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2010/12/06

そうだ・・・蛭ヶ岳へ行こう

もう、じきに雪が降りだすんでしょう。

紅葉も終わって、だいぶ寒くなってきた。寒いのが苦手なんですよねぇ。だいたい、真冬はあまり山へは登らない。特に蛭ヶ岳あたりの奥地の標高が高い所へは。雪や凍りついた斜面をガツガツと登るような趣味は無いのさ。

別に山男じゃないんだよ。ただの丹沢好きサ。

そうだ・・・

今のうちに蛭ヶ岳へ登っておこう。これが今シーズンの最後になるかもしれないな・・・。

1204

12月4日

早戸川林道の魚止橋に車を止めて、出発したのが8時。

今日は、まだ歩いた事が無いルート。本谷沢と白馬尾根の間に有るという、“魔法のロープ”を探すのが最初の目的です。

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雷平へ向かって、登山道を歩く。早戸川の最初の渡渉地点。今日は橋はちゃんと掛かっている。が、いつもよりも水量が多い。轟々と流れている。

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雷平に掛かる橋。先日来た時よりも、だいぶ傾いている。こりゃまともに渡れんわ。サーカスじゃないんだから。

橋を渡り終わって一息ついていると、ついさっき抜いた男女のパーティーがやってきて、橋を渡れずに難儀していた。戻って、ぐらぐらする橋の端を(駄洒落じゃねーゾ)抑えながら、横座りで渡るようにアドバイスする。

これからどこへ行くのかと聞くと、早戸大滝から蛭ヶ岳か丹沢山へ行きたいとか。「この先もこんな橋があるようじゃ、とても行けないわ。」というご婦人に、「この先には橋すら無いですよ。今日の水量じゃ、足を濡らすつもりじゃなきゃ行けませんよ。」と言うと、二人ともかなり戸惑った様子。大滝から上は、大滝新道を登るのか、瀬戸沢ノ頭へ登るのかと聞くと、わからないと言う。こっちがビックリする。どうやら地図も、絵地図しか持っていないらしい。地形図を持たずにバリエーションに来るとは・・・。

「稜線へ登りたいのなら、白馬尾根を行ったほうがいいよ。トレースがしっかり付いているし、とにかく上へ上へと登れば鬼が岩に上がるから。ここなら地図無しでも登れるから。」とアドバイスして、白馬尾根の取り付き口を教え、先を急ぐ。

イガイガさんのサイトにもそんな事が書いてあったが、ここ早戸大滝へのルートへは、けっこう気軽に来る人が多いような気がする。エアリアに赤破線がついてはいるが、雷平から先にはもはや経路は無い。河原の歩きやすそうなルートを自分で選び、橋のない場所での渡渉を繰り返し(最低でも5回)、歩かねばならない。そんなハイキング気分で来るような場所じゃないと思うんだけどなァ。

まあ・・いいや。そんな他人の事は置いておいて・・・と。

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9時40分。 大滝沢と本谷沢の出会いに到着。今日はここから本谷沢へと入る。こっちへ入るのは初めて。ゴロゴロとした沢辺を登る。この左岸に魔法のロープが有るはずなんだ。

イガイガさんの記録を読んでいるから、おおよその場所はわかっている。

標高1000m付近。この辺のはずだと、ゆっくり歩きながら左岸の斜面を舐めるように観察する。

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見つけた! 枯葉に埋もれるようにトラロープ。こりゃわからないワ・・・。「この辺に有るはず」と探しながら歩いていたから見つけられたけど。

この“魔法のロープ”、誰が設置した物かはわからないが、数年前にイガイガさん達が探し回って世に知らしめたロープだ。不確かな情報だけで見つけ出したイガイガさん達の苦労が偲ばれる。

ここで休憩をとって、ロープに取り付く。10時5分。

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ロープはどこまででも続いている。急斜面を登り、尾根の腹を斜上し。途中途中、ロープ無しでも登れるような緩斜面もあるのだが、安全なルートを導くかのように、ロープは上へ上へと続いている。

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標高1090m付近。尾根の背に上がった所で、ロープは終わった。

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この後は尾根上を登る。気持ちの良い尾根だ。このまま尾根づたいに登れば、白馬の本尾根に乗れるとは思うが、この先に“上のロープ”と呼ばれているロープも有るはずだ。イガイガさんの記録をよくよく読んだ結果、尾根上ではなくて、尾根の左の腹についているんだと思うんだ。1260m付近から、尾根の背から左の腹を斜上する。ロープは見つからない。ちょっと行き過ぎだと思った。今度は折り返して斜上する。

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見つけた! トラロープが上へと続いている。下を見ると、ずっと下へも繋がっている。

結局下端がわからないままだが、ロープにすがって急斜面を登る。

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1350m付近でロープは終わった。そこはカヤトの原の下端だった。

