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2009/12/22

バケモノ沢上流部探険

我が師、M-K氏はイカレたお人だ。今回の山行計画を聞いた時に、つくづくそう思った。

今回の狙いは、西丹沢の奥の奥。まさに秘境と言うべき山域。バケモノ沢の最深部、戸沢、赤沢の探険だ。それを上から攻めると言う。つまり大界木山の稜線から未知の沢へ降り、そのまま沢を下降する。そこまで聞いただけで「はい??」である。さらにその後、未知の沢を遡行して稜線に戻る、という計画だ。「滝が無けりゃいいけどね」などと平然とおっしゃる。

こんなイカレた計画を立てられるのは、M-K氏が達人で有るからに他ならない事は間違いない。だから、並みの人は決して真似できないイカレ具合に、魅力を感じて惹かれてしまうのだ。

そして、このイカレた山歩きの極意を学ばんがため、同行させていただく事をお願いしたのだった。

私も「イカレた男だね!」と言われるようになりたいんだ!!

Tizu091220

12月20日

メンバーはM-Kさんを筆頭にAYさん、T.Iさん・・・と私。

この戸沢・赤沢、事前にググってみたものの、沢を歩いた記録がひっかからない。西丹沢の奥地だから、ここらを歩く人も少ないのだろう。ひっかかるのは渓流釣りの人の記録だけだ。でも釣師は魚のいない最深部までは行かないから、源頭部は全く未知の領域だ。ワクワクするが、さすがに単独で歩くのはビビッてしまいます。まして未知の沢の下降となるとなおさらだ。でも今日は達人にくっついて歩くんだから、怖いもの無しだゼ。

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朝8時40分  道志村の道の駅から林道へ入り、水晶橋という橋のたもとに車を止めて出発です。 零下じゃないの?と思うくらい寒い朝でした。

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林道を歩く事20分。ここからは登山道で城ヶ尾峠を目指します。歩きながら地形図に記された登山道とは違う尾根を歩いている事に気がつきました。あきらかに地形図が間違えている。そんなのよく有ることだけど、ここはあまりにも違いすぎる。いつも思うのだけれど、山道に関してはテキトーすぎるぜ、国土地理院。

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9時30分 城ヶ尾峠に到着です。ここで一服しながら、M-Kさん、AYさんの両達人が下降口を協議しています。そして、大界木山を越えて、少し下がった所から小尾根を下降しようという結論に。

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城ヶ尾峠から大界木山を目指します。さすがは東海自然歩道。公園の小道のような稜線歩きです。気持ちいい~!

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木々の間から富士山もくっきりと。

気分上々で歩きながら、大界木山を越え、下降すべき小尾根を探します。

そんな時、M-Kさんがうっすらとした踏み跡を発見。「いや、ここは目指している尾根とは違います。」と言うが、「なんか知らんけど、ここを降りよう。」とおっしゃる。なんか知らんけど、もちろん異存は無い。

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という訳でここから下降開始です。踏み跡と言ったって、本当にうっすら。言われても「え?ホントに踏み跡?」というくらいです。

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薮の中を少し歩くと、こんな歩きやすい道が出現。いや、道じゃない! 沢の源頭だ。M-Kさんのカンが見事に的中。恐るべし達人のカン。

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水がチョロチョロと湧き出してきました。

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下降開始から30分。 もう立派な沢です。

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気持ちの良いゴーロ歩きが続きます。AYさんは「滝が無くて歩きやすいねぇ」などと言ってますが、ちょっと物足りなさそう。私としては滝が出てこない事を願います。

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なんて願っていたけれど・・・やっぱりね。滝出現です。高さは無いものの絶壁の滝。ここは左岸を20mほど高巻きました。こんな時のAYさんのルート取りはとっても的確。頼もしい人です。

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右岸から合流した沢にこんな立派な滝が! ここまでは釣り人も上がってこないだろうから、見た人も少ないんだろう・・・なんて思いながら見入ります。 

水量は少ないものの、高さは25mくらいは有るでしょうか。写真が下手で伝わらないかもしれませんが、本当に美しい滝でした。これを発見しただけでも、ここへやってきたかいが有るというものです。

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だんだん水量も増えて、危険度も増してきました。ここもちょっとした危険箇所でしたが、嬉しそうに笑いながら通過するT.Iさん。

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下降開始から1時間45分。 戸沢をずっと降りてきましたが、ついに赤沢出合に到着です。左が降りてきた戸沢。右から流れ込んでいるのが赤沢。そしてここから写真上へと流れていくのがバケモノ沢です。

時間もちょうど、12時過ぎ。この少し上流でランチ休憩をしてから、今度は赤沢の遡行開始です。

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10分も歩くと、美しいナメ滝出現。2段になってます。

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ここは、右岸から巻き巻きです。

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沢の水が凍っています。うっかり足を乗せるとツルンとこけるので要注意。

