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2010/10/27

大山北尾根で崖登り

10月24日

前回の記事からのつづきです。

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さて、大ミミズ救出作戦を成功させて、意気揚々と唐沢林道を歩くAYさんと私。

気分は上々ですが、体調のあまり良くない私と、前日のロング山行の疲れが残るAYさん。唐沢を少し歩いて、適当な支尾根で大山北尾根に登って・・・。と、軽い山歩きをして戻りましょう。というつもりです。

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10時20分 小唐沢橋に到着です。

どうでもいい事ですが・・・。橋の名前から、この沢は小唐沢だとずっと思っていました。でもここはまだ唐沢で、小唐沢はこの上流500mくらいのところで枝分かれしています。何故『小唐沢橋』と名付けたのでしょう?

橋の右岸側に上流へ向かう径路があります。ここを入るのは初めてです。

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径路はすぐに、沢へと飲み込まれます。国土地理院の地形図には、唐沢沿いに唐沢峠を経て大山までの登山道が表記されていますが、この径路はとっくに廃道になっています。径路跡を探しながら歩くのも楽しいものですが、今日は沢を眺めながら水流沿いを歩きます。

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『牛頭観世音』の石柱です。馬頭観音はよく見るけど、牛頭観音ってのは初めて見た。

石柱には『大正12年9月13日』と記されています。何か引っかかって、家へ帰ってから調べてみたら大正12年9月1日は関東大震災でした。つまり震災の12日後に建立されたってわけだ。なんか意味深だなあ。T.I.さんあたり、何か知ってんじゃないかなァ・・・。

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穏やかで良い沢です。

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緑色の沢。

こんなに苔が綺麗な沢は滅多に無い。夏にジャブジャブと水流の中を遡ったら、気持ちが良さそう!  ・・・でも、夏場はヒルだらけなんだろうな・・・この辺は。

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炭焼き小屋の跡が何箇所も出てきます。昔この辺では、炭焼きが盛んだったらしいです。 

さて。

沢を45分ほど遡ったところで、ミズヒの頭(正確に言うとミズヒの頭の隣のピーク)へ向かう尾根に取り付く事にします。

AYさん曰く。「この尾根、昔降りた事が有る気がする。下の方が切り立っているけどたいした事ないよ。」

地形図を見ても、それほど難しそうな気がしなかったので、ここを登る事にします。

ところがどっこい!

これが大変な尾根だった。おバカルートが大好きな僕らですから、必然的に選んでしまったのかもしれません。

にしても、危険な尾根でした。もし単独だったら・・・きっとビビってたろうなァ。

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登り始めは岩肌の切り立ったヤセ尾根。四肢をフルに使ってよじ登ります。

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前の写真と同じに見えるでしょう? ところが10分後の写真です。つまり、ずっとこんな調子で崖のような尾根をよじ登っているんです。いや、崖だね。まさしく崖登りだ。

途中で、両側切り立ったヤセ尾根上にデーンと大岩。岩の側面をへつる時はさすがにビビッた。「落ちたら死ぬかも」というくらい切り立っていたからね。

沢から標高差にして150mくらい、ずっと危険含みの崖登りでした。幸い樹がしっかりしていて、木や根をホールドする事ができたので、それほど恐怖は無かったのですが。もし、下降だったら心臓バクバクだったかも。こういう崖は、登りに比べて下降の方が数倍怖いからね。

それにしても大山北尾根にこんな危ない支尾根が有るとはねぇ・・・。まだ未踏の北尾根の支尾根はたくさん有るけれど、正直言ってナメてました。「北尾根なんてたいした事ねぇ」と。ゴメンナサイ。本当にゴメンナサイ。

標高750m付近でようやく危険から開放される。急斜面は続くけれど、岩が無くなり普通の尾根になる。

ホッとしたところで・・・やっぱり出たァ。

足を攣ってしまった。攣り癖を持っている私の足。今日当たり出そうな気がしていたんだよね。急に気温が下がっていたし、体調悪かったし。

まあ、いつもの事ですから。慌てずにザックに常備している痙攣止めの薬(芍薬甘草湯)を・・・。アレ? 切らしている。

なんてこった・・・・・。

足の攣りを直す時間、しばらくAYさんを待たせてしまう・・・ゴメンナサイ・・・。

ここでAYさんの衝撃発言。「やっぱり、こんな尾根歩いた事が無いや。」この辺りではAYさんの未踏尾根の方が少ないくらいだから、自分でも歩いたのか歩いてないのかわからなくなっちゃってるんでしょうね。そして「こりゃ、(未知尾根をゲットして)儲けた。」とホクホクしています。

