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2009/09/17

椿丸

整備された登山道だって危険がいっぱいだというのに、何故わざわざ道無き山中を歩き回るのか。

その魅力の一つは、ルートファインディングです。つまり、地形図とコンパスだけを頼りに山を歩く。尾根の形や沢の様子を注意深く観察しながら、地図上で自分がどこにいるのかを考える。そしてどっちの方向へ歩いたらよいのかを考える。もし間違えたら遭難だ。だから必死に地形を見る。そして地図を読む。それだけに読みきった時の達成感は格別だ。

こんな面白い事はない。だから今日もまた、誰もいないバリエーションルートを歩く。たとえバカとかアホウとか言われようとも。

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9月13日(日)

西丹沢の椿丸へ行ってきました。ここら辺には登山道が一切無く、それゆえに丹沢の秘境と呼ばれている山域の一角です。どうやらここらの山へ入るのは、よほどの丹沢通か物好きなアホウらしい。もちろん私は後者の方です。

丹沢湖の西端、浅瀬のゲート前に車を置き周回するコースです。これは丹沢の達人M-KさんがKAZESAYAGEで紹介しているコースです。

M-Kさんの絵地図と記述を頼りにルートを決め、世附川と悪沢の出合地点から尾根に取り付き、P701~山神峠~P862~椿丸~P838西のピーク~P795西のピーク~P780東のピーク~P519~浅瀬ゲートと歩いてきました。

M-Kさんの記述では『100%径路歩き』とありますが、トンデモナイ! 径路=道とするならば、道らしき跡がついていたのは50%もない。いや1/4も無かった。ただ、崖地や崩壊地などの危険箇所は無く、M-Kさん達クラスの達人になると“径路”という事になるのかもしれません。

尾根は複雑に枝分かれしていて、RF(ルートファインディング)はとても難しい。登りより下りのRFの方が数倍難しい事を考えると、私が歩いたコースの逆コースの方が簡単だったのかもしれません。でも、この難しいRFコースを歩ききった達成感と充実感は格別です。

などと偉そうな事を言ってしまいましたが、実は途中でルートを間違えました。P838西で南に伸びる尾根に乗らねばならなかったのですが、その手前で南西の尾根を下ってしまった。10分ほど降りたところで間違いに気が付き事無きを得ましたが、このまま気付かすに谷へ降りてしまったら・・・と考えるとゾッとします。間違えに気付いた後の、登り返しのきつい事きつい事。こういう時の登りはダメージが倍増します。間違えた下降地点に戻って、冷静に地形と地図を見比べてみると「ああ、違う」とわかるのですが・・・。ホント、地図読みは難しいです。

地図読みに自信の無い人は、あまり入らない方がよい山域だと思います。山仕事の踏み跡やテープなども多く、テープに釣られて違う尾根に入りそうになったりもしました。

でも、本当に素敵な山域です。1000mにも満たない低い山稜ですが、深山の魅力はたっぷり。きっとこれからもココへはちょくちょくとくる事になるでしょう。ここら辺の山域を極めてみたいなァ・・・。

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7時15分。浅瀬のゲートを出発です。ゲート付近にはニャンコが4匹。猫好きの私は、しばし写真撮りに夢中になります。

09913_071 しばらくは世附川に沿って、林道を歩きます。

やがて川の向こうに、素晴らしい滝が現れる。

これが有名な夕滝らしい。

川を渡って、滝の下まで行ってみたい衝動にかられる。が、今日のこの後の行程を考えて我慢する。何しろ今日は、(私にとっては)難しいバリエーションルートを歩くんだ。体力は温存しなければ。

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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この看板が目印。ここから林道を離れて川へ降りる。

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吊橋を渡ります。つり橋には『通行禁止』と書いてあります。が、もちろんためらわず通行する。バリエーションルートを歩いていると、こういう『通行禁止』とか『立入禁止』とかの表示には抵抗が無くなってくる・・・困ったもんだよね・・・。

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三保山荘という表札が掛かった廃屋の裏手から尾根に取り付きます。

ヤブ漕ぎは覚悟の上だったのですが、スズタケはご覧のように立ち枯れ状態。これは助かる・・・がちょっと気になる。数週間前に畦ヶ丸付近のVルートを歩いた時にも、立ち枯れのスズタケが目立ちました。何がおこっているのだろうか・・・。

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9時40分頃。 山神峠に到着。ちょっと調べた事によると、昔、今は無き水の木部落から浅瀬部落への径路が有ったらしい。尾根の左右にはうっすらと径路跡らしき踏み跡がある。そのうちこの径路は歩かねばなるまい。

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山神峠から急登の尾根を喘ぎ喘ぎ登る。ほどなく椿丸から西へ伸びる尾根に乗っかる。

ここから椿丸までは、本当に気持ちの良い尾根歩き。踏み跡は無いものの、なだらかで歩きやすく、それでいて深山情緒たっぷり!!