でも、凍りついた沢って綺麗だ・・・。

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だんだん水量も少なくなってきました。こうなると、沢歩きに慣れていない私も安心して歩けます。

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ウッヒョー! また美しい滝が出現だ。半分凍りついている。赤沢の最深部に有る滝。見た事が有る人も、そう多くは無いんだろう。そう思うと、感慨もひとしおです。

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源頭部も近づいてきました。どういうルートで稜線につめるか、協議する両達人。

結局、尾根には登らず、このまま沢をつめる事になりました。

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チョックストーンの滝。でも水量がチョロチョロだから、簡単に登れます。

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赤沢出合から遡る事、1時間と10分。ついに源頭部に到達しました。ここから上は猛烈な笹薮。

さあ! 薮に突入だ!

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完全に背丈よりも高い薮の中を、ずいぶん長い事もがいていたような気がします。が、実際は10分くらいだったかもしれません。

今まで、そんなに多くのヤブ漕ぎをしてきたわけではありませんが、こんな激ヤブは初経験だ。M-Kさんにそう言うと、「この程度じゃ、ヤブとしてはBクラスだな」だって。ええッ!? まだ上にAクラスがあるんだ! とビックリすると、「まだその上には特Aクラスがあるよ」だって。・・・恐るべし、ヤブ屋の世界。奥が深い・・・。

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14時20分。 城ヶ尾峠に到着です。

戦い終わった男達。西日が眩しいぜ・・・。

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後は登山道と林道をテクテクと車に戻るだけです。

あ~面白かったぁ・・・。本当に面白い山歩きでした。

いつも、未知のルートを無事歩きとおした後には、達成感と満足感が残りますが、今日はまた格別です。

私の実力と経験では、単独では絶対にいけないルートでした。

M-Kさん、AYさん、T.Iさん。本当にありがとうございました。

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コメント

shiroさん
イカレタ山紀行にお付き合い、誠にありがとう
ございました!(^^)v
私は達人でもなんでもありません。只の狂った山バカ
爺さんです。
私が生まれ育った新潟の田舎の環境は山でこそなかった
のですが、家の前には大きな池があり、その向こうには
森があり、笹藪、カヤ藪もあり私はそれらをジャングル
と呼び私の楽しい「遊び場」であったのです。
山菜とり、きのこ取りは歩いて1時間位の山へオヤジさんに連れられて良く行ったものです。いずれもヤブの中へガサゴソ・・と分け入って探すのです。
お分かりいただけたと思いますがこれが下地にあるものですから何の抵抗もないのです。(^^)v
余計な事を書いて済みません。
冒険によかったらまたお付き合い下さい。

投稿: M-K | 2009/12/22 08:43

M-Kさん、こんばんは。
先日はありがとうございました。本当に楽しい山行でした。ほとんど人が入らない秘境の探険、たっぷりと楽しむ事ができました。
そしてM-Kさんはやっぱり山の達人だ・・・という事を改めて実感したしだいです。
 
M-Kさんは、子供の頃からヤブ漕ぎをしていたんですね!
私は埼玉育ちで、山こそ無いものの雑木林が遊び場でした。野原や森の中が、一番心が落ち着く場所でありますし、ヤブの中を歩くのもちっとも嫌ではありません。・・・とは言うものの、今回の激ヤブはしんどかったァ・・。(笑) でも、『ヤブ漕ぎはこりごり』なんてこれっぽっちも思っていませんから。
新たな冒険、是非またよろしくお願いします。

投稿: shiro | 2009/12/22 20:31

shiroさんありがとうございました~
冬のヤマでは熱々の湯が必要と痛感しまして
「携帯強力バーナー」調達しました!
今度はこれでコーヒーでも味噌汁でも熱々のを
用意させて頂きたく。。。
またよろしくお願いします<(_ _)>

ところでこれをご覧の皆様、本当のことを
申しますと、「イカレタ」ではなく「イカシタ」
と書くべきなのであります。照れくさくて
「イカシタ」とは書けないのであります。
という次第で、「イカレタ」が出てきましたらば
どうか「イカシタ」と読み替えて頂きたく
お願い申し上げます<(_ _)>

投稿: T.I. | 2009/12/25 19:54

T.Iさん、こんばんは。
先日は本当にありがとうございました。
山中で入れていただいたコーヒー、本当に美味しかったです。
冬の山では、熱い飲み物が何よりのご馳走ですね♪ 私は、サーモもストーブも『余計な装備』と持たない主義でしたが、考え直さねばならないかもしれません。
 
>「イカレタ」ではなく「イカシタ」
もちろんです! 私の中では「イカレタ」=「イカシタ」です。
「イカレタ」諸先輩方は、私の憧れの人達です。
 
またご一緒する機会もあるかと思います。これからもよろしくお願いいたします。

投稿: shiro | 2009/12/26 20:47

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