ウン。私も儲けた。こんな骨のある尾根を登れたんだから・・・。

 

さて、とにかくミズヒノ頭(の隣のピーク)を目指します。山頂の50m下で、足の調子が良くない私は、北尾根に向かってトラバース。AYさんはピークを踏んでから北尾根を降りてきます。

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北尾根を少し下ると16号鉄塔です。久しぶりだなあ・・・ここへ来るのは。

S-OKさんの『大山北尾根・支尾根』を読んで、バリエーション歩きを始めた私。この北尾根は最初に歩いたVルートです。あの頃は、こんなしっかり踏み跡の付いている尾根でさえ、ドキドキしながら歩いたっけ。

懐かしいなァ・・・。

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いつも見晴らしの良いこの場所も、今日はガスガス。少し雨もパラついています。時刻は13時45分。夕方から雨予報ですから、引き上げの頃合です。

そのまま北尾根を下り、一ノ沢峠の手前、630m付近で北西の尾根へ乗ります。この県道方面へのショートカット支尾根も、私にとっては初尾根。やっぱり未知尾根を下るのは好きだなあ。こんな短い尾根だけど、ワクワクしながら歩きます。

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今日も充実した山歩きでした。だけど、足の調子は最悪。最後の県道へ登る、こんな良い階段なのに足を引きずりながら登る。ナサケねぇ・・・。

15時少し前。無事駐車スペースへ到着です。AYさん、本当にありがとうございました。

 

後日譚

あの支尾根。あんな尾根を歩いた奴は、滅多にいないだろう。なんて思いながらググってみると・・・。

やっぱりいるもんだねぇ。検索にひっかかったのは、ミックスナッツさん。「やっぱり・・・」と言うべきか。

それも単独で下降していらっしゃる。「恐れ入ります」と言う他ない。

本当に、未知尾根下降中に、あんな尾根にぶつかっちまったら・・・と思うと恐ろしくなるような尾根だったんだから。

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コメント

大ミミズ救出作戦で「えらんだ尾根は、とんでもないおバカルートだ」と書かれていたので“もしや”そして“やっぱり”です。

地形図では簡単そうに見えますが、唐沢川へ派生している尾根の中ではおバカ度高いですね(笑)。

危険?入るな? 危険上等!こっちとら好きで来てんだよ!って大きなお世話テープはまだありましたか?  

投稿: ミックスナッツ | 2010/10/28 12:37

ミックスナッツさん、こんばんは。
本当に『おバカ度高い』尾根でした。
まあ、立木がしっかりしていて手がかり足がかりは豊富だったので、登るのはそれほど難しかったわけではないのですが(おもいっきり疲れましたが・・・)。「下降は怖いだろうなァ」と思いながら登りました。
後からミックスナッツさんが、単独下降をした記事を読んでビックリ。さすがです。恐れ入りました・・・。
 
『大きなお世話』テープ、目障りなので尾根の上の方のは、引っぺがしておきました。もし、あのテープで引きずられる人でもいたら、危ない尾根ですからね。

投稿: shiro | 2010/10/28 20:37

冷えた体の五臓六腑にアツアツの味噌煮込うどんがしみわたる
季節となりました。

『牛頭観世音』

おー! すばらしい情報ありがとうございます!!
施主のお名前は「仲原正作」と読めます。
この方こそ、明治30年代~大正12年、上唐沢に製材工場を
経営した、平塚の仲原正作さんではありませんか!

