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2009/12/15

本間ノ頭周回 ~後編(下り)~

前回からの続きです。

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登りですっかり疲れきってしまい、本間ノ頭山頂でウトウトとしてしまいました。あまりの寒さに目が覚める。

しまった! もう11時半だ。実はこの日、夕方に用事が有って16時頃までには帰らなければならない。という事は、14時には早戸川大橋に止めた車に戻りたい。残り2時間半。たぶん行けるはず。が、途中で道迷いしたらアウトだ。

よ~し! と、気合を入れる。いよいよ栂立尾根の下降開始だ。いつもながら未知のVルートに突入する時には緊張が走る。でもこれは、心地よい緊張だ。ワクワクするんだ。

もう一度地形図を確認する。この栂立尾根、途中のピークが多い分、尾根が複雑に枝分かれしている。いかにも迷いそうな尾根だ。慎重にRF(ルートファインディング)をしなければ。

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いざ出発。 下降口は山頂のベンチの裏。はっきりとしたトレースがあります。

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山頂からしばらくは、エアリアにも記載されている、本間橋へ降りるルートをたどります。赤破線コースだけれど、登山道には違いない。踏み跡もくっきりとしていて歩きやすい。

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たぶん、エアリアに『危』マークがついていた場所だ。でも、ロープも張ってあるし、安全に通れます。

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最初のRF注意地点は、標高1260m付近。エアリアの赤破線コースから分かれて、北東の尾根に乗る地点だと思っていました。が・・・そこにはこんな道標が。

わかりやす!

とうせんぼロープをくぐって奥へ進めって事だね。

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そこはこんな素敵な尾根道。気持ち良く散歩気分で歩きます。

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カッコいいブナの大木も生えています。

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こんな光景にも野生の迫力を感じます。

そして鐘沢ノ頭を通過。ピークでは必ず尾根が分岐するので、RFが必要です。が、ここは迷う事無くすんなり通過。

続いてP1043通過。さあ、ここだ。事前の地図読みで、一番注意が必要だと思っていた地点にさしかかった。P1043を少し下った所で、尾根は二つに分かれる。そこを東へ向かうのだが、地形図上で見ると東へ向かう尾根はぼやけている。よほど注意深く観察しないと、見逃してそのまま北の尾根に乗ってしまうだろう。

慎重に東側を観察しながら進む。案の定、東へ向かう尾根の入り口は、地形を見てもわからない。が、すぐに見つかった。

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見つけたのはこの杭。この栂立尾根は、清川村と相模原市の境界尾根なんだ。だから、先程からずっと、この境界杭を辿って歩いていたんだ。東の斜面にこの杭を見つけたので、すんなり迷わずルートを見つける事ができたという訳さ。

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山頂から1時間15分。栂立ノ頭山頂です。

ここまではとても気持ち良く歩いてきました。ただ、不気味なのは時折聞こえる猟銃の音。音は遠いけれど東と西から聞こえてくる。これから向かう北方面から聞こえてこないから、少し気が楽だけど、先程空の薬莢が転がっているのを見つけたから、この山域でも猟が行われるのでしょう。冬の丹沢で一番怖いのがこれ。まあ、正規の登山道のそばでは、絶対に猟はしないはずだから、一般登山者には関係無い話かもしれないけれど・・・。

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栂立ノ頭から北東へ向かいます。この尾根上には鹿柵が張られ、自然林と植林に分かれています。かなりの急斜面。鹿柵の中へ入って、植林側を降りてみましたが、こういう急斜面は、木がランダムに生えている自然林側の方が降りやすいかも。

この尾根を登りで使う時には、ここが一番の心臓破りだね。

次のピークは六百沢ノ頭。ここでもRFは必要です。山頂から真北の尾根を降ります。

次のRFは標高670m付近。ここで尾根は3つに別れます。しかもボヤっとした地形で、尾根の分岐がわかりにくい。例の境界杭を探して、北東へ向かいます。

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そしてたどり着いたのがP532。ここがタロベエ峰だと思っていたのですが、もしかしたら違うかもしれません。

当初の予定では、境界尾根を辿って金沢橋の脇へ降りるつもりだったのですが、帰りの時間が気になるので、ここから北へ向かいます。

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新多摩線33号鉄塔の下へ出ました。さあ、ゴールは間近だ。

ここから、一の沢という小さな沢の右岸の尾根を下降しました。後でわかった事ですが、左岸の尾根に入るのが正解だったようです。

林道が近づくにつれ、嫌な予感がしていたんだ。こういう尾根の最後にありがちな事。

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ホ~ラね。嫌な予感は当たった。最後が擁壁だ。7~8mの擁壁が、2段になっている。上の段は比較的傾斜が緩やかで、なんとか降りられた。下の段は絶壁だ。さあ、どうする!

ザイルを出そうか、と思った。先月、M-Kさんに「Vルートを歩くなら、6mmのザイルくらいは持って歩きなさい!」と忠告されてから、いつもザックの横にぶら下げてはいるんだ。1度も使った事はないけど。

どこにザイルを引っ掛けようかとキョロキョロしているうちに、「なんとか滑りながら降りられるんじゃ」と思い始める。「滑って降りても、下のフェンスで止まる」と。擁壁に腹這いになって、ザザーと滑ってみる。

ウッヒャー! うまくいった。そしてちょびっと気持ち良い。フェンスを乗り越え、2m程のコンクリ壁を飛び降りて、無事林道に降り立つ。

やったネ! ・・・と思ったが、シャツとズボンはドロドロだ。それも尋常じゃないくらいのドロドロだ。こんな擁壁を滑って降りたんだから当たり前だ。それを見て、さすがに自分でもゲンナリする。・・・バカだ。バカ過ぎる・・・。

