますが、一緒に歩くのは初めてです。

丹沢ホームの横から長尾尾根の登山道に入り、上ノ丸のピークを巻いて金林(キンヘイシ)ノタルに8時20分。

さあ、ここからオバケ経路に入ります。
yamajinnさんとraeさんは4ヶ月ほど前にここから五町歩沢まで歩かれている。

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yamajinnさんを先頭に経路跡を辿ります。
クッキリと道型が残っている場所もありますが、大半はウッスラ。中には完全に崩壊して痕跡すらわからない場所もある。
一度歩かれているyamajinnさんのリードだから、順調に歩みを進めますが、じゃなければ経路痕の見極めにかなり時間がかかる事でしょう。

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前方の木々の隙間から滝が見えてきた。五町歩ノ滝だ。
旧経路は五町歩沢の右岸尾根を滝の落ち口の上に巻き上がっているのだと思うが、ここは尾根を下って滝壺へ降りる。
もちろん、滝を見物するためだ。
久しぶりに訪れた五町歩ノ滝。何度見ても美形の滝だ。S-OKさんが『貴婦人の滝』と呼んだのがうなずける。
落差も10数mしかないし、水量もそれほど多いわけでもない。
でも、なんか良いんだよなァ。

ひとしきり美滝を堪能したら、左岸の小尾根を攀じ登る。途中、右手の涸沢の対岸に径路痕を確認しつつ、そのまま登って落ち口に出る。そしてここで小休止。
この落ち口から10mも登らない場所がこの沢の湧水地だ。
そして湧水地点付近の右岸に経路痕が有る事を確認する。
旧経路は滝の落ち口から10m上で五町歩沢を横断し、左岸の小尾根を降りる。そして滝壺へ降りる手前で西側の涸沢を横断していた。という事で間違い無いと思う。

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五町歩沢からオバケ沢までは、去年M-Kさん、AYさんと共に2回に分けて探索した事がある。崩壊が激しく、一筋縄ではいかない経路である事は十分承知している。

経路の崩壊は、1年前よりもさらに進んでいるように思えた。
『オバケ沢林道』・・・林道と名付けられていることから、さぞかし立派な経路だったのだろうと想像できる。奥地で焼いた木炭を引いた牛がこの経路を行き来していたとも聞く。
が、そんな面影はもう微塵も無い。かすかに経路らしき痕跡が、飛び飛びで現れてくるだけだ。

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ここを歩くのも2回目だから、こんな場所をトラバースしながらも、気楽にズンズンと進める。
ここが経路跡で間違いないという確信を持っているからだ。

「本当にここでよいのだろうか?」と思いながら、「あの尾根を回りこんだ先、崖になっていたりしないだろうか?」という不安と戦いながら歩く、初見の廃道歩きは精神的ストレスとプレッシャーがハンパ無い。

2回目であろうが3回目であろうが危険なトラバースである事は変わりないが、先を知っているという事はそれだけでかなり気が楽だ。

初めてのyamajinnさんYoko2さんraeさんは、そんなストレスを持って歩いていたのだろうけどね。

こういう廃道歩きでは、沢の横断がもっとも危険で神経を使う。
それでも大棚沢手前の小沢と大棚沢左俣は、なんとか渡る事ができる。細心の注意は必要ではあるが。

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この経路の最大の難関、大棚沢右俣に到着した。確かに経路であった証拠、保安林の黄色い標識が立っている。もう『保安林』の字も読めなくなってはいるが。

沢を渡った向こう側はほぼ垂直の岩壁。かすかにバンドはある。でも、その先は崩壊激しい急斜面ルンゼ。
イガイガさんはここをトラバースしたらしい。とり付いてみりゃ、なんとかなるのか?

