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2010/07/27

暑い時は滝見物だね ~早戸大滝~

クソ暑い日がこうも続くと、山歩きのモチベーションも下がるって。

「汗ダラダラ流しながらの山登りが大好きさ」なんて言った事がある気がするが、謝ります。ゴメンナサイ・・・言い過ぎました。やっぱり猛暑の中での山登りは、ツライよね。バテバテになる事を考えると、どうしても気持ちが引いてしまう。

丹沢好きの皆さん方は、こんな暑い日は沢とかを登っているんだろうけど。こちとら、あいにく沢をサクサク登る技量など持ち合わせていませんから。先日まーちゃんと話をした時の事。彼は、土よりも岩の方が信用できると言う。さすがクライマーだと言っておこう。私に言わせりゃ、岩なんか全く信用できない。滑るし、剥がれるし、転げ落ちるし・・・。土なら急斜面でも崩壊斜面でも割とヘッチャラだけど、岩ゴロゴロの沢歩きはどうしても怖さが先にたってしまう。

かと言って汗だくでヤブ漕ぎってのも・・・ねぇ・・・。

なんて事をウダウダと考えている時にフっと思い出したのが、早戸大滝。あの有名な滝、まだ見に行った事がなかったんだ。途中の雷平までは知っているし、その先も赤破線とはいえ、一応エアリアに記載されているルートだ。問題なく歩けるはず。

という事で行って来ました。

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7月25日

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早戸川林道の魚止橋まで車を乗り入れる。駐車スペースの少ないこの場所。「もういっぱいかなあ」なんて心配していたが、意外や意外。車は1台も止まっていない。登山靴が1足置いてあるだけ。ははァん。ここで着替えた時、車に積み忘れたんだな。よく見りゃ、MERRELLのお高そうな靴だ。可哀想に・・なんて思いながら、靴を履き替える。今日の靴はワークマンで買った『ハイパーV 忍』だ。たぶん、このぶら下がっている靴の1/10くらいの安靴だが、沢歩きではけっこう使える。

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雷平までは、ちゃんと径路が付いているし別に苦も無く歩ける。ただ、途中1箇所、絶壁にかかるこの木桟橋。かなりきているね。そうとう朽ちてきている。歩いていて、いつグシャっときてもおかしくない感じだ。この橋が崩れたら・・・と上下を観察してみる。んん・・・、下10mくらい降りれば巻けそうか。とにかく今は、「崩れるなよ」と祈りながら渡る。

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雷平から先は、径路がはっきりしなくなる。が・・、とにかく沢沿いに歩いていけばいいのさ。沢辺を歩けそうも無い所もあるけど、よく見れば巻き道が見つかるはず。

そういえばこの辺り、先日マイナールート探検隊がヤマビルの猛攻を受けた場所だ。出発前に、靴にはたっぷり忌避剤を塗ってきた。『ヒル下がりのジョニー』というヤツだ。某登山用品屋で、ヤマビルファイターを求めたところ、「ディート不使用で環境に優しいから」とコチラを勧められた。つい買ってしまったが、ヒルとの戦いに環境を考慮している場合じゃなかった。ディートの環境に対しての影響はよくわからないが、ヒルに対して絶大な威力だ。そのディートを使っていないという。おまけにふざけたネーミング。心配でしょっちゅう足元を確認する。ズボンのポケットには、ディート入りの殺虫スプレーをねじ込んでいる。やつらを見つけ次第、秒殺するためだ。そう、これは仁義無き戦いなのだ。

と、戦意満々ではあったのだが、この日は1匹も見かけず。『ヒル下がりのジョニー』が効いているのか・・・連日の猛暑で土中深くもぐっているのか・・・。

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沢の右岸、左岸と数回渡渉をしながら登って行くと二又に分かれる地点に到達。ここが本谷沢と大滝沢の出会いに違いない。水量は本谷沢の方が、やや多いか。大滝沢の右岸の尾根に踏み跡が見える。ここか・・・と尾根に取り付く。

尾根を急登する踏み跡と、沢へ降りる踏み跡に分かれている。よくわからないけど、沢の方へ降りてみる。

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おお~! ワンダホ~!!

