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2010/11/26

セギノ沢の古道を歩く

『丹沢の古道を歩く』シリーズも、もう何回目をむかえたでしょうか。そんなシリーズを作った事はないですが・・・  古道、廃道の探索は私のライフワークのひとつです。イヤ、全く大袈裟に言ってますが・・・

自分的にはずいぶん丹沢の古道を歩いてきた気がしますが、まだまだ歩いていない古道がたくさん残っているんです。調べれば調べるほど、『ここにも古道があるのか』『ここも廃道跡か』と出てきます。

一昔前の丹沢は林業や炭焼き、鉱山師などが縦横に仕事道を作って歩き回っていたのでしょう。山奥の集落の生活道だったり、御料林の見廻り道だったり エトセトラ。その多くは沢沿いの道だったり、山腹のトラバース道だったりします。私などは尾根沿いのほうが歩きやすいだろうと思いますが、昔の人はアップダウンの少ないそういう場所に道をつけたんですね。

ところが沢道やトラバース道は大雨に弱い。道として使われなくなり、踏み固める通行者がいなくなるとあっという間に崩壊していくんですね。

そして大自然の中へ飲み込まれていきます。それが自然の摂理です。

でもその前に・・・。

ちょっとでも痕跡が残っているうちに、『そこに道があったんだ』という事を知っておきたい。そして記憶に残しておきたい。『ここを古(いにしえ)の人達が歩いていたんだ』という感覚を感じておきたい。

そんなわけです。

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11月21日

さて、この日の目的は、二本杉峠から千鳥橋へ抜ける古道を歩いてみる事。(ここは地形図に破線が残っていますが廃道です)

そして地蔵平から大滝峠へ抜ける、セギノ沢沿いについていたとされる古道跡を探索してみる事。

同じく地蔵平からセギノ沢を歩いてみたいと思っていたSさんと意気投合し、この日は二人旅でした。

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中川橋の駐車場でSさんと待ち合わせ、7時50分頃スタートです。気持ち良い小春日和でした。

上ノ原の集落から登山道に入り、二本杉峠に向かいます。ここは今でも現役の正規登山道ですが、私は歩くのが初めてです。

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9時 二本杉峠に到着。ここは峠には珍しい五叉路です。南は権現山への尾根道。北は屏風岩山への尾根道。そして北西に向かうトラバ道は地蔵平へと続くサカセ古道。ここは崩壊が激しい危険なルートらしいのですが、いずれは歩かねばなりません。今日は西の谷へと降りる古道跡を辿ります。

しばらく歩くと、踏み跡が左右へと分かれる。直感で左への踏み跡を辿る。だけど、私の直感って、よく外れるんですねぇ。ホント、見事に外す。

しばらく歩いて、「こりゃ違うワ」と気がつく。踏み跡は薄っすらと先へ続いているが、コンパスと地形図で確認すると、権現山の方へ向かってトラバースしている。Sさんにゴメンナサイをしながら、どうしようかと考える。とにかく清水沢へ降りちゃえ。沢沿いに歩けば、古道へ復帰できるはず。

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急斜面を木に掴まりながら下降し、ガラガラとした枝沢の源頭に降り立つ。枝沢を下って、清水沢の本流へ出て、沢沿いに下降する。

私の場合、先人の山行記録のコピーなどは持って歩かないのですが、頭を回転させて読んだ記録を思い出す。確かこの古道は、いったん清水沢へ降りてから、再び右岸の山腹を登っていくはず。

右岸側の様子を伺いながら歩いていたのだが、それらしき痕跡を見つけられずに堰堤に出た。標高560m付近。「この堰堤を巻き降りちゃったら、古道に復帰できなくなる」と、直感的に思った。全くあてにならない直感ではあるが。

「ちょっときついけど、右岸の斜面を登りましょう」とSさんに言う。

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グリップの効かないズリズリ斜面を四つん這いで這い上がる。30mほど上がったところで、くっきりとした径路跡を発見。

