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2011/05/26

世附川西沢

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世附川の最深部、水ノ木沢や樅ノ木沢、金山沢、沖ビリ沢は、それはそれは美しい沢なんだって。そういう話を聞いていたから、今年こそは行かなきゃなあ・・と思っていた。

でも、樅ノ木沢の支沢の西沢なんて、聞いた事もなかった。数週間前にイガイガさんと花立小僧さんの遡行記録を読むまでは。たぶんほとんど知られていない沢だろうし、もちろん遡行した人だってあまりいないんじゃないかな。(渓流釣師達は入るかもしれないけど)

イガイガさんの記録によると、とても楽しめる沢だって。「ナメの綺麗さは思っていた以上」なんて書いてある。“丹沢のカリスマ”イガイガさんがそんな事を書いたからには、みんなこぞって行きだすぞ。あっというまに有名な沢になるに違いない。

こりゃ、踏み荒らされる前に行っとかなきゃ・・・なんて考えているところへ、M-Kさんから「西沢に行くよ~」の声が。

おいおい・・・

こんなん、付いて行かない手は無いでしょう・・・

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2011年5月21日

メンバー : M-Kさん ハッピーさん T.I さん ardbegさん shiro

8時15分頃 山伏峠を出発。ここから入山するのは初めてです。要所小屋ノ頭(水ノ木分岐)から登山道と別れ、西丸の稜線に入る。

お約束のヤブ漕ぎとダニ払い(なんとT.Iさんのズボンには5mmほどもある巨大ダニが! 恐ろしや・・・)をした後、西丸の北東尾根に入る。そのままP1004を通って、沖ビリ出合へ降りるのかと思いきや。M-Kさんの指示で途中から仕事道に入る。金山沢の800m付近へ楽々下降。

10時40分頃 樅ノ木橋到着。ここで一休みした後、沢靴に履き替えいよいよ入渓だ。

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橋の下流側から樅ノ木沢へ降りて橋を見上げる。

さてさて・・・どんな沢なのでしょうか。

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いきなり気持ちの良いナメです。素敵な沢のオーラがビンビンです。

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20分ほど遡上すると西沢出合。

二又からは両方の沢に石積み堰堤が見えます。こちらは右又の樅ノ木沢の堰堤を眺めるT.Iさん。堰堤研究家のT.I博士は物静かな人ですが、静かにテンションを上げている様子が伝わってきます。

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こちらは左又、西沢の堰堤。T.I博士によると、スンバらしい堰堤らしいよ。確かに今まで見てきた石積み堰堤の中でも、1つ1つの石がデカい。しかもよく見りゃ御影石だ。素人のオイラにも「いい堰堤だねェ~」などと言わしめる力強さを持っている。

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さあ! 西沢を遡上していきます。

ほどよい小滝。

M-Kさんとハッピーさんは、ガンガン水流の中を歩いていきます。

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そして綺麗なナメ。

なるほど・・・こりゃ素敵な沢だ。

ardbegさんは、ハイパーVの靴底のグリップが落ちていて、滑るから怖いと言いながら、ツルツルの場所を平気で歩く。

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足を濡らすのが大嫌いなオイラは、今日もマキマキ専門さ。

でも、水流派もマキマキ派も、どちらも楽しく歩ける沢だ。

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随所に滝も出てきます。登りたい人は登ればいいし、巻きたい人は巻けばいい。

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水流もだいぶ細くなってきて、源頭部も近いのかなァ・・・なんて思い始めた辺りで滝。15m以上はある。

棚状になっているので、なんとか登れるか? と思いながら、左岸側の斜面を見たら・・・なんだ簡単に巻けるじゃん。

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でも、M-Kさんとハッピーさんはイケイケだ。滝横を攀じ登るお二人を見物しながら、オイラはもちろん巻き巻きです。

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大滝を越えると傾斜もきつくなってきます。細い水流は源頭近くまで続きます。急勾配に濡れた岩。実は、早めに沢靴を脱いでしまい失敗しました。源頭近くも意外と滑るんです。

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最後は、西丹の沢のお約束。激ヤブを詰め上げて、甲相国境尾根のP1306付近に飛び出しました。

いやはや

良い沢でした。本当に楽しめました。

ごちそうさまです。

 

