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2010/08/30

ヤビキ沢・・・そして石棚沢右岸尾根

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美しい沢だった。ちょっと感動ものの美しさだった。

ヤビキ沢。西丹沢のゴーラ沢の支沢。あまり知られていないマイナーな沢だと思う。教えてくれたのはハッピーさん。7月にこの沢を遡行したハッピーさんから、とてもナメが美しい沢だと聞いた。それ以来、「行ってみたいなァ」という思いをつのらせていた。

沢歩きにはあまり自信が無い私は、初めての沢に単独で行くのは『おっかない』からあまりしないのだけれど・・・。まあ・・・滝が無いっていうし、大丈夫かな・・・と行ってきました。

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8月29日

いつもよりちょっと早起きをして、西丹沢へ向かう。箱根橋を通過した時に、チラッと目に入った沢支度の二人組み。

あっ、あの人達は! あわてて車をバック。

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箱根屋沢に入渓しようとしていたのは、丹沢のデンジャラス・コンビ。YAMさんとモトさんでした。YAMさんとはご一緒に歩いた事もありますが、モトさんとは初めてお会します。いつもネットで見ている驚異的な沢歩きから 、「怖い人」をイメージしていましたが、とてもお優しそうな方でした。

さて

西丹沢自然教室の横に車を止めて、支度をして出発したのが7時5分。いつもよりだいぶ早目のスタートです。

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新しくできた「ツツジ新道沢コース」を辿ってゴーラ沢出合へ向かいます。 今年は残暑厳しいとはいえ、朝はだいぶ涼しくなりました。歩くには丁度いいくらい。早朝の沢の心地よい空気に酔いしれながら歩きます。気持ちいい~!

7時45分 ゴーラ沢出合へ到着。ゆっくり歩いてきたとは言え、40分かかった。沢コースの方が、ちょっと遠回りなのかもしれません。

ゴーラ沢出合から、檜洞丸へ向かう尾根に乗る。事前に調べた情報では、「ゴーラ沢へ降りる薄い踏み跡』があるはず。注意しながら歩いていたせいか、それらしき踏み跡は難なく見つかった。

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ゴーラ沢の2つ目の堰堤の上流に降り立つ。3つ目の堰堤を右岸から巻いたら、ゴロゴロとした河原だった。

しばらくはゴーロ歩きだ。ゴーラ沢の名は“ゴーロ”からきているのだろうか? などと考えながら歩く。大きな岩がゴロゴロとした河原は、思いのほか歩き難い。少しでも歩きやすい、水流のそばを歩いていたが、ツルっと足を滑らせ、ポシャっと沢の中へ足を突っ込んでしまった。

・・・アホや。

8時25分 ヤビキ沢出合へ到着。ここで沢靴に履き替える。先程沢ポシャした登山靴が、水をたっぷり含んで重い。

・・・つくづくアホや。

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ヤビキ沢へ入ると、いきなりナメだった。こりゃ、気持ち良いや!

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これだ! ハッピーさんが言っていた「緑と白のコントラスト。美しいトンネル」。これは本当に素晴らしい。感激しながらナメの水流を歩く。

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『幸せを感じながら歩く』ってこういう事か・・・

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ちょっとしたナメ滝登りも楽しい。水飛沫がとても気持ちが良いんだ。

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ナメ歩きがずっと続く。なんて楽しいんだ!

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だんだん水流が細くなってきた。

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出会いから40分ほど。 二俣に行き着いた。右又は涸沢、左又は滝。ハッピーさんも、去年歩いているAYさんも、ここから尾根に上がって、石棚山の稜線に向かっている。私もその予定だったが、あまりにも楽しい沢歩きだったので「もっと沢を歩きたい」という思いが強い。

滝を眺める。2段で10m弱だろうか。私の実力じゃ直登は無理そうだけど、右の尾根からは巻けそう。

が・・・よくよく考える。何故ハッピーさんもAYさんも、ここから尾根に上がったのだろう。この滝から上流は、厳しくなるのだろうか。それとも尾根に上がるのが難しくなるのだろうか。

私の場合、沢歩きは素人だ。ここは先輩のルートを真似して、尾根へ上がる事へしよう。と、再び靴を登山靴へ履き替える。

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いやはや・・・キツイ尾根だよ。急傾斜の尾根を這い上がる。急傾斜なんて、しょっちゅう歩いているから、別に驚きゃしないけどね。登っても登っても、傾斜が緩まない。

