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2009/10/26

なんだかなァ・・・

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結局日曜日も山へは行かなかった。朝起きたら小雨が降っていたせいだと思う。でもきっとそれだけじゃない。テンションが上がっている時には、多少の雨など気にしないもの。

その前の週だって山へは行っていない。モチベーションが下がっているんだ。

別に何があったわけではないけれど、毎年この季節になるとこんな感じ。

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私の山歩きは、毎年、猫の目草たちが咲き出す3月に始まり、竜脳菊が散り始める10月末には終わる。

寒いのが嫌いなんだ。そして野草が咲いていないとつまらないんだ。だから冬は海岸や街を歩く。山へは滅多に入らない。

でも今年は違うと思っていた。バリエーションルートを探求するという、新たな山の楽しみを見つけたから。今年は冬もガンガン歩くんだろうと思っていた。木々や薮が葉を落とす冬の方が、バリを歩くにはもってこいなのだもの。

それなのにモチベーションは下がる一方。

いつもそうだ。この季節になるときまってそうだ。1年で一番嫌いな季節・・・。

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森の中では亀甲白熊(キッコウハグマ)が咲いていたよ。こいつは山の花のラストバッター。花の季節が終わろうとしている。

チェッ・・・

つまらない季節になっちまった。

寒いのは大っ嫌いなんだ・・・

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2009/10/20

バベルの塔にならなきゃいいけど・・・

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今日は押上へ行ってきました。新東京タワーの建設現場です。ちょっと、タワー絡みのお仕事をいただいたものですから。(アリガタイ・・・) それで、ちょっくら打ち合わせに。

真下から眺めると物凄い迫力です。『天にそびえ立つ』とは、この事か! というい感じ。

今、174mだって。係りの人の説明では「これで4分の1強、ってとこでしょうか。」 エ~!この4倍になるの!? 想像で2倍、3倍、4倍と積み上げてみる。 ウワァ~! 天空のかなたって感じだゼ・・・。

「完成すれば634mになりますから。」と係りの人。 634mと聞いてもあまりピンとこないけど・・・。 

山で考えると・・・。すると実感が湧いてくる。 ええッ! 丹沢で言うと、鐘ヶ岳よりも高いんだぜ!

石仏の並ぶ鐘ヶ岳の急坂を、1歩1歩天に近づく気持ちで登った事を思い出す。私に言わせりゃ、鐘ヶ岳の頂上なんて神々の領分だ。

それよりも高い塔を作ってしまうなんて・・・。なんて恐ろしい・・・。

バベルの塔

フとそんな言葉が頭に浮かんだ。

イヤイヤ・・・

頭をよぎった言葉を振り払う。

ちゃんと、無事に立ってもらわねば。せっかくいただいた、メシの種なんだ・・・。

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2009/10/17

足が棒になった話

歩きつかれた時のたとえとして、「足が棒になった」とかって言うじゃないですか。だけど、本当に棒になった事ってあります? 棒になったらどうなるかってわかります?

今日は「本当に棒になっちゃったよ」という話です。

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10月11日

この日は、塩水橋から三角沢ノ頭~丹沢山~本間ノ頭と周回する予定でした。

朝、塩水橋に車を止めて、キュウハ沢出合に向かって本谷林道をテクテクと歩き出しました。歩き出してすぐに、右足に違和感を感じます。ヒザの裏が変な感じ。痛いわけではないのだけれど、なんかつっぱた様な感覚。実は朝起きたときから少し変だった。でも、歩いているうちに治るだろうと・・・。

だけど、違和感はどんどん強まります。でも、ノーテンキを売り物にしている私としては、「今日の山歩きは止めた方がいいんじゃない?」などとは決して思いません。「足が暖まってくれば治るさァ」と、相変わらずのお気楽モード。

キュウハ沢出合から、三角沢ノ頭の尾根に取り付きます。山道を登り始めると、違和感は有るものの歩けないわけじゃない。いや、むしろさっきより歩きやすくなっている。ホラネ、なんともないさ、これくらい。

