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2010/09/06

丹沢の貴婦人

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サガミジョウロウホトトギス(相模上臈杜鵑)。『丹沢の貴婦人』とも呼ばれている、美しく金色に輝く花です。丹沢山地のごく限られた山域だけに咲く希少種でもあります。増えすぎた鹿の食害に加え、後を絶たない野草の盗掘によって、年々その数を減らしているそうです。

その貴婦人を探しながら山中を歩いてきました。

『花盗人は罪にならない』なんて風流な言葉もありますが、やはり貴重な野草が盗掘される事については、山好き花好きとしては黙っていられません。現に登山道に近い生息地では、去年よりもあきらかに個体数が減っていました。

という理由で、今回は詳しいルートと花を見つけた場所は、秘密という事にさせていただきます。

9月4日

朝、AYさんと一緒に車で林道を走っていると、見覚えのある後姿の登山者に追いつく。ミックスナッツさんでした。話を聞くと目的は同じ、「サガミジョウロウを見に来た」と。

林道の終点から沢を登るミックスナッツさんと、後で落ち合う事を約束して、AYさんと一緒に登山道に入る。

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人があまり通らない登山道の途中で、AYさんが珍しい花を見つける。バアソブだ。絶滅危惧種の珍しい花だ。普通に道を歩いていたら見つけられないような場所なのに、パッと見つけてしまうAYさんの目の鋭さには、いつもながら恐れ入ってしまう。AYさんのおかげで、初めてこの貴重な花を見る事ができました。

9/21追記  バアソブだと判断したのは、花の大きさからです。直径2cmほどの花でした。が、やはり気になって、その後再確認に行ってきました。よくよく観察した結果、恐ろしく生育の悪いジイソブ(ツルニンジン)だろうという結論に達しました。

さて。

お目当ての沢に到着して、貴婦人の姿を探索していると、下からミックスナッツさんが登ってきた。登山道を登ってきた我々と、沢を登ってきたミックスナッツさんがほぼ同じタイムであるとは・・・。本当にこの人の快足っぷりには感心してしまう。

さあ。

この後は三人で沢を登って行きます。

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程なく水は枯れましたが、けっこう厳しい沢です。こんな枯滝をよじ登ったり・・・。

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ヤブっぽいルンゼをよじ登ったり・・・。

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あった! あったよ!! サガミジョウロウホトトギスの花園だ!

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さらに上へ登ると・・・また! 大群生地だ。

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その上にもまた・・・

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サガミジョウロウなんて、ありふれた花なんじゃないの? なんて思ってしまうほど、次から次へと群生地が見つかります。

こんなにたくさんの貴婦人に会えるなんて・・・。もう感激で有頂天状態です。

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貴婦人の美しい姿はたっぷりと堪能しましたが・・・。

この沢、詰がまた大変です。恐ろしい急斜面(しかもガレガレ)をヒーヒー言いながら詰めあがります。

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大汗かいて稜線に詰め上がりました。そして山小屋の『氷』の旗に我慢ができず・・・。

オシャレな山ガール、山ボーイが行き交う稜線の山小屋。ヤブの沢を詰めてキチャナイ格好の汗だくオヤジ3人組は、少々場違い感もしないではありませんが・・・。

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さあ! 一息入れたらまた尾根を下降するよ。

また別の沢を探索してみようってんだ。 こういうところが『おバカ』たる所以だ。

このV尾根は藪も無いし、なかなかの美尾根でした。

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今度はこんな沢から、名も無き枝沢に入ってみます。

この枝沢は以前AYさんが“貴婦人の花園”を見つけた沢の隣の沢。新たな花園の発見を目指して、沢を詰めていきます。

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おっと! ギンリョウソウモドキ(アキノギンリョウソウ)を発見。これだってなかなか珍しい花だよ。

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結局この沢では、貴婦人の姿を発見できず。そう簡単にはいかないよねぇ・・・。

そしてこの沢の詰も大変でした。とんでもない急斜面だった。たぶん、ここら辺はほとんど人が入っていない所だと思う。

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いやはや・・・疲れたァ。登って降りて、また登って。でもなんだか充実した一日でした。