カヤトを掻き分け掻き分け上へと登る。トレースは有るような無いような・・・。トレースを辿るといきなり消えたり、下へ戻ったりとするから、 これはケモノの踏み跡だな。

どうやら“魔法のロープ”ルートを歩く人は、下のロープだけを使って尾根上を歩く人が多いのだろう。上のロープを使う人は少ないのかもしれない。

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カヤトの向こうに鉄の枠が見えてきた。白馬尾根の経路を歩く時、いつも見ている不思議な鉄枠だ。(たぶん古い鹿柵の扉枠だけが残ったんだろう)

フゥ~・・・。やっと本尾根に乗れたか。

ヨシヨシ。魔法のロープルート、征服したゾ。上のロープの下端は見つけられなかったけれど、まあ『成功』という事にしといてやるか。

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鬼ヶ岩へ登りつめたら、素晴らしい眺めだった。富士山がくっきりと! 何度と無くこの稜線に来ているけれど、今迄で一番の眺めかも。

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12時30分。 蛭ヶ岳の山頂に到着。白馬尾根からここまで歩きながら、少し体調が悪い事に気がついた。いつもより身体が重い。家を出るときに、少し風邪っぽい事に気がついて、薬を飲んできたくらいだから。

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富士山の右手に南アルプスもくっきりと見える。どれがどの山だかサッパリだけどね。

13時。蛭ヶ岳山頂を出発。姫次へと向かう。実は姫次から気になっていたルートがあるんだ。

なだらかな稜線を快調に飛ばす・・・と言いたいところだが、体調は思わしくない。「ヤベ・・・あまり飛ばすと足攣りそう」という気がしたので、『ゆっくりゆっくり』を心がけて歩く。

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14時15分。姫次到着。いつもは約1時間で歩くコースだから、かなり遅い。

そしてここでもまた富士山の写真。本当に、素晴らしい富士山に恵まれた日でした。

さて・・・と。

一休みしたら榛ノ木丸へと向かいます。普通はこの姫次休憩所から焼山方面へ登山道を進み、トレースのしっかり付いた榛ノ木丸の稜線へ入る。これが正しいVルート。が、今日はこの姫次の休憩所から南東へ伸びる尾根に入る。そしてカヤノ沢へ降りてから榛ノ木丸へ登り返す。

実はこのルート『丹沢気ままな山歩き』のMASAHIKOさんの記録を読んでから気になっていたルートです。

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まずは素晴らしいカラマツ林の中を歩く。

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カラマツ林を抜けたら、ブナの森だ。ここもまた美尾根だ。そしてなだらかな広尾根は、歩くのにとても気持ちが良い。なによりも気に入ったのは、踏み跡、マーキングが一切無いこと。

ただし・・・この広尾根ってのが曲者なんだ。未知尾根の下降で一番ルートミスをしやすいんだ。わずかな方向のズレで支尾根に入り込んでしまいやすい。慎重にRFをしながら進む。P1384の付近がとっても判りづらかった。

そしてカヤノ沢へと降りる付近も要注意。地形図を見る限り、沢の右岸には崖マークが続いている。ルートはピンポイントだ。

最後の沢への斜面はかなり急。木が生えているから安心感はあるものの、ロープを出さずに降りられるギリギリの急傾斜。

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カヤノ沢へ降り立つ。

面白い尾根だった。なだらかで歩きやすい反面、しっかりRFが必要。ドキドキ度が高い上に踏み跡、マーキング無し。V派にはオススメ。

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さて・・・と。榛ノ木丸稜線への登り返しのルートを探る。結局このザレ場が一番登りやすそう。ズリズリと滑る足を踏ん張りながら登る。

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ようやく榛ノ木丸山頂。時刻すでに15時半。体調はかなり悪くなってきている。さっきのザレ斜面の登りで、体力を使い切ってしまったような感じ。

ここで迷う。 伝道へ向かう仕事道を降りるか、P979を通ってヘアピンへ降りる尾根を下るか。前者は少し距離は長いが迷いようの無いトレースが付いているし、歩いた事もある。後者は未知尾根だ。日没まで1時間。

安全策なら前者だが、やっぱり後者を選んでしまう。未知尾根下降の魅力には勝てない。

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が・・・少し甘く見てた。この尾根、けっこう難解だ。体力の低下と共に、判断力も鈍ってきているのかもしれない。

「落ち着け~」と自分に言い聞かせながら、慎重にRFをする。もう、地形図は手に握ったままだ。

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途中で、仕事道が現れた。少しホッとする。が・・・この仕事道もまたあやふや。トレースが消えたり、何本もに分かれたり。仕事道として使われなくなって、かなりの年月が経つのだろう。

