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2011/08/19

ドジふんでしまいました・・・

つい先日、師と仰ぐM-Kさんが小川谷でしくじって足を骨折した。

ショックだった・・・

2ヶ月ほど前にはイガイガさんが寄沢で骨折。さらに数週間前にはマシラさんも小川谷で捻挫をしたらしい。

どうなっちまってるんだ・・・

この1年だけで、他にもつっちーさん、Fu-Oさん、yoko2さんが骨折している。いずれも超ベテランの方々ばかりだ。

恐れおののいたね・・・

次はオレの番じゃないのかと。名人クラスの人達が次々とやられてるんだ。正直ビビった。

だけどさ・・・よく考えてみたら・・・

イガイガさん、マシラさん、M-Kさん。いずれも“神”クラスの人達だ。オイラのような下っ端に順番がまわってくるまでには、間にたくさんの達人達がいるゼ。

きっと大丈夫だ・・・

なんて思ったのが・・・

間違いでした・・・

 

2011年8月14日

なんだかモチベーションは上がらなかった。いつものように単独で行く事に一抹の不安も感じていた。それでも半分義務感みたいな感じで山へ向かう。それも変な話なんだけどね・・・。

やってきたのは先週と同じ西丹沢。先週遡行したモロクボ沢の支流、水晶沢を遡行してみようと思った。聞いた話では、険悪さの無いナメの綺麗な沢らしい。こんな気分の時には、ちょうど良いかもしれない・・・そう思ったから。

西丹沢自然教室に車を停めて、8時ちょうどに出発。8時45分、モロクボ沢のショチクボ沢出合付近で入渓。9時10分モロクボ大滝を越える。そして、10時ちょうど。水晶沢に入る。

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5~6分歩いたところでF1。5m位の滝だが、フリーで直登は無理(だと思う)。巻ルートを探っていると、写真の左端のザレ斜面に足跡を発見。

朝、自然教室のKさんから、前日にマイナールート探検隊のキリヤマ隊長とアンヌ隊員が水晶沢に入った事を聞いていたので、きっと彼らの足跡だと思った。足跡を追いかけながらザレを登ると、簡単に巻く事ができた。

滝の上はナメの連続。先週のモロクボ沢と比べてしまえば、やや見劣りするかもしれないが、美しい沢である事は間違いない。楽しんで歩く事ができた。

初めての沢だし、本流を詰めようと思った。そして水流の多い方、少しでも太い方と詰めて行った。

水が涸れた源頭部では、プチクライミングといった感じの岩棚を攀じ登り、少しだけヤブ漕ぎをして、国境尾根に詰上げた。水晶沢ノ頭と蛇ヶ口丸の中間辺りの鞍部、標高1180m付近だ。

ここまでは良い気分だった。それくらい良い沢だった。快調に水晶沢を詰め上げたので、少し天狗になってしまったのかもしれない・・・。

11時30分、水晶沢ノ頭に到着。ここで休憩しながら考える。本当は、雷木沢左岸尾根を下るつもりだった。でも、ヌタ小屋沢を下るってどうかな・・・なんて馬鹿な考えが浮かんでしまった。

12時、下降開始。雷木沢左岸尾根の北側の尾根を下り、ヌタ小屋沢1010m付近の二又に降り立つ。

未知の沢を下降する。なんでこんなバカな事をしてしまったのか・・・。「バカだから」としか答えようが無い。

理由の一つは、沢靴だったこと。わかる人にはわかってもらえると思うが、沢靴でバリ尾根を下降するのはとってもしんどいんだ。沢靴は、道の無い急斜面にはもっとも不適切な靴だと思う。土にはグリップしないし、つま先は傷めるし、足首はひねるし。

普段は登山靴を担いで沢を歩く事も多いのだが、とても重いしかさばって邪魔になる。この日は「ショートコースだし、いいっか」と登山靴を担いでなかった。

ヌタ小屋沢は、ほとんど歩いた記録が残っていない沢だ。僕が知ってるかぎりではイガイガさんくらいか。という事は、沢屋が好む、メンドクサイ滝場が無いって事だ。なんて勝手に判断してしまった。源頭部を避ければ大丈夫だろう。滝が出てきたら、尾根に逃げればイイさ。

甘い・・・。ちょっと歩けるようになったからって、天狗になるな!