そらみろ! 直感が当たった! ・・・・って、もっと手前で気がつかなきゃ・・・。注意していれば、沢から上がる径路跡を見つけられたはず・・・。Sさん、おバカな真似させちゃって ゴメンナサイ・・・。

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10時10分 大股林道の千鳥橋脇へ出る。前半経路跡を見失ったから、古道探索としては失敗だ。ここはまた、探索しに来にゃなるまい。

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地蔵平へ向かって林道を歩く。ところどころに9月の豪雨の爪痕が残る。林道上に土砂が積もっている。歩くには問題無いが、車は到底無理だ。水ノ木林道の方も、崩壊してるとの噂を聞いている。まあ、僕らは世附の林道には車で入れないから、関係ないけどね。

という事はだ。今年は世附山域での猟は無いかもしれないな。これは僕らにはありがたい。だって、冬のヤブ歩きでは、熊と同じくらいハンターが怖いからね。

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10時45分 地蔵平に到着。

一度ここへ来たかったと言う嬉しそうなSさんを見て、なんだか私も嬉しくなる。

さあ。

一息入れたら大滝峠へ向かって出発だ。ここからセギノ沢沿いに付いていたという古道は、地蔵平と一軒家避難小屋あたりにあった集落とを結ぶ生活道だったらしい。さらにその先西沢経路に繋がる、わりと重要な道であったんじゃないかと思うんだ。

ハッピーさんからいただいた古地図のコピーには、『権現歩道』としてはっきり経路が付いている。

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まずは地蔵平から北へ伸びている林道を辿る。

・・・って、これ林道か? もうすっかり古道の風格だ。

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30分ほど歩いて、大滝沢橋に到着。この橋の名前が不思議なんだよね。ここはセギノ沢であって、大滝沢は山の向こうの沢の名前。何ゆえ『大滝沢橋』なんだろう?

ここから林道と別れ、セギノ沢へと降ります。

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すぐに堰堤。ここは右岸から巻く。急斜面だが、簡単に巻ける。

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薄っすらとした経路の痕跡を辿りながら、時にはヤブを掻き分ける。

もしかしたら沢の水流沿いを歩いた方が楽かもしれない。が、あくまでも目的は古道の探索だ。沢の右岸を左岸を、痕跡を探しながら歩く。

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朽ちた標識も経路跡の証拠だ。こういった標識は、経路沿いにしか立てないからね。

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やがて滝が現れる。ここでまたルートミス・・・。

頭に残っていた先人の記録では、滝と奥に見える堰堤を巻くために、右岸側に巻き上がる経路が有ると。

だいぶ手前で右岸斜面に巻き上がる踏み跡を見つけて、「ここだ。」と上がってしまった。だが踏み跡は斜面の上であやふやになる。そしていく筋もに分かれる。こりゃ、経路跡じゃない。ケモノ道だ・・・。

またまたSさんにゴメンナサイをして急斜面を沢へ下降する。

結局、滝のちょっと手前の涸れ沢沿いに、はっきりとした経路跡がありました。

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ところどころ現れる道跡はほとんどがヤブに埋もれかけている。

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道の痕跡が無い所は、水流沿いを歩く。

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するとまた、はっきりとした道跡が現れたり。

ずっと本流沿いを歩いてきたが、860mの二又で右の支沢に入る。大滝峠へ詰めあがるには、この方向なんだ。

続いて880mの二又を右へ。

すると、すぐに三又。

先日ここを歩いたばかりのハッピーさんは、「最後の三又は右」と言っていた。

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右の沢へ入ると、すぐにコルが見えた。

あれか! あれが大滝峠か!! 