小滝が連なる上に、でっかい滝が見える。あれだ、あれが早戸大滝だ。

この横の崖のような斜面に、残置ロープがぶら下がっている。ロープにすがってよじ登ると尾根の背に乗った。尾根の背の踏み跡を辿って行くと、再び沢へと降りる踏み跡を見つける。

そこを辿ると・・・

滝壺へ降りた。

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スゲぇ・・・・

あまりにも高過ぎて、カメラのフレームに収まりきらない。

この写真が上半分。

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そして下半分。

しばし絶句する。もしかしたら、口が半開きだったかもしれない。ミストシャワーを浴びながら、ただただ見とれていました。

 

さてこの後どうしようか・・・。滝見物で涼しさを満喫したので、元気はいっぱいだ。

そうだ・・・この滝から蛭の稜線へ登る『大滝新道』というルートも、歩いてみたかったんだ。行ってみるか。

と、滝の落ち口まで登ってみる。うろ覚えだけど、確か滝の落ち口から尾根に取り付くはず。

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滝の上の左岸側の斜面に虎ロープを発見。はるか上までつながっている。これだこれだ。これが大滝新道の取り付だ。

虎ロープは少し窪んだ急斜面に垂れ下がっている。ロープが無きゃ、ズリズリと滑りそうな斜面だ。でも、ロープに掴まれば楽に登れる。コリャ楽しいや。それにしても長い。途中で2ヶ所継ぎ足してある。ロープに掴まりながら、一気に50mくらい登った。こんな長いロープ、誰が設置したんだろう。

と、ロープ登りは楽しかったのだが、その後がきつかった・・・。

ロープが終わった後もけっこうな急斜面だ。

暑い暑い!! 登ってきた事を後悔する。なんて急斜面なんだ! 風はソヨとも吹かない。ただ、ひたすら蒸し暑い。オマケに大量のハエや小虫がまとわり付く。ヒル用にポケットにねじ込んでいた殺虫スプレーを吹きまくる。一時いなくなるが、しばらくするとまた集まってくる。

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標高1350m付近で、ようやく緩斜面になる。大好きな草原状の尾根じゃないか。もう少し頑張ろう。あと一息で稜線に出る。きっと稜線上ではクーラーみたいな風が吹いているはずさ。

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フーフー言いながら、稜線に飛び出した。不動の峰休憩所の少し丹沢山よりの場所だ。

楽しみにしていた稜線の涼風は・・・無い。全く無風。ただ蒸し暑いだけ。オマケにガスガス。

ガックリとくる。疲れた・・・。ひたすら疲れた。

一番早い下山ルートは、白馬尾根か・・・と、鬼ヶ岩に向かって歩く。

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大好きな花、シモツケソウが咲いていた。疲れた気持ちが癒される。

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これも大好きなヤマオダマキ。

稜線上では数々の夏の花が咲いていました。そしてさっきまで「こんなクソ暑い日に登るんじゃなかった」なんて思っていた事はすっかり忘れる。「やっぱり山はいいね」なんて。

下山は白馬尾根。尾根の東側に有るという『魔法のロープ』を探してみようか・・・なんて思いもチラリとはよぎったが、とてもそんな余力は残っていなかった。

猛暑の中での登山は、倍くらいの体力は消耗するよね。魚止橋に戻りついた時にはフラフラでした。

でも、気持ちは満足。今日はたくさんの収穫がありました。早戸大滝にも魅せられました。そして、数々の野草に出会えました。初めての野草や、珍しい野草。

あまりにもたくさんの野草の写真を撮ってきたので、まだ未整理状態で・・・。野草の写真はまた後日・・・。

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2010/07/22

夏の遠足 ~グルっと世附~

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梅雨明け翌日の18日。M-Kさん呼びかけの、世附パトロール企画に参加してきました。