いやいや。はなっからこんな所をトラバースする気は無いよ。
皆にもそう伝える。「僕の技量じゃ、ここはトラバースできない」と。そして、20mほどの下巻きをすると。
それだって、決して安全な巻ではない。 でも、高巻きはもっと危険そうだ。

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まずは右岸の崖のような斜面を10m程下る。ロープを出そうかと思っているうちにYoko2さんがサッサと降りてしまった。この人の下降テクニックはすごいんだ。以前、小コウゲ南西尾根の崖のような岩斜面を飛ぶように駆け下りるのを見て、舌を巻いた事を思い出した。
それを見て、僕もロープ無しで下降する。
raeさんとyamajinnさんはロープを出して下降。

まあ・・・こういう場所は、ロープを出すのが正解だと思う。サッとロープをセットしてスルスルっと降りる方が、安全だしスマートでカッコいいかも。

そしてさらに沢を10m程下り、左岸の小尾根を這い上がる。
這い上がるポイントはここしかないと思うが、手足総動員の急斜面だ。おまけにむき出している岩はボロボロで手をかけると剥がれる。

20mほど頑張れば経路に復帰できる。

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この先はもう沢の横断は無いので、気が楽にはなるが・・・。
まだまだ危険含みのトラバースは続く。

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こんな土石流跡の横断も苦労するポイント。

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11時25分 オバケ沢へ降り立つ。
金林ノタルからオバケ経路に入って、約3時間。
順調に歩いてきたと思う。

そして・・・。

このルートを通しで歩いた事があるのは、ニカニカ系の人達ではS-OKさんとイガイガさん、MASAHIKOさんだけだ。
ここを通しで歩く事が念願だったんだ。偉大な先輩達に並ぶ事ができた。

でも、ここからだ。

この先、三角ノ頭までのルートを解明して、通しで歩くのだ。
ニカニカ系では初のはずだゼ。

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11時50分に出発。

ガイドブックのテキストに従い、オバケ沢に沿って遡上する。
すぐに左岸に径路痕らしきものを発見。崩れた木桟道などもあり、ここに登山道があった事は間違いないと思う。
左岸の腹の径路痕を追うが、崩れている場所のトラバは本当に危険だった。
素直に沢沿いを歩くよりも倍の時間を費やして、大日沢出合で沢に降りる。

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ここからはオバケ沢沿いを歩く。
綺麗なナメ滝。前、ここへ来たのは2年くらい前だったろうか。
などと懐かしさを感じながら歩く。

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そして石積堰堤に到着。
大日沢出合より上流部に、堰堤はここしか無いはず。ガイドブックに記されている堰堤とはここに違いない。

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ガイドブックの記述に従い、左岸から堰堤の上へ出て、そのまま山腹を斜上する。
少し上がった所で経路痕を発見。ケモノ道くらいのウッスラとした跡ではあるが、Yoko2さんも「人が作った道に違いない」と言う。

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ほら、もうここなんか、こんなクッキリとした道型がある。
ここがオバケ沢林道であった事は間違いないゾ!

と喜びながら急斜面の尾根を登っていく。

山頂が近くなってきた所で、ガイドブックの地図どおり、山頂の南斜面に径路痕は向かっている。
が、この三角ノ頭の南斜面は大崩壊地帯だ。そこは絶対に歩けない。(いや・・・以前、AYさんがここの崩壊斜面をトラバースしていたような気がするが・・・)
もう、ここまで来れた事で満足している僕らとしては、素直に尾根を登って山頂へ向かう事にする。

三角ノ頭に1時半に到着。

満足です。

休憩した後、下山に入ります。

なんか気分的に、このまま仕事道を辿って本谷林道に降りるのもつまらない気がして・・・。

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帰りがけの駄賃にキュウハ大滝でも見て帰るかって事になりました。
で、1050m付近で仕事道と別れ、四町四反沢出合へ降りる尾根に乗ります。

ここも自然林のなかなか良い尾根です。

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で、キュウハ大滝を見物。

この滝、好きな滝の一つ。高さは無いけど、迫力が有るんだよなァ。

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そして。以前M-Kさん達と探し当てたトラバース経路で帰ります。

ここを歩くのは3度目だけれど、だんだん崩壊が激しくなってきているように思う。
これだけ崩壊が進んでいると、キュウハ沢の巻き道としてのメリットも薄くなってきているかも。