 

ヌタ小屋沢は、それほど難しい沢ではないと思う。小さな滝場や、ミニゴルジュはあるものの、越えるのにさほど苦労は無い。それほど美しい沢ではないが、別に悪くは無い。

で、調子に乗りすぎてしまった。

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標高860m付近で10mの滝。

右岸から巻降りる。斜面の途中から写真を撮る。悲劇はこの直後だった。

ここはザレザレの急斜面。もっと上へ巻き上がれば良かったのに・・・。ザレ斜面のトラバースには、変な自信を持っていたのが不幸だった。

ザレをトラバースしている途中、足元が崩れた。あわてて足を蹴りこむが、沢靴ではグリップしない。斜面を滑り落ちてしまった。そのまま加速をつけて、沢床に叩きつけられる。

アホや・・・。

しばらく座り込んだまま、目を閉じる。

数分後、恐る恐る立ち上がってみる。

右手の親指が痛い。でも、足は大丈夫だ。普通に歩ける。

良かった・・・。それでも「滑落してしまった」という精神的ショックが大きく、ゆっくりゆっくり歩く。

15時ちょうど。西丹沢自然教室に無事帰還。

・・・って、無事じゃねェよ。

右手親指が腫れている。でも、激痛は無いし、突き指くらいに思っていた。靴を脱ぐと、右足も腫れている。やはり激痛は無く、ちょっとひねったくらいに思っていた。

実はこの日、山を降りた後、堰堤博士のT.I氏と会う約束をしていた。T.I氏に、ゴメンナサイの電話をいれ、傷心の中帰途につく。

ついに滑落して怪我をしてしまった。大きい声では言えないが、今まで滑落の経験は何度もある。変な所ばかり歩いているのだから当たり前だ。でも、怪我をした事は無い。腹這いになって止めたり、ストックを突き刺して止めたりしてきた。だから、変な自信を持っていたのだ。

「あんな斜面をトラバースすりゃ、滑るに決まってるじゃん。」後から思えば当たり前の事だが、恐怖心は全く無かった。それだから、注意力も欠けていた。危険な場所を通過するときは、恐怖心を持っていた方がいいのだ。その方が慎重になるし、集中力もたかまる。それが欠如していた。

それでも、右手右足の痛みは、運転に支障をきたすほどでもなかったし、大袈裟には考えていなかった。

翌朝。腫れがひどくなってきたので、病院へ行く。

右手親指、骨折。右足人差し指、骨折。左手首、左腕、左脇腹、重度の打撲。

・・・だそうだ。

当たり前だが。

アイカタ(奥様)から山禁止令が出る。

いや、それ以上に、自責の念が強い。職人として、一番やっちゃいけない事をやってしまった。右手を骨折って・・・まともに仕事できねェじゃん・・・。

 

というわけで。

怪我が完治するまで・・・そして自責の念が薄れ、アイカタの悲しみがなくなるまで・・・

丹沢好きの皆様。

しばしのお別れです。

バイバイ。 see you again

必ず復活しますから!!

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2011/08/08

モロクボ沢

3週間ぶりの山遊びです。

ようやく山へ行けるというのに、体調が今一つ良くない。「こりゃ、ロングは無理だな・・・」と思った。好きな山行スタイルはパッカパッカとロングコースを歩く事。だけど、とてもそんな体調じゃない。

そうだ。沢へ行こう。

先週、M-K師匠達がモロクボ沢からキメ岸沢を遡行した記録を、指をくわえながら読んだ事を思い出した。

オイラ、まだモロクボ沢にだって行った事が無いんだ。あの、有名なモロクボ大滝だって見た事が無い。

そうだ。モロクボ沢へ行こう。

癒し系の沢だっていうし。疲れた心身を癒してもらいに行ってこよう!

Tizu110806

2011年8月6日

8時25分。西丹沢自然教室の前に車を停めて歩きだす。歩きだしてすぐにわかった。やはり体調が悪い。舗装路を歩いているだけなのに、心臓の鼓動がいつもよりも早い。

今日は無理は禁物だ。そしてゆっくりと歩こう。

林道からモロクボ沢沿いのキャンプ場跡地に入り、やまびこ橋を渡る。ここまで40分。だいぶペースは落し気味。

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沢沿いの踏み跡を辿りながら堰堤を2つ越えた所で、沢辺に降りる。

この辺りまではウロウロとした事が有るのだけれど、ここから先は未知の世界だ。沢靴に履き替えて遡行を開始する。

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しばらくはゴーロ歩きだ。けど、なかなか良い渓相だと思うよ。ゴーロ歩きだって嫌いじゃない。いや、どっちかと言えば好きだよ。

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20分ほど歩いたところで、樹間から轟々たる滝が見えた。

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これがモロクボ大滝かァ・・・

しばし見とれる。

これは見る価値大有りだな。迫力満点だ。25~30m位はありそうだ。

さて・・・。

大滝をたっぷりと堪能したら、巻き道探しだ。

右岸にそれらしき踏み跡がすぐに見つかる。

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踏み跡を追っていくと、こんな岩棚にぶつかる。昨夜ちょっと下調べをしたのだが、『右岸のチムニーを登る』のが、この大滝の巻きルートだそうだ。