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椿丸のちょっと手前のピークはとても良い眺め。木に巻いたビニールテープに『(仮)大五郎丸』と書いてありました。仮ってなんだよ(笑)。

このピークから北へ向かってはっきりとした踏み跡があります。ここから織戸峠~大栂~菰釣山へと続くルートが有るそうな。これもまた、絶対に歩いてみたいルート。が・・菰釣山から降りた後の事を考えると日帰りでは難しいんだよなァ・・・。

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10時40分頃。 椿丸山頂に到着です。ピークである事もはっきりしないなだらかな山頂。ぼんやり歩いていると気付かずに通り過ぎてしまうかも。地図を見て、「ここら辺のはずだよなァ」と周囲を見渡すと、木に小さな標識がかけてありました。

さて、ここからの下山ルートは真剣なRFが必要です。尾根はいくつもに枝分かれしています。山仕事用の目印テープにも惑わされないようにしなければいけません。

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前述した、間違えて降りてしまった尾根。間伐材が尾根上にゴロゴロとしていて、とてもまともに歩けない。「さすがVルート」なんて思っていましたが、とんでもない間違いでした。

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正しいルートに戻ってみると、ホラ、こんなに素敵な尾根道です。

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複雑に枝分かれする尾根を、コンパスを確かめながら慎重に進めば、やがてP795の西ピークへ達するでしょう。

が・・・このピークへ登る斜面が大変です。地形図からは読み取れませんが、実際は驚くほどの急斜面。長時間歩いてきた足と心臓は悲鳴を上げます。鞍部から斜面を見上げた時には「本当にこんな所を登るのか?」と、何度も地図を確かめました。

でも、ここまでくればもうゴールは見えた。この後は迷いそうな尾根もありません。

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P780東を経て、なだらかな尾根道を下ります。ここら辺は踏み跡も有って迷う事もありません。

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13時半頃。

無事林道に降り立ちました。

ああ・・・楽しかった。

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コメント

shiroさん

コマーシャル付きで椿丸を歩いていただきまして
誠にありがとうございます。(__)v

RFの楽しさ、難しさ・・。これも体験した人でなければ
分らないと思います。ましてや単独で未知の山中でやっているとなれば大袈裟でなくて「命掛け」の事であります。

「100%が径路・・」でなくて25~50は径路では無かった! いやはやどうも失礼しました。(__);

日頃のヤブ尾根歩きからすると、あれは皆径路に見えてしまうのです。

随分早い時間の下山でしたね。余裕・・!
もし今回の山行を楽しかった、面白かったと思われるようでしたら、次には法行沢、織戸峠、富士見峠、地蔵平などを歩かれてみて下さい。(水ノ木、大栂、菰釣山はそのあと)

これも「秘境・西丹沢」を満喫出来る事請け合いです。
但し、十分な事前検討とRFはいうまでもありません。

投稿: M-K | 2009/09/17 14:10

M-Kさん、こんばんは。
またまた、M-K師匠のKAZESAYAGEルートで楽しませていただきました。
>日頃のヤブ尾根歩きからすると、あれは皆径路に見えてしまう
そうだろうと思いました。いつも沢や崖をよじ登っているM-Kさん達にとってみれば、普通に歩ける尾根は“径路”なんでしょうね。(笑)
それにしても、この山域は本当に気に入りました。RFのスリルと楽しさ。美尾根歩きの気持ち良さ。そして深山の雰囲気たっぷりで!
この辺りには、ちょくちょく通って極めてみたいと思っているところです。
次は悪沢から山神峠を通って、水の木まで歩いてみようか・・・などと考えていたのですが・・・。
M-Kさんの助言に従って、水の木は後回しにします。確かに織戸峠や地蔵平は是非行ってみたいんです。
さっそくM-Kさんはじめ、諸先輩方の山行記を読んで研究しなくっちゃ。

投稿: shiro | 2009/09/17 21:24

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