この尾根は初めて歩く。バリバリのルートかと期待して来てみたが、そうでもない。仕事道が山頂近くまで続いていて、ちょっとガッカリな尾根。イヤ、もとい。歩きやすくてとても良い尾根。苦労する事も無く山頂に到着。

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三角沢ノ頭は、とてもいい山です。誰もいない静かな山頂。表尾根を裏側から眺めながら、ゆったりとした気分に浸れます。この山は『お気に入り』に登録だ。

さて、塔ノ岳と丹沢山の中間あたりに有る日高(ひったか)というピークを目指して、出発します。

ところが下りに入ったところで、「ああれれ・・?足がおかしい」右足の太ももの裏からヒザの裏にかけて、突っ張った感じ。痛いわけではなく、歩けないわけじゃないけど・・・。鞍部を過ぎて上りに入ると「ああ、大丈夫、大丈夫」

日高からは丹沢山へ向かって稜線を下ったり登ったり。登りだと大丈夫だけれど、下りだと足が突っ張る。きっと、下りで使う筋肉のスジが変になっているのでしょう。いつまでもずっと登っていたいが、さすがにそういうわけにもいかない。

さすがにノーテンキな私も、もうこれ以上歩くのは無理と思う。無理と思うが、とにかく車を止めてある塩水橋までは降りなくてはならない。とにかく丹沢山までいって、堂平へ降りよう。それが一番早くて安全だ。

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丹沢山の山頂でしばらく足を休める事にする。みやま山荘に入って、カップラーメンとコーヒーを頼む。丹沢山は何度も来ているけれど、山荘に入るのは初めてだ。しかも山の上でコーヒーなんか飲むのも初めてかも。

いいもんだね、山頂でこんな風にのんびりとするのも。山歩き中に30分も休憩を取ることなんて、今まで無かった。ここのコーヒー美味しいね。山の上だから、余計美味しく感じるのかな。

と、のんびりと休憩をしたら、足も良くなった気がした。ストレッチをしてみる。あ、大丈夫だ。・・・と歩き出す。

が、ちょっと歩き出したら、やっぱりダメ。どんどん変になってくる。スジが完全につぱってしまって、1本の棒になってしまった感じ。

「なるほど! 足が棒になるって、こういう事だったのか!!」

生まれて初めての経験だ。 ヒザの感覚が無くなって、ヒザが曲がらないんだ。

いや、実際はヒザを曲げていないわけじゃない。そんな某国の兵隊さんみたいな歩き方で山を歩けるわけが無い。でも、感覚的にヒザを曲げてる感覚が無い。ピンと伸びたまま、自分の自由にならない感じ。ピョコン・ピョコンとビッコ歩きをする。

仕方がない・・・。ゆっくりゆっくり歩く。

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ああ・・・こんなにゆっくりと山道を歩くのって・・・。そう・・・最近忘れていたのかも。ゆったりと景色を楽しみながら山を歩く事を。

早足で山を下ると、転ばないように足元ばかりに注意がいってしまうから。周りの景色を楽しむ余裕を忘れてしまうんだ。ゆっくり歩けば風景がとてもよく見えてくる。

何回も歩いているこの堂平の道も、ホラなんだかとても新鮮。

これって、負け惜しみじゃないよ。足を変にしたおかげで、忘れかけていた大事な気持ちを思い出した。

・・・・というお話でした。

 

 

さて、いったい・・・この「足が棒になる」は何だったのでしょう。この日は一日ビッコ歩きをしていたけれど、次の日にはすっかり治っていました。

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2009/10/13

地図から消えた道を歩く ~織戸峠から富士見峠へ~

丹沢湖の西部、世附(よずく)と呼ばれる地域には、かつて二つの集落があったらしい。地蔵平と水の木。今では誰も住んでいない。西丹沢最深部のこの山域は無人地帯だ。この山域へ立ち入るのは、春~秋は渓流釣りの人達。冬はハンター達。登山者は滅多に行かない。なにしろ登山道が無い山域なのだから。この山域の椿丸という山に、フと興味を持って訪れたのが約1ヶ月前。その時、この静かな山々の秘境感にすっかり惹かれてしまった。

