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2011/06/18

ビリ沢歩道と山伏沢 (後編)

癒しの沢でホクホクの巻

※ ここで山伏沢と言っている沢は、一般的には沖ビリ沢と呼ばれている沢です。昭文社のエアリアをはじめ、丹沢のガイド本にも沖ビリ沢と書いてあります。しかし、西丹沢頂稜河川土地名称図ではこの沢は山伏沢となっていて、沖ビリ沢はこの下流、750m付近から西へ伸びている沢の事を指しています。

何度も書いていますが、丹沢ではこういった例はいくらでもあり、どれが本当なのかわかりません。時代によって呼び名が変わる例も有り、どれが本当という事もないのかもしれません。が、前回の記事で述べた理由から、ここでは西丹沢頂稜河川土地名称図の記載を基にしています。

Tizu2

前回からの続き

さて。

ビリ沢歩道の下降に失敗し、ボロボロになりながら樅ノ木林道、水ノ木林道と辿ります。樅ノ木林道へ這い上がった時点で、時刻はすでに10時40分。M-K隊の山伏沢到着を10時半から11時と読み、待ち伏せする企みだったオイラは、少し焦っています。このままだと間に合わない。急ごう・・・と思うだけでスピードは上がらず。3週間ぶりの山歩きでなまっていた足は、猛烈な激ヤブとおバカなむりくりトラバースでヒクヒクしています。

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「これ、やべェな。足つるかも。」と思いながら、林道終点から金山沢に入渓する。

初めての沢なので渓相も知りませんが、見た感じ沢靴じゃなくても歩けそうだったので、登山靴のまま遡行を続けます。

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ちょうど11時。山伏沢出合に到着。初めての沢ですが、この綺麗なナメを見て「ここが山伏沢だ」とすぐにわかりました。一応念のために高度計と地形図で現在地を確認。前回書いた理由でグズグズになった地形図のコピーが、ボロっと千切れる。チッ! こんなボロでも無くしてしまったら大変だ。丁寧に畳んでポケットにしまう。

ここが山伏沢出会いに間違い無い。そしてM-Kさん達の姿は無い。とりあえず休憩をしよう。沢靴にも履き替えなければならない。

そして考える。M-K隊はまだ到着していないのか・・・もうとっくに出発したのか・・・。M-K隊は遅くても8時半には山伏峠を出発しているはずだ(あくまでも予想ではあるけれど)。2時間あれば十分ここまで来れるはずだ。きっともう出発してしまったに違いない。

11時10分 山伏沢の遡行を開始する。30分差くらいなら、沢の途中で追いつけるはずだ。

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ナメって言うのか・・・綺麗なせせらぎの沢だ。

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おっ、鹿も水浴びしている。・・・と思ったら、どうも様子が変だ。こちらに気が付いても逃げる様子が無い。と言うか逃げたくても逃げられない様子だ。衰弱しているのかもしれない。可哀相だがどうする事もできない。自然の摂理に手を出す事もできない。脅かさないように、沢から離れて大巻きする。

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滝。7~8mってとこか。これくらいなら水流際を登れそうだ・・・と、取り付くと、左岸に残置ロープが有って簡単に登れた。

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見事なナメが続く。

これかァ! 美沢と評判のこの沢。なるほど、これは訪れる人を魅了するはずだ。

本当は、水の中をジャブジャブと歩くのは好きじゃないんだ。みんな、それが好きで沢を歩くんだろうけど、とにかく足を濡らすのは好きじゃない。沢靴を履いて沢歩きをする時も、極力濡れないように歩く。

でも、ここではオイラでさえも水流の真ん中をジャブジャブと歩く。そんな気持ちにさせる沢なんだ。

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また滝。今度は10mくらい。その奥にも10mくらいの滝が見えている。

さすがに直登はしないけれど、大巻きしなくても簡単に登れる。

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標高1000mを越えた。まだまだ美流は続く。それにしてもM-K隊に追いつかない。ここまで先行者がいた形跡も無かった。

う~ん・・・。これは・・・。もしかしたら・・・。M-K隊はまだ下流か・・・。

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標高1050m。だいぶ水流が細くなってきた。ここまで上がってきても、まだナメだ。他の沢ならガラガラのゴーロか、ヤブになっているくらいの上流部だ。

もうそろそろ源頭も近いはずだ。詰の確認をしなければ・・・ポケットから地形図を取り出す。広げると、ボロボロと千切れていく。 チっ! こんなの読めねぇや。

別にいいさ。とにかく本流、本流と詰めて行こう。国境尾根か西丸の稜線かのどちらに詰め上がっても、かまわないんだ。

途中、どっちが本流かわからない分岐もあるものの、あまり気にせず気の向く方へと詰めていく。

そういえば・・・。

M-K隊の今日の目的は、この沢の源頭部に有るという鉱山跡の探索だった。どこに有るんだろうか・・・。簡単には見つからないような所と聞いているが・・・。

なんて考えながら歩いていたら、沢から20mくらい上になんか怪しそうな雰囲気を見つける。普通なら登らないような急斜面を四つん這いで這い上がる。ズリズリと滑る。フェルト底の靴だからだ。こんな所、沢靴で登るもんじゃない・・・。

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這い上がった先にはこんな物が。ピンボケゴメン。とんでもない急斜面を這い上がった直後で、手が震えていたんだ。

ほとんど埋まっているが、穴には違いない。覗き込んでみる。奥まで続いているような・・・そうでもないような・・・。よくわからん。人工の物か自然にできた穴かもよくわからん。東沢の鉱山跡には入った事があるけれど、もっと立派だったよな。ここはやっぱり、自然にできた穴かなァ・・・。

