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2006/04/06

菜の花色

Nanohana_2

今日は、色の話をしたいと思います。

仕事上で色を扱う者の多くは、色を番号で呼びます。DIC(ディック)○○番とか、日塗工(にっとこう)○○番とかいう風に。これは、実に味気ないですね。でも、いたしかた無いんです。例えば、一番よく使うDICカラーガイド(大日本インキ発行の色見本帳)には、約2500色が収録されています。この一つ一つに名前を付けていたら、大変な事になってしまいますから。

ところが、このDICカラーガイドの中に、“日本の伝統色”という項目があり、約300色が収録されています。この“日本の伝統色”には、番号と並んで、一つ一つに色名が記されています。色名の由来も記されています。我々日本人の先祖が、使いこなし、慣れ親しんできた色たちです。ヒマな時には、よくこの“日本の伝統色”のページを眺めています。猩猩緋、萌葱、利休鼠・・・名前を聞いただけでワクワクしてしまう色が並んでいます。でも、いつも眺めているだけ。実際に使うことはありません。現在市販されている塗料では、調色が難しい色が多いからです。

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そしてこの中には、私の大好きな“菜の花色”もあります。この“菜の花色”については、前々から不思議に思っていることがあったんです。実際の菜の花の色は、鮮やかな黄色ですが、この“菜の花色”は緑がかった黄色なんです。改めて“日本の伝統色”を見て、その疑問が解決しました。ここには、こう書いてあります。『花と葉が混ざって見られる緑がかった黄色。菜の花畑の色。』

なるほど、なんとも素晴らしい感覚ではないですか。花の黄色と葉の緑を頭の中で調色して、菜の花のイメージとして表現していたんだ。

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『日本の文化は色彩に乏しい』と、時々耳にします。私は、決してそんな事は無いと思う。それは、“ワビ、サビ”の文化だけが、クローズアップされているからなんじゃないかな。確かに西洋の様なビビットな色は少ないけれど、微妙な色を使いこなしていた、いにしえの日本人の色彩感覚。もしかしたら、西洋人よりも繊細な色感覚を持っていたのではないかと。そう思うふしは多々有るんです。

この話を始めると長くなってしまうので、また別の機会に。

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今、多摩川の土手のあちこちで、自生の菜の花が咲き乱れています。

この、菜の花の群生の色、私にとっては一番印象に残る、春の光景、春の色なんです。

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コメント

おはようございます。
見事な菜の花畑ですね。
花のきれいさもさることながら、
菜の花特有のいい香りが辺り一面に漂っているんでしょうね。
ブログでは臭いがかげないのが残念です。
昨日、職場の近所の桜並木を眺めてきました。
例年だと桜と一緒に菜の花も楽しめるのですが、
今年は、ほんの少ししか咲いていなくて、
ちょっぴり残念でした。

投稿: どてかぼちゃ | 2006/04/08 07:31

どてかぼちゃさん、こんばんは。
そうなんですよ。菜の花の香りをお伝えできないのが、残念です。あのむせ返るような、菜の花の香りもまた、春の香りですよね。
どてかぼちゃさんの方では、桜が満開なのですね。ウチのほうでは、もうすっかり葉桜です。
菜の花は、もうしばらく楽しめそうです。

投稿: shiro | 2006/04/08 23:38

こんにちは。
日本の色名、私も大好きで(笑)この記事見て思わず「おぉっ!」と声が出てしまいました^^;やっぱり好みが似てますね(笑)
「和」特有の繊細な色表現…『日本の文化は色彩に乏しい』なんてとんでもない!私もshiroさんに同感です!
「菜の花色は菜の花畑の色」に納得^^まさにshiroさんの撮られた綺麗な菜の花の群生の色ですね。2枚目の美しい背景のボケに惹かれます。
私もまた菜の花撮ろうかな?

投稿: 天・藍 | 2006/04/09 19:29

そうそう!日本の色の名前素敵ですよねぇ~
着物の色・柄をちょっと気にしたときに、とっても素敵な繊細な名前が付いていて、想像するだけでいにしえの雰囲気に引き込まれそうでした~(^^ゞ
昨日庭に、ヤマブキの花が咲いていたのですが、「山吹」って名前の色があったなぁ~と、ふと思ったりしました。(とっても幼稚ですけど)
着物の半襟の色合わせにも、季節や花の名前が付いていたように思います。とても微妙な色の組み合わせなんですよ。
日本の繊細な色感覚ってすごいですよネ
そんな私はジーンズで、ドタバタ動き回っていますが・・・(^^ゞ

投稿: orenge | 2006/04/09 23:35

天・藍さん、こんばんは。
おおッ!天・藍さんも“日本の色”がお好きなんですね!
繊細で微妙な色が多いんですよね。
今は、日本も西洋の文化に染められてしまって、ほとんど使わなくなってしまった色たちですけど。
日本画を描いている友人が、日本画の絵の具の高さをいつも嘆いています。メーカーで出している絵の具では、この色合いは表現できないんですよね。
菜の花は、今が盛りですから。大好きな春の花なんです。天・藍さんの写真も、楽しみにしています♪

投稿: shiro | 2006/04/10 00:05

orengeさん、こんばんは。
なるほど。着物には、今でも日本の伝統色が使われているんでしょうね。
日本の伝統色は、植物由来の色が多いんですよ。そんなところも、日本の伝統色が好きな理由の一つです。
orengeさんの庭にも、山吹が咲きだしたんですね。ウチの近所でも見かけるようになりました。
“山吹色”も綺麗な黄色ですね。この“山吹色”も不思議なんですが、実際の山吹の花の色よりもオレンジがかった色です。何故なのか。また何かで調べてみます。
う~ん、着物の色合わせも繊細そうだな~。奥が深い世界なんでしょうね。

投稿: shiro | 2006/04/10 00:13

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私は色彩感覚がイマイチです。 大学で受講していた「色彩学」は見るも無残な成績で修 [続きを読む]

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