最後の急登を頑張る。沢床を詰めきるのがしんどくなって、左の尾根に逃げて、トラバース気味にコルに詰めあがる。

13時20分 コルに立つ。

が・・・違う・・・。記憶にある大滝峠と違う・・・。

ゼイゼイとしながら地形図とコンパスを確認する。どこに立っているのかはすぐわかった。大滝峠のやや南西。960mのピークの東のコルに立っているんだ。

クっ・・・大滝峠への詰め上がりに失敗・・・。

家へ帰ってから、ハッピーさんにもらったGPSの軌跡をよくよく解析してみた。ハッピーさんは、最後の三又を右へ入り、すぐに左手の尾根に上がり(ここまでは私達の行動と同じ)、その尾根を巻くようにして乗越し、大滝峠へ向かってトラバースしていた。

さて・・・。ハッピーさんがとったルートが古道のルートなのか、それとも最後の三又で真ん中を選択すべきだったのか・・・。また課題が残ってしまった・・・。

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さて。

屏風岩山へ向かって歩く。歩きながら「下山コース、どうしましょうかァ」などと話す。予定では笹子沢左岸尾根をRFしながら下降するつもりだった。

でも、疲れちゃった・・・。

Sさんも、なるべく簡単に降りたいと。それじゃあ、おとなしく屏風岩山から二本杉峠へ登山道を歩きましょうか。良い子コースで。

が・・・ここでまたもやゴメンナサイだ。

屏風岩山の南で、毛出シ峠へ降りる左折ポイントを間違えてしまった・・・。

二つ手前のピークで左折。後方でSさんが「なんか違う」と言っているのに、「こっち、こっち」とさっさと降りる。ついにSさんが立ち止まって「違うでしょ」。

Sさんがいなけりゃ、笹子沢へ降りちゃうところだった・・・。一般登山道でルートミスするなんて・・・恥ずかしいったらありゃしない・・・。

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この後、二本杉峠を経て、中川橋に無事帰着。15時50分。

今日も有意義な冒険でした。単独ではちょっと怖いセギノ沢も、Sさんと一緒で楽しく歩く事ができました。

それにしても、今日はゴメンナサイばかりだった・・・。なんでこんなにボケてたんだろう・・・。なんて考えてみた。

よくよく考えてみりゃ、いつも通りだ。いつもこんなもんだぜ。ルートミスはいつもの事さ。いつもは単独だから、ゴメンナサイをしてないだけだ。

が・・・。Sさんにしてみりゃ、たまらんよね。こんな奴のリードで、崖斜面を登らされたり、下降させられたり・・・。

ホント・・・ゴメンナサイでした。

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コメント

shiroさん+Sさん おつかれさまでした~
このあたりイ師匠はじめ多くの先人の情報がありますが、
慎重なshiroさん(当社比)がこれだけミスる(?)とは、
ウカウカ小生が入り込むとトンデモなことになりそうです~
しかしセギノ沢、下流のコンクリ堰堤はともかく、
上流部の綿密な練積と思しき石積、興味津々です~

投稿: T.I. | 2010/11/27 11:49

shiroさんありがとうございました。
そして、お疲れ様!私もいきたいばっかりに
お願いして、くっ付いていって足でまといでしたね。
こちらこそゴメンナサイ!ですが気疲れしませんでしたか?私はマイペースについて歩いただけでお任せ状態でした。ゴメンナサイ あれ、うつったみたい。shiroさん歩くのはや。ランチの要求はしましたが、地図確認の要求はしませんでした。もう一度確認に行かなくちゃ。楽しかったです。またチャンスありましたら、懲りずにお願いします。

投稿: S | 2010/11/27 14:39

shiroさん&Sさん

お疲れ様です・・。
まぁあんなもんなんです。学習するのです!
誰しも通る道ですから決して恥ずかしくありません。
(といいながら、俺の顔はニカニカしっぱなし!)

