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2009/12/04

ホソノノ尾根~塔ノ岳~源次郎尾根 後編

前回の記事からのつづきです

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10時35分  塔ノ岳山頂を出発。下山ルートは源次郎尾根です。

この源次郎尾根、下りで使うと道迷いしやすい尾根だと言われています。あの、尊敬する大師匠S-OKさんでさえ、最初にこの尾根を下降した時には、間違えて沢に下りてしまったと、 自らの山行記で語られています。

「未知の尾根は下降するな」が山の常識。それだけVルート尾根の下降はRF(ルートファインディング)が難しいんだ。ましてや達人のS-OKさんでさえ惑わした尾根だ。

でもオイラ、そんなスリルが大好きなのさ。ワクワクするぜ。

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塔ノ岳からテクテクとバカ尾根を下って、花立のピークまでやってきました。この下に源次郎尾根の下降口が有るはずです。ピークから東側を観察します。

おお、あれだ。バカ尾根から派生して東に伸びる尾根が見えます。あれが源次郎尾根だ。

花立ピークを少し降りた場所で、左手に黄色いテープのマーキングを発見。ここが下降口か? 山腹をジグザグにうっすらとした踏み跡が有る。ここを降りていくのか? なにか違和感を感じる。もう少し先を調べてみよう。

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左手を観察しながら下っていくと・・・あった! 笹原の中にこんなにくっきりとしたトレースが。間違い無い。ここが源次郎尾根の下降口だ。

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しばらくはとても気持ちの良い尾根歩き。はっきりした踏み跡に沿って歩きます。左手には表尾根の稜線が見えます。奥の端整な三角形の山は大山だ。こういう雄大な眺めの中で歩くのって、とても気持ちが良い。

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ほどなくこんな広場にたどり着きます。

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広場の下は崩壊斜面。この辺から踏み跡はなくなります。

そしてここで尾根が二つに分かれています。右手の尾根にマーキングテープが見える。が、まてよ・・・。地形図を睨む。絶対左手の尾根に行くべきだ。右手の尾根は沢に飲み込まれるはず。あのマーキングは沢屋のものかもしれない。

ところが左の尾根は激ヤブで歩けない。右の尾根を降りながら、左の尾根のヤブが途切れたあたりで左の尾根に乗り移る。

コンパスを何度も何度も確かめながら下る。とにかく南東だ。ここは南東方向に下りていれば間違いない。

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崩壊斜面から降りること10数分。こんな場所にたどり着きます。まるで公園のような草原だ。 なんて気持ちの良い場所なんだろう。

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車を止めた戸沢がはっきりと見える。

でも、ここが魔の地点だ。標高1100m地点。地形図を見ても、尾根の形がぼやけてはっきりとしていない場所だ。出発前に地形図を見ていた時から、皆がルートを間違えるのはここだろうと予想してた。ほんのちょっと方角を間違えただけで、源次郎沢へと引き込まれる。源次郎沢は滝が多いと聞いているから、沢へ降りてしまったら大変な事になる。

ここは慎重に・・・。草原の縁をウロウロしながら南東へ向かう尾根を探す。・・・が、わからない。それらしきものはいくつか有るが、どれが正解かがわからない・・・。

困った・・・。とつぶやきながら、実は楽しんでいるんだ。そう、これはオイラと山との真剣勝負なんだ。この緊迫感が大好きなんだ。

決断する時がきた。いくつかの候補の中から、一番東寄りの尾根らしき場所を下降する。「南向きの尾根に乗ったら、沢へ引き込まれる」という思いが強かったのかもしれない。

20mほど下降する。ものすごい急斜面だ。正しい尾根なら、この下で尾根の形がはっきりとしてくるはずだ。チラと右隣の尾根を見る。あっちが正解だったか? もう少し降りてみよう。

さらに20mほど下降する。さらに斜面は急になる。尾根の形ははっきりするどころか、ぼやけはじめた。右隣の尾根ははっきりとした尾根形状になってきている。地図とコンパスを眺めて考える。どうやら自分が今立っている場所は、地形図にはっきり出てこない小尾根だ。まただ・・・。先週に続いて、また小尾根トラップに引っかかってしまった・・・。