この後は、本谷林道へ降りて。

林道をテクテクと歩き。

吊橋から長尾尾根を乗り越して。

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17時 無事に札掛に帰還しました。

駐車場で最後のヒルチェック。

吊橋から長尾尾根の間は、登山道でヒルを見かけたよ。
途中途中でヒルチェックしたから実害は無かったものの、何匹も取り付かれました。

もうここら辺にも晩秋まで来れないなァ・・・。

 

それにしてもようトラバした日だった。
トラバース祭りだった。

今となっては、物好きの極みに近くなってきたオバケ経路。
三角ノ頭まで通しで歩いた事を評価してくれる人は、とっても少ないかもしれない。
大半の人達にとっては、なんの意味も無い山歩きなのだろうと思う。

でも。僕的にはとっても大きな意味を持っているんだ。

今回の探険は大成功!!

・・・って事で。

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2012/05/21

第9回ニカニカ集会

2012年5月13日

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師匠M-K氏が主催するニカニカ集会に参加してきました。

半年に1度、春と秋に開催されるこの集会に参加する事は、とても楽しみにしているんです。
丹沢Vルートの先輩方にお会いできるのですから。

今年の参加者はM-Kさんを筆頭に、AYさん、はっぴーさん、ミックスナッツさん、まーちゃん、yamajinnさん、EAさん、キリヤマ隊長、MASAHIKOさん、レガーさん、Tさん。僕を入れて総勢12名でした。

尊敬しているイガイガさんをはじめ、ニカニカ古参の数名の先輩方が所用で欠席なされたのは残念でしたが・・・。
それでも、今年も楽しいひと時を過ごす事ができました。

 

今年は一軒家避難小屋の北西、鬼石沢とステタロー沢の界尾根上のP1064が会場でした。

それで未だ見た事が無い、地獄棚を見物してから会場に向かおうという事で、はっぴーさんとまーちゃんをお誘いして大滝橋から出発します。
のんびりと歩いていると、後から見覚えのある顔が・・・。AYさん、MASAHIKOさん、yamajinnさんです。聞けば考えている事は一緒で、ここから6名のパーティになって地獄棚へ向かいます。

で・・・地獄棚。

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初めて目にした地獄棚は圧巻だった。
いやあ・・・良い滝だ。4~50mはあるかな。
まーちゃんやはっぴーさんの話では、今日は水量が多いという話だ。
オイラ的には、初めて早戸大滝を見た時よりも感動したかも。
いいもん見させてもらったワ・・・。

滝下の左岸から急尾根を這い上がり、一軒家避難小屋へ。
そこから会場のP1064へ向かって尾根を登り始める。

途中で山椒の若芽を摘んだりしていると、後からミックスナッツさんが追いついてきた。おってレガーさんとキリヤマ隊長も。さらに後を見るとM-KさんとTさん(この方は初めてお目にかかりました)。
結局、皆、地獄棚経由の同じコースだったようです。

11時過ぎ、P1064へ到着。ほどなくEAさんも到着して集会がはじまります。

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とりとめも無くおしゃべり。
楽しい時間はあっというまに過ぎ、13時半。下山の時間です。

M-Kさんが地獄棚沢上流部の仕事道を辿って帰ると言うので、もちろん付いて行く。そこは『探索しなけりゃいけないリスト』に入っているルートだったんだ。
皆も同じ考えだったのか、EAさん以外の11名でワイワイと下ります。(EAさんは、そのルートで登ってきたそうですから、下山は別ルートを取るのが当然ですよね)

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一軒家避難小屋の少し上流から地獄棚沢の上流部を辿りながら地獄棚下へ降りるその旧経路。
こんな場面があったり。

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こんな場面があったり。

一般にはオススメできないルートだけれど、みんなバリ馴れしている面々だから、ほどよい緊張感のあるコースをワイワイと楽しく歩いてきました。

 

そんなこんなで。

今年も春のニカニカ集会を楽しんできました。
次は秋の集会。
またよろしくお願いします。

 

オマケ

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ウヘヘ!
シュンランを見つけたゼ!
実はAYさんが見つけて教えてくれた。