コースのメインは水ノ木から織戸峠、富士見峠を通って地蔵平へ抜ける事。

この水ノ木~地蔵平間の古道探索は、とても興味を持っているルートなんです。諸先輩方がこの間をを歩かれています。いくつかのルートが有るのですが、まだ完全に解明されていないとおもっているんです。私もまだこの山域には2回しか行っていないし。M-Kさんのこの日の計画を聞いて、「是非、行きま~す」と手を挙げたのでした。

うだるような暑さの日でした。林道脇では、大好きなヤマユリの花が咲いていました。

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コース図では、浅瀬~水ノ木と地蔵平~浅瀬の林道区間は省略しています

7月18日

7時半過ぎ頃。浅瀬のゲート前に集合したのは、M-Kさんを筆頭にAYさん、まーちゃん、ハッピーさん、T.Iさんと私の6名。(途中織戸峠でmassyさんが合流して7名に) 楽しいメンバーが揃って、愉快な山歩きになりそうです。

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林道をダラダラと歩く事2時間20分で、水ノ木に到着。普段はこの間を1時間半くらいで歩くから、かなりゆっくりペースだ。でも、この“ダラダラ”が大事。ペチャクチャとおしゃべりしながら、のんびり歩く事に意義が有るんだ。時にはこんな遠足のような山歩きが、とても楽しい。

水ノ木沢の辺で小休止。とても趣の有る沢です。そのうちこの沢も遡ってみなければなァ。

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さあ、いよいよVコースに突入だ。織戸沢の右岸尾根にとりつきます。ヤブは濃い目ですが、はっきりとした踏み跡がついています。

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80mほど高度を上げたところで、二手に分かれます。M-Kさん、T.Iさん、まーちゃんはそのまま尾根を登って林道へ。AYさん、ハッピーさん、私は林道と織戸沢の間にある古道へ。

この古道、3月にAYさんと織戸沢を下降したときに見つけたもの。今日は逆コースでもう一度辿ってみたかったんです。

古道と言っても、ところどころで道型の痕跡が残っているだけで、大半は崩壊しています。まともに歩けるようなルートではありません。が私、こういう所を歩くのが大好き。

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途中の堰堤の上は、素敵な草原状の河原になっています。このあたりから古道の痕跡は消えています。おそらくここからは沢伝いに登っていったのでしょう。

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標高700m付近で、林道組と合流して一休みです。

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水流がチョロチョロになるとともに、傾斜がきつくなり両岸の斜面が切り立ってきます。核心に入った事を感じます。

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さてこの織戸沢、源頭部にきて複雑に枝分かれをしています。いったいどこを詰めれば織戸峠に上がれるのか・・・。地形図を何度も何度も見るがわからない。この源頭部、地形図に現れない小さな沢やルンゼがたくさんあって混乱する。

ここでも二手に分かれて別々の支沢を詰め上げました。AYさん、T.Iさんと私が詰めたルンゼは足がピリピリくるような急斜面。クゥゥ・・・選択を誤ったな。

なんとか稜線に詰め上がりましたが、ここがどこだかがわからない。稜線の南側からM-Kさん達が上がってきました。そこにはなんと、massyさんの姿も! massyさんは単独で織戸沢を詰めてきて、やはり織戸峠の場所を見失っていたのだとか。

皆、織戸峠の南側へ詰めたと思っていたのですが、どういったわけか北側へ詰めてしまったらしい。

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稜線を南に2~300m辿ったところで、ようやく織戸峠を発見。皆、ホッとするとともに、笑ってしまいました。ホント、現在地を見失うと混乱するよね。

帰宅後、T.IさんからGPSの軌跡を頂いて、どこを歩いたのかがはっきりわかりました。もっと手前で右手の支沢に入らなければいけなかったんだね。思い出せば、それらしき支沢があった。

前回AYさんと織戸峠から織戸沢へ降りたときも、古道に使われていたルートがわからなくなって、急傾斜の支沢を強引に降りました。今回は、古道ルートをはっきりさせたいという目的を持って来ましたが、またもや失敗。また課題を残してしまったなァ・・・。

さて。

織戸峠から東へ。古道跡を辿って法行沢へと降ります。ここを通るのは3回目。最初、単独でここへ来た時には、おっかなびっくりでしたが、もう慣れたもの。途中、崩壊斜面のトラバースもありますが、慣れればそれほど危険も感じない。