だいたい、何の鉱山跡だって言ってたっけ? 鉱山とかあまり興味が無いから。

じゃあ、なんでこんな急斜面を登ってきた・・・。降りるのだって一苦労だぜ・・・。

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再び沢に降りて、遡行を続ける。1100m付近。階段状の流れが、なかなか気持ち良い。

もう、M-K隊と合流するのはあきらめた。さっきから太ももがつり始めているんだ。

沢辺に腰かけて、おにぎりなどを食べながら、ゆっくりと休憩する。

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水が涸れて、最後の関門か。7~8mの涸棚だ。ちょっと取り付いてみたが、ヒクヒクしている太ももで無理をしたくないしなァ・・・とあっさりあきらめる。右手の尾根に這い上がって、そのまま尾根を詰める。

飛び出したのは甲相国境尾根。要所小屋ノ頭(水ノ木分岐)から200mほどの地点だった。

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1時ちょうど。水ノ木分岐のベンチで靴を履き替える。

とうとうM-K隊とは合流できなかった。後で聞いた事だが、この日のM-K隊は予定変更をして、金山歩道の探索をしてから山伏沢へ向かったそうだ。山伏沢出合の到着が12時を回っていたそうな。

なんだかんだで疲れた。けど、楽しい歩きだったなあ。この山伏沢は大当たりだった。こんなに気持ちの良い沢は滅多に無い。前回の西沢もそうだったけどね・・・。この金山沢の流域は美沢地帯なのかもしれない。これは金山沢、樅ノ木沢、西沢左又も遡行してみないといけないなあ。

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1時15分。 山伏峠に無事帰着。

見てくれよ、このドロドロのズボン。ビリ沢歩道のヤブ漕ぎでこんなになったんだぜ。ホント、あのヤブはひどかった・・・。

家に帰って、アイカタ(奥様)がヒステリックに叫んだのはもちろんだ。「子どもだってこんなに汚さないヨ!!」

 

 

最後は恒例の今日の野草シリーズです。

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ユキザサ

東丹沢では見かけない花です。

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ツクバネソウ 

なんと!5枚葉です。普通は4枚。4枚葉がこの花の特徴でもあるんです。

実はこの花、3週間前に国境尾根を歩いた時に、ハッピーさんが発見したんです。「珍しい! 5枚葉のツクバネソウだ」と。その時は花は咲いていなかった。この日、確かこの辺だったはず・・・と探したら、花が咲いていました。

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コメント

shiroさん

続編ありがとうございました。
お気の毒な鹿ちゃん・・仕方がありませんね。
私らもそ~っと左岸に離れて通ってあげました。

足跡が無い・・。鋭いです。
一人でも・・、一日前、半日前、数時間前でも
足跡は先ず分りますよね。

単独でもがいての詰め・・、お疲れ様でした!

いずれ無線機で交信するようかナ・・。(^^);
「モシモシ・・、その辺にいますか?」ナンテネ!

ユキザサ、ツクバネソウ・・ベリグーです。

投稿: M-K | 2011/06/18 12:19

M-Kさん、こんばんは。
前日が雨だったせいで、沢辺全体が濡れていたので足跡がわかりにくい条件でした。それにしても5人で沢を遡行していれば、何らかの痕跡が残るはずなんだけどな・・・と思いながら歩いていました。
まさか、金山歩道の探索をしてらっしゃったとは、思いもしませんでした。
さすが行き当たりバッタリの・・・あ、失礼・・・臨機応変のM-Kさんです。
山の中で無線ってのも無粋ですから、もうちょっとカンを研ぎ澄ますようにします。
後から考えれば、出会いのナメ滝を巻くための土斜面に足跡が残っていなかった時点で、「まだ到着していない」と気付かなければ・・・と思いました。

投稿: shiro | 2011/06/18 21:43

shiroさん

お疲れさまでした。

5枚葉のツクバネソウ、開花したんですね!
あの辺、けっこう奇形?がありましたね。
写真、ありがとうございました。

樅ノ木沢も行ってみたいですし、水ノ木沢は
冬アイゼンで歩いたので、今度は沢中をジャブジャブ
歩きたいなぁと思います。

投稿: はっぴー | 2011/06/21 17:23

はっぴーさん、こんばんは。
  
例のツクバネソウ、開花していましたよ!
5枚葉のツクバネソウなんて見た事が無かったので、おかげで貴重な写真が撮れました。happy01
 
樅ノ木沢も良さそうですね~
水ノ木沢も、もちろん行ってみたいし。
アイゼンで歩いたって事は、冬は沢が凍結するんですか?
それもまた、面白そうだなァ。
西沢の左又も、探索してみようと思っています。
 
でも、あの辺は遠いのが難点です。
行き返りの運転で疲れてしまう・・・despair

投稿: shiro | 2011/06/21 22:28

shiroさん

行ったのが2月だったので、水は流れていましたが
ところどころ凍っていました。先端に爪が必要なので、10本爪アイゼンをつけました。


そうですね、運転されるお方は大変ですね m(_ _)m

投稿: はっぴー | 2011/06/21 22:57

はっぴーさん
 
10本爪が必要なんですか!?
面白そうだと思ったけど、それじゃあ止めとこ・・・coldsweats01
そういえば・・・
4月頭に早戸川大滝沢を詰めましたが、源頭部では凍り付いていて、えらく苦労した事を思い出しました。
やっぱり沢は水浴びが気持ちの良い季節が良いですね♪

投稿: shiro | 2011/06/21 23:09

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