咲いていた詳しい場所は・・・内緒だよ~ん。

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2012/05/04

蛭ヶ岳 ~玄倉から周回~

そういや、しばらく蛭ヶ岳に行っていないな・・・。
フとそんな事に気がついた。1年以上も行っていない。
イカン、イカン。丹沢の主峰、蛭ヶ岳参りを1年以上もあけてしまうなんて。
丹沢の山々を愛する者として、どうかと思うよ。

で、どのルートで登ろうかと地図を眺めながら考える。
そういや、南から攻め上がった事は無かったんだ。蛭ヶ岳南尾根ってヤツを登ってみよう。
とすると、玄倉に車を停めてユーシン経由で熊木沢に入るか・・・。
下山は、朝日向尾根(臼ヶ岳南尾根)だな。ここも、ちゃんと通しで歩いた事が無かったんだ。

と、決めたはいいが・・・。結構なロングコースだ。軽く見積もっても25kmは越えてるでしょう。
でも、ま、何とかなるか。全コース一般登山道だもの。
バリ尾根や沢絡みで、この距離と高低差だと無謀なコース設定になってしまうけど。
蛭ヶ岳南尾根も朝日向尾根も、破線とはいえ一応登山道だ。
(と思っていたら、最新のエアリアでは蛭ヶ岳南尾根は登山道じゃなくなってしまったんですってね。僕の持っている5年前のエアリアでは破線コースになってますけど・・・)

つうわけで、行ってきました。
結論を言うと・・・。
キツかった・・・。最後はヘロヘロでした。
久しぶりにガッツリ歩きたかったんで、満足ですけどね・・・。

にしても、キツカッタあ。翌日は太もも、筋肉痛になりました。

2012年4月29日

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6時45分に玄倉林道のゲート前に到着。GW渋滞を考えて、頑張って早起きしてきたんだ。でも、すでに6台ほど車が停まっていた。みんな早いなァ。
急いで支度をして、出発。6:55。6時台に出発なんて、オイラにしちゃ異例の早さだ。(でも、今年は早起き・早出を心がけようと思ってるんです。歩きに余裕を持たせるためにね。)

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新緑の玄倉林道。ミツバツツジも咲き始めています。
気持ち良いなあ。
オイラ、林道歩きは嫌いじゃない。むしろ好き。
林道脇って、意外と野草の宝庫なんだ。道々、野草を観察しながら楽しく歩く。

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ヤマルリソウ

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ミヤマキケマン

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ミツバコンロンソウ

などなど・・・

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そしてマメザクラ

なんて、花を愛でながら楽しく歩いて、8時15分、ユーシン入口を通過。昨秋の玄倉林道開通以来、初めて玄倉ゲートからユーシンまで歩いてきた。普通歩きで1時間20分なら、蛭稜線南面の遊びにかなり使える。寄から雨山峠越えなら早足で2時間かかるし、疲労度が全く違う。

ユーシンも奥地じゃ無くなっちゃたんだねェ・・・
ちょっと複雑。

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熊木沢出合のコンクリ橋の上で休憩した後、熊木沢へ入る。9時ジャスト。

正面にドド~ンと蛭ヶ岳。これから登ろうっていう南尾根を目で追う。
オオ・・・すんごい急斜面だ。

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沢の脇ではミツマタの黄色い花が・・・。って、ミツマタ!
GWに早春の花ミツマタを見るとは思わなかったぜ。
やっぱり、今年の春は花達がかなり狂っている。

旧林道の痕跡を辿り、一つ目の堰堤を左岸から越える。
二つ目の堰堤の手前で沢を渡渉し、右岸から堰堤を巻く。
ここら辺は、林道の痕跡は消えてしまっているけれど、なるたけ林道の跡を辿ろうと思ってサ。
でも、ここは左岸から巻いた方が良かったと思う。右岸の巻きは、ちょっと悪かった。一見、軽めの崖だが、足元がボロボロ崩れてヤバかった。