「清川の伝承」(S62)によると、「大月の平」の水力製材所で建築材を
製板し、トロッコ線(トラバ路)で「熊谷沢」「五葉松沢」出合の
山小屋まで運び、物見峠を越えて寺家の事務所までは人力と橇で運搬
したそうです。しかし関東大震災で壊滅し、仲原さんは撤退した、と。
「清川のこみち」(H12)にもこのような記述があります↓
http://file.harashiro.blog.shinobi.jp/9cfd69dd.jpeg

「九月十三日」の日付ですが、震災被害は地震(9/1)のほか、
9/14~15に降った大雨による土砂災害が大きかったようです。
想像ですが、トロッコを引いていたであろう仲原さんの牛は、見事
震災を生き延びたものの、2週間後の土石流に巻き込まれてしまった。。
工場も全滅し、撤退を余儀なくされた仲原さんは、牛舎につないだまま
現地に置き去りにしてしまった、よく働いてくれたあの牛を偲びつつ、
現地に製材工場を営んだよすがとして、この石碑を立てたのでは、と。
「十三日」は、あるいは「十五日」かも知れません。

小生も近日中にお参りしようと存じます。
情報ありがとうございました<(_ _)>

投稿: T.I. | 2010/10/28 21:00

T.I.さん、こんばんは。
やっぱりT.I.さんは、ここら辺の歴史に詳しいだろうと思っていました。
私もその後、少しだけ調べてみました。牛頭観音は、数は少ないものの、牛を祀るものらしい事はわかりました。この辺で焼いた炭の運搬に牛を使っていたのかも・・と思っていました。
が、木材運搬用の牛引きトロッコが有ったとは驚きです。
製材所が有ったという事は、集落も有ったのでしょうか? 
トロッコの軌道は、今の唐沢林道についていたのでしょうか?
近日中にお参りに行くとの事、詳しいレポートを楽しみにしています。

投稿: shiro | 2010/10/28 23:08

キリヤマです。
なにやら、すごいところを登りましたね。
写真が撮れているところは、まだ序の口。
実際は、写真が撮れないほどヘビーなところでしょう。

でも果敢に挑んで、木につかまりながら登っているときは、気分爽快。
もうやめられません、という感じですね。

うーん、探検したい!

投稿: キリヤマ | 2010/10/29 00:12

shiroさん
フッフッフッ・・!。 だれかさんと行くと、とっても楽しい思いをする時?があるんですよ~!。 (そういう私も人のことは言えないかな?) 痙攣を引き起こしながら急・岩尾根登りは本当にお疲れ様でした。
ミックスナッツさんのページのリンク、ありがとうございます。(私は見落としたらしく、コメントもして無かったので慌てて書いてきました!) しかし皆さんは何て恐ろしい事をなさっているのでしょうね~!。信じらんないです・・。

投稿: M-K | 2010/10/29 02:08

キリヤマ隊長、こんばんは。
おみとおしの通りです。
ホントにヘビーでハードな所では写真を撮っていません。余裕が無い・・・というか、それどころじゃない・・・というか。
いつもそうです。
そういう場面でこそ、余裕の写真を残せるような、豪傑な探検家になりたいです・・・。
 
>木につかまりながら登っているときは、気分爽快
この時は、そんな余裕も有りませんでした・・・情けないですが・・・。
なにしろ、この上がどうなっているのか、このまま登って大丈夫なのか、必死の思いで岩をへつってもその先切れている可能性も・・・なんて不安がいっぱいだったもので・・・。
でも、ルートの様子はわかったし、次は楽しみながら登れると思います。
 
お仕事、お忙しそうですね。私もここ最近、なかなか探険に出れません。お互いに、丹沢に思いを馳せながら頑張りましょう!

投稿: shiro | 2010/10/29 21:03

M-Kさん、こんばんは。
足攣りをおこしたのは、岩の急登の後だったので助かりました。
それにしても、ミックスナッツさんには驚きです。岩尾根と言っても木が生えているので、登りはなんとかいけますが、下降は・・・と考えると恐ろしい。
私も、ミックスナッツさんの記録とルート図をじっくり読んだのですが、尾根の取り付で難しいルートを選択してしまったかもしれません。もう少し沢の上流側から取り付いた方が良かったかも。
その事を検証するためにも、もう一度登ってみようとは思っています。その時はM-Kさんと一緒に歩きたいです。北尾根制覇のために・・・。

投稿: shiro | 2010/10/29 21:11

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