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法行沢を渡渉して、P803北のコルへ向かって山腹を上がります。コルからは尾根の背を北へ上がる。すると“メリット5”と呼ばれている地点で林道へ飛び出す。ここから林道を辿って富士見峠へ。

これが、先輩方が開拓した、織戸峠~富士見峠のルートです。私も去年の秋に単独で歩きました。

が・・・

P803北のコル~富士見峠間は、昔の古道と今の林道は同じでないと思っているんです。古道は林道と沢の間か、あるいは沢沿いに通っていたような気がするんです。はっきりした根拠無く、ただ「そうだったんじゃないかなァ」と思っているだけですが。

今回、それを確かめるために、コルから東側の沢へ降りようと思っていたのですが・・・。ここの時点で時刻は13時半。残り時間を考えてやめました。一緒に歩いている皆さんにも迷惑かけてしまうし。でも、ここの探険は、そのうち絶対にヤル!

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そんなこんなで富士見峠に到着~~。時刻は14時15分。

ここから地蔵平まではいくつかのルートがあります。以前来た時には林道を辿って地蔵平へ抜けました。昔の古道には尾根ルートと沢ルートがあったそうです。実は今日は絶対沢ルートを歩きたかった。だってこの沢ルート、ほとんど歩いた記録が残っていないんです。道跡は完全に崩壊して、痕跡を探すのも難しいのだとか。あのS-OKさんも道跡を見失い、滝を下降してイデン沢へ降りたとか。

でも今日は、ここから浅瀬へ戻る時間を考えると・・・なにしろ林道を早足で降りても3時間はかかる・・・困難が予想される沢ルートは諦めざるをえないか・・・。

M-K隊長の判断で尾根ルートを行く事になりました。

残念だけどしかたない。尾根ルートだって、私にとっては未踏のルートだもの。沢ルートは次のお楽しみだ。ここも近いうち、絶対に探索する!!

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でも尾根ルートだってそんなに甘いルートじゃない。こんな崩壊斜面をトラバースしたり。

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こんなヤブに突っ込んだり。

ウヒャヒャ・・・。いいゾいいゾ。こういう所を歩くの、嫌いじゃないんだ。むしろ好き・・・って、ちょっと変か?

標高800m付近で、ヤブを避けて北へ伸びる尾根に乗る。植林の急斜面を駆け下りて、富士見橋のちょい西側で林道へ降りた。

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地蔵平から浅瀬までは、再び長い林道歩き。おしゃべりしながら、のんびりゆっくりと歩きます。

浅瀬に戻ってきたのは17時50分頃。なんと10時間の遠足でした。

T.IさんのGPSによると、歩行距離23kmだったとか。登山道なら30kmくらいは、なんとか歩けるけれど、Vルートがらみで20km超は、さすがにキツイよね。

疲れたわけだ・・・   暑かったし・・・

でも楽しかった! 面白かった!!

皆さんありがとうございました。

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最後に・・・珍しい花を見つけたよ。

ギンリョウソウに似ているけど、ちょっと違う。初めて見る花です。

今、調べ中ですが、ギンリョウソウモドキ(アキノギンリョウソウ)という花かもしれない。

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2010/07/04

祠尾根~石棚山~石棚沢右岸尾根

いやはや・・・苦しい山歩きだった。風邪っぴきが治りきってなかったのだ。体調不良で山を歩く事が、こんなにも辛いとは。

西丹沢自然教室の目の前に有る、山神様の祠の裏から板小屋沢ノ頭へと続く尾根を登り、石棚沢右岸尾根を下降してきました。丹沢Vルート界の尊敬すべき大先輩である、イガイガさん、M-Kさん、AYさん達が開拓し、世に知らしめたルートだ。

ずっと『歩きたい尾根リスト』に入っていたのだが、最近ハッピーさんから「珍しい花を見つけたよ~」という話を聞き、それがどうもこの尾根筋じゃないかと・・・。

そして、体調が完全じゃない事は自分でも自覚し、天気予報も芳しくなかったこの日、このルートを歩こうと思い立ったのでした。いや、決して甘いルートではない事はわかっていましたが、少なくても悪場が無い事は諸先輩の記録を読んでわかっていましたから。

ところがね・・・。歩いている途中で体調が悪化。そしてルートミス。またもやおバカ山行のお話だ!