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二つ目の堰堤を越えたらすぐに、右岸に林道の跡を見つける。
後はこれをひたすら辿るだけ。

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フデリンドウを見つける。
里山じゃ珍しくも無いこの花も、山奥では少し珍しい。
と、一人喜んでみる。

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二つ目の堰堤を越えた先は、途切れる事無く廃林道が続いている。
歩きやすいから、結構速いペースでグングン進む。

熊木沢出合から50分ほどで林道の終点、西沢の一つ目の堰堤の上に到着する。

そして、ここでも休憩。
普段、単独の時はあまり休憩をとらないオイラ的には、50分で休憩はかなり異例。
暑いんだ、今日は。ザックを降ろして水が飲みたいんだ。
ここまでで、水の消費量がかなり多い。

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10時ジャスト。南尾根に取り付く。

のっけはこんなルンゼ・・・っていうより窪地?の急斜面を登る。
エアリアに破線が引いてあるからには(あくまでも数年前までですが)、道が付いている(あるいは付いていた)はずだが、それらしき痕跡は無い。
が、黄色いマーキングテープが窪地に点々と付いている。
こういうマーキングは好きじゃないし、信用もしていないが、マーキングが無かったとしてもこの窪地にルートを取るだろうと思う。樹が疎らで、ズリズリの斜面だけれど、左右の尾根筋よりはいくらか歩きやすそう。

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やがて右手の尾根に上がる。
取り付いてから、ずっと急登だ。それもかなりの急傾斜だ。

まあ、四つん這いで上がるほどの傾斜ではないし、バリエーションを歩いていれば、これくらいの急登は当たり前にある。
が、それが永遠と続くんだぜ。取り付きの1000m地点から山頂の1670mまで、ずっとなんだぜ。

おまけに暑い・・・。

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かつて、熊木林道が健在だった頃には、蛭ヶ岳山荘のボッカ道だったとも聞く。
でも、「ホントに?」と思いながら登る。こんな急斜面を20kg30kgの荷物を背負って登ったのかい?

途中、危険(と言うと大袈裟すぎますが)な岩の這い登りが一箇所。もちろん、登山道は巻いて付けられていたんだろうけど。メンドクサイから真っ直ぐ這い上がる。

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山頂が近づいてくると、道型がはっきりとしてきた。そして、岩場の急斜面にはロープがフィックス。
これくらいの場所にロープをつけるなら、途中にロープが欲しい斜面が何箇所かあったぜ。と、一人悪態を吐きながらも、ありがたくすがらせてもらう。

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右手に棚沢ノ頭から丹沢山への稜線が見えた。何度見ても良い稜線だなァ。
さあ、頂上間近の雰囲気になってきた。・・・ら、前方にイバラのブッシュ。

そういえば、以前読んだ他の人の記録にも書いてあったっけ。「山頂直下のトゲトゲブッシュに苦しめられた」と。

が・・・左手の山腹に逃げたら、あっけなくブッシュ帯を巻いて山頂に出られた。

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11時50分。蛭ヶ岳山頂到着。
自分の想定よりも30分遅い。途中、暑さでバテて、何度も立ち止まって小休止をしたから。
でも、この遅れが逆にラッキーだったんだ。

さすがGWだけあって、山頂はけっこうな賑わいだ。賑わい嫌いのオイラは、このまま臼ヶ岳まで一気に行ってから昼飯にしようと思った。
が、水が・・・。1L持ってきた水のうち、残りはもう250mlほどだ。いつも以上に水を飲んでいる。水を切らしたら命取りだ・・・と、山荘へ行って水を買う。500mlで500円。たっけェ~!! が、しかたない。命の水だ。

と、なんだかんだで10分ほど時間をつぶし、出発しようとしたその時・・・
見覚えある姿が・・・

おおっ! ミックスナッツさんとはっぴーさんだ。

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ミックスナッツさんが、クーラーボックスで担ぎ上げたヒエヒエのビール(ノンアルコール)を分けていただく。美味い事この上ない。
なんたるラッキー! イヤ、ビールの事じゃなくって、お二人に会えた事がさ。

