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2009/08/07

それでもバカは山へ登る

まったく・・・今週は調子が悪かった。

咳はでるは、頭痛がするは、腹具合はおかしいは・・・夏風邪だ。それなのに、今、外せない仕事を抱えていて、休めないどころか毎朝早起きしてちょっと遠い現場へ行かなければならない。ただでさえ暑さで疲れる時季なのに、風邪が重なってまいっている。

夏風邪はバカがひくそうだから仕方がないのだが、原因ははっきりしている。先日の日曜日に大雨の中、山歩きをしてきたからだ。

“雨の中を歩く”事など、当たり前にやっている事だから、別に変わった事をしたわけではないのだが、土砂降りの中で山登りをしたのは初めてだ。

ドブネズミのような姿で帰ってきた私は、アイカタ(奥様)に「なんでこんなバカな事をするの!」と金切り声で叱られた。が、なぜこんな事をするのかは私にもわからない。いつもそうだが、バカな事をしようと思ってするわけではないのだ。結果がバカな事になってしまうだけで。

だが、決して後悔もしていないし、反省もしていない。むしろ喜んでいるくらいだ。おバカ山行記録に新たな1ページを加える事ができたのだから・・・。

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8月2日(日)

降水確率30%の予報を信じて、いつものように丹沢へ突入。札掛の駐車場に車を止める。先週に続いて『いまだ未踏のメジャールートを歩いてみよう』シリーズで、この日は長尾尾根を登る予定。

7時30分  丹沢ホームの脇から長尾尾根に取り付く。この時点では、雨は小降りながら、山は上の写真のような嫌な雰囲気。でもバカは「本降りになるかも」とは考えない。「このくらい降ってたほうが、涼しくっていいや。」くらいに考える。それがバカの特徴だ。むしろ「そのうち止むんじゃね」とも考える。ノーテンキだ。が、このノーテンキこそが私の持ち味でもあるのだ。

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雨はだんだん強くなる。そして長尾尾根はつまらない尾根だ。いや・・・それは言い過ぎかもしれない。雨の中を歩いているからつまらないのかもしれない。勾配も緩やかで、歩きやすい道だ。

が・・・下草が貧相で、私としてはつまらない山道で有ることは事実だ。だいたい私の経験から言うと、ヤマビルの多い山域は山野草が貧相なのだ。これは鹿と関係有るのかもしれない。はっきりとはわからないが・・・。

ヤマビルといえば、この長尾尾根はヒルが多い。高度1000mくらい(地図読みで)の所で、もうここまで上がればヒルはいないだろうと立ち止まって休憩をしていたら、ウネウネと蠢く影を見てしまった。ガクッと気持ちが萎えた。1000m以上の高地には生息しないと聞いていたんだけどなぁ・・・。

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9時30分 新大日山頂に到着。もう雨はザーザー降りです。

多少の雨ではレインスーツを着ない私ですが、さすがにここで着用。レインスーツを着ながら考えます。さて、これからどうしよう。

予定では、ここから塔の岳、日高と行き、三角沢の頭からキュウハ沢出合へ降りるバリエーションルートを歩くつもりでした。

が、さすがにこの雨でVルートはまずいだろ。バカではあるけど大バカではないのだ。1番短い帰路はタライゴヤ沢沿いに降りる道か。でも、この雨の日に沢沿いのルートはどうだろう。増水していたらニッチもサッチもいかなくなる。(バカのくせに意外と冷静)

来た道を降りるのは許されない。いくら雨だって、そんなつまらない事はできないのだ。そうだ、三の塔からヨモギ尾根を降りよう。ヨモギ尾根もVルートには違いないが、以前歩いて安全な道であることは知っている。

そうと決まったら、さあ出発。三の塔へ向かって表尾根を歩きます。

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10時15分 行者岳

久しぶりに歩く表尾根です。最近Vルート歩きに目覚めた私は、時々見つけるピンクのリボンがとても気になる。ここはVルートの入り口なんじゃないかと、つい踏み後を探したりしてしまう。

この行者岳山頂の奥の看板の裏にもピンクのリボンとはっきりとした踏み後が。行ってみたい衝動を抑える。さすがにこの悪天候だ。今日はやめとく。でもここは『そのうち歩く』リストに入れる。きっと近いうちに・・・。