そしてその時に気になったのが、椿丸の北方にある織戸峠と富士見峠の存在。調べてみると、地蔵平と水の木の二つの集落を結ぶ古道があったらしい。この道は、30年前くらいには、ガイドブックに載るハイキングコースだったとか、東海自然歩道の一部だったとか・・・。今では道は各所で山抜け(大きく崩落する事)していて、旧経路跡がはっきりわからない状態らしい。もちろんどの地図からも道の表記は消されてしまっています。『山と高原地図 丹沢』には、“織戸峠”“富士見峠”の表記だけが黒点で残されています。この二つの峠をどう繋ぐのかさえわからない。これは、気にならないわけが無いでしょう。

そこで、この二つの峠を歩いてみる事にしました。

ネットで下調べをしてみると、やはりこの径路を歩かれている先輩達は何人もいます。が、たいていは地蔵平から、富士見峠~織戸峠と辿っている。ならば私は逆コースだ。織戸峠から富士見峠へと辿ってやろう。と、ちょっとでも人と違う事をしようとする悪い癖。

いつも、あらかじめ地形図に、歩くべきルートをマーカーでラインを引いていくのですが、織戸峠~富士見峠間のルートがどうしてもわからない。そんな時、M-K師匠のHPの掲示板で教えていただきました。(もちろんM-K師匠もこのルートを歩かれている物好きのお一人です) 適切な説明で、ラインを引くことができました。

さあ! 先週の山神径路に続いて、『地図から消えた道を歩く』シリーズの第2弾の始まりだァ。

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10月10日

朝、寝坊をしてしまった。おまけに連休初日で、東名が渋滞。でもって、浅瀬のゲートに着いたのは9時20分。こんなに遅い時間に山登りをスタートするのは、はじめてかもしれない。

林道をテクテクと40分歩いて、三保山荘跡の裏から山へ入り、悪沢右岸尾根に乗る。前回はここからP701へと尾根を辿っていったが、今日は途中で東電の巡視路へ入る。

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東電巡視路は悪沢右岸の山腹を辿りながら奥へと続いていく。難所にはホラ、こんな立派な鉄橋が架かっていて、とても歩きやすい。

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三保山荘跡から30数分で東電の取水塔に到着。(右に見える四角い塔) 巡視路はここでおしまいです。そして悪沢は二俣に別れ、左俣が山ノ神沢。右俣がクマ沢と名前が変わります。ここからクマ沢を登って行きます。

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あれ、こんな所にゴミを捨てた奴が! モォ~!!

が、よく見るとゴミじゃなさそう。ビニール袋の中は、わりと新しい登山靴です。そうかァ。たぶん誰かが、ここで沢靴に履き替えて、登山靴をデポしているんだ。

て、いう事は・・・この先登山靴だと歩けないような沢なのだろうか・・・と、ちょっと不安。

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こんなに素敵な沢。深山情緒たっぷりです。

が・・・やはり沢歩きはあまり得意でない。沢の右岸を左岸をと岩伝いに歩いていくのですが、安全そうな岩を見定めながら、慎重に歩いていく。

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おお!これがM-K師匠から教えていただいた椿丸南尾根の取り付きに違いない。

取水塔からここまで40分かかっている。地形図で測ると1km程の距離だから、「沢を歩くの、どれだけ遅いんだ!」と、自分でも呆れる。

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南尾根に取り付く。最初は急登だがすぐに緩やかに。右手は植林。左手は自然林。そして快適な尾根道。とても気持ちが良い。やっぱり尾根歩きはいいなァ~。