まあ・・・そんなこんなで。

予定通り14時、早戸川大橋に戻ってきました。

よしよし。今日は一度も迷わずに、Vルートを下降できました。と言っても、境界杭という大ヒントを辿ってきただけだから、自慢にはならないけれど。

それに、たとえ間違った尾根に入ってしまっても、「必ず早戸川林道か金沢林道のどちらかに降りられる」という気持ちがどこかに有って、緊迫感にも欠けていたけど。

だけど、『静かな尾根歩きを楽しむ』という観点から見れば、この上なく素敵な尾根だった。地形図を見ると複雑に尾根が派生しているから、この辺一帯の山域を探索してみるのも面白いかも。

この辺はヤマビルが多いから、冬にこそ歩きたい山域なのだけど・・。怖いのは猟銃だ。猟の情報って、どこで調べればわかるんだろう・・・。

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コメント

shiroさん

やりましたね! お見事です。(拍手)
この前私は今回shiroさんが取り付かれた尾根を
上がろうと思いながら行ったのに、とにかく誘惑に
弱い男でして「フラフラッ・・」と一本手前の尾根に
上がってしまったのです。(涙)

栂立尾根の徹底探索は重要なテーマです!
よろしくお願いいたします。
猟期のVルートでは出来ればオレンジ、赤、白など
派手な色のジャンパーを着て下さいね。

お疲れ様でした!

投稿: M-K | 2009/12/16 01:17

道なき道を行く山歩き、
冷や冷やしながら拝見させていただきました。
熊に加えて猟銃の危険もあるんですね。
無事、下山できてよかったです。

投稿: どてかぼちゃ | 2009/12/16 04:22

shiroさん、こんばんは。

猟の情報、神奈川県庁のH.Pで「丹沢の狩猟」で検索すると、
平成21年度の狩猟期間については、
「平成21年11月15日から平成22年2月15日まで
(ただし、山北町世附猟区及び山北町三保猟区に限り
平成21年10月15日から平成22年3月15日まで)
  猟区等の位置はこちらを参照してください 」
とありますが、いつどこでやるか、などの具体的なことは書いてありませんね。

いぜん、禁猟区でも空の薬きょうが落ちていましたから、油断できません。
M-Kさんのおっしゃるように、派手な色をお召しくださいませ。

投稿: ハッピー | 2009/12/16 18:58

M-Kさん、こんばんは。
「この前・・・」というと、六百沢の頭~金沢林道~金冷しと回られた時の事ですね。もちろんHPの山行記は拝見しています。雨を屁とも思わない、M-K隊には頭が下がるばかりです。あの時、降りる尾根を間違えたと書かれていましたが、私が登ったこの尾根の事だったんですね。とても良い尾根でした。ただ、取り付きがズリズリの急斜面で・・・。回りをもっと探索すれば、良い取り付き口が有るかもしれません。
 
栂立周辺の探索は、重要テーマなんですね!! 是非その企画に乗っからせてください。あの尾根の深山ムードは、魅力たっぷりです。
 
>派手な色のジャンパー
うう・・・持っていないんです。
洋服はモスグリーン、ベージュ、カーキーとアースカラーが好みなもんで・・・。
でも、せめて白のジャンパーくらいは買いましょうか・・・白だとドロドロが目立ちそうだけど・・・。

投稿: shiro | 2009/12/16 20:21

どてかぼちゃさん、こんばんは。
冷や冷やさせてしまってスミマセン・・・。
でも、自分ではそんなに危ない事をしているつもりは無いんですよ。
熊も猟銃も出会う確立はそんなに高くは無いとは思うのですが、山奥を一人で歩いているとそんな事も不安に感じてしまいます。
それなのに、また一人で山へ入ってしまうくらい、山の魅力に取り付かれています。
でも、無謀な事はしないようにと、肝には銘じていますので。

投稿: shiro | 2009/12/16 20:28

ハッピーさん、こんばんは。
わざわざ情報、ありがとうございます。
私も「丹沢 狩猟」で検索してみましたが、情報開示されていないみたいですね。
「何日にどこの山で」って教えてくれれば、私だって「あえて突入」なんて事は絶対しないのに・・・。
ヤマビルがいない冬の間に、宮ヶ瀬近辺を重点的に回ろうなんて思っていたのですが、あの辺はばっちり猟区になっているんですね。猟銃よりもヤマビルのほうが、まだマシか・・・。
表尾根を歩いている人達のような、カラフルな登山ルックにはどうしても抵抗があって・・・。

投稿: shiro | 2009/12/16 20:40

shiroさんこんばんわ

宮ヶ瀬金沢右岸左岸周回お疲れ様でした。
同じ尾根(ワレヤノ沢左岸尾根)1日違いの登り降りでした、こういうニアミスって結構多いんですよね。
年内、1回位はコラボできればいいですね!

投稿: AY | 2009/12/17 23:30

AYさん、こんばんは。
AYさんの山行記録、読ませていただきました。登ったり降りたり・・・あいかわらずの精力的な行動にはビックリするやら、感心するやら・・・。
私が登った尾根を、前日に下降していたんですね!
あの尾根、なんて呼べばいいのだろうと思っていましたが、「ワレヤノ沢左岸尾根」というんですね。
宮ヶ瀬金沢からは、右岸も左岸もいろんな尾根が登れそうだったり降りれそうだったり、楽しめそうな一帯ですね。
金沢林道も舗装路ながら雰囲気がよく、とても気に入りました。きっと野草の植生も豊かなんじゃないかと思うんです。初夏の頃には、野草探索をしてみようと思っています。
20日には、よろしくお願いします。

投稿: shiro | 2009/12/18 20:10

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