どうも楽しい話をありがとうございました。これからも
脚色しないで真実を告白して下さいね・・。(^^)v

投稿: M-K | 2010/11/27 17:44

T.I.さん、こんばんは。
当社比によりますと、shiroはかなりミスが多いですね。
これはイ師匠が「下調べなんかすると、山歩きの面白さが半減する」という意味の事をおっしゃっているので、それを「かっこエェ~~」と真似したがっているからなんですえねぇ。
実力不足なのに、ろくに下調べをしないで出かけるので、ミスを連発するわけです。
“調べはバッチリ”のT.I.さんなら、問題無い沢ですよ。滝を巻くのも簡単です。
 
あの堰堤、練積っていうんですか? T.I.さんの好みのタイプではないような気がしたので、アップの写真も撮りませんでした・・・。すいやせん・・・。

投稿: shiro | 2010/11/27 21:09

Sさん、こんばんは。
楽勝の沢歩きのはずだったのに、おバカなミスを連発しちゃって本当にゴメンナサイ。
でも、いつもあんな感じで歩いているんですよ。
「あ、間違った」と崖斜面を登ったり降りたりは、日常茶飯事でやっています。
 
セギノ沢は、最後の詰だけでもまた確認しに行かなければいけません。二本杉峠の下のルートもちゃんと歩かなければ・・・。
 
これに懲りずに、またよろしくお願いします。
おやつにいただいたメープルのパン、とっても美味しかったです。

投稿: shiro | 2010/11/27 21:17

M-Kさん、こんばんは。
まあ、ルートミスはいつもの事ですから・・・別に恥ずかしくは無いんですけど・・・。
Sさんをルートミスに付き合わせちゃったのが大失敗でした。wobbly
 
それにしても、屏風岩山一般登山道でのルートミスは“大反省”ものです。Sさんがいなけりゃ、また榛の木丸の二の舞でした。あの時、大反省をしたはずなのに・・・。トホホ・・・。

投稿: shiro | 2010/11/27 21:25

shiroさん&Sさん、お疲れさまでした!

shiroさん、M-Kさん同様、記事たのし~く拝見いたしました。

宿題はセギノ沢だけではありませんね~
二本杉峠~千鳥橋間、富士見歩道の入り口探しも
ありますよ。

下記、ご参考までに。
【最後の三又を右へ入り、すぐに左手の尾根に上がり(ここまでは私達の行動と同じ)、その尾根を巻くようにして乗越し、大滝峠へ向かってトラバースしていた。】

行動は同じですが、問題はどこを上がるかです。
うっすらと踏み跡らしきものが付いた所を上がります。
そして少し登って振り返って隣の尾根を見ると、
斜めに沢に下っている踏み跡が見えます。
ここがなかなかの感動ですよ。

【ハッピーさんがとったルートが古道のルートなのか、それとも最後の三又で真ん中を選択すべきだったのか・・・。】

十中八九、古道のルートですよ。
しっかり峠に上がっていますので、この他には考えられません。
再度のチャレンジ、ご成功を祈ります。

投稿: ハッピー | 2010/11/29 17:57

ハッピーさん、こんばんは。
楽しんでいただければ幸いです♪
自分的にはルートミスも、楽しんでますから。
Sさんにはゴメンナサイ・・・ですが。
 
「最後の三又は右」と教えてくれた時に、「その後左の尾根に上がって・・・云々」を教えてくれなかったのは、ハッピーさんの優しさでしょうか。答えを全部知っている探険なんて、探険じゃないですからね。
左の尾根に上がった時に、尾根の先端に向かって薄い踏み跡が付いている事には気が付きました。が、目の前のコルが大滝峠と思い込んでしまったために、コルに向かって突き進んでしまいました。
『思い込みこそがルートミスの始まりである(shiro談)』という教訓をすっかり忘れていました。

その後、イ師匠が歩いた記録を解析してみました。確かにハッピーさんのとったルートが古道のルートだと思います。
但し、もう少し手前、三又の手前の二又辺りで右手の尾根の腹に乗り、例の右又の左岸をトラバースしながら右又を横断し、右岸の尾根でハッピーさんルートに乗る。これが正解じゃないかと思っています。
その事を確かめるべく、近いうちに再度行ってくるつもりです。
 
富士見歩道はまた別の問題です。入口だけではなく、富士見歩道の解明は困難が予想されますので、相当テンションが上がっている時でなければ決行できません。
たぶんハイな精神状態がマックスになっている時に、突然決行に出かけるであろうと、自分では予想しています。

投稿: shiro | 2010/11/29 22:29

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