地形図を見る。山頂までずっとこの調子だ。参ったね・・・。

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踏み跡もマーキングも全く無い。人の気配を感じないワイルドな尾根。オイラの大好きな尾根なんだけどね・・・。いかんせん、傾斜が厳しすぎる。地形図をよくよく見りゃ、距離わずか700mほどで、高度を450mも上げるんだ。こりゃキッツイ。

まあ、登りならゼーゼーしながらなんとか・・・だけどね。下りには使いたくないもんだね。こんな急傾斜がずっと続くと、怖いだけじゃなく足がやられる。

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このわずかな距離を1時間半かかって、山頂に到着。石棚山とテシロノ頭の中間にある1450mのピーク。白崩レノ頭ともいうらしい。さすがにここで大休憩です。

帰りのルートは石棚沢右岸尾根。最初から決めていました。むしろ、この尾根を下降するために、ヤビキ沢登りを決めたと言っても過言ではない。

この石棚沢右岸尾根、7/4に下降してRFを失敗した尾根だ。“リベンジ”なんて大袈裟な事を考えているわけではないが、失敗したままにしておくわけにはいかない。

たっぷりと休憩をして、11時15分出発です。

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爽やかな良い尾根です。いや・・前回はそうは思わなかった。暗くて陰気な尾根だと思っていた。濃いガスの上に雨が降り始めていたんだ。

印象って、天気によってこんなにも変わるものか。・・・当たり前か。

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12時ジャスト、P1065に到着。ここだ。前回はここでRF失敗した。というか、RFすらしなかったんだ。濃いガスの中で尾根の分岐を見抜けず、右手に明瞭に見える尾根筋に入ってしまった。狂っていた高度計のせいで、ここがP1065であることも気付かなかったのだ。

ほんとマヌケだ。

こうやって冷静に見渡せば、ここがなだらかなピークである事はわかるし、西側に尾根が分岐している事もわかる。

こうやって、山を覚えていくんだね・・・。

などと、自己満足。

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まあVルートだから、“正しいルート”みたいな考え方はおかしいかもしれないけれど、先輩達が『石棚沢右岸尾根』と呼んでいるルートに乗れたわけだ。

ここだって決して歩きやすいルートではない。岩ゴロゴロの急斜面を降りたりもする。が、前回降りた1本北の尾根のような危険斜面は無いから、白崩レノ頭から降りるのならこっちの尾根が正解だろう。

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12時50分。 石棚沢出合に降り立ちました。ビックリした事に石棚沢が涸れています。水が1滴も流れていない。東沢の水もやけに少ないものなあ。これも今年の猛暑の影響なのでしょうか。

1時チョイ過ぎ。自然教室に戻ってきました。今日はいつにもまして楽しい山歩きだった。

6時間の山歩き。これくらいだよなァ。これくらいのコースが丁度良いんだ。翌日に疲れを残さない程度の山歩き。それでも充実感イッパイのコース。本当に良いコースだった。

 

ちょっとだけ残念なのは、野草との出会いが少なかった事かな・・・。

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沢ではシラヒゲソウが咲き始めていました。

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そして尾根ではタテヤマギクが。 花びらが散りかけているように見えるでしょう? でも、これが満開の姿。なんだか雑な花でしょう。そこが、雑な性格のshiroとしては、微笑ましく思えてしまうんだなァ。

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コメント

shiroさん、こんばんは。

もう記事をUPされていたんですね。
もしや、と思って覗いてみたら・・・嬉しくなりました。

ヤビキ沢は楽しいけれど・・・
何回も歩きたいけれど・・・
あの急尾根登りがねぇ~
知らない時ならともかく、一度登って知ってると、
二度目はあんまり気が進まないですね。

沢の上の方は落石が多いとの情報でしたので、
「君子危うきに近寄らず」がよろしいかと・・・

石棚沢右岸尾根のリベンジが無事に出来て、良かったですね。
おめでとうございます!

ところで、ロガーの具合はいかがですか?