下山も普通の登山道を降りる我等じゃない。源次郎尾根を下ります。途中の草原で気持ち良い風を浴びながら一休み。暑い一日だったけど、夕方の風は秋の香りがしていました。

 

さて。サガミジョウロウホトトギス。標高の高い場所では満開に近づいていました。絶滅に瀕しているとは言うものの、まだ有る所には有るんだなあ・・・と。

普段から丹沢を歩き回っている人なら、「ああ、あの辺ね。」と見当も付くでしょうが・・・。安全に行ける場所ではありません。「ちょっと花を見に」なんて気楽な気持ちで行かれませんよう・・・くれぐれも。

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コメント

shiroさん、こんばんは。

3人でSJHさまにお会い出来たのですね!

まだ蕾のある少し早いくらいの方が、
「ローマの休日」のへプバーンのよう、
初々しい美しさがステキですね。

でも、あんまり数多くあるのも、
何だかありがたみが薄れるような・・・(笑)

ところで、AYさんの方を先に拝見しましたが、
あちらでは「ジイソブ」となっていましたので
確認したら、やはり「ジイソブ」でした。

「バアソブ」はホントになかなか見られないようで、
何年か前、陣馬山方面で見たことがあります。

投稿: ハッピー | 2010/09/06 23:49

ハッピーさん、こんばんは。
SJHって・・・。そんな言い方有るんですね。JK(女子高生)みたいに。(笑)
花って咲き初めが一番綺麗かも。丁度良い時期にお目にかかれたかもしれません。
ビックリするくらいたくさん咲いていました。ちょっとビックリしています。鹿も入ってこれないような厳しいルンゼ地帯なので、奇跡的に残った生息地なんだろうと想像しています。
 
>ジイソブ
見つけた時には、「ジイソブかバアソブかどっちだろう?」と話していたんです。私もジイソブは何度か見ていますが、あきらかに雰囲気が違っていました。葉の感じ。葉と花のバランス。茎の細さ。(アップした写真には写ってませんが)花が散った後の子房の形。そして、やはりバアソブだろうと思ったのは、花の大きさからです。写真から花の大きさは掴みづらいと思いますが、直径2cmくらいでした。ジイソブと比べて圧倒的に小さい。
ただ、生育の悪いジイソブという可能性も有りますよね。実際、バアソブを見たことが無いので、確証は持てないのですが・・・たぶんバアソブじゃないかな・・・と。
ちなみに、ジイソブ・バアソブは花色にかなりの個体差があるそうです。花の外側が紫から白まで。内側の紫の入り方にもいろんなパターンがあるそうです。

投稿: shiro | 2010/09/07 20:27

shiroさん
SJHは私が勝手に縮めただけです。
だって長いんだも~ん!(笑)

ジイソブとバアソブ
見分け方が実物を見ないと分かりにくいですね。
花の大きさ、葉の形と大きさ、毛の有無、果実etc.
それに加えて“個体差”というジョーカーみたいなもの(笑)
この道も奥が深そうで興味深いですね。
もっと、たくさんのサンプルが見たいな~

ところで、ロガー。
shiroさんの「基本の使い方」と、友人のおかげで、
何とか軌跡をパソコンに落とせるようになりましたが、
こちらもの道も、長そうです。


投稿: ハッピー | 2010/09/08 11:25

『SJH』広めていきましょう!
サガミジョウロウホトトギスって長すぎですものネ。
 
>ジイソブとバアソブ
一時は「バアソブに違いない」と思いましたが、また自信が無くなってきています。「とっても貧弱なジイソブだったのかも」と・・・。
『“個体差”というジョーカー』って、的を得た表現ですね! ホント、いつもそれで惑わされています。
奥が深いですねぇ・・・。
だから面白いのだけれど・・・。

>ロガー
やりましたね! 
とにかく使っていけば、どんどん覚えていくはず。・・・なんて言いながら、私も行き詰っていますけど。
この日は、ずっと沢と谷間を歩いていたせいで、飛びまくりでした。“イ”さんや“K”さんのように、綺麗な軌跡を描くコツが全くわかりません。coldsweats01

投稿: shiro | 2010/09/08 20:50

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