日没が迫る。ここでのルートミスは許されない。ヘッデンと手持ちライトは常備しているが、そんな問題ではないんだ。この山奥では、日が沈めば獣達の世界。それが怖いんだ。

焦る気持ちを落ち着かせながら、慎重にRFを繰り返し、無事ヘアピンに降り立ちました。16時30分。日没ギリギリの時刻でした。

今日もまた楽しい山歩きだった。ドキドキ感も満載だったし、眺望も最高だった。

・・・と、ニコニコしながら魚止橋に戻った後の顛末は、前回の記事の通り。

結局・・・。山で一番怖いのは、獣ではなくって人間だって事だ。

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コメント

shiroさん、魔法のロープ登攀、
蛭ヶ岳からの美富士、榛ノ木丸のプチ遭難、
楽しさ盛りだくさん、充足感たっぷりの山遊びの結末が
あんな災難ではたまりませんね。
同じ車派としてはとても他人事には思えないです。
気をつけるっていったって車やめるしかないですが、
好きな場所は公共交通機関利用では遠いところばかり…。
悪いやつが来ないことを祈るしかないです。

白馬尾根の鉄枠、アレ、鹿柵の扉枠の残骸じゃないんですよ。
花札の鹿の絵みたいなのが描いてある、
鳥獣保護の看板の残骸です。
今度行くことがあったら近くで見てみてください。

投稿: イガイガ | 2010/12/07 17:34

shiroさん
姫次-P1384-カヤノ沢コース
歩きやすく気持ちのいい尾根、最後の急降下
安心していると迷い込みそうな世界
楽しんで頂けましたか??
自分はあの雰囲気が大好きです、
魔法のロープ、その1・その2
近いうちに制覇に行きたいと思います
悪いやつらに負けないで!(寒さにも)
バイクにしますか?

投稿: MASAHIKO | 2010/12/07 18:19

イガイガさん、こんばんは。
今回はとんだ災難でした。
警官の話だと、あの場所では時々あるそうです。
どうぞお気をつけて・・・と言っても気をつけようが無いんですよね。貴重品を絶対に置かないくらいしか。
 
魔法のロープにすがりながら登る時には、ちょっとした感動を覚えました。「よくこんな場所に、こんな長いロープを!」と。
上のロープの全容を解明できなかったのは残念ですが、いずれまた。
 
え? あの鉄枠、鹿柵扉じゃないんですか?
ああ・・そう言われてみれば、脇に花札の鹿が転がっていたような・・・記憶の片隅に・・・。

投稿: shiro | 2010/12/07 20:48

MASAHIKOさん、こんばんは。
姫次-P1384-カヤノ沢コース、本当に素晴らしい尾根でした。
穏やかな優しい尾根なのに、真剣にRFをしないといけない。P1384付近ではちょっと混乱をして、ドキドキでした。
あのカラマツとブナの森は、紅葉の頃には美しいんでしょうねぇ。新緑もいいかなァ。
そんな頃にまた歩きに行こうと思います。
 
魔法のロープも面白いコースですよ! 是非。
 
悪い奴らには負けませんが、寒さには・・・。
暑さには強いのですが、寒いのはダメなんです。野草が無い山も、モチベーションが上がらないし。
それでも山は好きですから、歩きますけどね。蛭の稜線は春まで行かないかな・・・。

投稿: shiro | 2010/12/07 21:01

shiroさん
お疲れ様でした
その二人とは早戸大滝の手前で追いつかれて、大滝の真下で一緒になりました
確かに女性は「キャピ!キャピ!」した雰囲気で、男性は私には無愛想な感じでした
女性から「写真を取って下さい」と言われて写真を撮ってあげた後、二人の後を追うのは嫌になり、大滝新道の右岸へは行かず、滝真下からすぐ左岸の急斜面を見上げたら、上のほうには木々も見えたので登って行きました
途中はかなりシビレルザレ斜面を岩につかまりながらトラバースして「大滝新道」に合流しました
その後は、鬼が岩から白馬尾根に出て、私も初めて「魔法のトラロープ」を見つけて本谷沢に降りれました
本当に天気も良く思い出深い山行でした
shiroさんも最後にご災難には会われましたが、大変楽しかった山行で良かったですね

投稿: houei | 2010/12/09 23:10

houeiさん、こんばんは。
私とhoueiさんとでは、出発時刻に1時間の差がありますから、出合ったのは別のパーティーかもしれません。
それはさておき。
早戸大滝を左岸から巻いたのですか!!
ビックリするばかりです。
あの大滝を左岸から巻くなんて話は聞いたことがありません。私も、滝の全景を撮るために、左岸の斜面を途中まで登った事がありますが、「これ以上登るとヤバイ」と思いました。とても巻けるような気がしませんでした。
 
houeiさんも魔法のロープを見つけられたんですね!
私は登りで使いましたが、下降で使ってこそ価値のあるロープなんだろうと思います。あの崖だらけの斜面で、安全なルートを誘導してくれるロープ。“魔法”と呼ばれている所以が判ったような気がします。

投稿: shiro | 2010/12/10 20:18

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