標高800m付近からの最後の高度100mがキツイ。そんなにビックリするほどの急登でも無いのですが、なにしろ地面がフカフカの腐葉土。フカフカの地面を登るのは、必要以上に力が要るんだ。でも、こういう地面は、下りでは気持ち良い事を知っている。走って降りても苦にならないんだ。この尾根、今度は下りで使ってみよう。

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12時半  椿丸山頂到着。

北側の眺望が素晴らしい。大栂(おおつが)とか菰釣(こもつるし)山とかの山並みだ。どれがどの山だかはわからんけれど・・・。

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椿丸から西へ数分。(仮)大五郎丸へ到着。名前の由来は、山頂の木の根元に『大五郎』という焼酎の空き瓶が差して有るから。実はこれ、汚らしいから好きじゃない。見るたびに目をそらしてしまう。でもなんかこれ、織戸峠への分岐点の目印になっているらしいからねぇ・・・。片付けるわけにもいかんのでしょう。

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大五郎丸から北へ伸びる尾根を行く。 ホラ、ちょっとしたヤブ漕ぎも楽しめるヨ。

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右手にはススキのバックに世附権現山。・・・秋ですなァ。

尾根には踏み跡がついていますが、不明瞭な所も。ぼんやり歩いていると、違う尾根に入ってしまいそうな箇所もあります。コンパスを使って、方角の確認は欠かせない。

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13時20分 織戸峠に到着です。 『オリト峠』と手書きのプレートもありました。

さあ、ここからだ。ここから先のルートがはっきりとわからないのだ。気を引き締めなおして、北の尾根の山腹をトラバースしている径路跡へ踏み出す。

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しばらくは、こんなにはっきりとした径路跡を辿ります。道幅は2mも有るでしょうか。山道としてはかなり広い。重要な古道だったのかもしれません。

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気持ち良く歩けたのもほんの束の間。すぐに径路跡は地すべり地帯に飲み込まれます。写真で見れば、なんて事なさそうな斜面ですが、実際はザレザレでトラバースするにはちょっと危険な斜面。しかもトラバースしてみたところで、その先に径路が続いているのかどうかもわからないのです。

でも、M-K師匠から教えていただいた情報で、「P803の真横の法行沢へトラバース気味に下降していくに違いない」と思っていたので、ザレた斜面をこらえながらトラバースしながら、径路の痕跡を探します。すると、ところどころに径路の痕跡らしき平らな面も見つけたりします。

もし、M-K師匠からの情報が無かったら、谷へと降りてしまっていたかもしれません。

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やがてまた、巾2m程の立派な径路が現れ、そこを辿ると法行沢へ降り付きました。

地形図上で、ここじゃないかと予想していた場所にピッタリです。読みが当たった事がこの上なく嬉しい。これが有るからVルート歩きはやめられない。

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法行沢を渡り、P802の西斜面を北へ向かって斜めに登ります。踏み跡は無い。右側の尾根線を目で追いながら、目指すはP802北の鞍部。

鞍部からは尾根に乗り、北へと進む。

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ほどなく林道へ飛び出します。不安要素の強かったルートを無事通過して一安心です。林道の真ん中に大の字に寝転んで一休み。

ああ・・・気持ち良い!!

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尾根から林道に出た地点には、こんな看板が。このルートを歩かれた諸先輩達の記録に必ず登場している看板です。もう字が消えかかっていますが。『メリット 5』と書いてあります。意味は不明。そしてこの看板が、逆ルートで法行沢へ下降する時の目印です。

この後は林道を辿りながら富士見峠へと向かいます。林道といっても草ボーボーの道。

はたして旧経路とこの林道が一致しているのかどうかはわかりません。そこらへんは今後の課題でもあります。

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14時40分  富士見峠にたどり着きました。M-K師匠から教わったとおり、林道から少し入った場所にありました。

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峠には倒れて朽ち果てた道標が。東海自然歩道であった時に立てられた物なのでしょうか? 苔の下には『富士見峠』と記されているのでしょうか?