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渓流じゃないよ。登山道なんだ。雨足、ますます強くなる。足も重くペースも落ちる。

行者岳を過ぎたあたりから、次々登山者とすれ違う。次から次へと10数人。時間から考えて、きっとヤビツ峠行きの1番バスに乗ってきた人達だろう。こんな大雨の日に何やってんだ! ああ、この人達もまた、バカなんだ。と、にこやかに挨拶を交わす。「こんにちはぁ!」

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11時 ようやく三の塔のお地蔵さんが見えた。ここから5分ほどの山頂に有る避難小屋で休憩、とも思ったが、もう一刻も早く帰りたい気持ちが強く、このままヨモギ尾根に入る。

そしてこの後・・・土砂降り。

だからヨモギ尾根の写真はありません。さすがに無頓着な私も、カメラが壊れると思ったもので。

3月に歩いた時には、「なんて歩きやすい尾根だ」と思ったものですが、今日は「なんて歩き難い!」 グチャグチャでドロドロでズルズルで。

歩きながら或る事に気がつきます。このまま尾根を降りたら、最後は川の渡渉がある。こんな日に渡渉できるだろうか? たしか途中からキャンプ場へ降りる分岐があったはずだ。

そしてキャンプ場へ降り立つ。こんな土砂降りの中何組かがキャンプをしている。「バカだねぇ~。」 大雨の中登山をするバカ者に、バカ呼ばわりされるキャンパーもたまったものではない。

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12時 キャンプ場から県道へ出る。

さすがに「助かったぁ~」という安堵感。いつもなら登山靴では歩き難い舗装路歩きも、この日は「なんて歩きやすいんだろう!」

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12時45分 無事、札掛に到着。橋の上からヨモギ尾根最後の渡渉地点を見てみる。おお、激流渦巻くだ。こんなところとても渡れないぜ。途中でキャンプ場に降りる判断は良かった。勝ったな。などと意味がわからない事をつぶやきながら・・・何故か満足。

さあ、駐車場で最後にヒルチェック。靴紐の間に2匹。そしてズボンの裾に3匹。

チッ!!!

天敵ヒルを車の中へ持ち込むわけにはいかない。着ていたシャツをズボンを靴下を脱いで、入念にヒルチェック。雨の中でパンツ一丁。バカ丸出しだ。

幸い咬まれた後は無し。だけど、雨の中じゃヤマビルファイターも役立たず、って事だな。

 

さてさて

さすがに土砂降りのヨモギ尾根では、萎え萎えでしたが、終わって振り返ってみれば「こんな経験も、これはこれで楽しかったかも」なんてね。

『喉もと過ぎれば熱さ忘れる』 これもまたバカの特徴の一つです。

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コメント

shiroさん
8月2日30%を信じて・・。私の記録も読んで貰えましたか?(実に良く降ってくれた30%でしたね!)
おバカで、おバカで・・の記述を読み正に己の記録を読んでいるようでした。(実に楽しいですよ・・)
熊格闘グッズの件。皮手袋はひっかかれ、噛まれの防御と顔面パンチ用なのです。(上品な薄いモノでなく鉄骨などを扱うゴツイ奴)ヘルメットは頭部保護と必殺頭突きに不可欠です。熊に有効なポイントを稼ぐには痛い思いをさせるのが良いそうです。ピッケルの一撃は痛いでしょう!(^^)

投稿: M-K | 2009/08/09 02:33

M-Kさん、こんばんは。
もちろん、M-Kさんの記録は読ませていただきました!
私は初級コース、M-Kさんは上級コースの違いはあれ、同じようにノーテンキに大雨の中を山歩きしていた事、とても光栄に思います。
こんな経験も、“また楽し”ですよね♪
 
>皮手袋
なるほど! 溶接用のごっつい手袋の事だったんですね。あれなら熊の爪でも大丈夫そうです。
ヘルメットっもかぁ・・・って! 頭突き用ですって!!
やっぱり熊との格闘も考えなければダメかぁ・・・。ちょっと引いてしまいます。
とは言え、Vルート歩きもやめられないし・・・。
コレばっかりはノーテンキにではなく、ちょっと真剣に考えてみます。

投稿: shiro | 2009/08/09 20:41

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