今日のお花

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エンレイソウ

普通は紫色の花だけれど、こういう緑に縁だけ紫の花もあるらしい。

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ワチガイソウ

これも可愛らしい花だよね

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マイヅルソウ

丹沢でも標高が高い尾根に上がらないと見れない花だ

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ヒロハコンロンソウ

こいつは初めて目にした。図鑑で調べたら、決して珍しい花では無いけれど・・・少なくても丹沢では相当珍しいと思う。だって、今まで見た事が無いもの。

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2011/05/14

カサギ大滝

2011年5月8日

Tizu

M-Kさん達がカサギ沢へ行くというので、またまたちゃっかりご一緒させていただく事に。

カサギ沢というと、早戸川の奥の原小屋沢のまた奥の沢です。訪れる人も少ない丹沢の秘境部の一つに入るでしょう。あの、仙人マシラさんが熊と格闘した、伝説の沢でもあります。

去年、ちょこっとだけ歩いた事があるのですが、時間切れでF2までしか行っていないので、その先の大滝はまだ見た事がないんです。しかも、その時、帰途の榛ノ木丸でルート判断をミスり、危ない枝沢をおバカ下降するという痛恨の失敗をやらかした、いわく付きの山域でもあります。

さてさて。今度は幻の大滝を拝めるのか? 巻きが厳しいと噂の、大滝前衛ゴルジュを越えられるのか?

ところで

この沢の名称の事ですが。原小屋沢から分けるのがカサギ沢。標高1200m付近の二又で左に分けるのがカヤノ沢にしています。が、二又の左がカサギ沢で右がカヤノ沢としている記述も見た事があります。また、原小屋沢から分かれるところからがカヤノ沢としている記述も見た事があります。正直、どれが正解なのかはわかりません。もしかしたら正解は無いのかもしれません。おそらく、呼び名もはっきりしていないのかもしれません。それだけ、人にあまり知られていない丹沢の奥深い沢なのだろうと思います。

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今日のメンバー紹介。前からハッピーさん、M-Kさん、AYさん。そしてshiroの4名です。

魚止橋を出発したのが8時50分。通い慣れた早戸川沿いの登山道を、いつものペースでユルユルと進みます。今日は雷平から原小屋沢へと進みます。

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大岩の滝を越えて雷滝の手前で沢靴に履き替えます。

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ご存知! 雷滝。

やっぱり好きだなァ、この滝。今日は水量少な目ですが、少なきゃ少ないなりに絵になる滝です。

AYさんとハッピーさんは左岸から巻きます。私は中段から写真を撮りたかったので、M-Kさんと右岸を巻きます。

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で、中段からの雷滝です。

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雷滝を巻き上がって、さらに上流へと進みます。水流を歩く者、沢辺を歩く者、それぞれが自分でルートを考えながら、勝手に歩いていきます。M-K隊はいつもこんな調子です。

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原小屋沢は良い沢です。途中までしか行った事が無いのですが、気持ち良く歩ける綺麗な沢です。

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11時。ようやくカサギ沢の出合に到着しました。一休みした後、いよいよカサギ沢の遡行をはじめます。

まずは出合のナメ滝をよじ登る。ここへ来るのは2度目ですが、前回に比べてかなり水量が少ないようです。

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F2のナメ滝。前回はここで時間切れとなり、尾根に上がりました。さあ、いよいよここからだ。カサギ沢の核心へ突入します。

滝の左岸際をよじ登った所から小尾根に上がり、F3の滝を巻きます。

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巻き上がった尾根から沢へ戻り、少し進むとゴルジュ。このゴルジュの向こうに大滝が有るという。人の侵入を阻むこのゴルジュがあるから、カサギ沢大滝が幻の滝なのだ。

もしかしたら沢屋の中には、このゴルジュを中央突破する奴もいるかもしれない。でも、普通は無理。巻こうにも、両岸とも絶壁で、とても巻けそうな気がしない。

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でも、こんな険悪な場所でも、ちゃんとルートを作る先人がいるんだねェ。

右岸の絶壁の中段にわずかなバンド。そしてそこに細いロープが張ってある。と言っても、危険なトラバースである事は間違いない。かなりの緊張した。

それにしても、このルートを開拓してロープを張った先輩には、ホント敬意を表する。こんな絶壁に何とか歩けそうなかすかなバンドを見つけた事がすごい。そして頼りないロープだけれど、有るのと無いのじゃ大違いだ。もしロープが無かったら、恐怖心で身体が固まってしまったかもしれない。

