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2005/08/10

八幡神社の龍

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お寺とか神社とかは、好きなんです。信仰心とかは全くといっていいほど無いんですけど。境内に一歩踏み入れたときの、あの凛とした空気が好き。世間とは明らかに違う、異空間の雰囲気が好き。そして、神社仏閣は日本の彫刻の宝庫ですから、それらを見るのがとにかく好きなんです。

今日の話題は、川崎市幸区に有る八幡神社です。たまたま前を通りかかって、ふらっと入ってみました。有名な神社ではありません(たぶん)。どこの町にも有るような、小さな神社です。でも、入ってみてびっくりしました。ものすごい龍の木彫がある。これはすごい。見事です。

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今まで、すごい木彫はけっこう見てきました。誰でも知っている日光東照宮なんかは、言うまでも無い。京都や、鎌倉の神社仏閣にはすごい物が無数にありますし。小諸の布引観音も見事だった。

でも、こんな街角の、おそらく土地の人しか知らないような神社にも、こんなにすごい彫刻が有ったという事に感動しているんです。小規模ですけど、その超絶な技巧。繊細で、かつ大胆な彫りかた。生き生きとした龍の姿を見ていると、ボーッとしてしまいます。

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数年前、新宿区の旧伯爵邸の修復工事に、たずさわった事が有ります。大正時代に建てられた洋館です。内装に、彫刻やレリーフをふんだんに使っているんです。でも、それらがボロボロに壊れていて、それを直せと言われて直していたんです。その時に、学者やら建築家やらが出てきては、「文化財だから・・・」とうるさく言うんです。その度に心の中で「こんな程度のものが?」と思っていました。彫りも甘いし、技法も稚拙。まあ、それなりに雰囲気のある、いい物ではありましたけど・・・。

それに比べて(洋風の彫刻と和風の彫刻を一概に比べられませんが)、この彫り物は本当にすごいと思う。今の日本でこれだけの物を彫れる人は、まずいないと思う。こういう物を、文化財にしなきゃいけないんじゃないかなぁ。髭なども折れているし、木にもひびが入り始め、だいぶ朽ちかけている。こういう物を保護して、後世に残していかなきゃ。

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この『波と麒麟』もすごすぎる。どうやったらこんな物が彫れるのか・・・。

境内で由緒書きの様なものを探したんですが、無いんですね。きっと(全く推測ですが)江戸時代頃の無名の職人が彫った物なんでしょうね。誰だか解らない、いにしえの彫り物師に、畏敬の念を抱きつつ、神社を後にしたのでした。

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コメント

本当に見事な彫り物ですね~。色つけのないところが更に凄みを増しているように見えます。所によって欠けているようですが今、この彫り物を作ったとしても維持に相当な施しが必要になるのではないでしょうか。こうして雨ざらし状態でコノ繊細さを維持できる「木」の使い方など、ソノ知恵が今に受け継がれていたならば文化財モノ、間違いなしですね。
>お寺とか神社とかは、好き
信仰心ゼロの私ですが何気に非日常な空間を感じて神社仏閣はやはり好きです。
ところが最近作られたヘンテコリンな名の付いたモノはどうもいけません。作った人の魂と目的が違うせいでしょうか(=^・^=)

投稿: ちょも | 2005/08/11 21:10

ちょもさん、こんばんは。
本当に見事でしたよ。うん確かに、色付けが無いところに凄みが有ると言えますね。また、色付けが無いのに、この立体感の表現もすごい。『ここまで彫らなきゃいけないか!』という、職人の執念というか、魂を見せられた思いです。
宗教の事は良く解りませんが、最近のヘンテコリンなモノはいけませんね。見てもウンザリするモノが多いです。

投稿: shiro | 2005/08/11 23:45

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