尊仏の土平
7月5日
尊仏の土平へ行ってきました。
丹沢の山の奥。誰も訪れない場所。
寄から鍋割山を越えて、4時間歩いてやって来ました。
誰もいない。何にも無い。山奥には不似合いなだだっ広い河原。ただ石がゴロゴロとしているだけの荒涼とした景色。
なんだろう・・・この変な空間。 美しいわけではない。劇的でもない。だけど決してありふれた景色ではない。何か・・・はっきりわからないけど何かが、心に引っかかる風景。
不思議な場所だ・・・尊仏の土平。
ところでこの“尊仏の土平”、なんて読むのでしょうか?
私はよくわからないままずっと『そんぶつのつちひら』と読んでいました。が、数週間前ウィキで『そんぶつのどたいら』と読むことを知りました。
どたいら!!
これは衝撃でした。「“どたいら”と読むか!? “どひら”ならまだしも“どたいら”か!?」それ以来、“どたいら”が頭から離れません。これは一度行ってみなくてはなるまいと。この目で“どたいら”を確かめてみなくてはなるまいと。それがこの日、この場所を訪れた理由です。
尊仏の土平、丹沢歩きをしている人ならきっと知っている名前です。玄倉林道の終点で、塔の岳の登山道入り口が有る場所です。
これは私の想像ですが、玄倉林道に一般車が入れた時代には、きっと賑わっていた場所なのかもしれません。ここまで車で入ってくれば、塔の岳へは最短で登れます。あるいは丹沢山や蛭が岳へ登るのも最短でしょう。キャンプやバーベキューを楽しむ人々も多かったのかもしれません。
玄倉林道の一般車の通行が禁止になってから、次第に訪れる人が少なくなったのかなぁ。そんな事を思いながら、しばらくの間ただボーっと眺めていました。この殺伐とした風景を。
帰途は雨山峠へ向かって、しばらく玄倉林道を歩きます。かって車が通っていた頃の名残、倒れ掛かったカーブミラーが物悲しい。今は岩がゴロゴロとしていて、工事車両でさえも通れそうもありません。
車どころかこの玄倉林道、今は歩行者ですら通行禁止なのです。途中のトンネルが崩壊の危険が有るのだとかで、その区間が完全に閉鎖されています。
そして尊仏の土平は、完全に取り残された場所になってしまったのです。玄倉林道が通れなくなってしまった今、行くのが厄介で、行ったところで何も無い場所。だからきっと誰も訪れる事が無い場所。
このまま、忘れさられて登山地図からも消えてしまう名前かもしれません。でも、僕は忘れない。きっとまた、ここへ戻ってくる。何も無いけど、何かが心に引っかかる場所・・・・それが尊仏の土平。
誰とも会わない林道をのんびりと歩く。傍らではイワタバコの花が揺れていました。
ああ・・・もうすっかり夏なんだなあ・・・。
オマケのコーナー
今週の『これってどうなの?』
鍋割北尾根の途中で見つけました。木に缶スプレーで書いた道標。
ハイキングコースではないバリエーションルートを、私のような読図未熟者が歩く時、目印のリボンやスズランテープ、ましてや手書きの道標は本当にありがたい。山の中でいつも感謝しています。
だけどこれはどうなの? 強烈な違和感を感ぜずにはいられません。樹木に直接缶スプレーは無いだろう?
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