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そして・・・ついに目にした・・・。

幻のカサギ大滝。

感激・・・。

丹沢にはもっと迫力のある、あるいは美しい滝が、他にたくさん有るかもしれない。確かに高さも20mくらいだし、水量もそれほど多いわけじゃない。

でも、簡単に来れる場所じゃない。簡単に人が入れない場所にある滝。それが感動を呼ぶんだ。

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たっぷりと滝を堪能したら、今度は大滝を巻きにかかる。

左岸側の崖をよじ登るんだ。さっきのゴルジュ巻きとは違って、恐怖心は無いものの体力的には厳しさ満点だ。

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大滝を巻いて、1200m地点から左又のカヤノ沢へと入る。

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カヤノ沢は癒しの沢でした。楽しい小滝が続く。

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が、楽しい部分もほんのちょっとだけ。標高1250m付近で水流も細くなり、時刻もすでに13時。

ここら辺が切り上げ時でしょう。という事で右岸側の尾根に上がる事になりました。

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急斜面を頑張って登ると、そこは穏やかな自然林の尾根でした。

地形図を見てもわかるとおり、なだらかな広尾根です。が、こういう尾根の方がRFが難しい。尾根の分岐もわかりづらけりゃ、尾根と斜面の区別すらわかりづらい。

でも、けっこう好きなんですよ。尾根のRFは大好物です。

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尾根の末端はうって変わって急斜面。RFピッタリで原小屋沢とカサギ沢の出合に下降しました。

後は、往路を戻って魚止橋に16時10分、無事帰着しました。

 

念願だったカサギ沢大滝、ヨカッタ~。

M-Kさん、AYさん、ハッピーさん。ありがとうございました。ご一緒させていただいて、本当に良かった。ゴルジュの巻きも大滝の巻きも、それほど難しくは無かったものの、それはM-Kさん達が巻きルートを知っていたから。あそこは、巻きルートを間違えると大変な事になってしまう。単独だったら立ち往生していたかもしれないからね。

 

オマケ情報

ヒル発見。この界隈はヤマビルの巣窟ですが、いよいよ今年も活動を始めたようです。実害無しですが、私とM-Kさんの靴に、それぞれ1匹づつ取り付いていました。もちろんディート入り殺虫剤で、秒殺してやりましたけど。

 

最後は恒例の『今日の野草』

今日はたくさんの野草を発見できて、これまた大満足です。

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コチャルメル

ハッピーさんが発見して教えてくれました。1本だけポツンと咲いていました。名前もユニークだけれど、この花もユニークすぎるでしょう!?

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イワセントウ

初めて見ました。「セントウソウに似ているけど、なんか違う」と、帰ってから調べたら、イワセントウという花でした。嬉しい・・・。

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シコクスミレ

丹沢ではそれほど数多くないスミレです。私も、丹沢では、過去1回見た事があるだけ。

その他、絶滅危惧種の花も見つけたけれど、これはちょっと公表できない。希少種の生息地を守るためです。

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2011/05/10

傘をさしてお散歩 ~金時山~

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2011年5月7日

雨・・・

だけど家でグタグタしていてもしょうがないし・・・。傘をさして歩けるお山を散歩してこよう。

と、出かけてきたのが金時山。朝もだいぶゆっくりなスタートで、地蔵堂に着いたのは9時をだいぶ回っていました。

金時山へ登るのは、2年ぶりくらいかな。足柄峠の先の林道ゲートまで車で入ってしまえば楽に登れるけれど、いつも地蔵堂から登ります。花を見ながら沢沿いの道を登っていくのが好きなんだ。

そう。ここは野草が豊富な山。鹿がいないせいかな。

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前方にキツネ色の動物を発見。山の中でキツネ色の動物といったら、キツネしかいないでしょう! 追跡を開始。なんとかズーム目一杯でカメラに収められる距離まで近づけて、撮影成功。シャッターを押した直後、動物がこちらの気配に気がついて振り返る。

ウソ! 猫じゃん・・・

なんで? 何故、こんな山ん中に野良猫が?

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山頂近くでは、ちょうど山桜が満開です。水滴をまとった花も良いものです。

ちょうど2時間ほどで山頂。客のいない山頂の茶店で山菜ウドンなどを食べながら、茶店の女将さんとしばし雑談。

レインスーツを着た団体さんがドヤドヤと茶店に入ってきたのを機に、下山を開始。やはり傘を片手にテクテク歩いて1時間半。

雨の日にはちょうど良いお散歩登山でした。

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タニギキョウ

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ミヤマハコベ

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ギンリョウソウも頭を出し始めていました。

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ヤブレガサもたくさん生えていました。美味しい山菜なんだってね。食べた事がないけど・・・。

