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2011/01/11

大滝峠

昨年末のS-OKさんの忘年会の席で、世附の山々にお詳しいHP『yamanoko』のK氏から興味深いお話を伺った。昭和の初期には、大滝沢の一軒家避難小屋辺りにも集落があって、子供たちは大滝峠を越えて地蔵平の小学校分校まで通っていたのだそうな。

やっぱり。あのセギノ沢沿いの古道は、重要な生活道路だったんだ。地蔵平から大滝峠までの古道の探索は、昨年11月にSさんと一緒に行った。が・・・、最後の沢の詰でルート選択を誤って、大滝峠よりも200m程南西のコルへ詰め上げてしまった。

あの時は、ちょっと悔しかったのだ。後からハッピーさんにも「よく見れば径路の痕跡がわかったはずヨ・・・ウフフ。」なんて言われてしまったのだ。

いつかまた、正しいルートを確かめに行かねば・・・と思っていた気持ちが、ムクムクと強くなる。

よし! 行こう。その昔、子供達が毎日歩いていたという大滝峠へ! 峠周辺の古道の痕跡を探しに。沢の源頭部で、古道がどのように付いていたのかを探りにいくのだ!!

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1月9日

私にしては、いつもよりも早目の7時15分頃。西丹沢自然教室の駐車場に車を入れる。あ、イガイガさんの車を発見! もうすでに出発された後のようだ。まだ日の出から30分も経っていないというのに・・・ドンだけ早いんだ。

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支度を整えて7時25分出発。西沢沿いの登山道を登る。早朝の冷たい空気。とても清々しいなんて言葉が出てこないくらい寒い。

ボケーっと歩いていたら、権現山への登山口(現在は登山道では無いけれど)を通り過ぎて下棚出合まで来てしまった。戻るのもシャクなので、そのまま下棚沢右岸の斜面に取り付く。急斜面をヒーコラ言いながら40m程登ったところで、旧登山道へ乗った。

後はひたすら権現山へ向かって登る。権現山と畦ヶ丸の吊尾根に乗った所で進路を西へ。鬼石沢左岸尾根を少し南下してから鬼石沢へ降りる。そして鬼石沢沿いに下降する。

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最初の目的地、一軒家避難小屋に到着。9時55分。時計を見て、「えっ!」と自分でも驚く。2時間半もかかってしまった。ここまで2時間くらいの予定だったのに・・・。吊尾根でのんびりとサンドイッチを食べたせいか? 鬼石沢へ降りる西沢径路で、ルートを見失ってガレ場のトラバースで手間取ったせいか?

この避難小屋の上の高台に平らな場所が有るのは、以前から知っていた。そこが集落の跡地に違いない。まず、集落跡を探索してみようと思っていたのだが、時間が押しているのが気になって早々に出発する。

ステタロー沢沿いの登山道を登る。その昔の古道もこの径路だった事は間違い無いと思うんだ。現登山道は、標高920m付近で右岸の尾根に上がり、尾根上を大滝峠上まで上がる。その沢から尾根に上がった所のコルから、トラバースする踏み跡が有る事は知っていた。たぶんそこが、大滝峠へ向かう古道だろうと見当をつけていた。

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10時20分。そのコルへ着いた。右上へ登るのが現登山道。左下へ下る踏み跡には立入禁止の表示が有り、枯木でとうせんぼしてある。

よし! 行こう。枯木をまたいでトラバース径路へ踏み入る。

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曖昧な頼りない径路の痕跡を辿ると、時々こんなはっきりとした道型も現れたりする。幅1m以上はあるだろう。子供達が歩いていた頃は、こんな立派な道だったんだ。

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かと思うと、崩壊斜面。トラバース廃道には付き物だから覚悟はしていたが、やっぱり緊張する。そして、けっこう体力を消耗して疲れるんだ、これが。

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思ったとおり、大滝峠へ出た。10時40分。

西側(写真右)のヤブの向こうに、薄っすらと道の痕跡が続いている。11月の探索ではここへ出たかったんだ。

おにぎり休憩をとって気合を入れなおしてから、ヤブの中の経路跡へ踏み入る。

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はっきりとした道型がわかるだろうか。やっぱり幅1m以上はある。

尾根を回り込んだところで、道型は崩壊斜面へ飲み込まれていた。そのままトラバースして沢へ降りる。

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降りた沢から下流側を見たところ。11月の探索ではこの沢を上がってきて、そのままこの沢を詰め上がってしまったのだ。