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7月3日

久しぶりの山歩きだ。1ヶ月ぶり。空はどんよりとしているが、心はウキウキ。午後から雨の予報だったが、そんな事を気にするオイラじゃない・・・ってな気分。それほど山が恋しかたんだ。1ヶ月近く、行きたくても行けなかったんだから。

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自然教室の目の前の山神様。この横から裏手の尾根へとくっきりとした踏み跡が見える。踏み跡を辿って尾根に乗る。『祠尾根』という名前はマイナールート探検隊のキリヤマ隊長の命名らしい。尾根上には、薄いけれどはっきりとしたトレースが付いている。歩く人もけっこう多いのかもしれないなあ。

最初の異変に気がついたのは、100m程登ったあたりからだ。息が乱れるし、足が重い。久しぶりの山歩きだから、身体が慣れていないんだろうくらいに思っていた。

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尾根は緩斜面と急斜面を繰り返しながら高度を上げていく。850m付近の急登にかかったところで、はっきり体調以上を意識した。息が上がりすぎている。汗のかき方も異常だ。足が上がらない。

「こりゃ、まいったなァ・・・。どうしよう。引き返そうか。」とも思ったが、とにかく板小屋沢ノ頭までは登ってみる事に。標高差、後300mほど。それくらいは行けるだろう。

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この祠尾根、なかなかワイルドで歯ごたえの有る尾根だ。自然林・・・ヤセ尾根・・・大好きな尾根だ。こういう尾根を歩いていると、本当に心休まる。

・・・と裏腹に、体調最悪。10m登っては立ち止まり、噴出す汗を拭う。無理矢理休みをとってきたんだ。来週だって休めるかどうかわからない。こんな所で引き返せるかい! せめてこの尾根だけでも踏破しなくっちゃ。休み休みながらも歩き続ける。

こうゆう時には、「単独で良かったァ」と思う。他の人に気兼ねする事無く、自分のペースで休みながら歩けるからね。

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で、ヒーコラ言いながら板小屋沢ノ頭に登頂。2時間半かかった。でも、体調さえ良かったら、1時間半くらいで登れるかも。

例えば・・・石棚山稜を目指すとき、正規の登山道であるズサ平沢から登ってくるルートよりも、こっちのルートの方がいいかもよ。なんて考えもよぎる。あっちの正規ルートだって、ザレ斜面の急登で、けっして楽しい道じゃない。

でも、この祠尾根は、あくまでもVルート。おバカさんか病気の人以外は歩かない方が無難だね。それに去年の秋には、この尾根でテキーラさんが熊に遭遇している。私も今日、熊らしき足跡を確認した。(半分つぶれた足跡で、はっきりはしないけれど・・・)

それはさておき・・・

さて、この後どうしようか。せっかくここまで来たんだ。予定通り、石棚沢右岸尾根を下降しようか。キツイ登りは終わったんだ。なんとかなるだろ。

なんて、考えてしまうところが『おバカ』の悲しさ。

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石棚山へ向かって、正規の登山道を歩き出す。普通の道を歩く分には、ヘッチャラさ。なんて思ったのが甘かった。この山稜のアップダウン、それなりにキツイんだよね。だんだん身体が辛くなってくる。道端の花がバイケイソウじゃ、心もそれほど癒されないや。この花、華やかさにかけるのは何故だろう。薄っすら緑がかった花色のせいだろうか。

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目指すベンチが見えてきた。石棚山とテシロノ頭の中間に有るピーク。(石棚山稜の山名には諸説あって、『西丹沢頂稜河川土地名称図』では、このピークがテシロノ頭になっています。) ここが石棚沢右岸尾根の下降口だ。

ガスが濃くなってきた。「コリャ、予報通り雨が来るな」という事を気にしながらも、たっぷりと休憩をとります。ベンチで30分くらい横になる。一眠りしたおかげで、少しは体力が戻った気がする。これから未知のV尾根を下降するんだ。地形図を眺めながら、降りるべきルートを丹念に確認します。けっこう難しそうな尾根だな。間違えそうなポイントがいくつも有る。

何度も書いているけれど、未知尾根をRFしながらの下降が大好きだ。難しそうな尾根ほどワクワクする。 が・・・今日は体調がこれだからな・・・。

なんて不安がっててもしょうがない。さあ、行こう!