クッソー! また負けだ。そして負けた罰ゲームは、強烈な登り返しだ。

こんな急斜面をよくぞ下降したと思う。四つん這いでよじ登る。キッツー! こんな時、AYさんの言葉を思い出す。「木さえ生えてれば、どんな斜面でも登れる」 なるほど、名言だ。木から木へと辿るようにルート取りをしながら這い上がる。

草原の直下まで這い上がったら、右隣の尾根へトラバース。この尾根もやはり急斜面だが、少し下降してはっきりわかった。ここが正解だった。

皆さんには正解ルートの探し方のヒントを。

草原の直下から植林地帯が始まります。この植林地の東端、つまり植林と自然林の境目を辿るように進んで下さい。すると、正解の尾根に乗る事ができます。植林地帯の真ん中を進むと、沢へ降りる南向きの尾根に乗ってしまうおそれがあります。

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ここも相当な急斜面ですが、下草が無い植林地帯ですから、適当にジグザグしながら下降していきます。この後はただ尾根を下るだけ。標高900m下あたりと850m下あたりで尾根が別れますが、両方とも右手の尾根へ進みます。ですが、地形図を見るとどちらへ進んでも書策新道へ降りられるようです。

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標高750m付近になると、尾根上に間伐材や枝が散らばり歩きにくいったらありゃしない。左手下方に書策新道がチラチラ見えていますから、適当な所で山腹を降りても良いのですが、ここはできるだけ尾根を最後まで・・・と、間伐材をまたぎながら歩きます。

結局、標高720m地点で書策新道と合流しました。

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12時45分  無事に戸沢の駐車場へ到着。

ここら辺は紅葉真っ盛りです。戸川林道の紅葉を楽しみながら、帰途につきました。

 

また山との勝負に負けてしまった・・・。あの登り返しはキョーレツだったなァ。でも、ちっとも嫌じゃない。むしろ逆。とっても楽しい山歩きができました。

今日もまた、面白かったァ~。

そして・・・次は絶対勝つ!!

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コメント

shiroさん
楽しくやっておられますね!
shiroさんのRFの様子はVルートに挑戦される方に取ってとても参考になる記述と思います。
今回は可愛らしい登り返しがあったみたいですが、Vルートに挑戦していれば強烈な試練に当たる確立は高いのです。いろんな場面を想定しイメージトレーニングをするのです。そして必要な装備は揃え万一に備えて下さい。真の窮地に陥ればビバークは覚悟です。イチかバチかを決してしてはなりません。
余計なお世話を言ってすみません。人は苦境を乗り越えながら成長します。頑張って下さい。(^^)v

投稿: M-K | 2009/12/06 17:36

M-Kさん、こんばんは。
あいかわらず、楽しくおバカな事をやっています!
>とても参考になる記述
おバカな山歩きの記録が、他の人の参考になるとは思えませんが・・・そんな事を言われるのは初めてなので、ちょっと舞い上がってしまいました。(笑)
 
けっして“イチかバチか”をしているつもりはないんです。地図をじっくり読んで考えて歩いているつもりなんですが、地図読みの未熟と知識不足から、失敗ばかりをしています。
でも、失敗も向上の糧ですから、そんな事も楽しんでいます。
 
先日のM-Kさんの忠告を聞いて、6mmのロープは持って歩いているのですが・・・考えてみたらロープの使い方も良く判らない・・・。そんな事もまた機会ありましたら、お教えください。

投稿: shiro | 2009/12/06 21:06

お久しぶりです。
人魚です。

山の話は面白いですねえ!
山と勝負するのですね!?

ところで、しばらくサイトが重たいと言うか、動きが悪かったのですが、今日、久しぶりに拝見したら、サクサク動いて写真が見やすい(^^)Y
緊張感を共有しつつ、楽しませていただきました♪

投稿: ningyo | 2009/12/08 07:09

ningyoさん、こんばんは。
山の話を面白がっていただけて嬉しいです。
でも、山と勝負するのは、もっと面白いですよ! 今まで経験した、どんなゲームよりもスリリングで楽しいです。
 
このサイト、重かったですか!?・・・スミマセン。
写真の枚数が多いので、重くなってしまっていたのだと思います。トップページの表示方法を変えたので、これからは大丈夫だと思います。

投稿: shiro | 2009/12/08 20:35

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