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ヤマトリカブトも芽吹き始めています。ヤブレガサやニリンソウと間違えて食べてしまう事故が、けっこう多いらしいですよ。

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2011/05/07

日高の頂を西から東へ

“ヒダカ”じゃないんだ。“ヒッタカ”って読むんだぜ。

丹沢を歩く人なら皆知っているよね。塔ノ岳の北にあるピーク。でも、わざわざ「日高を目指して登る」なんて人はまずいない。塔ノ岳から丹沢山(あるいはその逆)へ縦走する時に、通り過ぎるだけのピークだもの。

今回のターゲットはその日高。縦走登山道は南北に走っているけれど、西側から登って東側へ降りる。もちろん登山道では無い。

Tizu

2011年5月4日

連休ど真ん中だ。こんな時は、車で丹沢へは行かない。どうしても東名利用となるから、行きも帰りも大渋滞必至だもの。

電車・バスで行くのは嫌じゃないけど、西丹行きの超満員バスに1時間も揺られるのはうんざりする。ヤビツや大倉行きのバスも然り。その上、登山口も大混雑だろう。となりゃ、寄(ヤドリギ)行きのバスしかない。

新松田発寄行きの一番バスは、思ったとおり空いていた。それでもいつもよりも多い、10数人の登山客を乗せたバスは、7時20分頃終点の寄に到着。

雨山峠へ向かう登山道をテクテク歩き、コシバ沢を渡ってしばらく行った地点から、コシバ沢右岸尾根に取り付く。8時50分。

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このコシバ沢右岸尾根はツルハシ尾根ともいう。今は片付けられてしまったけれど、この尾根の取り付き点にツルハシが立てかけられていたのだ。そんな昔話じゃない。1年前にはまだ有ったはず。そのツルハシのわけは・・・なんとなく知っているけど、長くなるからまた今度。

実を言うと、このツルハシ尾根を歩くのは初めてなんだ。始めだけちょっと急登だけど、歩きやすくて良い尾根だ。Vルートだけれど、地面が固くて歩きやすい。そして薄っすらと踏み跡も付いている。けっこう歩く人が多い尾根なのだろう。

まずは未知尾根1本ゲット。

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9時25分 鍋割峠に到着。

ツルハシ尾根が意外に歩きやすく、思ったよりも早く到着できた。もしかしたら、コシバ沢沿いに上がってくる正規の登山道よりも、歩きやすくて早いかもしれない。

ショートカットルートを使って、鍋割北尾根に乗る。

この鍋割北尾根は久しぶりに歩く。2年近くぶりかもしれない。この尾根には以前から、樹木に赤スプレーのマーキングが有った。そこが気に食わない尾根だったんだ。

久しぶりに歩いて驚いた。以前からの赤スプレーに加えて、白スプレーのマーキングが増えている。

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山の樹に落書きするな!

ブナの樹に落書きなんかしやがってよぉ~。

どうしても道標を付けたいのなら、杭と槌を担いで来て地面に打ち込めよな。だいたい、バリルートに道標など要らないんだぜ。余計なお世話だ。もし、自分のためのマーキングが必要なら、他人にはわからないように目立たないヒモかテープをこっそりと付ける。それがカッコイイやり方だ・・・・と、オイラは思う。

ついでに言わせてもらうと

上の写真は970m付近の尾根の分岐点。『仏→』ってのは、尊仏土平は右の尾根へって意味だと思うけど。尊仏土平へ行くなら左の尾根へ進んで、P942手前の鞍部から降りた方が楽だし早い。オイラ、両方歩いた事があるからわかる。

まあ、人それぞれだし、それこそ余計なお世話だけどね・・・。

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10時10分 尊物土平へ降り立つ。相変わらず荒涼とした場所だ。

箒杉沢の左岸を進む。

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竜ヶ馬場沢の出合。さあ、ここからは全く未知のルートだ。

竜ヶ馬場沢に入る。2つの巨大堰堤は簡単に巻けた。

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10時45分 竜ヶ馬場沢と大金沢の出合に到着。この気持ちの良い場所で、本日初の休憩。

目指す日高西尾根は、目の前の二又の界尾根だ。

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日高西尾根は、地形図どおりの急尾根だった。距離900mで標高差450mを登る。取り付きから頂上まで、ずっと同じくらいの急傾斜が続く。

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標高1100m付近でワイヤーが現れた。ああ、そうだ。イガイガさんやミックスナッツさんのサイトで写真を見た事を思い出す。尾根の背にピンと張られたワイヤー。何のためだろう。林業用? 自然林なのに?

