« カバの原 ~荒沢・間子小屋沢界尾根~ | トップページ | 境界尾根~宝尾根 »

2012/01/10

南大山沢から大山参り

新年の歩き初めは、先日M-Kさん達とカバの原へ行ったわけですが、やはり年初めには大山様へのお参りを欠かすわけにはいきませんから。今年はどのルートで大山へ登ろうか・・・などと考えていたわけです。けっこういろんなルートで大山へは登っているからなァ。

そんな時に、マシラさんが南大山沢から大山へ登られた記事をアップされました。それを読んで「おおッ・・・南大山沢って手があったか!」

という訳で、レガーさんをお誘いして行ってきました。

Tizu18

2012年1月8日

メンバー : レガーさん  shiro

日向キャンプ場の駐車場でレガーさんと落ち合いました。朝9時。今日も遅めの出発です。

南大山沢へ入るには、唐沢峠を越えなければなりません。ここからだと最短コースは鍵掛尾根かなァ。

1218_003

という訳で、鍵掛尾根に取り付きます。踏み跡バッチリの尾根なんだけど、なんせ急尾根。いきなり汗びっしょり。

1218_006

45分ほど頑張って、P778で梅ノ木尾根に合流しました。ここから梅ノ木尾根を辿ってP893へ向かいます。

事件があったのはP893の少し手前。単独の男性と挨拶を交わしてすれ違いました。その数十秒後、後でザザッと音がしたので振り返りました。

なんと! 先程の男性が、北側の谷へ滑り落ちていきます。

そりゃァ、驚いた。人が滑落していく光景を、初めて見たのですから。自分が滑落した事はあるけどサ。

現場は60度超はあるような急峻なルンゼだ。レガーさんと尾根を少し下った場所で、男性の姿が見えた。自力で立ち上がった。レガーさんがさらに降りようとするのを止める。無理無理。とても降りられる斜面じゃない。ロープを出そうと言うと、レガーさんがザックの底から9mm20mのザイルを出した。立木にザイルを結んで下へ投げると、ギリギリ男性の場所へ届いた。「自力で上がれるか?」と呼びかけると、「大丈夫」と答えが返ってきて、腰にロープを縛り付けながら、なんとか這い上がってきた。

イヤァ、よかった、よかった。おでこに擦り傷が有るが、骨は大丈夫そうだ。厚く積もった落ち葉がクッション代わりになったのだろう。しばらく一緒に居て様子を見守っていたが、足も大丈夫そう。自力で下山できるというので、別れを告げて先へ進む。

それにしてもレガーさん、お手柄だ。よくぞ9mm20mなんてザイルを担いでいたものだ。重かっただろうに。この日オイラが持っていたのは、6mm15mのパワーロープだから、届かなかっただろうし、切り立った斜面を這い上がるには心もとなかっただろう。

この男性。蓑毛から大山経由でネクタイ尾根を降りてきたという。そのコース設定や、この時間(10時頃)にここまで歩いてきている健脚ぶりから考えて、かなり山馴れしているベテランだと思える。そんな人でも一瞬の油断から滑落してしまうんだ。

あらためて山の怖さを思い知った出来事でした。梅ノ木尾根だってバカにできないゼ・・・。

 

さて。

その後、快調にP893、唐沢峠と越えて・・・。

1218_012

10時55分。ニカニカの聖地、唐沢大堰堤の上の河原に降り立ちました。

ここで小休止をとった後、いよいよ南大山沢へと入ります。

1218_015

水は一滴も流れていない。ただ、ゴロゴロと大岩が転がるだけの沢です。そんな事はM-Kさんやマシラさんの記録を読んで承知済み。こういうゴーロ歩きだって嫌いじゃないんだ。いや、むしろ好きな方だよ。人が嫌がるような場所を歩くのが好きなのさ。緑色の大岩の間を歩くのだって、そんなに悪くは無いぜ。

1218_017

想像以上に緩やかで穏やかな沢だった。所々に水が溜まった浅い渕が有るものの、ほとんど水流が無いから、沢歩きと呼べないかもしれない。だから歩く人も少ないのだ。

左手の尾根の上は登山道になっている。高度差もそれほど無いのだろう。時々ハイカーの声が聞こえてくる。

何箇所か二又が有るが、本流と思われる方へと進んでいく。

1218_023

何故、こんな所に堰堤が? と思ったら、垂直に切り立った岩盤だった。一見、「越すのに苦労するかな?」と思ったが、足がかりが豊富で簡単だった。

この南大山沢。名前の疑問は前々から持っていた。何故“南”なんだろう。大山から見て、北東の沢だし、大山沢から見ても北西だ。どうして“南”なんでしょうねェ・・・。

1218_024

標高1000m地点の二又。そろそろ詰を考えなくてはいけません。右又はちょっと無理そう。左又は険しいながらも何とか行けそうか? いやいや、でもでも、ボロボロ岩の雰囲気もある。今年は危険な事はしないって決めたんだ。