投稿: ハッピー | 2010/08/31 00:50

ハッピーさん、こんばんは。
ヤビキ沢、ハッピーさんのおっしゃるとおり、とても美しい沢でした。
あの緑のトンネルのナメを歩きながら、とても楽しい思いをさせていただきました。
あの尾根は確かにきついですねぇ。
でも、急尾根は嫌いじゃないんです。登っている時は、「こんなしんどい尾根、二度と登らねぇ。」と思いましたが、“喉元過ぎれば熱さ忘れる”が得意技ですから。また登るかもしれません。だって、ヤビキ沢。また何度でも行きたい沢です。
 
滝の上流は落石が多いのですか!? 下山途中の尾根から、右又の源頭部を覗き込んでみましたが、ザレザレの急斜面で「こりゃ、這い上がれないな」と思いました。左又の源頭もあんな感じなのでしょうか。
 
ロガーの設定を30秒にしてみました。なんとなく軌跡がすっきりとしましたが・・・。
沢では飛びまくって、変な軌跡になってしまいました。そういう話は聞いていましたが・・・T.Iさんの軌跡など、沢でも綺麗に出ているのに・・・。
今度T.Iさんにお会いした時に、教えてもらいたい事が山盛りです。

投稿: shiro | 2010/08/31 19:39

おつかれさまです~
呼ばれた気がしてしゃしゃり出ますた(はぁと)

新しい道具はお好みに仕立て上げる過程こそ
楽しいかと存じますが。。
沢で飛ばない工夫としては
・AGPSを仕込む
・帽子に仕込む
 (T氏(仮名)の帽子はダテじゃないんです(笑))
・ゴルジュ帯や林道では「壁」に近づかない(笑)
なんてことに気を付けてます。

んで、飛んだらホワイトで消す(爆)
 (カシミール上で軌跡の上で右クリック
  →「トラック」を「編集」)

ハッピーさん、あのマニュアルに怒りをぶつけませう!!

投稿: T・I | 2010/08/31 23:08

T.Iさん、こんばんは。
お呼びだてしてしまってスミマセン。
>AGPS
取説にそんな単語が出ていました。勉強します・・・。
>帽子
帽子のてっぺんに? 衛星の電波ってそんなにシビアなんだ・・・。
>ゴルジュ帯や林道では
ゴルジュで壁に近づくなと言われても・・・
>ホワイトで消す
カシミール上で編集ができるんですね! さっそく試してみます。
いろいろとありがとうございます。
とりあえずは使っていますが、とても見るに耐えない軌跡しか残せなくて。T.Iさん達のように綺麗な軌跡を残すにはどうしたらよいのか思案に暮れていたところです。
またよろしくお願いします。

投稿: shiro | 2010/08/31 23:40

shiroさん

ホント綺麗な沢だったなぁと今でも思います。もっと長ければなぁ~  他にも、こんな場所あるのかなぁと地図眺めてます。

投稿: まーちゃん | 2010/09/01 06:55

まーちゃん、こんばんは。
まーちゃんもこのヤビキ沢を歩いているのでしたね。
そう。もっと長ければなァ~と思いました。いつまででも歩いていたいような沢でした。
他にもこんな綺麗なナメの沢ってあるでしょうか?
きっと広い丹沢ですから、どこかにありそうですよね。
沖ビリ沢もナメの沢だと聞いたことがあるのですが・・・。水ノ木の奥の奥だから、アプローチがねぇ・・・。
どこか良い沢を見つけたら、教えてくださいね。

投稿: shiro | 2010/09/01 20:58

shiroさん、こんばんは。

ヤビキ沢のナメ滝は楽しそうですね。
「いつか行こう」とモトさんと話しています。

shiroさんのルート図はきれいですね。
私は面倒なのでGPS軌跡をそのままルート図に載せてしまいます。

最近GPSロガーを肩ひもからリュックのポケットに移動しました。
いくらかデータ飛びが少なくなったように思います。
最良なのはT・Iさんのおっしゃる帽子のてっぺんと思いますが、
ヘルメットの上は、枝や岩やときには地面にもぶっつけるので、
すぐに無くしてしまうと思って踏み切れないのです。

今日はサガミジョウロウホトトギスを見てきました。
満開にはちょっと早かったです。

では、また、どこかの山中でお会いしましょう。

投稿: YAM | 2010/09/05 20:09

YAMさん、こんばんは。
ヤビキ沢はとても美しくて、楽しい沢でした。滝は二俣の1つだけなので、YAMさん、モトさんにはちょっと物足りないかもしれませんが・・・。happy01
 
私も早くGPS軌跡をそのままUPできるようになりたい! 飛びまくって見づらい軌跡しか残せません。
昨日はずっと沢や谷間を歩いていたので、軌跡は酷いものでした。
肩よりもザックの方が良いのですか!? さっそく試してみます。
帽子のてっぺんは怖いですよね・・・。今の季節は帽子は汗でビショビショになるし・・・。
 
私も昨日はAYさんミックスナッツさんとサガミジョウロウを探しに行ってきました。たぶん同じ山域でしょうから、1日違いでしたね。
 
また丹沢の山中でお会いしましょう!

投稿: shiro | 2010/09/05 22:08

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