わかりません・・・

他に「ここが富士見峠だ」と確証を持てる物はありません。 でも、そう信じるしかない。地形を見ても、尾根の鞍部で「峠」と呼ばれておかしくない地形なんだ。

 

さて・・・

今日の冒険はここまで。

もう時間も3時に近づこうとしています。ここから林道を辿って浅瀬のゲートまで、10km以上はあります。急ぎ足で歩いても2時間半はかかるでしょう。

面白かった・・・・

織戸峠~富士見峠を歩く事ができました。次は富士見峠~地蔵平。そして織戸峠~水の木のルートも探索しなければなりません。

他にもまだまだいろんな事がありそうだ、この山域は。

林道をテクテクと歩きながら、今日辿ってきた山を回想します。また今日も、楽しい山歩きができたなァ・・・。

林道の傍らではリンドウの花が咲き始めていました。

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ああ・・・今日はカッコよくしめようと思ったのに・・・

最後がオヤジギャグになってしまった・・・・スミマセン・・・

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2009/10/06

地図から消えた道を歩く ~山神径路~

プロローグ

玄倉林道の通行止めが続いている今、ユーシン辺りへ行くには寄から雨山峠を越えて行くしかないのか? 他にもルートは有るんじゃないか? と調べている時に引っかかってきたのが“山神径路(さんじんけいろ)”という古道の存在です。玄倉の集落からユーシン手前の雨山橋まで、玄倉川の南側の山腹に道が有るらしい。昔、ユーシン辺りにも集落が有って、その生活道路だった古道らしい。ところが、私が持っている『2008年版山と高原地図 丹沢』にはその道は載っていません。蕗平橋から山神峠までは赤破線(難路)で道の表記が有りますが、山神峠から先は道が書かれていません。

これはどういう事でしょう?

調べているうちにわかってきました。2000年前後に県でハイキングコースとして整備し直したものの、その後道が崩落して通行が危険になったため、2005年12月に県としては通行止めにしたとの事。そして地図からも消されたらしい。

“危険”・・・

“通行止め”・・・

おいおい・・・そんな言葉でオイラを誘惑するなよ・・・。

“地図から消された古道”・・・

なんて魅惑的なモチーフなんだ・・・。

これは行ってみないわけには、いかないだろう。

行くしかない! いくら荒れているといっても、そこに道はあったのだ。歩けないわけがない。

え? 「何故そんなバカな事をするのか」って?

そんなのは愚問だぜ。バカな事をしたいからに決まっているだろ。

 

さて、まずは下調べだ。崩壊後の道の様子を知ろうとググってみる。情報はおそろしく少ない。当たり前だ。通行止めの道なのだから、歩いている人などいるわけが無い。が、やはりそんな道をわざわざ歩く連中もいるのだ。検索で出てきたのはM-Kさんと仲間の達人連中。キリヤマ隊長率いるマイナールート探検隊。そして超人的な山歩きをする丹沢達人のイガイガさん。私が県の職員だったら「またこの連中か!」と叫んでいるに違いない。

イガイガさんの山行記を詳しく読む。道の崩壊は2箇所らしい。地形図と照らし合わせながら読み、頭に叩き込む。但しイガイガさんが歩かれているのは2年近く前だ。その後様子も変わっているかもしれない。

それでも行くしかない! 私も、あの猛者達に1歩でも近づくのだ!!

山神峠へ

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10月4日(日)

朝7時少し前。寄大橋の駐車スペースに車を入れる。さあ、冒険の始まりだ。朝の冷たい空気に身震いをする。山神峠は、目の前にそびえる檜岳山稜の向こう側だ。

秦野林道を進み、中沢橋の少し先から伊勢沢ノ頭南東尾根に取り付く。このルートもイガイガさんのblogを参考にしている。バリエーションルートだから地図には載っていないルートだ。でも、檜岳山稜を越えて山神峠へ行くには、最短ルートらしい。尾根の上に乗ると仕事道に出た。整然とした植林の山を登る。なるほど、仕事道というのはよく考えられている。尾根のアップダウンをかわしながら、歩きやすいようにつけられている。地形図を見た時に、等高線の密度にゾッとしていた標高750mから950mにかけての急斜面も、ジグザグに道がつけられていて、それほど苦も無く登る事ができた。

