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2010/09/21

オバケ沢源流

なんでこんなバカな事をやっているのだろう・・・

いつもそう思いながら歩いている。ヤブ尾根やガレ沢を歩いている時。そしてそれが急斜面だったりすると。本当に苦しいし、辛いし・・・決して楽しい事は無い。

でも・・・。山を降りると、不思議と「楽しかったなァ」と思ったりする。そして日が経つにつれ、苦しかった事などすっかり忘れ、“楽しかった”という思いだけが残るのだ。

そしてまたおバカなルートを歩きに行く。それでまた、歩きながら思うのだ。「なんでこんなバカな事を・・・」

たぶん・・・バカなのだ・・・。Tizu10919

9月19日

オバケ沢の源流部に行ってみようと思った。たぶん誰も行かないような場所だ。沢登りの人達も、この沢は源頭まで詰めないで尾根に上がるのだと思う。

朝7時半。戸沢の河原に車を止めて、書策新道を登り始める。今日は途中から木ノ又新道に入るつもり。

木ノ又新道は、書策新道の途中、本谷とセドノ沢の中間点が取り付だ。が・・・。大師匠S-OKさんの山行記録を読んでいて、『書策新道が本谷と出合う地点から、本谷を20mほど登った地点が取り付き』という記述を見つけたのだ。

その取り付き口を確かめるのが最初の目的。

10919_010

書策新道が本谷を渡る地点から、本谷を遡る。20mほどで滝。F6?

10919_011

そして滝の左岸側にはこんなガレ沢。S-OKさんの記述を思い出す。ここが取り付きのはずだ。ガレ沢を少し登ると、右手の小尾根に古いテープ。

ここか。

小尾根を登ると、踏み跡が現れる。やっぱりここだ。しばらく踏み跡を辿っていたが、やがてあやふやになる。左手に明瞭な尾根が現れたので、そちらへ移る。これが間違いだったかも。やがて尾根は不明確になり、ガラガラとした石の急斜面になる。こんな所に径路を付けるわけがない。あきらかにロストルートをした。

それでも、木ノ又新道が通っている尾根は把握しているので、その尾根を目指して登っていく。3歩登ると、ズズっと滑り落ちる。・・・疲れる。

ヒーヒー言いながら、なんとか木の生えた土の斜面に登りつく。やがて木ノ又新道と合流した。

木ノ又新道別ルートの探索・・・失敗。

10919_020

9時50分 木ノ又小屋に到着。15分ほど休憩している間にも、次々と登山者が通る。さすが表尾根だ。

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表尾根の稜線はアザミ天国だ。暑い暑いと思っていたけど、もうすっかり秋なんだねぇ・・・。

木ノ又大日から、北の尾根に入る。ここからオバケ沢の1100m二俣地点まで、AYさんに教わったのは尾根どおしのルートだが、ちょっとアレンジ。途中で小さな沢へ降りてみる。枯葉が堆積してブカブカの沢は歩き難いったらありゃしない。やっぱり尾根を降りれば良かった・・・。

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オバケ沢1100m地点の二俣から、20mほど遡って、右手の枝沢に入る。水はチョロチョロ。穏やかそうな沢じゃないか。今日はここを詰めてみるのだ。目標は、塔ノ岳と日高の中間にある、キレット状のコルだ。

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傾斜は緩やか。きっと沢登りが好きな人にとっては、つまらないゴーロ歩きなのだろうが、私は嫌いじゃない。深山の空気に浸りながら歩く。この辺りは、まだ楽しく歩いている。

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湧水だ。左手の岩から水が噴出している。それもジャバジャバと。

美味い! なんて美味しい水なんだろう。

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湧き水のそばにはダイモンジソウ。この辺りまではとっても楽しい。

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湧水の上流からだんだんと厳しくなってくる。岩をよじ登りながら稜線を目指す。そして、5mくらいの滝でセミになる。右手でホールドした岩がバカっと剥がれたのだ。崩しそうになったバランスはなんとか保ったが、そのまま固まってしまった。しばらく岩に張り付いたまま、どうしようかと考える。右手でホールドを探るが、また剥がれそうで次の一歩が上がれない。降りる事を選択。こっちも危険だがなんとか降りる。

が、巻きもまた厳しい。木から木へとしがみつきながら、崖斜面をトラバース。

さすがに「なんでこんなバカをしてるんだろう」と思う。

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稜線の手前が地獄だった。写真ではそんなに厳しくは見えないかもしれないけれど。とんでもない急斜面だったよ。急斜面だけだならなんとか登るけど、ガレガレなんだ。こんな所はとても登れない。たまらず左手の尾根に逃げる。ところがこの尾根もまた崖のような傾斜だ。木が生えているから、なんとか登れるけど・・・。