それにしてもこの尾根。急傾斜だけれど歩きやすい。トレースが有るわけではない。踏み跡らしく見えるのは、動物のトレースだ。たぶん、ほとんど人が歩かない尾根だ。なのにそれほど歩きにくくは無い。

もちろん、傾斜はキツイから楽ではない。汗が噴出す。ゆっくりゆっくりと歩みを進める。

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12時5分 ようやく登りつめた。鹿柵の向こう側に人が歩いているのが見えた。日高ピークの登山道へ出たんだ。

よし、本日2本目の未知尾根ゲット。

ピークで休憩中のハイカーからの奇異の視線を感じながら、登山道からそれて東の尾根へ進む。きっと、雉打ちでもするんだと思われているんだろうな。・・・まあ、いいけどね。

ほんの少し東へ行った地点で、三角ノ頭へ向かう稜線と別れて南東の尾根に向かう。オバケ沢1100m地点の二又へ降りようという目論見だ。

間違えて南南東の尾根に入ってしまったら、オバケ沢源頭部へ降りてしまう。以前、この源頭は詰めた事があるから、ここの尾根が崖状で厳しい事は見て知っているんだ。間違えたら大変だ。慎重にコンパスで方角を定める。

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ここもやはり急尾根だけれど、自然林の良い尾根だと思った。地面も固くて、歩きやすい。

こんな所誰も歩かない尾根だろうと思うが、ビックリする事に派手なマーキングテープが点々と付いている。

誰が付けたマーキングかは、一目見てわかった。誰とは言わないけれど、オイラも尊敬する丹沢Vルートの大御所のお方だ。だから、これについては何も言えない。マーキング大ッ嫌いなオイラだけどさ・・・。

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12時40分 オバケ沢1100mの二又に降りる。

よしよし、本日3本目の未知尾根ゲットだ。

さて、これからだ。計画では、オバケ沢を下降して、大日沢との出合地点から木ノ又大日の北東尾根を登り返す予定だった。だけど、ここまでで結構体力を消耗している。木ノ又大日北東尾根の500mの登り返しはキツそうだなァ・・・などと考え出す。ここから木ノ又大日へ上がれば 300mの登り返しで済む。もう今日は、ここから上がってしまおう。そうだ。ここから木ノ又大日へ上がる尾根は、歩いた事があるから、今日は沢を詰めてみよう。

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1150mで本流から木ノ又大日の西の鞍部へ伸びる支沢へ入る。

地形図を見て、「ゴルジュっぽいかもなァ」と心配していた1200m付近もなんて事無く通過。

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1250mの二又。もうほとんど水流はありません。どっちへ進むか迷った挙句右又へ。

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鞍部が見えてきた。表尾根の稜線だ。ハイカーがゾロゾロと歩いているのが見える。もう一息だ・・・が、ここからがキツかった。ズリズリ滑る急斜面を登る。一歩一歩踏ん張りながら。足が悲鳴を上げているようだ。

うまい具合に、ハイカーの列が途切れたところで稜線に飛び出した。

フ~・・・。4本目ゲット。尾根じゃないけど・・・。

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木ノ又小屋の脇から、木ノ又新道へ入る。ホソノノ尾根とも呼ばれている道だ。

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向こうに見えるのは三ノ塔尾根。右手を見れば、バカ尾根も見える。ここは好きなルートなんだ。ボッカ道だからトレースははっきりしていて歩きやすい。だけど登山地図には載っていないルートだから、ハイカーはいない。

だけど、このルートで一つ気になっていることがあったんだ。現在の木ノ又新道はとにかく尾根を下って950m付近で書策新道と合流する。でも、S-OKさんの昔の記録には、『書策新道が本谷を渡る地点から少し本谷を上流へ登った地点が木ノ又新道の取り付き』と書いてある。現在の取り付き点とは違う。

去年9月にその事を確かめに行った。取り付き点はわかったが、途中でルートを見失ってしまった。今日はそこをはっきりさせたい。

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以前はルートが違っていた証拠がこれ。1020m付近のプレート。もう、なんて書いてあるのか読めないが、薄っすらと『F5→』が見える。そして、矢印は尾根の西斜面をトラバースする方向を指している。

薄っすら残るトレースの痕跡を追う。

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崩壊斜面を巻くようにして、小さな尾根に乗る。

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ガラガラの斜面に出る。去年、ルートを見失った地点だ。よし、これで繋がった。

