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2009/08/30

素敵な山の一日・・・夏の終わりに・・・

え~と・・・たまには、まともな山行記でも書こうかなぁ・・・と。

いえ、“たまには”なんて言うと、時々書いているように聞こえますが・・・一度たりともまともな物は書いた事が無い。

でも、「書こうかな」と思うほど、素敵な山歩きをしてきました。ですから、この素敵なルートを皆さんにも紹介すべく、ルート図なども描いて、・・・などと考えていたのですが・・・。

めんどくさくなったので止めました。

それでも、いつもよりは少し真面目に山を紹介したいと思います。

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8月29日(土)

夏の終わりにふさわしく、太陽がキラキラと輝いていました。今日は西丹沢の大滝橋から山へ入り、一軒家避難小屋~鬼石沢左岸尾根~畦ヶ丸~善六のタワ~ショチクボの頭~用木沢出合と歩きます。登山地図には決して載っていないバリエーションルートです。

この鬼石沢左岸尾根はM-K師匠がKAZESAYAGE第3号で紹介していたルートです。読んだ瞬間から、「絶対に近いうちにココは歩く」と決めていたルートです。

朝7時半 箒杉公園の駐車場に車を止めて出発です。

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15分ほど歩いた大滝橋から大滝林道へと入って行きます。気持ちの良い林道を15分歩いたら、いよいよ登山道の入り口です。

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登山道に入って一軒家避難小屋までは一般登山道。大滝沢沿いのとても気持ちが良い道です。要所要所に道標が立っているので地図を広げる事も無く、のんびりと歩きます。

そうこの“のんびり”が今日のテーマ。ここ最近の山歩きでは、必ずといっていいほど暑さバテをしていたので、今日はバテない事を心がけ、わざとのんびり・ゆっくり歩きます。

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8時50分 一軒家避難小屋到着

さあ! ここからが本番だ!! 未知のバリエーションルートに突入です。5分ほど休憩しながら、M-Kさんの山行記と1/25000地図を眺めて、ルートを頭に叩き込みます。

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小屋の裏手、鬼石沢の右岸に、こんなはっきりとした道が。 おや?道端に何やら小さな標識が有る。

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おお! 立入禁止だって!! 

が、もちろん立ち入る。そして立ち入ってしまう事に何故か少し快感を覚えてしまうのは、根が悪い子だからだろうか。

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M-Kさんの山行記によると、鬼石沢右岸から左岸に渡り斜面を登る、とある。右岸を3~4分歩いた所で、左岸側に小さな黄色い杭が有るのを発見。ココだろうか?でも、右岸側の径路は上流へと続いている。判らない。判らないがココから尾根へ取り付くことにする。とにかく沢の左岸側の尾根へ登ればいいのだ。

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かなりの急登だ。ジグザグに登っていく。息が上がる。汗が噴出す。

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「もうダメだ。休憩しよう。」と思い始めた頃、尾根上に飛び出た。かなり長い時間登ったような気がしたが、時計を見たら12~3分だ。

いやはや・・・なんて気持ちの良い尾根だろう。自然林の緩やかな勾配の尾根。こういう所を歩ける事が嬉しくてしょうがない。

途中の鞍部で尾根の左右に径路がある。尾根の右へトラバースしている道は踏跡がはっきりとしている。尾根上は踏跡不明瞭だから、気持ち的に右へと続く道を進みたくなる。地図を眺めながらしばらく考えたが、やはり尾根上を進む事にする。

が、このトラバース道はとても気になる。権現山の方へ抜ける道だろうか・・・。ここはいつか、歩いて調べなければなるまい。

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ほどなく小さなピークに出る。M-Kさんがモッコリ小ピークと名付けている場所に違いない。一休みするには気持ちの良いピークだ。地べたに座り込んで一息入れていると、スズメバチにまとわり付かれる。刺激しないように無視していたが、いつまでもまとわり付いてくるので、近くに巣が有るのかも・・・と早々に立ち去る事にする。

このピークからはいくつもの尾根が延びている。慎重にコンパスで方向を定めて出発。

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右手に権現山の端整な姿を眺めながら、小さな鞍部を越えてすぐに権現山~畦ヶ丸の稜線に出た。はっきりとした尾根なので迷う事も無い。畦ヶ丸へ向かって左手へ進む。