これがチムニーか? という疑問はあるが、他に登れそうなルートは無さそうだし、ここで間違いないだろう。と、取り付く。

1段目の岩に足がかりが無いが、腕力で身体を引き上げる。2段目の岩に上がった所で残置ロープに手が届いた。

古そうなザイルだ。ちょっと引っぱってみるが、けっこうビヨンビヨンしている。大丈夫かな? とても命を預ける気にはなれないが、有るのと無いのじゃ大違いだ。ありがたく使わせてもらう。残置ザイルは滑ったときの保険として、左腕に巻きつけながら、岩を攀じ登る。一段一段が高いのだが、探れば小さなホールド・スタンスはけっこう有るので、仮に残置ザイルが無くなったとしても、なんとか登れるだろうとは思う。

岩棚を這い上がった所で、落ち口に向かってくっきりとしたトレース。なんなく落ち口の上に降り立った。

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そこで目にしたのは、美しいナメ滝。息を呑むような美しさだ。

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そう。大滝の上からが、この沢の真骨頂だった。ナメ滝とナメ床が続く。

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なるほど。こりゃ癒し渓だワ・・・。

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それぞれのナメ滝は、泳げそうなくらいの深い釜を持っている。水好きの人はジャブジャブと楽しいんだろう。水(濡れ)嫌いのオイラは、腰まで浸かって釜をわたる気にはなれないが、釜の縁をへつるのもそれほど難しくはない。水量が多い時にはどうだかわからないが・・・。

水晶沢出合の手前付近からゴーロになった。爽快なナメ歩きもこれで終わりか・・・と思った。

が・・・。

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水晶沢出合を過ぎて850m付近から、再びナメが始まった。

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標高900m付近。

ナメとゴーロが交互に現れる。そしてゴーロだってなかなか美しい。

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940m付近。

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950m付近

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970m付近

ホント、飽きない沢だよ。

1030m付近で二又。西丹頂稜図によれば、右又は清水沢。左又は酉ノ沢。モロクボ沢ノ頭へ詰めるなら右。畦ヶ丸へ詰めるなら左だ。

別にどっちへ詰めたっていいんだ。初めての沢だし、本流本流と詰めて行こう。と、水量の多い左の酉ノ沢へ進む。

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1090m付近

まだまだ楽しませてくれる。

1100mを越えると、次々と枝沢が分岐し始める。地形図で確認できる枝沢も有り、確認できない枝沢も有り。毎度の事ながら、源頭部の複雑な枝分かれはとても地形図とコンパスではRFしきれない。が、とにかく本流と思う方へ詰めていく。

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上に稜線が見えてきた。最後の最後までナメ床だ。チョロチョロながら水も流れている。傾斜もかなりきつく、滑りそうな感じがしたが、意外に床がザラザラしていてフリクションがきく。

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尾根に詰上げた。が・・・ここがどこだかわからない。わからないけど、とにかく上へ登りゃ畦ヶ丸である事は間違いない。ヤブの中に、薄っすらとトレースも付いている。

高度計で確認すると、山頂まであと80mくらいだ。が、この80mの急斜面がキツかった・・・。汗がダラダラと噴出す。いつもに比べて、異常な汗の量だ。そして思い出す。そうだ・・・体調悪かったんだ・・・。モロクボ沢があまりにも楽しかったから忘れてた。

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12時20分 畦ヶ丸山頂にたどり着いた。

靴を履き替えたり、おにぎりを食べたり、若者グループと少しおしゃべりしたりしながら考える。下山はどのルートにしようか・・・。

この体調だから、厳しいルートは止めておこう。かと言って一般登山道を降りるってわけにもいくまい。一応バリウォーカーだからな・・・。久しぶりに権現山の吊尾根を行くか・・・それともショチクボノ頭経由で降りるか・・・。

なんて考えていたら空がゴロゴロと鳴り出す。南の方には真っ黒な雲も見える。

こりゃヤベェ。あわてて支度を整えて下山を開始する。12時40分。

ゴロゴロの頻度が高くなる。近くに落ちたような轟音も響く。もうバリだの何だの言ってる場合じゃない。とにかく一般登山道を駆け下りる。

と言っても、いつものスピードが出せるわけじゃない。ちょっとスピードを上げると心臓がバクバクしだす。変な汗が噴出す。それでも精一杯のスピードで降りる。

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14時ジャスト。西丹沢自然教室に到着。と、同時にザーザー降りになる。

間一髪セーフ。

なんたって身体が濡れるのが大ッ嫌いだからね・・・。

 

それにしてもモロクボ沢。

良い沢だったなァ・・・。それもとびきり良い沢だった。

また行こう。

あの沢の支沢も全て行ってみよう。

 

最後は恒例の今日の花

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御存知、イワタバコ。

まだ咲いているんだねェ・・・。そろそろ名残の花だ。

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ヒトツバショウマ

神奈川と静岡にしか生えていないんだって。神奈川でも西丹沢以外では見た事が無い。絶滅危惧種とかじゃないらしいけど、あまり見かけない貴重な花だ。

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