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2011/12/25

鍋嵐

Tizu18

2011年12月25日

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朝8時45分。宮ヶ瀬湖畔道路の温度計は2℃を表示していた。

寒い・・・。

だいたい寒いのは嫌いなんだ。暑いのは平気だけれど、寒いのは大ッ嫌い。もう、こんな日に山を歩く時は、どんな服を着れば良いのかわからなくなる。寒さに弱いから必要以上に着込む。すると登り道で汗だくになる。だからといって着込むのを控えると、稜線の寒風に耐えられなくなる。

まあいいや・・・そんな話は。

今年最後の山歩きになるかもなァ・・・と思った。いろいろと忙しいんだ、これでもサ。

今年最後(かもしれない)の山歩きに選んだのは鍋嵐。別にこの山域が好きだからではない。むしろ逆、あまり好きじゃないんだ。ヒルはバカみたいに多いし、熊は多いし。

ともあれ・・・

堤川林道から宮ヶ瀬尾根に這い上がる。

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宮ヶ背尾根を南に進んでT字路のピーク『能ノ爪』。杭に書かれたマジックを見て、心の中で舌打ちをした。以前は『能ノ爪』と書かれていたんだ。能の下に点々が打たれ、その下にさらに『熊ノ爪』と書かれている。

ここは能ノ爪(ノウノツメ)か熊ノ爪(クマノツメ)かで意見が分かれているピークだ。熊派の言い分としては、「能の爪なんて意味が通らない」という。でも、昔のエアリアには“能ノ爪”と記載されていたそうだよ。もちろんオイラはその昔のエアリアを見たことが無い。でもFu社のO氏から聞いた話だから、確かな事実だと思う。もっともO氏はその後に、「そのエアリアが誤植であった可能性も否定できないけどね。」と付け足していた。

オイラはどっち派でもないさ。どっちでもいい派。だけど、こういう落書きをするのは止めようぜ。ホント、落書きだよ、こういうのってさ。

いっそ、皆で『堤川山』って呼ぶことにしたら? これが清川村地名抄に載っている名前だから、由緒は正しい名前だと思うよ。

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さて、その堤川山から進路を西に変え、鍋嵐へ向かう。すると尾根のど真ん中に熊公の糞だ。全くあいつらときたら尾根のど真ん中に平気で糞をする。人間に対しての主張かもしれない。新しい糞ではないが、色具合から見て2~3週間以内の糞だ。

この山域の熊密度が高い事は、以前、唐沢林道で出合った研究者の方からも聞いているんだ。ピーピーと笛を吹きながら進む。

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鍋嵐に到着したが、休む事無く北側の尾根に入る。けっこうクッキリとした踏み跡。この尾根には一年半振りくらいに来たが、こんな踏み跡がクッキリとした尾根じゃなかったように思う。

最近、歩く人が増えたんだろう。去年、山と渓谷に紹介されてから、団体で来る人達もいるんだとか。

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寒いのは嫌いだけれど、冬枯れの木々は嫌いじゃない。

そういえば・・・まだ20代の頃。冬枯れの木々ばかりをモチーフに絵を描いていた時代があった。極細の面相筆で、チクチク、チクチクと小枝を描いてゆく。何日も何日もかけて。あの頃は・・・心の病だったんだろうか。今から振り返ると、そう思う。

20代のオイラが見たら喜びそうな構図だ。抜けるような青空を覆いつくそうとする灰色の雲。そして寒風を感じさせる冬枯れの枝。

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12時ジャスト。目的の場所に到着した。担いできた一束の花を供えて手を合わせる。

2週間ちょっと前、一人の山男がこの地で山に還った。

この事については多くを語るまい。語れるほど事故の詳細を知らないし、彼の事を知っているわけではない。一度だけ西丹沢の路上で出合って、挨拶をした事があるだけだ。

ただ・・・丹沢の山々を愛して止まなかったであろう彼。「丹沢の山々を自由に歩きたい」という同じ思いを持つ者同志に、手を合わせたかったんだ。そうすることで、なんだかやりきれない気持ちに整理がつくかもしれないと思った。

さて・・・

今年も残り一週間で終わろうとしています。

今年はいろいろな面で激動の年だった。

仕事面でも大きな波があった。でもそれを越えて、たぶん来年は良い方に転ぶと思う。たぶんね。

山遊びでも、生まれて初めての骨折。あの事故で、山へ対する思いは変わらないけれど、山へ対する考え方は少し変わったような気がする。

そんなわけで・・・

皆さん

よいお年を!

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