この尾根もまた気持ちが良すぎる! なんて素敵な尾根なんだろう。

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10分ほど歩くと、ブナの大木の有るピークに。P1079だ。

それにしても、山を渡る風の心地良さ! ひんやりとした風が、火照った体にとても気持ちが良い。天然のクーラーだ。

さて、ココまではとっても気持ち良く歩いてきましたが・・・。だんだん勾配がきつくなってきます。踏跡も不明瞭。ですが、尾根から外れないように歩けば迷う場所もありません。

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P1079から50分ほど歩いたでしょうか。ササの背丈がだんだんと高くなり、ついに背丈を越える笹ヤブになってしまいました。M-Kさんの山行記にも書いてあった、“激ヤブ地帯”です。

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シャキーン!! ここでゴーグルの登場だ。

この日のために、ホームセンターで、一番カッコイイ(と自分では思った)ゴーグルを買っておいたのだ。

ゴーグルを装着して激ヤブへ突入だ! なんだかゴーグルをつけただけで、ヤブ漕ぎのプロになった気分。

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激ヤブを進む事15分、突然のように畦ヶ丸山頂へ飛び出す。11時半頃。

畦ヶ丸山頂は今日も登山家でいっぱいだ。“人が多い”が苦手な私は、早々に立ち去りたいが、ヤブの急坂を登ってきたばかりの心臓と肺は悲鳴を上げている。

山頂の片隅で息を整えるのに5分ほどかかってしまった。

山頂から西沢方面へ一般登山道を駆け下りる。木ハシゴなども有る急坂だが、Vルートを歩いてきた身にとっては楽勝の道だ。

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30分程で善六のタワに到着。さあ、ココからまたVルートへ突入だ。本日のセカンドステージ。

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善六のタワから登山道を離れ、尾根に乗ったところでトウセンボだ。『登山道ではありません』と書いてある。

わかってる、わかってるサ。とロープをまたぐ。またもや、何故か快感。

しばらくは尾根上にはっきりとした径路が続くが、ほどなく尾根の形がなくなり、踏跡も不明瞭になる。が、地図を見ると、もうP1119の直下だ。とにかく歩きやすそうな斜面を選びながら、上へ上へと登る。

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すぐに、穏やかな広場のようなピークだ。P1119だ。後でネットで調べたら、善六山というらしい。

ココは南側の眺めがとても良い。権現山から畦ヶ丸の山並みをしばし眺める。写真の右の山が畦ヶ丸。数時間前、左の辺りからこの稜線を歩いていたんだ。

さあ、ここから次のピーク、ショチクボの頭までのルートを地図で確認する。尾根ははっきりとしていて、迷う事もなさそうだ。

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途中の鞍部での事。痩せた鞍部を尾根上から見ると、3mほどの高さだが崖になっている。これはとても降りられないと判断。少し戻ったところから、山腹を降り、鞍部へ向かってトラバースを試みる。が、コレが判断ミスだった。滑る斜面をこらえながら、かなり危険なトラバースだった。必死の思いで鞍部に立ち、崖を眺めると・・・これは登れる。木につかまりながらだけど、わりと安全に登れるかも。という事は、降りられる。崖の上からもっと良く観察すべきだった・・・。

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13時10分 ショチクボの頭に到着。

よく見ると、山頂の木に小さな札が『塩地窪の頭』と書いてある。なるほど。漢字で書くとこういう名前だったのか。

さて、ここからどのルートで降りるか。事前に調べたネット情報では、北の尾根を用木沢出合へ降りるのが一般的らしい。いや・・・一般ルートではないのだから、一般的も何も無いのだが・・・。

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しばらくは穏やかな、気持ちの良い尾根が続く。ココもまた、極上の尾根だ。

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しばらく歩くと・・・シカ柵が現れる。尾根をちょうど半分に切るように、続いている。

シカ柵扉の前でウ~ンと考える。シカ柵の内を歩くか、外を歩くか・・・。

迷った挙句、外を歩く事に。なんとなくだけど、今までの経験上、シカ柵は尾根のチョイ下に付けられる事が多いのだ。シカ柵の外側の方が歩きやすいだろう・・と思ったのだ。

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が、これが全く逆。やがて尾根はシカ柵内に占領され始め、シカ柵外は脆い斜面を歩くはめに。シカ柵の中に入りたいが、扉も無し。乗り越えたくても有刺鉄線。

やがてガレた急斜面で、前へ進めなくなる。いったん谷を渡って隣の尾根に登り、しばらく降りたところでまた谷を渡りなおしてシカ柵尾根に戻り。かなりの時間と体力のロスだ。

完全に失敗した。シカ柵の中へ入るべきだったんだ。

ところが!