さて・・・。古道はこのまま沢底を降りたのだろうか? 違う気がする。今まで、いくつかの丹沢古道を探索してきたが、そんな道のつけ方はあまりしないはず。

写真の左上。倒れかけた木の脇に、薄っすらと道型が見えないか? きっとそうだ。

と、古道の痕跡らしき場所へめがけて、斜面を這い上がる。思った以上にザレザレの斜面に苦労をしながら。

なんとか登ってみると、やはり古道の痕跡に間違い無いと思う。

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痕跡を辿るとすぐにまた崩壊斜面だ。でも、よく見れば、崩壊斜面の向こうにも道型が続いている。

崩壊斜面をトラバースする。が、落ち葉の下は白ザレだ。ズリズリと足が滑る。怖えぇ~。下を見ると、沢底まで10m。このくらいなら滑っても死なねぇか・・・と思いながら必死のトラバース。

何を好き好んで、こんなバカな事をするんだろうね・・・。

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何とかクリアしたと思ったら、またまた崩壊地にぶち当たる。

降参です・・・。

崩壊斜面の倒木に掴まりながら、沢へと降りる。降り立ったのは標高870mの二又地点。

ここから下流側の斜面を観察するが、古道らしき痕跡は無い。もしかしたら、古道もここで沢へと降りたのかもしれない。ここからだったら、水に濡れずに沢沿いを歩ける。そして、その先は昨年11月に探索済みだ。沢沿いに古道の痕跡を見つけている。

大滝峠周辺の古道のルートを解明できたぞ!

それがこれだ。

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さて・・・時間は11時を回っている。予定以上に時間をくっている。地蔵平まで下ってから、適当な尾根を登り返してこようと思っていたのだが、ヤメタ。そんな事してたら、明るい内に下山できなくなるかもしれないからね。

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標高860mの二又を北へ入る。水量からみると、こっちがセギノ沢の本流だろう。

少し沢を遡ってから、左手の尾根へ上がる。

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急登だ。40mほど急斜面を頑張って、尾根の背に乗る。

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乗った尾根は、気持ちの良い尾根だった。少しヤブっぽい場所も有ったものの、難なく標高1000m付近でバケモノ沢から登ってくる本尾根に合流した。

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進路を北東へとって、畦ヶ丸を目指す。なだらかで歩きやすい良い尾根だ。何よりも、踏み跡、マーキングが一切無いのが良い。

「こりゃ、もうけもんだ。」なんて、ホクホクしながら歩く。

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標高1030m付近で朽ちた道標。え!? 踏み跡も無いこんな尾根に何故。と思ったら、尾根を巻くように古道の痕跡がある。道標の左手には『大滝峠』、右手には『城ヶ尾峠』という文字がかすかに読める。

そうか・・・。以前、この辺りを東海自然歩道が通っていたはずだ。それがここか。この古道も、いずれやっつけなきゃなるまい・・・。

という思いを残しつつ、さらに尾根を上がる。

が・・・

気持ち良く歩けたのはここまでだった。

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だんだんヤブが濃くなってきて、標高1100m付近から上は激ヤブだ。

先だって、東丸・西丸の激ヤブを歩いた事があるが、あそこにも匹敵するヤブだ。東丸・西丸のヤブには、トレースが付いていたが、こっちにはそれも無い。わずかなケモノの通った跡を追いながら、ヤブを掻き分ける。

傾斜もきつくなってきた。こういうヤブ地では、見通しが利かないから、尾根の背を外すわけにも行かない。ジグザグ登りもできず、ひたすらヤブの急斜面を頑張るしかない。

大汗をかく。こんな厳冬期に大汗をかけるなんて幸せだゼ。

標高1200m付近で、畦ヶ丸の南側の登山道に飛び出す。

ヤレヤレだ・・・。

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畦ヶ丸山頂、12時30分。さすがに大休止をとらなければ、身体がもたない。誰もいない山頂で、20分ほど休憩。

それにしても、昼時の畦ヶ丸山頂に誰もいないなんて・・・・。西丹沢もオフシーズンに入ったんだね。こっちは、人が少ない方が好きだけれどね。

下山は下棚沢左岸尾根(と言うのか、本棚沢右岸尾根と言うのか・・・)を下る。

Vルートとしては有名なこの尾根も、実はまだ歩いた事が無かったんだ。

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有名なVルートだから、マーキングテープがベタベタか。なんて思っていたが、一切無い。こりゃ良いや。昨年、松田警察が西丹沢のマーキングテープを剥がして回ったなんて話を聞くから、そのせいかもしれない。