と、比較的登りやすそうな右手の尾根へ詰め上がる事にする。

1218_027

これまた厳しい斜面には違いないが、靴を蹴り込みながら登れる土斜面だったので、なんとかかんとか。

小さな尾根の背に乗って、そのまま登ると、本尾根と合流した。見覚えのある尾根だった。そう、石尊沢右岸尾根だ。

1218_030

見晴らしの良い送電塔の下でランチ休憩。大山から風に乗って登山者の喧騒が聞こえてくるが、この尾根は静かな物だ。向こう側に裸地尾根の不思議な姿を見ながら、のんびりとします。

そして、今日もレガーさんがストーブでお湯を沸かして、コーヒーをいれてくれる。ありがたい・・・。ご馳走様です。

1218_032

13時5分。大山山頂に到着。すんごい賑わいだね。

奥の院に参拝をして、おみくじを引く。

1218_033

大吉!!

ウヒャヒャヒャヒャ! こいつぁ、春から縁起がいいぜ。

と、気分が良くなったところで、大混雑の山頂にはもう用が無い。表参道を駆け下りる。何人抜かした事だろう。登山道を駆け下りるのってたまにやるけど、気持ちが良いよね。

1218_035

山頂から30分弱で下社へ降りる。ここもやはり大混雑です。

去年のお札を返納して、新しいお札を買う。

さあ、これでオイラの用事は終わった。

この後は、レガーさんの企画。『雷神社を探し出して参拝をする』です。

1218_038

まずは、下社から水平登山道で見晴台へ向かう。

おおぅ・・・二重滝が涸れている。よくみりゃチョロチョロと流れているけど・・・。

1218_040

見晴台のちょい手前で、登山道から離れて南へ向かう尾根に乗ります。

ここからはRFをレガーさんに任せて、お気楽モードで後をついて行く。

レガーさんの下調べでは、見晴台から南の尾根を下った途中にその雷神社があるらしい。何年か前のイガイガさんのblogに書いてあったなァ、と思い出す。簡単には見つからない場所にあるらしい。

1218_043

この斜面、尾根形状が見分けづらい上に、古い仕事道や獣道が縦横に走っている。どうやら、古い仕事道に引っぱられて、予定のルートよりだいぶ西に下りてしまっているようだ。その事を高度と沢音の関係から、レガーさんが気が付いた。それに気が付くなんてグッドジョブだ。

オイラは無責任に「面倒だからこのルンゼで沢まで降りちゃうかい?」なんて言っているが、レガーさんは高度計を睨みながら、もう少し東へトラバースさせてくださいと言う。

もちろんさ。オイラはお気楽に付いて行くだけだよ。

1218_049

そして・・・。ついに見つけた。幻の神社。尾根上の小さなピークに木々の間に隠れるように、ひっそりと鎮座していました。そしてここでもご参拝。

金色の額には『大雷神』(オオイカズチノカミと読むのだと思う・・たぶん)と彫ってある。滅多に人が訪れないようなこの場所だけれど、手入れをなさっている地元の方がいらっしゃるのだろうね。立派なお社でした。

1218_053

さて、帰路につきます。ここから日向キャンプ場への最短ルート。いったん日向林道へ出て、雷ノ峰尾根の支尾根に取り付く。

1218_057

物凄いカヤトのヤブの急斜面を登りつめて、雷ノ峰尾根の登山道へ出る。

いったん登山道を東へ辿り、九十九曲分岐の手前の尾根を降りようと相談。

間違いなくその尾根に入ったはずなのに、立派な登山道がある。「あれ?間違えて九十九曲に入ってしまったか?」と思ったのだが・・・。

1218_060

降り立ったのは、狙い通りの日向キャンプ場の真上。どうやらこの尾根、地図には載っていないが、登山道が造られていたようです。知らなかった・・・。

15時45分。無事に駐車場へ戻ってきました。

 

軽いショートコースのつもりだったのだけれど、思った以上にハードコースだった。帰りの車を運転しながら、足の筋肉がヒクヒクしていた。アップダウンが激しいコース設定だったものなァ。鍵掛尾根の急登。南大山沢の詰の急斜面。そして、最後は日向林道からのカヤトの急斜面。あんだけの急斜面を何本も登れば、足が悲鳴をあげるわナ。