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1000m付近で植林地帯を抜けて自然林になる。この辺りで仕事道は無くなる。植林地じゃないのだから当たり前だ。林床は鹿が食べないマツカゼソウとトリカブトの草むらだ。草むらを踏み分けながら進む。昨日の雨露でズボンがぐっしょり濡れる。こういう道を朝一番で歩くと、必ずこうなる。Vルート歩きをするかぎり、これは仕方がない。もう馴れた・・・とは言え、やはり良い気持ちはしない。

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9時  伊勢沢ノ頭に到着。南東尾根は、とても歩きやすい尾根だった。ここから山神峠へ向かって、反対側の尾根を下っていく。

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山頂の北側へ回ると、尾根の下降口はすぐに見つかった。はっきりとした踏み跡がついている。少し降りると作業用モノレールの線路があった。線路に沿って歩きやすい尾根道を下って行く。気持ちの良い尾根歩きだ。

やがて線路と別れを告げると、尾根の形がはっきりしなくなり、踏み跡も消える。が、それほどの急斜面と言うわけでもなく、どこでも歩けるような斜面。コンパスで方向だけ確かめながら降りていると、下にうっすらと道標らしき影を見つける。あれが山神峠に違いないと、それを目指して進む。が、道標には山神峠まで140mの表記。う~ん、微妙に外したか・・・。目標は山神峠の上にピッタリと下降する事だったのだが・・・。

 

山神径路

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9時40分  山神峠に到着。山神様に無事をお祈りする。

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峠には通行止めの立看。ヨッシ! これからが本番だ。ザックの腰ベルトをギュッと締める。

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立看の横をすり抜けたとたんに、この光景を目にする。完全に道が崩れ、木橋が宙に浮いている。

「いきなりかい!」

ここは冷静に周囲を観察。3mほど登れば、安全に巻けそうだ。

その後しばらくは、多少崩れた箇所は有るものの、比較的安全な道が続く。アッチ沢を越えしばらく進むと、モノレールの線路に出た。綺麗なテーブルが有るので、ここで小休憩。なるほど、先程尾根上で分かれた小尾根は、ここへつながっているのか。

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ヘビ小屋沢の少し手前。道が完全に崩壊している。イガイガさんが書いていた、一つ目の崩壊地だ。確か、上を高巻くと書いてあった。上へ登れそうな場所を探して少し戻ると、踏み跡を見つける。やっぱり歩いている奴はいるんだ。踏み跡に沿って上へ登る。10m程登ったところで、踏み跡は二つに分かれる。さらに上へ登る跡とトラバースする跡。少し迷ったがトラバースしながら、崩壊地の真上へ出る。

なんとか渡れそう・・だが危険な香りもする。傾斜的には歩けそうだが、ザレた斜面は滑りそうだ。さらに上へ高巻いた方がいいかも。しばらく考えたが、思い切って踏み出す。すぐ下に立ち木が何本か有り、もし滑っても立ち木につかまれそうだと思ったのだ。

なんとかザレた斜面をこらえながら、渡りきる事ができた。

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大崩壊地をクリアーして、径路歩きを楽しむ余裕も出てきた。良く見れば、なんとも趣の有る道じゃないか。古の人達が積み上げた石垣が続く。きっとこの道を樵たちが、材木を乗せた馬達が、あるいは鉱山目当ての山師達が行き来したのだろう。こんな素敵な古道、後世に残していきたいなあ。山道って人が歩かなくなると、どんどん崩壊していくものなんだ。この道もこのまま風化していくに違いない。

が・・・それもまた、自然の摂理か。

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なんて思いを巡らせながら歩いていると、谷向こうの尾根に黒い影が。