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なんとか、かんとかシカ柵沿いに尾根を降りきり、シカ柵扉を見てビックリ!! なんと、南京錠がかけてあります。もし、シカ柵の中を歩いていたら、ここで外に出られない。有刺鉄線の柵を乗り越えなければならない事になっていたんだ。いやはや・・シカ柵に入らなかったのは正解だった。

それにしても何のための鍵? 丹沢では数多くのシカ柵と扉を見てきたが、鍵をかけている扉なんかはじめて見た。だって、シカのための扉なんだから、鍵なんて必要ないでしょう? それともVルート歩きに対する嫌がらせか?

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14時20分頃  何はともあれ無事、用木沢出合の林道ゲートに到着です。

さて、ココから長い舗装路歩きだ。山を降りてからの林道歩きを嫌う登山家も多いけれど、私は別に嫌いではない。歩いてきた山の余韻を噛みしめながら、のんびり歩きでクールダウンするのも悪くは無い。

そして今日は暑さバテもしなかった。わざとゆっくり歩いた事が良かったんだ。ようやく夏の歩き方を掴んだ気がする。

が・・・もう夏も終わりだ。きっと、来年の夏には忘れている事でしょう。それが私流なのだ。

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14時45分 やれやれ。いつもの西丹沢自然教室に到着。

お疲れ様でした~。

と思ったら、今日は箒杉公園に車を止めたんだっけ。まだ30分くらい歩かなくてはならない。ガクっとくるゼ・・・。

しかたがない、もうひと踏ん張り。

と歩き出したところで、本日最大のビックニュース!!

なんと、丹沢マイナールート探検隊のキリヤマ隊長とアンヌ隊員にお会いしたのでした。丹沢歩きをしている人なら、知っている人も多いでしょう。愉快・痛快なHP『丹沢マイナールート探検隊』。私もこのHPの大ファンで、いつも読んでいるんです。だから、お二人にお会いするのはもちろん初めてですが、雰囲気ですぐにわかりました。

いや~、これは嬉しかった。舞い上がっちゃって、ろくにお話もできなかったけれど・・・。

 

というわけで・・・

本日は、素敵なバリエーションルート2本立て。そして憧れの探検隊に遭遇。

と、とても有意義な一日でした。

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コメント

shiroさん
またしてもKAZESAYAGEのルート検証!
誠にありがとうございます。(__)v

>この尾根もまた気持ちが良すぎる! 
 なんて素敵な尾根なんだろう。

秘境の中にあの素晴らしい尾根・・。
これを歩いた時「Vルートを歩ける人なら、
このルートを教えて上げたい。そして同じ
喜びを味わって欲しい・・」と思ったのです。

下山のルートも趣向を凝らされましたね。
ショチクボノ頭からは色んなルートが取れますが
先人のレポートを参考にされて慎重におやり
下さい。

私らの悪い子達は有刺鉄線でも敵では
ありません。何か注意書きがあっても、離れた
別の所から進攻しますので目に入りません!
(悪い子をお許し下さい!)

投稿: M-K | 2009/08/31 12:35

キリヤマです。

畦ヶ丸へのルートは、次回の探検で計画をしておりましたが、shiro さんの探検記を見ると、なんとヤブだらけですね。ヤブ道の話は以前から知ってましたが、これほどまでとは知りませんでした。どうやら我が隊には大きなハードルになりそうです。冬になってからいこうかなぁ。

我が隊の事を「憧れの探検隊」とは、恥ずかしいかぎりです。
(リンクはっていただきまして、ありがとうございます)
我が隊はお気楽軟弱探検ですので、shiroさんのように勇気ある探検にはほど遠いです。これからもshiroさんのブログを楽しみにしてます。

投稿: キリヤマ | 2009/08/31 13:14

M-Kさん、こんばんは。
いえいえ、とんでもない。ルート検証などをしているつもりはないんです。ただ、M-Kさん推奨のルートなら、間違い無く楽しい山歩きができるので、のっかってるだけです。
もちろん次は椿丸界隈を計画中です。
 