飛び出したのは目指していたコルから百数十メートル北側だった。ゼイゼイしながら地形図を見る。地図にしっかりと崖記号が付いている場所を登ってきたことになる。なんてこった・・・。

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13時。塔ノ岳山頂。ビックリするくらいの人がいる。本当はこういう場所は落ち着かないのだけれど、さすがに疲れきっていたんだ。片隅でしばらく休憩する。

山ガールっていうの? ホント、女性が増えたよね。もしかしたら丹沢を歩いている人って、女性の方が多いかもね。

10919_058 

下山は天神尾根。「そんなつまらないルートを!」って言われちゃうだろうけどさ。本当にバテバテだったんだ。一番早くて簡単な下山ルートって考えてさ。

天神尾根はしばらくこないうちに、すっかり整備されていました。ホラ! こんな素敵な階段が。ちゃんと歩幅にあわせてあって、トントントンと気持ちよく降りられるんだ。これならシチミさんも褒めるだろうさ。

14時半。戸沢に戻ってきました。

今日もバカすぎるルートだった。最後の崖をよじ登っている時には「もうコリゴリだ!」と思っていたんだ。でもね。下山した時には、もうそんな事も忘れかけている。「あの湧き水は美味かったなァ」なんて。

そしてきっと・・・また行くんだろう。

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コメント

shiroさん
オバカオバカって何回も呼ばれた様な気がして飛んできますた~!。(アレッ!ウツッチャッタ)
どうもどうもお疲れさんどした・・! 後を追っかけて我らもやってきましたよ~。 単独は決死の探検隊となるのは当然です。しかし学習し、己を向上させるには避けては通れない道だと思います。私の今回はAYさんの後にくっつき、鼻唄での周回遠足でありました。(^^)v
shiroさんも又遠足、連れていって下さいね~。

投稿: M-K | 2010/09/22 02:26

shiroさん

一人の大冒険、お疲れさまでした!

ところで、ロガーの調子はいかがですか?
私は、失敗が多く、寄沢でもうまく取れていませんでした (ノ_-。)
楽しみにしていたのに、ああ、残念。

投稿: ハッピー | 2010/09/22 21:28

shiroさん
ずいぶんロングコースの冒険をされましたね。
「こんなバカなこと」に共感です。
私も山行のたびに思っていますよ。一方で、こんな挑戦をくり返しているから、普段の少々の事には「なに、くそ!」と頑張れる自分があると思うのでやめられないのです。変な病気に取り憑かれたのですが、これが実に心身共に良いのです。
連絡を取り合いながら安全第一でやっていきましょう。この病気とはうまく付き合って行くしかないですね。

投稿: YAM | 2010/09/22 21:58

M-Kさん、こんばんは。
目指すはM-KさんやAYさんのような“素晴らしいおバカ”ですから! 近づけるように、日々おバカ山行に精進しています。
このオバケ沢源流の事は、AYさんからお話を伺っていたので、一人で踏み込む事もできました。
ただ・・・。湧水の上流辺りで、詰める沢の選択を誤ったんでしょうね。最後は凄まじい崖地でした。
まあ・・・あんな崖をよじ登ったのだから、一歩スキルアップ・・・したのかなァ?

投稿: shiro | 2010/09/22 22:28

ハッピーさん、こんばんは。
先日もmassyさんやシチミさんにGPSの事を教えてもらいました。
皆さん、電波の受信にはいろいろと苦労して、工夫しているらしいです。例えば、トラバース路では、なるべく谷側を歩くとか・・・。
この日もまた軌跡は飛びまくってめちゃくちゃでした。オバケ沢に降りてからは、全く受信をしていません。
結局は今までどおり、飛び出した場所や地形を思い出しながら、地形図に手書きで赤線を引いています。
沢での電波のキャッチは相当難しいみたいです。
T.Iさんが言っていたように、頭のてっぺんに装着するのも良いみたいです。私は絶対しないけどね。そんなちょんまげルックは。

投稿: shiro | 2010/09/22 22:36

YAMさん、こんばんは。
YAMさんの“バカな事”にはとても及びませんが・・・ホントになんでこんな事ばっかりやってるんでしょうね。
自分の力量は見極めて、『無謀な事はしない』事は肝に銘じているつもりなのですが・・・。
>これが実に心身共に良いのです
おっしゃるとおりです! 
こんな事で日頃のストレスを発散しているので、心身のバランスを保っていられるのだと思っています。
>安全第一
これまたおっしゃるとおり! おバカルートを歩いていて、『安全第一』と言うのも変ですが。でも、『安全第一』は常に心がけていきます。
また、ご一緒に歩ける日を楽しみにしています。

投稿: shiro | 2010/09/22 22:50

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