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ベンチからピークへ上がり、鹿柵を回りこんだところで、下降すべき尾根を見つける。地形図とコンパスで確認しつつ尾根を辿る。これだけガスが濃いと、RFの難しさが倍増する。ヤセ尾根はいいけど、広い尾根になるとわかりづらくなるんだ。見通しが悪いから、尾根の背を下降しているつもりで山腹を降りてしまうって事がおきるんだ。尾根の分岐も確認しづらくなる。

そしてついに雨が降り出した。

北西に進路をとりながら、地形図上に1065の表記が有る地点で真西に進路を変える事は、あらかじめ頭に入れていた。

が・・・ミスった。

実際に進路を真西に変えたのは、1020付近だった。その事に気がついたのはだいぶ先に進んでからだった。右手から沢音が聞こえてきて、おかしいと思った。そして、右手前方の木々の合間から、堰堤の陰がチラッと見えた時、はっきりと間違いに気がついた。

地形図を必死で見る。なんとなく現在地がわかった。下降する予定だった尾根は、P784を通って、東沢と石棚沢の合流地点へ降りる尾根だ。今は、その1本北側の尾根の標高800m付近にいる。

どうする? 戻り返す・・・わけないだろ。もう、すぐ下が東沢だ。この辺りには滝とかも無いはず。このまま東沢へ降りるだけさ。この先等高線が混んでいるのが気になるけれど・・・。

と、先へ進む。

が・・・、やっぱりね。沢を目前にして切り立った斜面だ。窪地に沿ってトラバースしながら、下降できそうな場所を探す。

ロープを出そうか・・・なんて思った矢先、足元が崩れた。しりもちをついたまま、窪へ向かって滑り落ちる。が、自分でも驚くくらい冷静だった。掴めそうな木を冷静に探して、5m程滑ったところで木にしがみつく。

ズボンの泥をはたきながら、「ヘヘッ。ロープを出す手間が省けたぜ。」なんて負け惜しみ。

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なにはともあれ、東沢へ降り立った。石棚沢出会いの500mほど上流。河原のゴーロを歩きながら下流へ向かう。

途中で堰堤を右岸から巻いた。

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石棚沢出合。本当ならこの尾根の先端に降り立つ予定だった。

まあ、Vルート歩きに「何が正解」は無いけれど、予定のルートを外してしまったんだから、やっぱり失敗だ。

ここから先は自然教室まで、新しくできた立派な登山道を辿る。もうフラフラだぜ。こんな体調で、こんなキツイ山を歩き回るなんて、「ほんとバカだな」とつくづく思う。せっかく治りかけていた風邪も、また悪化したような気がする。

そしてルートミスの敗因を考える。雨で気持ちに焦りが出てしまったのも敗因だ。ガスで見通しが利かない時こそ、ゆっくりと落ち着いて歩かなければ。

そして、一番の敗因は高度計に頼りすぎていた事だ。低気圧が接近していたこの日、高度計も相当狂っていた。出発時に自然教室前で550mに合わせた高度計。帰着時には600mを表示していた。50mの狂いだ。自分が1065mと思って進路を西に変えた地点が、実際は1020mだった事が納得できる。こんな天候の日は、高度計の狂いも考えなければ・・・。

AYさんに聞いた事が有る。AYさんは高度計を持たないし、コンパスも滅多に見ない。それで、どうして正確なRFができるのだと。AYさん曰く「景色を大きく見なさい」と・・・。

いまだその言葉の意味が掴めず・・・。

一人前への道は遠いなァ・・・。

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