「熊か!」 身体中に緊張が走る。 いや、熊じゃない。鹿・・・でもなさそうだ。カメラを取り出しズームで見る。

カモシカ? 初めて見た! シャッターを押しながら、少し興奮する。

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腐った木橋にぶつかる。 渡れるか? 少し踏んでみる。ヌルヌルだ。昨日の雨のせいもあるかもしれないが、苔と腐った木肌でヌルヌルしている。こんな滑る橋を渡れるか? ストックの先端のゴムを外し、木橋に突き刺しながら一歩一歩慎重に歩く。綱渡りってこんな気分なんだろうか。

なんとか渡りきった。両足がカクっとなる。きっと両足にものすごい力を入れていたんだ。

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こんな崩壊箇所は、次から次へと出てくる。慎重に歩けば、なんとか渡れる程度だが、気の休まる暇が無い。

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板小屋沢、モチノキ沢と越えて、しばらく進んだところで大崩壊地にぶつかる。これは無理。ここは絶対に渡れない。イガイガさんが書いていた、二つ目の崩壊場所だ。イガイガさんはなんて書いていた? 思い出せ。 そうだ20m上を高巻くと書いてあったはずだ。

道を戻りながら、上へ登るルートを探る。やはり踏み跡が有った。急斜面を木につかまりながらよじ登る。20mほど登って、崩壊地の上を渡る。今度は急斜面を、木につかまりながら降りる。

ヤッタ! 渡りきったゾ。

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崩壊地をクリアーして、ホッとしたのも束の間。またヌルヌル橋だ。(写真は渡りきった後に撮ったもの)

1本目の橋は先程の要領で慎重に渡る。が、2本目は無理だ。橋が傾いている。ヌルヌルの上にこんなに傾いていたら、絶対に滑り落ちる。橋の下、チョロチョロと水が流れる急傾斜の沢を岩にしがみつきながら渡る。

渡りながら、「死にたくねぇ~」と思う。だったら、こんな事しなきゃいいのに・・・

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また腐った木橋だ。もう木橋にはうんざりだ。こんな橋渡れるわけないだろ!

ここは上へ巻く。5~6m登ったら、なんとか巻けた。

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11時30分  玄倉林道へ降り立つ。雨山橋の少し手前、第八隧道の脇だ。

山神峠から約2時間。なんとか歩ききった。緊張の連続だった。長い戦いだった。肉体よりも精神的に疲れきっていた。

林道の真ん中に大の字に寝転ぶ。青空だ。抜けるような秋の空だ。

じわじわと達成感が込み上げてくる。

ヤッタぞ! 勝ったゾ!

 

エピローグ

後は雨山峠を越えて寄大橋へ戻るだけだが・・・。まずい、予定時間をオーバーしている。今日は、夕方からアイカタ(奥様)の買い物に付き合う約束なんだ。3時までに戻る約束だから、寄大橋には1時半に戻らなければならない。後2時間弱。普通に歩けば2時間半はかかる。急ごう。

雨山峠の道をギアをトップに入れて、急ぎ足で歩く。雨山峠の道だって、アチコチで荒れていて歩き難い道では有るが、山神径路に比べたら散歩道みたいなもんだ。

あの道を歩ききった事で、そんな事が思えるくらいになっている。確実に自分の実力がアップした気がする。

なんだろう! この達成感と満足感。今迄で一番だ。

それだけ手ごわい相手だった。

もし、山神径路歩きを考えている人がいるのなら、聞いて欲しい。

とても危険な道です。たぶん、日に日に崩壊が進んでいる道です。そして木橋は本当にヤバイ。崩壊地を巻いて渡る事よりも、腐った木橋を渡る事の方が怖い。腐ってヌルヌルになった木橋は、想像以上に滑るんです。雨の次の日だったから、ヌルヌルだったのかもしれません。雨の日は絶対に危険です。もし、この道を歩くならば、腐った木橋を渡る対策が必要です。私が再びこの道を訪れる事があるとしたら、きっと軽アイゼンは持っていくでしょう。

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