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そして本谷F6の下へ降りてきました。

オマケで木ノ又新道の旧ルートの解明もできました。

後は書策新道を降りるだけです。

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書策新道の崩壊地点はますます崩壊が進んでいるようです。そして、何人もの人が、親切でロープを張っているのだろうけど・・・。このガチャガチャしたロープ。かえってザックとかに引っかかって危ない。少しは整理した方が・・・。

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15時5分 無事戸沢へ下山しました。ここから大倉までのんびり林道を歩いて1時間弱。

いやはや・・・盛り沢山・・・というか、登って降りて、登って降りて、またまた登って降りて・・・。いつもながらおバカな歩きだった。

さすがに疲れた・・・。

 

 

今日の野草

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ミツバコンロンソウ

地味な花ではあるけど・・・。そうそうたくさん生えているわけではない。なかなか可愛らしい花だよ。

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2011/05/05

オバケ径路 ~大棚沢編~

5月1日

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この日のメンバー : M-Kさん AYさん shiro

M-Kさんの車に同乗させてもらい、塩水橋へ到着したのが8時半。GW真っ只中の日曜日だもの。駐車場所に苦労するかもなあ・・・なんて心配していたのに、意外や意外。塩水橋の駐車スペースはガラガラだ。この場所、普段の日曜日だってこんなに車が少ない事なんて無い。

そうか。天気予報のせいだな。予報は『曇り時々雨』。でも小雨だって事だぜ。せっかくの山遊びを中止するほどの雨は降らない・・・と思う。もちろん希望的観測だけれどさ。

まあ、小雨予報で山遊びを中止する方がまともな連中で、こっちがおバカな連中って事なんだろう。パラつき始めた雨の中で山椒の木を見つけて、ウヒャウヒャ言いながら芽を摘むオヤジ3人組は、はたから見ればかなりバカに見えるのかもしれない。

さて。

今日はオバケ径路探索の続きだ。1月に五町歩沢から大棚沢手前の尾根まで探索したオバケ径路。その先、大棚沢から大日沢までの間を探索しようってのが今日のミッションだ。イガイガさんの記録を読むと、大棚沢を通過する周辺が一番判りづらく、かつ危険をともなうようだ。いわばオバケ径路の核心部の探索が今日の目的。

決して山椒摘みではない。

・・・はず。

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おしゃべりしながらのんびり歩いたり、山椒を摘んだりしながら本谷林道を歩き、予定の取り付き地点に到着したのは、すでに9時45分。

危険が予想される探索を前にして、緊張感無さすぎ・・・の感は否めないが、M-K隊はいつもこんなペースだ。これが良いところ。

五町歩沢出合をしばらく過ぎてから本谷川を渡渉する。取り付くのは五町歩沢左岸尾根の820m付近から派生している支尾根。地形図を見れば、五町歩沢左岸尾根の方が歩きやすそうな事は一目瞭然。オバケ径路の手前で合流するしね。この尾根を選んだのは、単純な理由です。歩いた事が無いから・・・。

単純だけど、重要な理由です。

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取り付いた尾根は、凄まじい急登。「自然林で気持ちが良いネ」なんて言葉も出ないくらい。ヒーヒー言いながら手足フル稼働で這い上がります。

でも、満足なんです。

だって“歩いた事が無い”尾根だったのだから。達成感が残ります。

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標高850m付近。オバケ径路の痕跡を探しながら尾根を登っていくものの、なかなか見つからない。あれ、通り過ぎてしまった。この尾根を回り込む所までは、1月に歩いているはずなのに。ここら辺は、比較的はっきりとした経路跡が残っていたはずだけれど、尾根を歩いているとわからないものです。

ようやく径路跡を見つけて、トラバースにかかります。

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この辺は、まだ安全に歩ける範囲なんだぜ。それでもちょっと気を抜けば滑り落ちるけれどね。

言っとくけど、ここは“径路”ではないからね。“径路跡”だから。

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さあ。

問題の大棚沢に到着した。まずは左又。ここの横断にそれほど問題は無い。

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沢を横断した後の急斜面トラバースも、まだまだ守備範囲の内。

そして大棚沢右又に到着。

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右又の対岸は、絶望的な絶壁だった。

沢の横断はできる。が・・・横断した後のこの絶壁は無理。

イガイガさんはどうやってここを通過したのだろう・・・。

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まずはロープを出して、右岸の崖斜面を降りる。

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そして、滝の下で沢を渡る。

径路はこの滝の上を横断していたはずなんだ。

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少し下流へ降りてから、左岸の崖を這い上がる。そして、なんとか径路に復帰。

この辺は崩壊が激しすぎて、径路跡はボロボロです。

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径路の痕跡を見つけた後も気が抜けません。危険なトラバースが続きます。

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大棚沢の左岸尾根を回り込む辺りで、ようやく安全に歩けるようになりました。この辺は径路もくっきりと残っています。

ここでは、これが“くっきり”なんだって。ホント。

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12時20分。大日沢へ降り立ちました。

とりあえず・・・。

本日のミッション完了です。

これだけの距離を歩くのに、何時間かかってるんだ!