それだけに、充実感イッパイの楽しい山歩きでした。

大吉だったしネ♪

|

« カバの原 ~荒沢・間子小屋沢界尾根~ | トップページ | 境界尾根~宝尾根 »

コメント

shiroさん
今回も色々とイベントのある濃い中身の山行でしたね。
高度を上げたり下がったりとさすがに最後は攣りそうになりました。
久しぶりに脚が追い込まれました。
しかし大山は雄大ですね。これだけ人気が出ても、貸し切りの尾根がまだまだ無数にありますから。
ヒル天国になる前に幾つか消化できればと思っております。
ありがとうございました。

投稿: レガー | 2012/01/11 08:54

ビックリされたでしょう。滑落事故。

その後の判断と対処は立派です。自らの安全を確保し、事故者の状況を確認てからでないと、事故現場に近づくのは危険ですからね。

「雷ノ峰尾根」の謂われは何だろうと思っていたならば、「大雷神社」があったんですね。これは、訪れなければと、気が流行ります。

投稿: yamajinn | 2012/01/11 09:24

数年前に滑落数十分後の現場を通りかかったことがありましたが、その場でとは驚きです。
shiroさんとレガーさんが居合わせて、その男性は幸いでしたね。

私も安全祈願を早く済ませなければ・・・。

投稿: ミックスナッツ | 2012/01/11 12:48

レガーさん、こんばんは。
今回もまた、面白い山行でしたネ!
最後のカヤトの急斜面は、本当にキキました。(笑)
 
僕も大山周辺には、まだまだ未踏の尾根・沢がいっぱい有るんですよ。
5月下旬頃になるとヒルの巣窟になりますから、冬の間にいっぱい歩いておくのもいいですね。雪の積もった北尾根も悪くはないハズ・・・。
 
またよろしくお願いします。
コーヒー、ご馳走様でした。

投稿: shiro | 2012/01/11 21:38

yamajinnさん、こんばんは。
そんな、褒められるような、立派な判断をしたわけではないんです・・・。(汗)
垂直に近いルンゼだったので、「とてもじゃないけど降りられない。ロープを投げよう。」と言っただけでして・・・。
 
雷ノ峰と大雷神社の関係・・・。もっと深い意味があるのかもしれません。イガイガさんの過去の記事を改めて読み直してみました。http://igaiga-50arashi.at.webry.info/200808/article_3.html
 
山頂の奥の院の祭神も雷神様ですし、大山自体が雷と関係しているのかもしれません。

投稿: shiro | 2012/01/11 21:47

ミックスナッツさん、こんばんは。
滑落した方は、幸いにも大ケガをなさっていなかったのでよかったです。
僕らはただ、上からロープを投げただけでして、自力で上がってこれましたから。
ミックスナッツさんが事故現場を通りかかった時は、滑落者は大ケガをされていたんでしたよね。(確か・・・)
もしそんな状況にあたってしまったら、パニクっていたかもしれません。(汗)
 
今年もよろしくお願いします。
お互い、安全第一の山歩きで!

投稿: shiro | 2012/01/11 21:53

shiroさん
遅ればせですが、今年もどうぞよろしくお願いいたします。

shiroさんが大雷神社 未訪問だったとは意外でした!
私の尊仏岩跡と同じくらい~
・・・と言ってみたかったのです(笑)

ミックスナッツさんの言われるように、大事が小事で食い止められ、
ホントにその方は運が良かったですね!
人ごとではなく、一歩一歩を慎重に!と思います。

大吉のご利益がいっぱいありますように♪

投稿: はっぴー | 2012/01/12 10:16

はっぴーさん、こんばんは。
今年もよろしくお願いします!

大雷神社は、全くノーマークでした。
でも、改めてイガイガさんの過去記事を読んでみると、由緒正しい隠れ社だったんですね。大町桂月とも関係あったりして。
 
改めて山の怖さを思い知りました。山ではどんな時も気を抜いてはいけませんね。
危険地帯では集中力を高めているけど、梅ノ木尾根なんてついボーっと歩いてしまいますから。
 
申し遅れましたが、尊物岩の発見、おめでとうございました♪

投稿: shiro | 2012/01/12 20:05

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/73531/53706753

この記事へのトラックバック一覧です: 南大山沢から大山参り:

« カバの原 ~荒沢・間子小屋沢界尾根~ | トップページ | 境界尾根~宝尾根 »