でも、ホント。その方が気持ちが良いよ。こっちはRFを楽しみたくてVルートに入るんだからサ。

この尾根、それほど難しいRFではないが、それなりに尾根の派生が有って楽しめる。良い尾根だねぇ。

もしRFをミスって支尾根を降っちまったら、下棚沢か本棚沢へ降りてしまう。どちらも、とても降りられない大滝が有る沢だ。沢へ降りてしまったら、サア大変。そんな適度な緊張感も良い。

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標高1040m付近の小ピーク。空き缶やらヘルメットやらワイヤーやらが散乱している。山仕事の人達が置きっぱなしにした物だろう。他の人達のHPでみた事がある光景だ。

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ここから先には薄っすらと仕事道の跡が付いている。でも、踏み跡だけを頼りに歩くのは危険だ。薄い踏み跡は、落ち葉でさらに判りづらい。

やはり地形図とコンパスでのRFは必要さ。逆にそうでなきゃ、楽しめないだろう?

一番わかりづらいのは、P911の先。ここで進路を南に変え、すぐに東に変えるのだが、尾根の形が曖昧で判りづらい。こういう地形の所では、踏み跡も曖昧になるからなおさらだ。

ここは慎重に進んだ方が良い。RFを間違えたら、下棚の上流へ降りてしまう。下手したら命にかかわるからね。

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なんとかミスる事無く降り立った。下棚沢出合の少し上流。トラロープでとうせんぼがしてあった。

気持ち良い・・・。なんとも言えない達成感。これだから未知尾根下降はやめられない。

さあ。時間は14時。

なんだか疲れた。考えてみれば、登ったり降りたり、ずいぶん歩いたものなァ。

この時間だったら、西丹沢自然教室でイガイガさんに会えるかもしれない。自然と足が早くなる。

そして、14時20分。自然教室に無事帰還。

イガイガさんの車はすでに無かった・・・。

ドンだけ早いんだ・・・。

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コメント

shiro さん

いろいろバラエティに富んだ欲張りコース、お疲れさまでした!
にしても、「ウフフ」な~んてあおりましたかねぇ、ウフフ。

峠から下って向こう側に見える痕跡は、
見ただけで辿らなかったのでshiroさんのおかげで分かりました。
それと、あおる?のが効果的とも分かりました(笑)

投稿: はっぴー | 2011/01/15 09:17

shiroさん

おつかれどす~。(^^)v

ヘッヘッ・・、あおったり、煽られたり・・。
これもまた楽しい・・ですよね。(形にしていなくても) セギノ沢に下りて対岸の尾根に登り返し・・。
シマッタ、シマッタ、お先にやられてしまいました。
しかし、東自歩道過ぎの藪コギ・・、これはしっかり分っていたのです。(AYさんの記録で知っておいででしたか?)今年いつか行こうと思っていたのです。

投稿: M-K | 2011/01/15 19:18

ハッピーさん、こんばんは。
ハッピーさんに続いて、なんとか大滝峠の古道ルートを解明する事ができました。
源頭部右又の支沢の左岸についている古道の痕跡、やっぱりハッピーさんも気が付かれていたんですね。
あそこは、わざわざ歩かない方がいいです。ひどい崩壊斜面の連続でした。『あそこに古道が付いていたんだろう』という事さえわかれば良いことなんですからネ。
その後、ネット上を検索してみましたが、わざわざあの痕跡を歩いたのは、イガイガさんくらいですかねぇ。(笑)

投稿: shiro | 2011/01/15 22:23

M-Kさん、こんばんは。
セギノ沢の右岸の尾根。やっぱりAYさんも歩かれていたんですね。あんなぶっとい尾根、AYさんが歩いていないわけが無いだろうとは思っていましたが。AYさんの記録には一通り目を通しているはずなのですが・・・なにしろ膨大な記録ですから、全てを覚えきれません・・・。
 
旧自然歩道との交差地点から上は、ひどいヤブ漕ぎでした。ヤブがそんなに嫌いじゃない私ですが、さすがに参りました。ダニもいましたし・・・。
 
>今年いつか行こうと思っていたのです
その時は、声をかけてくださいね! 今度はバケモノ沢から本尾根を登ってみたいです。

投稿: shiro | 2011/01/15 22:29

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