話を聞くと、神ノ川から地蔵尾根を登ってきたそうな。そして、源蔵尾根を下るらしい。
バリバリのバリラーのお二人が、「登りも下りも一般登山道ですかい」とからかったが、考えてみればオイラもそうだった。

こういう事もあるんだねェ。お互いに登山道を歩いてきて、大賑わいの山頂でバッタリなんて。

と、話しているうちに、南尾根でお先させていただいた単独男性が到着してきたので、挨拶をして、お話をする。
お話を聞くと、このK氏、我が師匠M-Kさんのお知り合いだという事がわかって、意気投合。

なんだか楽しい、蛭ヶ岳山頂でのひと時でした。

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蛭ヶ岳山頂にて 
ミックスナッツさん はっぴーさん Kさん

しばし、話に花が咲いた後、ミックスナッツさん、はっぴーさんと共に出発。
12時30分

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丹沢最高峰の稜線にも春が訪れていました。
コイワザクラ

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キクザキイチゲ 青

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キクザキイチゲ 白

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シロカネソウ(ツルシロカネソウ)

いよいよ花の本格シーズンです。

さて

おしゃべりしながら、臼ヶ岳までの1時間があっという間でした。

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臼ヶ岳で一休みした後、お二人とはお別れです。13時50分

さあ、朝日向尾根(臼ヶ岳南尾根)の下降開始です。
経験者のお二人にこの尾根の様子を伺ったところ、「マーキング、踏み跡ベタベタで危険箇所も無し。逆に(RFを)楽しめないかもね。」との事。

ほんじゃ、一気に駆け下りますか。
と、ダダダっと下っていって・・・またまた大失敗。

100mほど下ったところで、左手すぐ横に、ぶっとい尾根が平行している事に気がついた。

アレレ・・・?

地形図を眺めながら頭をひねる。
やっちまったな。一本西側の尾根に乗っちまってる。
「迷う事無い簡単な尾根」とお二人に言われたばっかりで、ルートミスするオイラっていったい・・・。

考える。このまま下降すれば、ユーシン沢の1050m付近に降りる。この辺りのユーシン沢は危険が無い事は知っているし、そこから朝日向尾根のコルへ簡単に登れる事も知っている。このまま下降を続けても、なんの問題も無いだろう。
しかし、それでは『朝日向尾根を通しで歩く』という課題がまた残ってしまう。

クソっ!!
登り返す。
隣の尾根に、トラバースで渡れないかと、様子を伺いながら登る。が、間の谷が深く急峻で、とても渡れそうもない。

結局、山頂近くまで100mの登り返しだった。
時間にして30分ほどのロス。
イヤ、時間のロスよりも、肉体的なダメージよりも、精神的なダメージが大きい。

何やってんだよ・・・オレ。
山頂の下り初めで、ちょっと慎重に確認をすりゃいいだけなのに。
いつまでたってもこれだ・・・。

正規の尾根に戻ってみりゃ、お二人が言うとおり、踏み跡もマーキングテープもベタベタだ。
余計に落ち込む。
こんなわかりやすいルートをはずしたってか・・・。

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小虎杖ノ頭(コイタドリノアタマ、またはコイタゾーリノアタマ)、15時25分通過。
何回来ても気持ちの良い、ブナ林のピークです。

この後は順調に飛ばして、16時15分、ユーシンロッジのトイレの裏へ降り立つ。
そして17時20分。玄倉林道ゲート前の駐車場所へ無事帰還しました。

ヘトヘトです。
蛭ヶ岳南尾根、今まで登った尾根の中で一番キツイ尾根だった。670mずっと急登が続くという点で。晩春にしては異様な暑さのせいもあったかもしれないけれど。

そして朝日向尾根での痛恨のミス。
たった100mの登り返しだけれど、疲れた身体には大きなダメージだった。

でも
なんだか満足感で一杯ですよ。
久しぶりに思いっきり歩いた気がする。
やっぱり山歩きっていいよねぇ・・・。

で・・・

翌日から両太もも、ひどい筋肉痛です。
3日間苦しみました。

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