鬼石沢左岸尾根は、本当に素晴らしいルートでした。深山の雰囲気をたっぷりと味わってきました。畦ヶ丸直下の激ヤブも、それなりに楽しみました。「これがヤブ漕ぎってヤツかぁ!」と。
 
ショチクボの頭からの下山ルートは、M-KさんのHPを読んで、いくつかは頭に入っていました。自然教室に下りる尾根は、最後の崖下りがあるから上級コースかなあ・・と。東北へのびる尾根は、地形図を見ると勾配がきつそうだなぁ・・と。そこで勾配がなだらかで歩きやすそうな北へ伸びる尾根を選んだのですが・・・。
シカ柵は誤算でした。ココはシカ柵内を進んで、最後は鍵のかかった扉を無理矢理乗り越えるのが正解だったのでしょうか。
M-Kさんらの“悪い子”達に比べたら、私の悪い子度はまだまだのようです。

投稿: shiro | 2009/08/31 21:09

キリヤマ隊長、こんばんは。
鬼石沢左岸尾根から畦ヶ丸のルートは本当に素晴らしい尾根道でした。ココは是非オススメです。特に危険な箇所も無く、1200m付近からはヤブ道にはなりますが、ヤブ漕ぎをしなければならないのは、山頂直下の15分ほどだけです。
 
>お気楽軟弱探検
ええ~!どこが?
仲ノ沢径路~東沢乗越の探検や、セギノ沢~大滝峠の探検など、「行ってみたいけど自分の実力で歩けるだろうか?」とビビっています。
 
こちらこそ、これからもよろしくお願いいたします。
また、丹沢のどこかでお会いできる事を、楽しみにしています。

投稿: shiro | 2009/08/31 21:25

shiroさんはじめまして。横浜在住のTen-Tenと申し
ます。丹沢の有名所の皆さんが勢ぞろいですね!

キリヤマ隊長は密かに?勝手にと言いますか、丹沢の
師と仰いでいます(笑)皆さんのルートは是非歩きた
いと思い見ているのですが、鈍足の自分にマイナー
ルートを踏破する自信がなく、読み物で満足していま
す(笑)

ゆっくり見させていただきます。またお邪魔致します。

投稿: Ten-Ten | 2009/09/05 23:34

Ten-Tenさん、はじめまして!
キリヤマ隊長さんを師と仰いでいらっしゃる方ですか~。
私もバリエーションルート初心者なので、キリヤマ隊長の探険記や、師と仰ぐ(やはり勝手にですが・・・)M-KさんやS-OKさんの山行記などを読みながら、自分が歩けそうなルートを探り探り歩いています。
 
横浜在住なら、やはり丹沢がホームグラウンドなんでしょうか。丹沢のどこかで、ひょっこりとお会いできるかもしれませんね♪
これからもよろしくお願いします。

投稿: shiro | 2009/09/06 19:22

レスありがとうございます。
昨年11月21日初めて丹沢に上ったのですが、まだまだ
ホームと呼べるほど山には登ってません(笑)
ほとんどが神ノ川ヒュッテか札掛からウロウロしてお
ります!西丹から上ってるとそのうちキリヤマ隊長と
もお会いするかな?と思っているんですが・・・。

丹沢の情報を調べるのに見たのがM-KさんやS-OKさん
隊長のページです。いつかは隊員希望なんですが、中々
難しいです(笑)
次回の探検ではないですね、報告?楽しみにしており
ます。

投稿: Ten-Ten | 2009/09/07 16:24

Ten-Tenさん、こんばんは。
神の川は、ウチからだと相当遠いので行った事が無いんです。が、札掛や塩水橋辺りは私もよくウロウロしています。
キリヤマ隊長の探険は、西丹沢が多いですね。これはヒル嫌いのアンヌ隊員がいるせいでしょうか。(笑)
私もヒルは気絶するほど嫌いだったのですが、今年はなんとか克服して夏の東丹沢も歩けるようになりました。coldsweats01
 
ルート情報や解説などは滅多に書かないし、山歩きの参考になるようなblogではありませんが・・・これからもよろしくお願いします。

投稿: shiro | 2009/09/07 21:05

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