 って感じですが・・・。

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帰途は楽して大日沢を下ります。

大日沢もこの辺りは簡単に歩ける沢ですが、登山靴で濡れずに歩こうと思うとちょっと難易度が上がる。本谷林道へ上がる最後の堰堤下の難所で、巨匠二人が相次いでジャッポンをするのを見てから、じっくり渡ったオイラは一人セーフ。ウッシッシ・・・。ってスミマセン・・・。ホントはオイラがルートチャレンジしなきゃいけないのに・・・。

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本谷林道へ上がったとたんに、小雨とは言えないくらいの雨が降り出してきました。なんていう運の良さ。これも日頃から山神様にお参りを欠かしていないおかげさ。

短いながらもとて充実した山歩きでした。長い事気になっていた、オバケ径路を解明できた事が、なによりも嬉しい。

M-KさんとAYさんは、『1回目 五町歩沢~大棚沢右岸尾根』『2回目 金林(キンヘイシ)ノタル~五町歩沢』『3回目(この日) 大棚沢右岸尾根~大日沢』とオバケ径路を踏破した事になるわけです。

ところが・・・

2回目に不参加だったオイラは、まだ踏破した事にはならない。これは絶対にこのままにはしておけない。それも通しでやってやる。金林ノタルから大日沢まで、通しでね。イガイガさんや、マシラさん、S-OKさん達のようにね。

近いうちに・・・

と言いたいところだけれど・・・。ヤマビル軍の大勢力地帯のこの山域。5月も半ばを過ぎれば、奴らの攻勢が始まります。で・・・そこは様子をみながら、そのうちに・・・という事で。

今日の野草 

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シロカネソウ(白金草)

まさに咲こうとしています。この花が咲き始めたら・・・山にも暖かさがやってきます。汗をかきながら尾根を登る季節がやってきたなァ。一番気持ちが良い季節だ。

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2011/05/02

鍵掛沢と石尊沢

2011年4月30日

Tizu

この日は午後から予定有りだったので、午前中だけお散歩のつもり。日向薬師の周辺でも軽く散策してくるかと伊勢原からバスに乗りました。山歩きの格好をしているのは、私の他は2組だけ。GWの土曜日ですから、ヤビツや大倉、西丹行きのバスは超満員だろうに。この辺の山は人知れずって感じで静かですね。

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8時15分頃。日向薬師に降り立ち、林道を歩き始めます。林道沿いには春の雑草の花がいっぱい。雑草好きとしては、いちいち立ち止まって写真を撮るので、なかなか先へ進めません。

おっと。オドリコソウを発見だ。好きなんだよなァ、この花も。

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9時10分 林道の終点まで歩いてきました。ここで日向川は、鍵掛沢と屏風沢に分かれます。両方とも未知の沢ですが、今日は鍵掛沢に入ってみましょう。

まずはこの巨大堰堤。いや、堰堤ではなくてダムです。だって銘板に『鍵掛ダム』と書いてあるもの。右岸側から簡単に堰堤の上へ上がれます。が・・・。堰堤上から沢の上流部へ降りられない。右岸は岩壁になっていて、とても無理。

とりあえず、尾根に上がって沢へ降りるルートを探ります。すぐに沢へと降りる、くっきりとしたトレースを見つけました。

堰堤から100m(距離)ほど上流で沢へ降り立ちました。

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そこには滝。しょぼいけど滝。

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滝のすぐ上で石積堰堤発見。これは、堰堤研究者AKB(AEKだったかな?)のT.I氏に報告をせねば。

と・・・よく観察をすると、どうもセメントで固めているっぽい。これはAKB(?)のT.I氏のお好みでは無いっぽい。

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それにしても渋い沢だ。

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渋い・・・渋すぎる。

でも、山屋でも無く沢屋でも無い、ヤブ屋のオイラにはお似合いだとも言える。

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おおっ! なんだこれは!? 滝に岩が挟まって、堰堤となっている。自然が作り出した堰堤だ。これはAKB(ん・・・AEKか?)のT.I氏的にはどうなんだろう。

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標高570m付近。またもや石積堰堤だ。2段になっていて、下の段は崩れている。これはセメントで固めていないぞ。AKBのT.I氏が喜ぶタイプじゃあるまいか・・・と、腕を組みながら観察するも・・・。堰堤の事はさっぱりわからん・・・。

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ほんの3~4mのプチロッククライミング。巻こうと思えば巻けるけど、ちょっと遊んでみる。

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源頭部はけっこう急傾斜です。ラスト30mでギブアップして尾根に逃げるもこっちも急斜面。

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10時30分。ゼイゼイしながらP778に這い上がる。

ここで携帯にメールの着信。(ここは電波が入るんだね) 午後の予定の日延べの連絡メールでした。

という事は、今日は終日フリーだ。ここから梅ノ木尾根で戻るつもりだったけど、それじゃあもったいない。

どうしようかねェ・・・。と、少し考えて石尊沢へ行ってみる事にする。

P893から唐沢峠へまわり、唐沢へ降りる。

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唐沢大堰堤の上には、ヒトリシズカが群生していました。この花、咲き始めのこの姿が可愛いんだ。葉っぱに隠れて恥らうように咲く姿。

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11時25分。石尊沢と南大山沢の出合地点。ここから石尊沢へ入りますが、水は一滴も流れていません。

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が、100mも進まないうちに水流が現れます。そこそこの水量です。この水が全て、土中に吸い込まれていくんだね・・・。不思議・・・。

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なかなか雰囲気の良い沢です。緑の苔がとても美しい。

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840m付近の二又。どうみても左が本流ですな・・・と、左又へ進む。

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ミヤマキケマンなんて、それほど珍しい花でもないけどさ。渓流沿いの岩にしがみついて咲く姿に、ちょっとグっとくる。

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どうよ、この小滝。まるで日本庭園みたいじゃないか。

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お散歩気分でのんびりと歩くには、ちょうど良い沢です。

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標高930m付近でついに水流はなくなり、ゴーロ歩きになりました。

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950mで二又。どっちへ進もうかと、地形図を見ながら考える。両方の沢を見通してみるが、どちらもこのままゴーロが続く予感。ここから大山まで300m詰め上げるんだ。急傾斜になってくるのは間違い無い。先週、本谷沢でガラガラの急斜面を詰めた、苦しい思いがよみがえる。2週連続でガラガラ詰めってのも、バカっぽくて嫌いじゃないけどネ・・・。ここは界尾根に登っちまえ。

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と、取り付いた尾根もまた急尾根だった。まあ、木が生えているだけガラガラの急登よりマシさ。木を掴んで身体を引き上げる事ができる分だけ、少しは楽だ。

でも、地形図で気になっている事があるんだよね。標高1130~50にかけて、尾根上に崖地記号が付いているんだ。行き詰ったらどうしようと思う反面、どんな地形なのか見てみたいって思いもある。だって、尾根上ど真ん中に崖記号なんて、見た事がないからね。

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問題の地点に来てビックリした。ウッヒャ~! なんだこりゃ!!

ここで思い出した。AYさんが大山の尾根に眺めが良い裸地尾根が有ると言っていた事を。ここがそうだったんだ。

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ザレザレのヤセ尾根だけれど、傾斜が緩いから、さほど問題も無く通過はできる。

振り返ってみると・・・。

んんん・・。霞んでいて眺望はイマイチ。だけど、空気が澄んだ日には、最高に眺めが良いだろうなァ。

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13時15分。大山山頂に登り詰めました。

いやはや、物凄い人、人、人・・・。山頂は大混雑です。大山様にお参りを済ませて、さっさと下山にかかります。

ヤビツへ降りても、ケーブル駅へ降りても、満員バスなんだろう・・・と思うと・・・。エエイ! 南尾根を鶴巻温泉まで下ってしまえ。

登山客で大渋滞の表参道から南尾根に入ると、ピタっと人が消えた。思ったとおり誰もいない南尾根を気持ちよく飛ばす。

が・・・。浅間山、高取山、念仏山とアップダウンが続くこの尾根。思ったよりもキツかった・・・。鶴巻温泉までの3時間。ヘロヘロになりました。

 

オマケの画像

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トウゴクサバノオ

丹沢では初めて見つけた。小さな小さな花だけれど。

なんだか嬉しい・・・。

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